●8月15日深夜、NHKが「日本怪談百物語」を3時間半にわたって放送した。当然、リアルタイムで見ていられるわけがなく、後から何回かに分けて鑑賞した(仕事しながらBGM代わり)。一龍斎貞水(講談師・人間国宝)、加賀美幸子(フリーアナウンサー)、蟹江敬三、小倉久寛、緒方恵美(声優)、国生さゆり、山崎バニラ(活動弁士)ら10人の語り手が、怪談をひとつ話し終える毎にろうそくの火をひとつずつ吹き消す。「100本のろうそくすべてが消えたとき、闇に真のもののけの姿が浮かび上がる」という。これが百物語のお約束。蟹江の「のっぺらぼう」から始まり、百番目の貞水「置行堀」まで、よく知られた古典的な怪談だけで構成されていた。「四谷怪談」「雪女」など、2人の語り手の朗読芝居みたいのもあったが、ぜんたいにかなり退屈で、3時間半ぶっ続けで見るのはつらいと思う。全然こわくなかったし。一番見たかったのは、100本消えた闇の中の怪異だったのだが、何も起らずあっさり終わる。何の説明もない。期待もたせた前口上はなんだったんだ。しかし、何も起らないのは理由がある。語られたのは百話ではないのだ。百話揃えたのならたいしたものだが、じつは何割かは手抜き。「本所七不思議」「経本百物語」「画図百鬼夜行」などのほか、日本各地に伝わる妖怪や怪異のそれぞれの一枚絵を、簡単に解説するだけで一話扱いにしていたのだ。これでは、魔界との契約を満たしていない。……そして、8月30日、正体を隠した「鵺(ぬえ)」のような妖怪政党が日本全土を席捲する。嗚呼、鵺の鳴く夜は恐ろしい……。(柴田)
●引っ越しの準備をしているのだが、なかなか時間がとれない。夏休み中にと思っていたのだが、「写真を楽しむ生活」サイトでほとんどとられてしまって放置気味。引越し先ではゆったり暮らしたいので、いま使うもの、後日探せば手に入るだろうもの、仕事に差し障るもの以外は捨ててしまいたいのだが、なかなか捨てられないのよね。ケーブル類にはSCSIのものまであって、いくらなんでも使わないだろうと捨てる。大量にあるUSBケーブルも数を減らす。外付装置を買うたびに三種ぐらいついてくるのだ。ACアダプターは、どれがどれのものやら……。今使っていないってことは、基本不要品ってことなんだけどさ。メーカー名の入っているACアダプターが嬉しい。ビデオテープ、カセットテープも大量に捨てる。タイトルを見てしまうと置いておきたくなるので、見ないようにして捨てる。服も何シーズンも着ていないものがあるのだが、気に入らない服ほど着ていないため、汚れていないしくたびれもしておらず捨てるのに罪悪感が。毎シーズン服を買うタイプではないし。そんな私がいま読んでいる本は金子由紀子さんの「持たない暮らし」。無ければ無いでどうにかなる、一年に数度しか使わない客用布団のために残りの日数を狭く暮らすことになる、無料で貰えるものより気に入ったものを買う、買うより捨てる方がエネルギーがいる、収納下手こそモノを減らす、など。モノで悩むぐらいなら少ないほうがいい、と読んでいる時は思うんだけどさ……。(hammer.mule)
http://www.aspect.co.jp/kaneko/
金子由紀子さんインタビュー
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757213212/dgcrcom-22/
アマゾンで見る(レビュー23件)