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カテゴリ ‘デジアナ逆十字固め…/上原ゼンジ’ のアーカイブ

上原ゼンジ


Facebookのタイムラインに次のような「近況」が流れてきた。


「所沢市では、市内の小中学生全てに金環日食を観察する機会があります。この取組みを全国に広めたいです。『日食観察会@所沢』」


コメントの主は、天体望遠鏡や顕微鏡などのメーカーであるビクセンの社長の新妻和重さん。ご自身のブログにリンクが張られており、今年の5月21日に見られる金環日食について書かれていた。要旨は金環日食が見られるのは7時30分ぐらい、ちょうど通学時間に当たってしまうため、きちんとした観察会をセッティングして、子供たちに見せてあげられないだろうか、ということだった。


ビクセン本社のある所沢市では、校長会が理解を示してくれ、市内の全小中学校で観察会が開催されることになった。できればこの取組みを全国に広めたいという話だ。今年金環日食があるということは知っていたが、それが通学時間に当たるということは知らなかった。


所沢市はお隣の市だが、残念ながら我がふじみ野市ではこのような動きはない。しかし、うちの今年中学に上がる娘にもぜひ見せてやりたい。当日は彼女の誕生日でもあるので、実現すればいい記念にもなるだろう。そう思うと私はいても立ってもいられなくなり、ふじみ野市役所に乗り込んで市長に直談判をした。


というような行動力は残念ながら持ちあわせていないので、市の広報にメールをしてみた。でもそれではちょっと足りなそうだ。そう言えばふじみ野市の市議会議員さんからFacebookでフォローをされていた。こういう時は議員さんに陳情すればいいのだろうか? と思ってFacebookでメッセージを送ってみた。するとしばらくして、次のようなコメントがタイムラインに流れた。


「全小中学校で『金環日食観察会』を実施したいと思います。みなさまどう思いますか? ぜひ覗いてみてください。」


リンクは仙田さだむ議員のブログにつながっており、市に日食観察会の提案をしてくれたようだ。ありがとう仙田議員! あなたのことは忘れません。そしてマーク・ザッカーバーグさんにも感謝します。


登校途中の子供たちが肉眼で太陽を見てしまうと危険だし、世紀の天体ショーをじっくりと観るためにも、日食観察会が全国に広がっていくことを私も望みます。ビクセンでは社員が日食を見られるように、この日は金環日食休暇にするとのこと。子供ばかりではなく、大人だって見てみたいもんね。


「521金環日食観察会」を広めようという取組みに賛同していただける方は、ぜひ、学校や市や議員さんやマスコミなどに働きかけをしていただければと思います。金環日食休暇にして欲しい人は、社長さんに直談判してみてください。当日は晴れるといいですね。


◇「521金環日食観察会」を全国に広げよう!
http://www.zenji.info/column/eclipse.html


◇日食観察会@所沢/びっくりビクセンBlog
http://ameblo.jp/vixen/entry-11139843487.html


ついに「宙玉レンズ for iPhone」登場か?!


来月の頭にはカメラ関係のイベントである「CP+」と印刷、メディア業界のイベントである「page2012」が開催され、期日がもろにバッティングしている。私は両方とも顔を出そうと思っているのだが、CP+の方では間に合えば「宙玉レンズ for iPhone」の発表をしたい。


これはギズモショップから声をかけて貰って製作中なのだが、試作が上がるのがイベントの前ギリギリになってしまう。だから試作の出来が良ければ手にとってもらえるし、出来が悪ければアクリルケースの中に陳列。人様に見せられるようなものにならなければ、イメージ画の展示、という感じでしょうか。


この宙玉レンズは「ZENJIX」というブランドから出す予定。「ZENJIX」では3カ月に一点ぐらい新製品をリリースして行きたいと、さっきSkype会議でギズモショップの社長が言ってたんだけど、本当にそんな展開になるのでしょうか(笑)


でもこのギズモショップの清家英明社長はいろんなアイディアを持っているので、話していると凄く面白い。最近だとカメラ型のiPhoneケース「iCA」が発売になり、けっこう話題になっている。これはただケースにカメラのデザインがプリントがしてあるわけじゃなくて、レンズ部分(偽物)が本当に出っ張っていたりするので、かさ張って邪魔。だけどストラップを付ければ、首からぶら下げられるようになるという冗談のような製品。


ファインダー部を覗いて撮影できたり、シャッターを押すと本当に写真が撮れるというところがけっこう楽しい。またこれからこのケースに取り付け可能なフィルターやレンズ類がいろいろと登場する予定だが、その中の一つに宙玉レンズもラインナップされており、iCAに宙玉レンズがねじ込み式で装着できるようになるはずだ。


他にも海外の変わったカメラやレンズを扱っているので、CP+に行かれる方はぜひブースを覗いてみてください。もしかしたら、私も商品説明をしているかもしれません。


◇ギズモショップ
http://www.gizmoshop.jp/
◇CP+
http://www.cpplus.jp/


「page2012」は日本印刷技術協会主催で今年25回目を迎える老舗イベント。さまざまなメーカーやベンダー企業が出展する大規模なイベントだが、セミナーでは印刷、DTPの話ばかりではなく、電子書籍やデジタルサイネージの話など、最新のネタもいろいろとある。


私は「電塾+年に一度のJPC合同大勉強会」というオープンイベントで、「個別プロファイル解禁!?日本の印刷は専用プロファイルで上手くいく」という話をさせていただく予定。これは昨年出版された「写真の色補正・加工に強くなる〜レタッチ&カラーマネージメント知っておきたい97の知識と技」という本を印刷した時の、カラーマネージメントワークフローに関する話。


紙質があまり良くない紙の場合、なりゆきで色は沈んでしまうというのが常識ですが、その用紙の個別プロファイルを作成すれば、それなりに色はマッチするよ、という話。無駄な色校正も減るので、コストの削減にもつながります。タダなので、興味のある方はぜひどうぞ。


◇「電塾+年に一度のJPC合同大勉強会」
http://www.jagat.or.jp/PAGE/2012/session/session_detail.asp?sh=5&tr=10&se=45
◇「page2012」
http://www.jagat.or.jp/PAGE/2012/


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com < http://twitter.com/Zenji_Uehara >
上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/ >
Soratama – 宙玉レンズの専門サイト
< http://www.soratama.org/ >
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< https://www.facebook.com/zenlabo >

上原ゼンジ


PHOTOGRAPHER HALさんの写真展「Flesh Love」(ギャラリー冬青)を観てきた。同シリーズは、今年の5月にニコンサロンで行われたものも観たが、ニコンサロンでは大判プリントだったのに対し、今回はコンパクトなサイズにプリントして展示を行なっている。同じシリーズでも、サイズの大小で与えるイメージ変わってくるのでなかなか面白い。


「Flesh Love」の撮影はカップルを布団の圧縮袋に入れて空気を抜き、食品の真空パックのようにした状態で行われる。ヌードの場合もあるし、派手な衣装に身を包んでいる場合もある。被写体はある時点から息を留めているので、2〜3回シャッターを切ったら、すぐに袋を開けて解放する、というかなり緊張感のある撮影現場になるとのこと。


この写真の面白いところは、撮影前に服装やポーズなどの打ち合わせはするものの、圧縮することよって変なふうに体が歪み、想定外の状況になってしまうということだ。やっぱり絵コンテを書いてそれをなぞるような写真よりも、偶然の面白さが加わった方が、写真は魅力的になる。またストロボ光がビニールで反射する様子がチープでポップで艶かしい。


同シリーズは写真集にもなっているが、iPad版が出来たということで、帰ってから早速ダウンロードしてみた。このiPad版もなかなかいいです。いい理由はiPadの光沢感のある液晶画面に、作品がマッチしているということ。ビニールのテカリ感は紙に再現するよりも、iPadで観るほうがよりリアルな感じになる。


