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●タイトルにひかれて横山泰子「妖怪手品の時代」を読む(青弓社、2012)。この聞き慣れぬ言葉の定義は「幽霊出現などの怪異現象を種や仕掛けによって人為的に作り出す娯楽」である。時代とともに大掛かりな見せ物になっていく、江戸享保年間から明治までの過程を、豊富な史料を用いて解説し、さらに同時代の中国やヨーロッパのそれと比較する。


著者の大学・大学院での専攻は日本文化史、比較文化で、現在は法政大学理工学部教授だ。本書は江戸時代の手品の解説書(伝授本)の図版や注が多く、内容は難解ではないが学術書に近い。でも、種明かしを読むと案外たわいなくキテレツ揃いなので楽しい。


つまり、妖怪手品の時代とは、人間の批判的精神のもと、恐怖の対象だった妖怪が娯楽の対象になった時代なのだ。妖怪手品は批判精神と平和な時代の産物である。と、著者はまとめる。わたしが一番興味をひかれたのが「妖怪手品師・江戸川乱歩」の章だ。


乱歩は「探偵小説は手品文学」という説を展開する。探偵小説の謎は一見不可思議、かつ不可能に見えるが最終的には解明できる。謎解きの遊戯ともいえる。「乱歩の作品は文学の形をとった手品の解説本、すなわち伝授本の小説版といえる」とまで筆者はいう。乱歩は探偵小説の本質を「子供らしさ」と見ていたという。


そこで、子供のころ読んで怖くて半泣きの記憶のある「青銅の魔人」を、図書館の子供の本棚から借りて来て、あっという間に読了した。青銅の魔人は神出鬼没だ。いつの間にか密室に現れ、煙のように消える。種明かしを読むと、たしかに不可能が可能になっている。だが、子ども騙しのトリックばかりである。子ども騙しなんだから、小学生のわたしがコロッと騙されたわけである。だが、怖くて怖くて夜オシッコに行けなかったのは「青銅の魔人」ではなかったようだ。すると、横溝正史の「鋼鉄魔人」だったのか? 探してみよう。(柴田)


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●おしゃれなパン屋さんで。6枚切りのパンがなかった(大阪では6枚切りの方が売れるよ)。聞くと、ありません、だけだった。ファストフード店で、ある商品のセットがあるかどうか聞いた。ありません、だけだった。


本屋内の検索システムでプリントアウトした紙を持って商品を探したけれど、見つからなかった。近くにいた店員に紙を見せたら、めんどくさそうに移動して探し、ありませんね、と言った。今はあっさりした接客の方が好まれるのだろうか。取り寄せや代案を提案してくれたら、あ、それでいいです、となったかもしれないのにな。


近所の総合ショップ(ホームセンターみたいなもので何でも売ってる)にスコップを買いに行った。見つからないので店員さんに聞いたら、売っているであろうコーナーまで行って、切らしてますね、すみませんと言った。言われたのはこれだけ。いつ入荷だとか取り寄せしましょうかとかそういうのはなし。


階下のお花屋さんで聞いてみた。一度もここで買ったことはないし、足を止めたこともない。年配の女性が、ここでは売っていないけれど、駅前のファッションビル内にある100均にならありますよと教えてくれた。そのうえファッションビルの場所まで説明しようとしてくれた。今度切り花が必要な時にはこの店に行ってみようと思った。


年配の男女の方が総じてパワフル。取り寄せ、代案、競合店の紹介までしてくれる。飲食店でもプラスαのことをしてくれたり。若い子でそれができると、このまま育って欲しいなぁと思ったり。(hammer.mule)

“編集後記………10月17日(水)”には1レスポンス

  1. 「今はあっさりした接客の方が好まれるのだろうか。取り寄せや代案を提案してくれたら、あ、それでいいです、となったかもしれないのにな。」非常に同感。店員とは斯くあるべし。→ 日刊デジクリ|編集後記|10月17日(水)3352号 http://t.co/FdmWmLRp

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