●北上次郎×大森望「読むのが怖い!Z 日本一わがままなブックガイド」(ロックング・オン、2012)を読む。「読みたいものしか読まない大御所」北上と、「理論&バランスの知性派」大森のかけあいが絶妙のブックガイドだ。2008年から2012年の全169冊を俎上にのせてのお笑いトークバトルを展開する。見巧者がここまで褒めてるんだから、ちょっと読んでみようかと何冊かをメモし図書館で借りる。新刊ではないからあっさり手に入る。
その一冊が志水辰夫の時代小説「夜去り川」(2011、文藝春秋)だ。この作者、素敵なタイトルの本が多く、初期の頃はいくつか読んだが最近はごぶさたしていた。それにしても意味不明な今回のタイトル、なんとなくロマンチックだけど。「読むのが怖い!Z」でも指摘されているが、始まってしばらくは誰の視点かわからない。それがわかったあとも、その男がなんために渡し守に身をやつしているのかわからない。全体の半分近くなって、その男の旧友が訪ねて来て、会話から彼の目的がわかる。
前半は渋く読ませる。渋過ぎてちょっと退屈。後半は徐々に盛り上がって、最後は満足のエンターテインメント。少しずつわかっていくという書き方は作者が意識したものだという。女性キャラがとても魅力的だ。若くして亭主をなくした大店の娘とその母、幼なじみの娘とその母、それぞれいいキャラだが、とくに母親がすばらしくいい味を出している。北上によると、作者・志水の理想の女性像だという。ナイスな大年増たち。
大森「時代小説読者の、特に中高年にとっては、非常に心地よい世界になっていますよね」北上「いわゆる時代小説の読者は、これ、あまり惹かれないような気がする。むしろ、時代小説を読んだことのないような、中年から初老にかけての男性が読んだほうがいいと思う」ということで、年寄りが読んでみました。男女のめんどうくさいアレコレがないところがいいな。(柴田)
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●iPhoneアプリの『QuickLog』にはまる。いや、突破口が欲しくて流浪っているうちのひとつ。これはWebサービスの『Toggl』のように、タイムログがとれるアプリ。立ち上げると直径2cmぐらいのブルーグレーの二重丸があって、タップすると時間計測が始まる。計測中は二重丸はピンクになり、数値が上がっていく。再度タップすると、ブルーグレーに戻り計測終了。マルチタスクなので計測中に他のアプリを触れる。
計測中、計測後に「タグ」「メモ」を記入できる。なくてもかまわない。計測後には開始時間や終了時間の編集ができる。「タグ」は一度つけたものは候補が出てくるし、リストからも選べる。タグなので複数の選択が可能。メモはテキストによる自由記入。たとえばタグを「仕事」「クライアント名」「Flash」とし、メモには気になったことや、仕事内容を書いておく。右上にあるカレンダーアイコンをタップすれば、カレンダーが出てきて、日別の活動状況が見られる。続く。(hammer.mule)
http://quicklog.polygon-house.com/ja/ QuickLog公式
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