それに紙は光らないけど、iPadは光るということも大きい。今後ディスプレイの輝度がさらに上がったり、広色域化したり、解像度が上がったりすることを考えれば、ディスプレイで鑑賞した方が面白い写真というのも増えてくるんだろうなと思わせられた。また、この撮影のメイキング映像なども含まれているのでおすすめです。


今回はちょうどHALさんにも会って説明していただけたので、より面白く観ることができた。在廊予定は冬青社のサイトにアップされるので、できたらご本人の説明を聞きながら鑑賞することをおすすめします。


PHOTOGRAPHER HAL「Flesh Love」
会期:12月2日(金)〜12月24日(土)日月祝休
会場:ギャラリー冬青(東京都中野区)
http://www.tosei-sha.jp/TOSEI-NEW-HP/html/EXHIBITIONS/j_exhibitions.html


◇Photographer’s File #9(デジカメWatch/HARUKI)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/culture/photographer/20111202_495506.html


被災地域のストリートビューが公開


Googleにより、東日本大震災の被災地域のストリートビューが公開された。これはストリートビュー撮影車を使って被災地域を周り、震災の前と後の様子をパノラマ写真によりアーカイブ化し、公開するという試みだ。


◇未来へのキオク
http://www.miraikioku.com/streetview/


私は被災地を訪れていないので、写真や動画でしか被災地の状況に触れていないわけだが、あらためてGoogle Mapでパソコンを操作しながら現地の状況に接してみると、あまりに規模の大きな災害だったことにに驚かされる。


初めにストリートビューで現地のパノラマ写真にアクセスした時は、一見普通の風景にも見えた。しかし、元々家やビルがあった場所に何もなくなり、瓦礫ばかりが積み重ねられている状況に気づくと愕然とさせられた。


そしてその光景が360°つながっているのだから、平面の写真とはまるで臨場感が違う。またすでに道路は開通して車も写っていたりするので日常感もあるのだが、それがかえって恐ろしさを増幅させる。


通常報道写真というのは、撮影者が意図を持って四角いフレームに収めるわけだが、撮影者が自分のイメージに合わせて切り取った非日常的な光景よりも、ストリートビュー車によりオートマティックに撮影されたパノラマ写真の方が、よりリアルに感じさせられる。


震災直後には、海外からたくさんのカメラマンが訪れて震災地の写真を撮っていった。そして、それらの写真が掲載された海外のWEBサイトでは、日本のメディアではあまり見かけないような報道写真が見られた。たぶんあの時期の日本には、世界中の著名報道カメラマン達が集結していたのだろう。


それらの写真を見て、クオリティーの高さにびっくりするとともに、何か違和感を覚えていた。報道カメラマンとしては当たり前のことだと思うが、その場の光を生かし、構図がバッチリ決まった写真はどこかウソ臭く、逆にリアリティーが損なわれているように見えたのだ。


もちろん360°のパノラマ写真によって一瞬を切り取るスチル写真が駆逐されるとは思わないが、閲覧する側が能動的に見たい場所を選び、拡大できる機能というのは非常に魅力的だ。また、とりあえずムービーやパノラマで撮影しておき、後から瞬間や部分を切り取るという手法は一般的になっていくんだろうなと思わせられたのだった。


尾仲浩二「海町」展


尾仲浩二さんの写真展「海町」がギャラリー街道で開催される。これは尾仲さんが20年前から撮影してきた三陸地方の写真をセレクトした展示。キャビネサイズの写真をは一点10,000円で販売し、売り上げの50%を今回の震災で親をなくした子供たちへの一時金、奨学金「あしなが東日本大地震・津波遺児募金」へ寄付されるとのこと。


会期:12月17日(土)/18(日)・23(金)/24(土)/25日(日)
会場:ギャラリー街道(東京都杉並区)
http://www.kaido-onaka.com/これからの展示-upcoming/尾仲浩二-海町/


「第15回写真家達によるチャリティー写真展」への参加


私もチャリティー写真展に参加させていただく。こちらは225名の写真家のオリジナル作品を展示、即売するもの。やはり一点一万円で販売されるが、その場で持ち帰りとなるので、興味のある方は早めのご来場をお勧めします。
http://www.stbears.com/pvj/


「第15回写真家達によるチャリティー写真展」
12月16日(金)〜18日(日)10:00〜19:00
富士フイルムフォトサロン・東京(東京都港区)
http://www.fujifilm.co.jp/photosalon/tokyo/s12/111216012.html


「写真家達によるチャリティー写真展15 Part.2」
会期延長で、12月21日(水)〜25日(日)10:00〜19:00
フレームマン・ギンザ・ショールーム(東京都中央区)
http://www.frameman.co.jp/ginzasalon.html


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デジカメWatchに『「トイ蛇腹レンズ」を作ってみよう 〜世界でただひとつの描写を手に入れる』というテキストを書いた。この連載を以前から読んでいただいている方はご存知だと思うが、蛇腹レンズというのは、デジクリでテキストを書きながら進化してきたネタだ。


今、デジクリ(写真を楽しむ生活の姉妹メルマガ)のサイトで調べてみたら、最初に蛇腹が登場するのは、2006年8月17日号で「蛇腹一号大失敗」という話を書いている。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20060817140300.html


そうそう、一番初めに作った時はうまくいかなかったんですよ。カッコイイ蛇腹レンズが完成して、いざメラのボディに取り付けようと思ったら、付かなかったんだよね。5年前の文章だけど、すごくフレッシュ感じがするなあ。最近は白髪も増えてきたし、文体も変わってきたようだ。


この後、手ブレ増幅装置だの、宙玉レンズだのを開発し、いろんなことにちょっかいを出してはきたけど、蛇腹に関してはいまだに進化しているし、もうちょっと広がりが出てもいいかなと思っている。


進化した部分で言うと、袋蛇腹というのと、広角レンズというのが加わった。袋蛇腹というのは、まあ袋の蛇腹ですよ。って何の解説にもなってませんねw。写真の方をご覧ください。紙を幾重にも紙を折り畳んでいくんじゃなくて、袋一つで蛇腹代わりにできないかと思って取り組んだ方法だ。


蛇腹を折るという行為には、はっきり言ってハードルがあると思う。やってみると簡単な折り紙レベルなんだけど、「手前のような者が蛇腹を折るなんて、めっそうもございません」というのが、ごく一般的な反応だろう。そこで、誰もが簡単に蛇腹レンズを作ることができないだろうか? と、ずうっと考えていた。


そんなある日のこと、私は池袋のディープな中国料理店で小龍包に舌鼓を打っておりました。ぼんやりと小龍包の形状を見ていた時、ついに閃いたのです。そして「ΕΥΡΗΚΑ」(ヘウレーカ)と叫びながら、皿に盛られていた小龍包をむんずと掴み、持っていた一眼レフの交換レンズをはずしてボディの中にいきなり突っ込みこそしませんでしたが、小龍包の形状を仔細に眺め、設計図を頭に思い描きました。これが、小龍包式袋蛇腹誕生の逸話にございます。


たまに「いろんなことをよく思いつきますね」とか「どういう時に思いつくんですか」とか聞かれるけど、ずーっと、こういうことばっかり考えてるんですよ。後はメシのことと。だから私の頭の中を割ってみると「写真、写真、写真」というのと「メシ、メシ、メシ」というので構成されているということが分かります。


写真のことを一生懸命考えていても、時間がきたらお腹が空きます。そしたら頭の中は一瞬にしてメシにスイッチします。考えごとに集中していて、食事を忘れてしまうということはありえません。身体の欲求に対し、ひじょうに従順な人間であると言えるでしょう。


・袋蛇腹の次は広角化


蛇腹レンズの広角化に成功したのはつい最近のことだ。このトイ蛇腹というのは、レンズを一枚だけ使って写真を撮る、というのがポイントだけど、難点としては、あまり広角にはならないという問題がある。広角レンズっていうのは、焦点距離が短いですよね。だけど、あんまり焦点距離が短いレンズだと、レンズをカメラのボディーの中に入れないとピントは合わない。


