●「川口の匠vol.2 美しきフォルム」展で二番目番関心があったのは立野竜一だった。フリーランスのデザイナーとして、商品の欧文ロゴタイプや欧文書体などをてがけ、2003年に制作した書体“Pirouette”は国際書体コンテストでディスプレイ部門の1stプライズを受賞し、2004年ライノタイプ社(ドイツ)からリリースされた。カリグラフィーをベースにしたディスプレイ書体で、大文字が2本線で構成された特徴のあるデザインだ。
立野は〈響〉や〈角瓶〉など、サントリー製品の欧文ロゴタイプを制作している。彼の名前も作品も知らなかったが(ウイスキーを飲まないからロゴをしげしげと観察したことがない。むしろ〈響〉の漢字のほうが気になる)、展示された欧文書体やカリグラフィを見るとその美しさに圧倒される。いいものを見せていただきました。
この展覧会の解説用に作られたものだと思われる、ロゴタイプ制作の実際をビデオで見る。白紙を左手で押さえ、右手で軽快に書いていく。意外にも方眼を使わず、文字の上下に基本となる平行線があるだけだ。少しづつ直線・曲線がつながっていく。
この作業が何回も続けられ、最終的なスケッチをモニター上でデータ化していく。パスの作業ではただ線に沿ってなぞるのではなく、あえて文字のサイズより大きな曲線を組み合わせながら形を整えていく。これらの工程は実践の積み重ねによる立野のオリジナルらしい。
わたしは大学時代に自転車とレタリングを両立させて部活してきた。和文はいちおう描けたが、欧文の手描きは苦手だった。コンパスや定規をつかってなんとか基本形を描くことはできたが、文字の配置などはお手上げだった。ただ、和文・欧文とも文字を見る目は養成されたとみえて、数10年後にフォント関係の取材や執筆に役立った。明朝体、ゴシック体はいまでも書ける。(柴田)
http://www.evergreenpress.jp/
立野竜一サイト。“フーツラにはナチスのイメージがあるため、ドイツやイスラエルでは使用タブー”という話に伴う具体的なエピソードを詳しく調べ、それが本当にあったことなのかを検証した立野のレポートは興味深い。
●続き。カンカンいう音が気になるので、北海道大物産展をのぞいた。あれ何だったんだろうと、あとで思い出すのがいやなのだ。イカを乾燥させる機械だった。試食のさきいかをもらったら、出来立ての半生の風味といい、口に含んだ時のじわっとくる味といい、最高であった。欲しい、買う。
元からイカ類には目がない。子供の時から好きで、お祭りに行っても、りんご飴やカステラ、綿飴は欲しがらず、イカの姿焼きを食べる子であった。買い食いはしないほうだったが、駄菓子屋で買うのは、チョコではなく、串に刺さったイカ類(主にゲソ)であった。
だから、この子はお酒に強くなるだろうと言われ続けていたが、そうはならなかった。父の田舎では漁港から水揚げされたばかりのイカを、祖母が買ってきて、すぐに調理してくれたものを毎日食べていた。いま思えば、毎日イカのお造りをお腹いっぱい食べていたなんて贅沢な話だ。
その私が、一目惚れならぬ、一口惚れ。半生タイプは日持ちしないから、お店には卸せないとのこと。冷凍すれば三か月は持つけれど、風味が変わるそうだ。半生タイプがお店にないことはないけれど、こんな味じゃない。出来立てだからか? 買って二日経った。やはり風味は落ちつつあるがまだイケル。(hammer.mule)
http://www.sonefoods.com/dry
ソネ食品のさきいか
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007KYGZHG/dgcrcom-22/
こういう串にささったイカ
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