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上原ゼンジ


「街道リぼん」で写真展をやります。今週末の6月25日(金)から27日(日)までの3日間。元々この「街道リぼん」の会期というのは変則的で、金土日の3日間を2回、計6日間やるというのが基本単位になっている。働きながら写真展をやる人も多いし、凝縮してやるという感じですね。


元々「街道」は尾仲浩二さんが運営していたギャラリーだけど、今年からは若い女性写真家、松谷友美さんと佐藤春菜さんが引き継いで運営している。この辺りの話は、このギャラリーが生まれた頃にちょっと書かせて貰った。そして今年の春にお二人から企画展の話をいただき、ありがたくお引き受けすることにした。会期は短いけど、毎日顔を出すつもりなので、私のツラを見てみたいとか、話をしてみたいという方はぜひお越し下さい。


尾仲さんとの付き合いは1986年から。私が「FOTO SESSION’86」という写真のグループに参加して、月に一度森山大道さんに写真を見ていただいていた時に、先輩としてほぼ毎回その例会に現れていた。ちなみにもうお一方、顔を出していた先輩が山内道雄さんだ。


私はそのFOTO SESSION’86に参加し始めて一年もたたないうちに、当時勤めていた本の雑誌社を辞めてしまったんだけど、それはもう少し写真を撮る時間が欲しくなってしまったのと、森山さんがあまりにもカッコ良かったからだ。写真で食っていこうとかいう話ではまったくない。当時は景気も悪くなかったから、まあ何とかなるだろうという、ぐらいの気持ちで退職してしまい、今日に至る、というわけだ。


今、尾仲さんが「デイズフォト通信」で「あの頃、東京で…」というエッセイの連載をしているのだが、ちょうど当時の話がネタになっていて面白い。森山さんや尾仲さんが、自分自身のギャラリーを立ち上げた頃の話だ。尾仲さんと交流はあったものの、当時の裏事情も分かり、興味深く読ませて貰っている。そして改めて当時のことを思い返してみると、かなり面白い時期に、ディープな現場に居合わせたのかな、という気がしてきた。


私は1987年になってすぐに会社を辞めたのだが、その年に森山さんは渋谷に自身のギャラリーである「room801 森山写真研究室」を作った。そして、そのギャラリーの内装工事を仕切ったのが尾仲さんだ。CAMPやFOTO SESSION関係の人間が手伝いに集まったのだが、私もペンキ塗りの日に手伝いに行った。


その時、工事で出たゴミを入れるための袋が余ったので、その袋を森山さんから譲り受け、しばらくの間森山大道モデルのコインランドリー袋として愛用していた。いや、ただ土のうを作ったりする時に使う袋だし、森山さんが買ってきたもんでも何でもないんだけど、なんか森山さんの所から貰ってきたというのが嬉しかった。


同じ年に、尾仲さんが西新宿の成子坂下にギャラリー「街道」を作った。そして山内道雄さんと瀬戸正人さんが四谷四丁目に「Place M」を作った。自主ギャラリーというは、それ以前からもあったけれど、その後の影響のことなどを考えると「room801」「街道」「Place M」が生まれた1987年というのは、日本の写真史の中でも重要な年だったんじゃないかと思う。写真評論家には、ぜひこの辺の話をまとめておいて欲しいなあ。


自主ギャラリーというのは、写真家個人や写真家グループが主体となって運営しているギャラリーだけど、メーカー系のギャラリーと違って、自分が発表したい写真を発表したい時期に公開できるというメリットがある。メーカー系のギャラリーだと、審査があったり、ずうっと先の話だったりするでしょ。


そんな自主ギャラリーでは夕方になるとアルコールが登場する。私の周りの写真家というのは、シャイな人が多いけど、夕方になり、アルコールが入るにつれ饒舌になっていく。そして、昼間はおとなしかった人達のテンションがだんだんと上がってゆき、翌朝まで写真について語り合うという状況もよくあった。


写真集専門の出版社であり、書店であり、ギャラリーである蒼穹舎の代表である大田通貴さんが道を誤ったのもこの年で、たまたま初めて行った「room801」で酒宴が始まり、そのまま朝まで写真について語り合う、という洗礼を受けたことが、その後の人生を変えたようだ。


当時はただ写真が好きで、ギャラリーめぐりをしていた青年だったのに、新宿御苑の蒼穹舎で写真集に囲まれている大田さんを見ると、あの頃、あの場のエネルギーって、何か凄かったんだなあと感じさせる。


・デイズフォト通信
http://www.daysphotopress.com/
・蒼穹舎
http://www.sokyusha.com/


今回の展示は「街道リぼん」の「大部屋」という名の四畳半のスペースで行われる。あんまり大きな花とかいただいても飾れないから、花はけっこうですよ。ドン・キホーテの「具だくさんラー油」はいいかもしれません。って、ギャラリーじゃ、食えないか。じゃあ、スイーツがいいかな。


ネタは「宙玉レンズ」「手ぶれ増幅装置」「歪みガラスの向こうの世界」あたりをやろうと思っている。って、もう明後日だというのに何も準備ができていない。搬入の当日はワールドカップの日本対デンマーク戦もあるしけっこう危険だな。


写真展の会場には、蛇腹レンズや宙玉レンズなんかの工作物も持っていくつもり。宙玉レンズは販売もします。お客さんが少なければ、蛇腹の折り方教室もやりたいな。まあ、いろいろサービスしますんで、ぜひ、お越し下さい!


◇上原ゼンジ写真展「手ぶれ増幅装置、その他の実験」
会期:6月25日(金)26日(土)27日(日)13:00〜19:00
会場:GALLERY街道リぼん 
http://www.zenji.info/news/ribbon.html


◇宙玉レンズの販売について
ようやく供給が追いついてきました。
http://www.zenji.info/cn21/pg243.html


【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
http://www.zenji.info/
http://twitter.com/Zenji_Uehara

“「街道リぼん」で写真展”には1レスポンス

  1. 「街道リぼん」で写真展 http://bit.ly/cJmmZO

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