凹レンズを使えば、広角にできるという話を聞き、何度か広角化への道を模索していたのだがなかなか思うようにいかず、頭から血の滲むような努力を重ねた結果、ついに35mm換算で35mmぐらいの画角になった。レンズに関する知識に乏しく、ただファインダーを覗きながら、レンズを取っ換え引っ換えするだけの力技だったので、まあ良くできたものだと思う。


ただし、今までは小さなプラスチックレンズを一枚使っていただけだったのが、大きめのガラスレンズを二枚プラスしたので、レンズは重くなり、紙製の蛇腹はダヨーンと伸びて、情けない姿になってしまった。かなり笑えるレンズになったが、別に笑えるレンズを作ろうとしていたわけではない。私はただ広角にしたかったのだ。


でも試し撮りをしてみたら、なかなかいい感じの描写になった。ここで言ういい感じというのは、ダメダメでいい感じということ。トイカメラやトイレンズはたくさんあるけど、ここまでダメダメ、かつ個性的な描写なのは見たことがない。このダメさ加減はトイカメラでもPhotshopでも無理。そんな描写のレンズが作れてしまうというのが、この工作の醍醐味だ。


プリントしたり、WEBにアップしたりという過程では、必ずPhotoshopを使うけど、あとからPhotoshopでいじり倒すというのは、あまり面白くないし面倒くさい。Photoshopで何でもできてしまうから、あえてPhotoshopではできないようなアナログ表現を模索する、というのが私のやろうとしていることなんだろうな。


◇デジカメWatchへの記事へのリンク
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/20110516_445566.html


◇早くも工作した人がいます/the Things give Pleasure
http://quack-quack.at.webry.info/201105/article_8.html


・関西電塾 上原ゼンジの実験写真術


関西電塾主催で「上原ゼンジの実験写真術」という講演があります。美学校で赤瀬川原平さんに習い、本の雑誌社で編集者として働き、森山大道さんに写真を見ていただき、実験的な写真を撮るようになった過程をお話ししたいと思います。宙玉レンズや万華鏡カメラ、トイ蛇腹レンズなどを持っていきますので、興味がある方はぜひお越しください。


http://i-digital.jp/kansai_denjuku/02/01-1/
http://www.2055.tv/irie/img/2011_05.pdf
日時:5月28日(土)受付 13:00〜
会場:株式会社2055(東大阪市中新開2-8-8 TEL.072-963-2055)
会費:一般5,000円、電塾/APA/JPS/WA各会員3,000円、
学生1,000円


・Facebookページも作ってみた


「上原ゼンジ写真実験室」のFacebookページを作ってみました。「いいね!」ボタンをクリックすると、ウォールの更新情報が表示されるようになります。
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上原ゼンジ


私が原発に関心を持ったのは、1987年に刊行された「危険な話」(広瀬隆)によってだ。ベストセラーになった本なので読まれた方も多いと思うが、原発の危険を説いた本で、読んだ当時は大変な衝撃を受けた。いつ日本の原発がメルトダウンしてもおかしくない、といった内容に「エライこっちゃ」と思った。


その後、テレビ朝日の「朝まで生テレビ!」で原発推進派と反対派が意見を戦わせるといった回が何度かあったが、興味深く討論を聞いていたことを覚えている。「危険な話」がきっかけだったので、最初はもちろん自分も反原発の立場で番組を視聴していた。原発を推進する頭が良くて弁の立つ科学者や政治家のことを、憎ったらしく思いながら見ていた記憶がある。


ただ、回を追うごとにそういった気持ちはすこしずつ変化していった。反対派の中には、まず反対ありきで、情報を曲げたり、非科学的なことを言ったり、エキセントリックであったり、という人がけっこういて、少しずつ気持ちが萎えていった。


いっぽう推進派の中にも、理知的で信じられそうな人もいたので、単純に「原発=悪」とは思えなくなっていった。積極的に付き合いたいとは思わないけど、仕方がないのかなあ、というふうに気持ちは変わっていった。


そして番組はいつも意見が平行線のまま終了となり、後味の悪さだけが残った。まず推進ありきで、都合のいい情報ばかり流すのではなく、かと言って反対ありきで話を誇張したりするのでもなく、バランスがとれた意見が聞いてみたいと思っていたが、そういった意見は残念ながら出てこなかった。そして、私は「原発で作った悪い電気」(by渡辺和博)を消費しながら、今まで生きてきた。


理屈ではなく、気持ちを優先させたい


今回、福島原発で事故に起きたからといって、原発反対派の人達から「ほーら、言ったでしょ」とは言われたくないし、今すぐ原発を全廃せよなどという意見にはまったく乗れない。鉄道や病院に電気が供給されなくなったら大問題だし、いちいちパソコンの電源を落とさなければならない計画停電は大きな負担だ。


しかし、今回の事故で学んだことを活かせば、より原発の安全性は高まるなどと言って、今までと同じように原発を使おうという意見がけっこうあるということにも疑問を感じる。原発はもういいから、他のエネルギーに変えていこうよ。時間がかかるかもしれないけど、そこに集中していけば道は開けるはず。


誰でも原発や放射能は嫌でしょ。だったら理屈ではなく、その「原発やだよ」という気持ちに従って、方針を決定してもいいはず。現状を考えれば原発に頼らざるを得ない、なんて無理に自分を納得させようとする必要はない。


「原発は安全である」というのが嘘だったように、「原発に代わるエネルギーはない」というのも不確かなことだと思う。嫌な原発を使い続けて、心の健康を失っていくよりも、新しいエネルギーの開発に心踊らせたい。まあ、オレが開発できるわけでもないんだけど……。


写真を提供します


被災地の人達の役に立つようなことができない私は、ここ最近春の花の撮影をしていた。まだ、花の美しさに心をシンクロさせることができない人達もたくさんいるだろうし、私の写真を見て、心を癒してくださいなんていう脳天気なことも言えない。でも何枚か気に入った写真が撮れた。


この春に撮影した写真は、できることなら復興支援に関わるビジュアル要素として、役立ててもらいたいと思っている。あるいはポストカードにして売上げを寄付するとかいうことでも構いません。無償で提供しますので、何かアイディアが浮かんだ方はご連絡下さい。


◇桜を宙玉レンズで撮影
桜玉と名付けた。
http://www.soratama.org/gallery/sakura.html


◇宙玉ギャラリーのバリエーションが増えました
私以外の人が撮った宙玉写真もアップ
http://www.soratama.org/gallery/soratama.html


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昨年の暮れに京都に撮影に行ってきた。京都は物心がついた頃にいた場所で、小学2年の時に開催された大阪万博の年まで住んでいた。父親の仕事の関係で引越しが多く、生まれてから中学の2年までで7回の引越しを経験した。だから「ふるさとはどちらですか?」なんていうことを聞かれてもちょっと困るのだが、五十路を迎えんとする今、懐かしく思い起こされるのは、京都山科の田舎の風景だ。


デジタルカメラマガジンの「PENと歩くふるさと。」という企画で「ふるさとの写真を撮ってきてください」と言われた時に「行きたい!」と思ったのは、その京都だ。万博の年からだから、もう40年も行っていない。最近は大阪に行く機会が増えてきていたので、休眠していた関西細胞が再び活動を始めていた。そして、ちょうど京都への想いが募っていたところだったのだ。


ただ、関西に対してはちょっと複雑な思いもある。それは京都弁を捨てて東京者になってしまったからだ。まだ言葉のどこかに関西のイントネーションが残っているらしいのだが、ちゃんとした京都弁で喋る自信はない。関西のお笑いと粉もんを愛しているが、ちょっと負い目があるのだ。


京都で住んでいたのは、山科の御陵(みささぎ)という所。滋賀県大津と京都の間に位置し、琵琶湖から京都に水を引くための人工的な水路である疎水が流れている。そして私はその疎水のすぐそばに住んでいた。御陵というのは、天智天皇のお墓のことで、砂利が敷き詰められた参道が続く神聖な場所だ。私はその神聖な場所を毎日横切って小学校に通っていた。


当時は路面電車が御陵の住人の交通手段だったが、それが今は地下鉄に変わっていた。路面電車が消えたことは情報として知ってはいたが、目の当たりにするとがっかりだ。ふだんは何も感じない地下鉄の駅に、何か寒々しいものを感じた。


脈絡なく思い出したが、ロバのパン屋というのもあったなあ。パン屋さんがロバに馬車を牽かせてやってくるんだけど、馬車には木の引き出しがあり、その引き出しを開けると中に蒸しパンが入っているのだ。ロバパンのテーマソングが流れると小銭を握りしめて買いに走った思い出がある。でも、今ネットで検索して調べてみたら、あればロバではなく、ポニーだったらしい。ずうっとロバだと信じてたのに……。


●既視感と違和感


様変わりしてしまった御陵駅の周辺には、懐かしさ中枢を刺激するものは何もなかったが、「ごりょうさん」(近所の人達は天智天皇陵のことをこう呼んでいた)にはさすがに見覚えがあった。ただ子供の頃の印象とはかなり違っていた。まず、どこまでも続くかのように思えた参道はかなり短く、全体にコンパクトに感じた。そして大きな問題は厳かな感じが薄れていたこと。


参道に敷いてあった砂利はアスファルトになり、参道の脇の木はかなり伐採されていた。私のイメージでは鬱蒼とした林のせいで辺りは薄暗く、ちょっと怖いような場所だった。たぶん結界の役割を果たしていたと思うのだが、その木を切ってしまったせいで、結界が崩れてしまった。せめて宮内庁が管理している場所は聖域として残しておいて欲しいものだ。


私が暮らしていた保険会社の社宅は当時のまま残っていたのだが、ここもイメージと違ってかなりコンパクトだった。まあ、当時と比べて身長は1.5倍ぐらいになっているわけだから、あの頃の世界が小さく見えても当たり前のことだ。もし、チェ・ホンマンの視線に立ったら、世の中は大分変わって見えるはずだ。かつて住んでいた場所に対し、経験したことがないぐらいの違和感を感じたのだが、これは40年という歳月のせいなんだろうな。たまに来ていたら、どんどん記憶を修正していたことだろう。


その他、強い既視感を覚えたのは、家の周りを囲っていた金網。別になんていうことのない金網なんだけど、よくこの金網を登ったから記憶していたようだ。「わあ、この金網覚えてるー」ということで一応写真撮ってきたんだけど、読者にはよく分からないだろうからボツにした。私がいくら懐かしがっても、金網に共感は得られないだろう。


個人的な郷愁が他者と共有できるのかは良く分からない。でもふだん写真を撮っているなかにも、たぶん郷愁のようなものを感じてシャッターを切っていることも多いのだと思う。それは今回の京都行で感じた。旅写真を撮る人は多いから、あえてそこに参入する気はなかったんだけど、新たなテーマとして、もう少し突き詰めてみたいと思わされたのだった。


●PEN Liteで撮影


撮影には、オリンパスのPEN Lite E-PL1とE-PL2だけを持っていった。普通泊まりがけでじっくり撮ろうという場合は一眼レフを持っていくので、マイクロフォーサーズ機だけで勝負というのは新鮮な体験だった。何が新鮮だったかと言えば、まずその重さ。一眼レフだったら交換レンズも含めて、かなりの重量になってしまうから、気分的にもまるで違う。


一番始めにファインダーなしで液晶画面オンリーのカメラが登場した時には、「そんなもんで写真が撮れるか!」と思ったけど、もう大分慣れた。ピントはファインダーで確実に合わせたいし、カメラを構えた時の不安定な格好が嫌だったけど、ピントは合うし、ブレもしない。オールマイティーとは言わないけど、シャッター半押しのフォーカスロックで何の問題もない。


となってくると、液晶のメリットというのも出てくる。画面を拡大して細部の確認をしたり、実際よりも明るく表示させることもできる。カメラに顔をくっつける必要がないから、アングルの自由度は上がる。写真を撮ってる感が薄れるので、コソッと撮りたい時に向いている。これだったら写真を撮っていて不審に思われることもないだろう、って本人が思ってるだけかもしれないけど。


自分自身、一眼レフじゃなきゃダメ、という意識がどこかにあったんだけど、マイクロフォーサーズ機での撮影はすごく楽しかった。身軽で余計なことを考えずに撮影できる分だけ撮影に集中できるし、素直な写真が撮れるような気がする。またPENクンを持ってどこかに行ってみたいものだ。


◇デジタルカメラマガジン2月号
京都の写真はデジタルカメラマガジンの最新号に掲載して貰った。2ページ、4点ですが、後ろの方のページに載っているので、ぜひ御覧ください。寺社仏閣は一切写っていない、「どこが京都やねん」という写真です。


◇PENで万華鏡写真
PEN Liteで万華鏡写真を撮影。パンケーキレンズ(M.ZUIKO DIGITAL 17mm)はレンズ径が小さいから、万華鏡写真に向いてる。フォーカスもオートなので、すごく楽。
http://bit.ly/fOYulK


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
・上原ゼンジのWEBサイト
http://www.zenji.info/
・Soratama – 宙玉レンズの専門サイト
http://www.soratama.org/
・Twitter
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上原ゼンジ


今年私が一番つぶやいた言葉は「宙」らしい。そうか、Twitterでも「宙玉、宙玉」とつぶやいていたんだな。「そらたま」という言葉を思いついてまだ一年経ってないんだけど、自分にとってはかなり大きな展開のあった年だった。


このメルマガで私の文章を読んでくれてる方はご存知のことと思うが、私がいろんな写真の実験をやることになったのは、姉妹メルマガ「デジクリ」のせいだ。「せいだ」っていうことはないな、「おかげだ」に訂正。カラーマネージメントネタの後、いろんな写真に関するアイディアを実行してみるという企画を考えて、書かせてもらうようになった。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/13_/


ただ、問題は連載のスパンが1週間だったということ。1週間なんてすぐに経ってしまうので、次から次へとネタを出していくうちに、なんかそれが専門のようになっていった。ある編集者が「実験写真家」という肩書きを考えてくれたので、最近はずっとそれで通している。


私はもともといろんなことをやっているから、「何をやっているのか?」と面と向かって問われると言葉に窮することがある。しかし「実験写真家」と言っておかば、相手は不審に思いつつもスルーしてくれるのだ。これは便利な肩書きだ。以前の私は、分からなかればそれでいい! というような態度だったが、最近は少しサービスをするようにしている。


名刺も分かりやすいものにした。片面を10個に分割して、宙玉レンズや蛇腹レンズなどの写真を入れて、「こんな写真を撮ってるんですよ」という説明ができるようにした。これはすごく便利。どんな写真を撮っているのかと問われても、写真なしで説明するのはなかなか難しいけど、小さいながらも写真があれば、簡単に分かって貰える。これがあればiPadもいらない。


それから、パーティーなんかでは、宙玉レンズの現物を持っていくようにした。カメラを首から下げておけば、「さっきから気になってたんですけど」などと言って相手から声をかけて貰える。初対面の人にこちらから声をかけていくなんていうことは、ほぼしないタイプの人間なのでこれはありがたい。スイッチさえ入れてくれれば、動作はするんだよ。


プロフィールもニッコリ笑った写真をホームページに出すようにした。営業が出来ない人間なので、せめてホームページを訪れた人に「悪いヤツじゃないんだよ」ということをアピールするための作戦だ。自分が依頼する立場だったら、訳の分からない、おっかなそうな人に連絡取るのはためらうもんな。


●ワークショップがきっかけとなった


宙玉レンズが形になっていったのは、ワークショップがきっかけになっている。自分では面白いと思って、ほかの人達にも広めたかったのだが、工作をするという部分でハードルがあるらしく、著作や雑誌でも紹介をしたが、反応はいまいちだった。


そこでワークショップなどの機会に、参加者に体験してもらうようにした。最初は、hanaさんとデイズフォト通信が主催する撮影会「目で歩く」で使ってもらった。この時はリコーのGX200を借りてきて、GXに合うように自分で手作りした宙玉レンズを持っていった。


参加者の反応は良かったんだけど、問題は特定の機種でしか使えないということ。たまたま直径50mmの紙管がGXのアダプターにぴったりあったこと。GXの最短撮影距離は約1センチと短く、クローズアップ撮影が必要な宙玉レンズには最適だったので、GX200を使ったわけだが、やっぱりいろんな機種で使えるようにしたい。そこで考えついたのが、チップスターの空き箱を使った工作だ。


チップスターの空き箱なら、安く簡単に入手することができる。そこで今度はチップスターにぴったり合うような宙玉レンズを加工業者に依頼して作って貰うことにした。自分で作るとあまりき
れいに出来ないし、面倒だからだ。4月から始めたワークショップ用にとりあえず10個発注してみた。


そして、今度は一眼レフカメラを対象に宙玉を装着できるようにした。ワークショップをやってみて良かったと思ったのは、いろんなカメラやレンズを持っている人が集まったということ。やってみると問題点が出てくるのだが、それをクリアしていけば、さらに広がりが出てくる。つまりいろんなカメラに対応できるようになっていったのだ。


●宙玉レンズでの撮影法


撮影に関しても、いろんな人からヒントを貰っている。私が宙玉を始めた頃は、望遠系のマクロを使っていた。さらに手持ちで接写をすることが多かったので、絞りは浅くピントが合うのは一点であとはボケボケだった。透明球の輪郭もはっきりしていなかったけど、それが当たり前と思っていた。


しかし、いろんな人が撮影を始めると、球の輪郭をハッキリさせたいという人が出てきた。あんまり絞りこむと、球の接着面やフィルター部分の汚れなども写ってしまうので、美しくなくなってしまうのだが、球が浮かんでいる感じ、というのはボケている場合よりも面白い。


一方、絞り込むと宙玉の持ち味である周囲のボケがくっきりしてきてしまい、つまらない。そこで、ある程度球の輪郭をはっきりさせつつ、周囲のボケを損なわない、という絞り値を見つけるというのが、ポイントになってくる。


あるいは、球の内側の絵柄は面白いんだけど、外側が無地だったりするとつまらないので、球の内と外とで、絵柄や配色などのバランスを考えてみると面白い。最初はただ、宙に浮かんだような絵に喜んでいたけど、突き詰めていけば、まだまだ面白そうなことはできそうだ。


●宙玉写真のコミュニティー


宙玉写真のコミュニティーを作ってみた。flickrとフォト蔵だ。まだ人が集まっていないので、ぜひ参加して写真をアップしてみて欲しい。flickrの方は海外の人達ばかりだから、やりとりがちょっと面倒だけど、世界中の人たちに宙玉レンズを広めるというのが現在の野望だ。


flickr Soratama
http://www.flickr.com/groups/soratama/


フォト蔵 宙玉人[そらたまんちゅ]
http://photozou.jp/community/show/2896


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
http://www.zenji.info/
http://twitter.com/Zenji_Uehara
Soratama─宙玉レンズの専門サイト
http://www.soratama.org/

上原ゼンジ


iPhoneに宙玉レンズをくっつけられないだろうか? ということは、以前から考えていた。実際に宙玉レンズをiPhoneの前にかざして撮影をしてみると、なんとかいけそうな感じだ。ただし、きちんと撮影するためには、宙玉レンズとiPhoneの間に凸レンズを一枚入れないといけない。それと固定の方法はどうすればいいだろう?


宙玉レンズというのは、透明球に映る世界にピントを合わせるので、近接撮影ができることが条件となる。だから、マクロレンズ、クローズアップレンズ、接写リングといったものを利用するか、元々最短撮影距離が短いということが重要だ。また、装着するためにフィルター用のネジを利用しているので、このネジがないコンパクトカメラや携帯電話の類いだと、別の取り付け方法を考えないといけない。


どうしようかなー、などと気をかけつつも、なかなか時間がとれずに放置していたのだが、ついに工作に着手。iPhoneによる宙玉ムービーの撮影に成功した。すっごいクールな映像(ホントか?)が撮影できたので、ぜひご覧ください!
http://www.youtube.com/watch?v=a3TauvL_VrQ


ポイントはパンをした時の映像の動き方だ。この宙玉レンズでは、球の内側と外側で天地逆さまになって見えるのだが、パンをさせると内側と外側で逆の動きになる。たとえば、内側が右に流れていけば、外側は左に流れていく。上下方向にパンした場合、やはり内側が上に流れれば、外側は下、という感じで像は動く。これはけっこう不思議な感じだ。


私はスチルが専門だから、面白いと思いつつ映像作品は作って来なかったんだけど、すでにPVで使われたりしている。Lily.さんの「気づいてよ…I Love You」のミュージックビデオがそれ。さすがプロですね。効果的に使用されてました。


TwitCastingで「宙玉iPhone部」


この「宙玉レンズ for iPhone」は例によって、チップスターの空き箱を使った手作り品だけど、工作キットを作って欲しいというリクエストを、たった今TwitCastingで受けてしまった。昼飯を食い終わってTwitterを見ていたら、KEN3TVがツイキャスをやっているところに遭遇。しかも、ちょうど私の宙玉レンズの紹介をしていた。


先日、オライリー・ジャパン主催の「Make:Tokyo Meeting 06」に半日だけ出展してきたのだが、その時KEN3TVが見に来てくれ、iPhoneで撮影していったムービーを使いながらライブで紹介してくれていたのだ。KEN3TVがMTMに来てくれたのは、私が前日に「MTMにゲリラ出展! 東京工業大学生協食堂で待つ」というツイートをしたから。そして、それが初対面だった。


ツイキャスではその場で「宙玉iPhone部」とか出来ちゃうし、なんだか不思議な世の中になったものだ。まあ、せっかく盛り上がってくれたから、なるべく早く試作品を作ってみたいと思う。
http://ken3tv.com/


●「Soratama – 宙玉レンズの専門サイト」を公開


懸案だった宙玉レンズの専門サイトがようやくできあがった。「Soratama – 宙玉レンズの専門サイト」だ。いずれ世界制覇したいと思って「www.soratama.org」というドメインを取得していたのだ。これからは「Sushi」や「Kawaii」とともに「Soratama」もワールドワイドな言葉になっていくことでしょう。
http://www.soratama.org/


まだコンテンツはあまり多くないが、いろんなカメラでの宙玉レンズの装着法を事例として紹介している。おすすめはリコーのGRに宙玉レンズを着ける方法。今まではチップスターの空き箱を使う方法を紹介してきたが、ここではラバーフードを使う方法をまとめた。HOYAマルチレンズフード(49mm径)に70mm径の宙玉を着けるとピッタリとはまるのだ。


「チップスターじゃ、ちょっと……」と思っていた人は、ちょっと見てみてください。なかなかかっこいいですよ。ただ、このカメラの場合は最短撮影距離が約1cmと短く、かなり寄って撮影できるのが大きなポイント。どんなカメラでもいいというわけではない。あと同じようなことができそうなのは、ニコンCOOLPIX P7000、キヤノン PowerShot G12あたり。寄れるカメラをお持ちの方はぜひ試してみてください。


宙玉サイトでは、コンパクトデジカメに取り付ける方法も紹介している。コンデジの場合は、フィルター用のネジが切っていないため取り付けが難しかったのだが、透明ゴムを使って取り付ける方法を思いついた。透明ゴムと言っても実際はポリウレタン製。ビーズに通して使うもので、手芸品店などのビーズ売り場で購入可能。これもぜひ試してみて欲しい。


今後はもっと事例を増やしたり、他の人の宙玉写真をいっぱい掲載したりして、内容を充実させてゆきたいと思っている。もし、面白い工作ができたり、写真がとれたら、ぜひご協力ください!


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
http://www.zenji.info/
http://twitter.com/Zenji_Uehara

上原ゼンジ


7月に立ち上げたWEB上のギャラリー「bitgallery」に新しいコンテンツが加わった。第一弾が私の「Vibrating World」と伊藤紀之さんの「Cloudly Cat」で、ブレ写真とボケ写真だったから、工作系とか、アブストラクト系で攻めるのかと思っていた人もいたみたいだけど、違いました。
http://bitgallery.info/


今回加わったのは、西村陽一郎「青い花」と山崎弘義「DIARY」の2本。「青い花」は2007年に四谷の「Roonee 247 Photograpy」で観た西村さんの作品展で感動したんだけど、大勢の人に観て欲しいと思い、お願いして掲載させていただいた。


作品自体はフォトグラムという技法を使っているのだが、フィルムが介在せず、一点物のオリジナル作品で、すでに売れてしまったものもある。いちおうデジタルカメラで複写した画像があるとのことだったので、今回はそのデータを元に構成した。


元は大判のプリントで、花の花粉が金平糖のような形で目視できるような、緻密な描写だった。さすがにその金平糖の再現まではできないが、西村さんの作品の持つ、緻密で繊細な雰囲気は味わうことができると思う。


山崎さんは「FOTO SESSION ’86」という写真のグループで、森山大道さんに一緒に写真を見ていただいた仲間。元々はストリートスナップが専門だったが、お母さんが認知症になられて以降、写真が自由に撮れなくなってしまった時期があった。そんな時にお母さんのポートレイトと自宅の庭を撮影するということを日課とし、撮りためたのが「DIARY」という作品だ。


それまでの山崎さんの写真とはまるで違うコンセプトの写真だが、やはり写真展で拝見した時に、何か力強さのようなものを感じた。写真自体はひじょうに静かな写真なんだけど……。カメラ雑誌に掲載されたり、新聞で紹介されたりということはあったものの、私としては、もう少し評価されてもいいんじゃないか、という思いがあった。そこで、山崎さんに声をかけ、私のギャラリーで公開させて貰うことになったというわけだ。


まだ「bitgallery」には作品は4本しかないけど、なんとなく私のやろうとしていることが、分かってもらえるようになってきたんじゃないかと思う。第三弾、第四弾のネタもあるので、少しずつ形にしていきたいと思っている。


・ゼンラボ「森の撮影会」の報告


先日は森林公園でゼンラボの撮影会をやってきた。森林公園というのは、東武東上線で池袋から、1時間ほど行ったところにある、国営の大きな自然公園だ。キノコ、落ち葉、シダ、コケなどを撮りに行きませんかと、Twitterなどで声をかけ、集まった参加者とともに撮影を行ってきた。


私はなぜか、森の中で見かける植物というか、苔類、菌類、昆虫などに惹かれ、写真を撮っている。まあ、メジャーな分野とは言えないが、撮ってみたら意外にイケますぜ、という感じで声をかけさせて貰ったというわけだ。参加者は特に森の専門家という人はおらず、ちょっと興味があり、どんなもんだろう、と思って参加したという感じだった。


森林公園の南口から入園すると、すぐに雑木林がある。そこで、さあ皆さん撮影してみましょう、という感じで始めたんだけど、最初はなかなかキノコなどは眼に入ってこない。けっこう慣れが必要なのだ。だから蜘蛛の巣に霧吹きで水滴を吹きつける、といったオプションもこなしながらの撮影会となった。


私が持っていったカメラはニコンのD5000。レンズはカールツァイス ディスタゴン T* 2.8/25とAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8GEDの2本だった。D5000というのは、液晶画面が可動式になっていて、上から覗きながら撮影できるというのがポイント。地面にカメラを置いてキノコなどを低い所から撮るのに最適なのだ。そしてレンズの方は、ピントが合っているところはキリッと締まるんだけど、ボケ味もなかなか良し、というところが気に入って使っている2本だ。


その他の必須アイテムは膝あてと虫除けスプレー。けっこう膝まづいて撮影することが多いから、膝あては重要。こんな時期に蚊なんかいるんですか? という人がいたけど、10月だというのに、蚊はたっぷりいました。私はほとんど刺されなかったんだけど、集中して刺されている人がいて、ちょっとかわいそうだった。この刺されやすい人と刺されにくい人の差はなんなんだろう。O型の人が刺されやすいとか聞くけど、本当に血液型と因果関係はあるのか?


あとは、レフ板やディフューザーの類いもあると便利。森の中は薄暗いので、光をレフ板で補ったり、木漏れ日を和らげるのにはディフューザーも役に立つ。ただし、森の中を歩きまわるわけだから、なるべく荷物は少なくするということも重要なポイントだ。


4時間ばかりの撮影会だったけど、最後の方はみんなキノコを発見する能力が身についてきたようだった。なかなかいいフォルムのキノコも見つけることが出来たし、まあ良かったんじゃないでしょうか。目標は、お伽話に出てきそうな毒キノコと出会うことなんだけど、それはまた今度のお楽しみ!


◇森で収穫した写真
http://zenji.jugem.jp/?eid=59


◇「上原ゼンジの写真教室」受講生募集中!
http://nadar.jp/tokyo/workshop_style355/uehara.html


見たことのない写真を撮ってみよう「上原ゼンジの写真教室」生徒募集中。さまざまなスタイルの技法を試しながら、写真の基礎知識を学び、自分なりの写真を撮るための写真講座です。
対象:写真を撮り始めたけど、何をどう撮っていいのか分からない人。写真の幅を広げてみたい人。デジタル一眼レフカメラ、ミラーレス一眼を持っている人が対象です。
会場:style355(NADAR/渋谷355)


◇「万華鏡カメラ」を作ってみよう 〜眼の前の光景をすべて万華鏡のパターンに(デジカメWatch)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/20101022_401179.html


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上原ゼンジ


相次いでテレビからの出演依頼が来た。一つは「ぶらり途中下車の旅」で、もう一つは「王様のブランチ」。どちらもふだんあまり観ることはないけど、よく知ってる番組だから、なんか変な気分だ。テレビで自分のツラを晒す恥ずかしさはあるが、個人商店だから、宣伝になるならと引き受けることにした。


「ぶらり途中下車の旅」というのは、毎回違った旅人が鉄道を使って旅をしながら、沿線の紹介をするという番組だ。旅人としてパッと思いつくのは、やっぱり阿藤快だな。でも、本物の阿藤快が目の前に現れたら、どう絡めばよいのでしょうか?


一番初めの打ち合わせの時に、興味を持って聞いたのも、旅人は誰なのかということ。でも、出演する人には事前に教えてくれないのです。一応の段取りはあるんだけど、初めて出会うリアクションを重視したいということで、余計な情報は入れないというシステムになっているらしい。


ただ、私の場合、写真を撮っているところに声をかけられるワケで、「何を撮ってるんですか?」とか声をかけられた時に、(わあ、やっぱ阿藤快だ!)とか、(川合俊一デケーっ!)とか、心の中でビックリしながらも、平静を装って普通に受け答えをしなければならない。最初の出会いで失敗したら、取り返しのつかないことになってしまうが、大丈夫なのだろうか?


撮影は立川の昭和記念公園で行われた。宙玉レンズで撮影するんだったら、コスモス畑なんかを撮ったら面白いと、こちらからリクエストをしたのだ。コスモスはまだ満開ではなかったけど、一応絵になりそうな場所を選んでロケの開始。コスモス畑の中をタレントさんが歩いてきて、他のアマチュアカメラマンなんかにも声をかけつつ、私の所へやってくるという段取りだ。でも、それだったら、途中で誰だか分かっちゃうじゃん! せっかく隠してたのに。


私は一人コスモス畑に取り残され、ロケ隊が現れるのを待った。そして写真を撮りながらロケ隊の方をチラ見していると、チューリップハットをかぶったおじさんが目に入った。やっぱり阿藤快?それとも田山涼成? しかし、そのチューリップハットのおじさんは関係のない人で、本命は元巨人の宮本和知さんだった。「となりのマエストロ」の時は高田延彦だったし、なんかスポーツ選手に縁があるのだろうか。


撮影当日の暑さには閉口したけど、まああまりアガリもせずに会話できたんじゃないかな。こっちはカメラの操作をしなくちゃいけないし、ムービーで撮影しやすいようにするにはどうすればいいだろう? なんていうことを考えていると、テンパっている暇もない。あとムービーというのは、シャッター音がないから、あんまり撮られてる感じがしないんだな。


だからスチールの場合もまったくシャッター音がしなくなったら、撮影時に相手に与えるプレッシャーというのも変わるはずだ。人物撮影の場合、撮られ慣れてる人はシャッターを切るたびにポーズを変えたりできるけど、カメラの前だとすごく緊張してしまい、顔が強ばってしまうこともある。遠くない将来、カメラからシャッター音が消えたら、人物撮影もちょっと変わるんだろうな。


・はしのえみの腕に感嘆


「王様のブランチ」で私が登場するのは、はしのえみさん扮する姫様のコーナーだ。この番組は基本的に関東ローカルだから、地方では知らない人も多いみたいだけど、はしのさんの姫キャラは14年もやってるらしいし、「BOSS贅沢微糖」のコマーシャルなんかにも出てるから、認知度は高いんじゃないだろうか。


姫様はお付きの女の子二人とトリオで登場するが、姫様とも事前の打ち合わせはなく、私が一人待つ部屋へカメラとともに突然現れ、それが初めてのご対面となる。白衣を着た私を見て、何をする人だろうと想像を巡らし、最後に私が「実験写真家の上原です」と名乗ることになる。カメラを前に「実験写真家の上原です」と名乗ることには抵抗があったが、まあしょうがない、文句を言わず、この演出に従うことにした。


ただ、基本的には細かい演出はなく、はしのさんとお付きの女の子にレポートは任されていた。テレビを見ていて特に感じたことはなかったけど、はしのさんの芸人としての能力はひじょうに高いね。お会いして強く感じました。常人には、台本もなしにあんな風に喋ったり、リアクションしたりということはできないよ。お付きの女の子二人も(福井仁美さんと茜ゆりかさん)頑張ってた。素晴らしいトリオだと思います。


撮影は「写真の学校」の教室で行ったんだけど、宙玉レンズや手ブレ増幅装置を使って撮りっこをしたり、万華鏡写真をiPhoneで撮ったりといったことをしてきた。面白かったのは、手ブレ増幅装置に対抗して、はしのさんが動き出したり、大きなバネに取り付けたカメラを使って、はしのさんがセルフポートレートを撮ったりした場面かな。これは私もオンエアが楽しみ。


・スチールにもムービーにも適したカメラ


ロケ隊は家の方にもやってきて、カメラやレンズのブツ撮りなどもしていった。スチールとの違いは、カメラをパンさせたり、ズーミングしたり、フォーカスを移動させたりといったあたりだ。最近スチールカメラマンにムービーも一緒に撮ってくれという依頼が増えてきているようだが、動画と静止画の撮影は、まったく違う技術だと思う。


900万円するというビデオカメラをちょっと持たせてもらったけど、これは重さが8kgもあるらしい。しょうがなくこんな重さになってるんだろうけど、重さのおかげで安定するというのもあるし、一眼レフできれいに動画が撮れるっていっても、ムービーを撮りながらのフォーカス移動やズーミングがムービーカメラのようにスムーズにできるわけではない。


とはいうものの、WEBなどでもムービーで撮ることが当たり前の世の中になってくれば、スチールカメラマンへのムービーの依頼はますます増えることだろう。今ある一眼レフカメラというのは、フィルムを撮像素子に置き換えただけで、見た目のスタイルは銀塩時代とまるで変わりがない。早くムービーもスチールも自在に撮れる、今までに見たことがなかったようなカメラが出現しないものかと思うけど、それはいつぐらいになるのだろうか?


◇テレビ放映予定
「ぶらり途中下車の旅」(日本テレビ系列、BS日テレ)
10月2日(土)朝9:30〜10:30


「王様のブランチ」(TBS系列及びBS-TBS)
10月2日(土)午後1:15ぐらいから、姫様のコーナー


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上原ゼンジ


「PHOTOGRAPHERS SUMMIT 7」に参加してきたので、今回はそのご報告。フォトグラファーズ・サミットとは、写真家が生み出した写真のイベントだ。メインは写真を大きなスクリーンに投影しての、写真家によるプレゼンテーション。さらに、ポートフォリオの展示なども行われる。
http://www.phsmt.net/


第1回のサミットが催されたのが、2008年5月、渋谷のアップリンクファクトリーで来場者は110人。回を重ねて、今回の渋谷のO-EASTで行われた第7回では、およそ800人の人たちが集まったようだ。写真のイベントでこんなに人が集まるというのは、けっこう凄いことだと思う。


私自身が参加するのは今回が初めて。イベントの存在自体は知っていたし、サイトを覗いてみたことはあったが、行ってみようとは思わなかった。なんか、派手でオシャレな感じのイベントに気後れがしていたのだ。自分とは関係のないイベント、という感じに捉えていた。


ところが今回、代表である写真家・山田敦士さんから連絡をいただき、プレゼンテーションをしてみないかとのお誘いを受けて、即、引き受けさせていただいた。写真に興味のある多くに人たちに、自分の写真を見て貰える機会が与えられるのはありがたいことだ。


どういう経緯で参加することになったのかと、何人かの方から尋ねられた。元々はTwitterだったそうだ。Twitter経由で私のホームページに飛び、興味を持っていただいたとのこと。私のつぶやきは1日平均1.9件なので、すごく効率が良かったですね。ろくなつぶやきをしてないし、使いこなしているとは言い難いけど、Twitterで広がりが出てくるというのは、確かなようだ。


・プレゼン用のムービーを作る


今回、プレゼンテーションをしたのは8名。私のほかには、魚住誠一、うつゆみこ、奥出和典、兵頭喜貴、水谷充、宮下マキ、渡部さとる、といった方々。各人の持ち時間は5分間で、その間に写真を投影し、自作について語り、さらに司会者からの質問などを受け、トータル7分ぐらいで次の人にバトンタッチ、という段取りだ。


5分間で自分の言いたいことをまとめて話すというのは、なかなか難しいですね。ふだんセミナー等で話す場合というのは、20分〜3時間程度。だいたい時間が合う程度のネタを用意しておき、オプションネタでつじつまを合わせるというやりかたをしている。でも、5分だったら、もたもたやってるうちに終わっちゃうし、構成をきちんと考えておかなければならない。


今回は、「実験写真とは何か?」ということをまず話し、後半は手ブレ写真から、手ブレ増幅装置を作るまでの過程についてお話しした。写真の見せ方としては、同じ秒数で単純に写真を切り替えていくパターンと、テキストなどを加えながらムービーにしてしまうパターンが合ったが、私はiMovieを使って、細かく秒数などを調整していくことにした。


YouTubeなどに動画をアップすることもあるから、多少動画の編集もできるようになってきたけど、今回は書き出しにちょっと苦労をした。単純にiMovieから書き出すとかなり画質が劣化してしまうのだ。でっかいスクリーンに投影するわけだし、ストリーミング再生をするわけではないから、多少重くてもいいから、画質優先で書き出しをしたいのに、それがうまくできない。


結局、QuickTimeを使い、設定をいろいろ試していたら、どうにかまともに書き出せるようになったんだけど、こういった知識も今後は重要になっていくなと思った。もともと自分の写真を印刷物でまともに再現したいと思い、カラーマネージメントや製版の勉強を始めたけど、WEBや電子書籍で再現する、YouTubeやVimeoに動画でアップする、プロジェクターを使ってプレゼンをするといったケースを想定すると、それぞれの出力先にあった画像の最適化の方法を確立しておくべきだろう。


・突っ走るうつゆみこさんがステキ!


今回、プレゼンやポートフォリオで多くの写真家が参加したけど、なかなかユニークな人たちが集まっていて面白かった。いちいちリンクは張らないけど、ちょっと名前で検索してみるといいと思います。


その中で一人だけ紹介すると、うつゆみこさんのプレゼンが面白かった。実際に会場に来ていた人たちの間からも笑い声が上がり、かなりウケていたと思う。何がウケていたのかと言えば、うつさんの写真とそのキャラクターだ。また、写真を映しだす秒数が短くて、駆け足、盛りだくさん感が楽しかった。


うつさんの写真は、魚類や貝類やキノコ、人形、昆虫、臓物など、ちょっと不気味なもので構成された独特の世界だ。でもただグロい写真というわけではなく、そこには美しさとユニークさがある。作者は当然、何らかの美を感じてシャッターを押しているはずで、それは見ている側にも伝わってくる。まあ、全然受付けないという人もいるだろうけど、私はかなり好き!


なんか、うつさんが「まっしぐら」に写真を撮っている感じがして、それが凄く良かった。理屈ではなく感覚で撮っていて、そこに迷いがないということ。理屈先行で、ハートに来ない写真の反対ということだな。うつさんには、ぜひこのまま突っ走っていっていただきたい。


今回フォトグラファーズ・サミットに参加させて貰って、このイベントに関する印象はかなり変わった。司会はもちろんのこと、物販なども写真家達が行う手作りのイベントで、写真に対して真剣に考えてるな、というのが伝わってきた。個性豊かな写真家達のプレゼンも面白かったし、イベントとしては大成功といっていいんじゃないだろうか。


きっちり焼いたオリジナルプリントを見せることも大切だけど、プロジェクターを使いながら、ダイレクトに語りかけていく方式というのがいいな。プロジェクターで写真を見せること自体は珍しくはないけど、5分という限定された時間の中で、写真を伝えていくスタイルは面白いと思った。今後の発展をお祈り申し上げます、というか、また声をかけてくださいね。


・「実験写真相談会」のお知らせ


赤坂の小さなカフェの壁面に写真を飾らせて貰うことになった。でも、それだけじゃ面白くないので、「実験写真相談会」というのをやります。下記の時間帯にお店におりますので、何か聞きたいことがあればおいでください。工作法や撮影法などについてアドバイスさせていただきます。


「実験写真相談会」(赤坂港カフェ)
9月12日(日)14時〜17時30分、9月15日(水)18時〜20時
http://www.zenji.info/news/pg245.html


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
http://www.zenji.info/
http://twitter.com/Zenji_Uehara


「デジカメWatch」で『「宙玉レンズ」を作ってみよう』という原稿を書きました。本誌でも書いてきたネタのまとめですね。最新のネタもプラスされているので、ぜひごらんください。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/20100902_389833.html

上原ゼンジ


WEB上でのギャラリー「bitgallery」(ビットギャラリー)というのを始めた。自分が今見て欲しいという写真を公開する場であり、また私の好きな写真家にも声をかけて、コンテンツを充実させていきたいと思っている。


今までも自分のホームページやブログ、あるいは写真共有サイトなどで写真を公開してきたが、写真を見せるということに特化して、もう少し自分のイメージに近いギャラリーのシステムが作りたくなったのだ。



では、既存のシステムの何がいけなかったのか? まず、写真共有サイトの場合でいうとシリーズものをしっかり見せたいという場合には、ちょっと向いていないかなという気がする。たとえば、Flickrを例にとると、まず自分の写真をアップしたら、その中から写真をセレクトして「set」を作ることができる。


さらに、その「set」をいくつか組み合わせた「Collection」というまとまりを作ることもできる。だとしたら、シリーズとしての分類もできるわけだし、何の問題もなさそうだけど、作品を見せるということでいうと、ちょっとお手軽過ぎるかなという感じがするのだ。


私のFlickrの使い方としては、少し写真が溜まったら写真をアップして、既存のセットに組み入れたり、新しいセットを組んだり、という感じで、まあ自分の撮っている写真を気軽に公開する場として利用している。英語でのコミュニケーションは面倒くさいから、あまりコメントを付けたりということはしていない。あまり肩に力を入れず、日常的に写真を公開するための場として考えている。


ただ、ある程度の枚数がアップされていて、分類もされているので、仕事の依頼があった場合にメールでセットのアドレスを知らせれば、話が通りやすいというメリットはある。ちゃんと見たければ、スライドショーでフルスクリーンにしてみることも可能だ。機能自体は充実しているし、まるで問題なさそうだけど、やっぱり何かが違う。たとえば、そのフルスクリーンのスライドショー機能を使って見ている人って、あまりいないように思えるのだ。


そしてネットの利点というのは、次々にリンクをたどって移動していくことだから、サムネール画像をクリックしているうちに、どんどん違う場所に移動していっちゃうんじゃないかというおそれもある。Flickrであれば、当然別の人の写真に飛んでいくこともあるだろうし……。


つまり、ちょっとアップしてみたから、よかったら見てよ、というんじゃなくて、もう少しリキを入れた写真を、構成なんかも考えて公開したから、ぜひご覧ください、という場が作りたくなったということだ。


写真集を作るシステムもイマイチ


WEB上には写真集を作るシステムなんていうのもあるから、そういうのも利用してみたけど、それもまたイメージとちょっと違った。デザインの雛形なんかもあって、気軽にカッコいいデザインの電子写真集ができちゃうんだけど、いざ自分の好みに合わせてカスタマイズしようとすると難しかったり、やたらと目立つ広告が入ってしまったりで、これもちょっと不満が残る。


で、しょうがないから自分でやってみようと思ったのだ。これは写真家が自分でギャラリースペースを借りて運営をする自主ギャラリーの発想に似ているかもしれない。自分の見せたい写真を、見せたい時に自由に公開するという意味で。ただブログにちょこっとアップするのとは違って、もう少し見せ方を考えてみようというのが、このギャラリーの主旨だ。


写真集を作るとなると金もかかるけど、WEBであればコストは相当抑えられる。しかも、世界中の人が簡単に見ることが可能だ。写真家の中にはWEBで写真を公開することを嫌っていて、「見たければ写真展を見に来い」という人もいるし、小さいサイズの写真しかアップしていない人もいる。しかし私はケチケチせずに、どんどん公開すればいいじゃん、と思うわけだ。


もちろん、著作権を放棄してどんどん使ってくださいということではない。でも、オリジナルとして価値があるのは、きちんとプリントされ、エディションの管理もされたようなものなわけだから、誰かがダウンロードしてプリントしたとしても、特に実害はないんじゃないかと思う。もちろんWEBで見るのに合ったサイズのものをアップするわけで、オリジナル画像をアップするわけではないのだし。


ギミックなしでシンプルに見せたい


私が考えたのは、表紙や奥付も入れた写真集仕立てのスタイル。ただ紙の本じゃないんだから、見開きの必要はないし、ページめくりのギミックもいらない。シンプルで写真が見やすいということが重要だ。


いちおうそんなイメージは出来上がったが、残念ながらサイトを作り上げる技術自体は持っていない。そこで、テクニカル・ディレクションはトゴル・カンパニーの伊藤紀之さんにお願いした。一緒にやりましょうと持ちかけて、巻き込んでしまったのだ。


今後、少しずつだけど、コンテンツも増えていく予定。すでに自分の好きな写真家に声をかけ、オーケーも貰っている。私がこの連載で、紹介してきた写真家達だ。だから、あと何か月かすれば、私が好きで、みんなに紹介したいと思っている写真家の写真がじっくりと見られるようなギャラリーに育っているはず。今はまだ私と伊藤さんの写真があるだけなんだけど、ちょっと注目していて欲しいと思う。


◇bitgallery
http://bitgallery.info/


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
上原ゼンジのWEBサイト
http://www.zenji.info/
http://twitter.com/Zenji_Uehara

上原ゼンジ


「街道リぼん」で写真展をやります。今週末の6月25日(金)から27日(日)までの3日間。元々この「街道リぼん」の会期というのは変則的で、金土日の3日間を2回、計6日間やるというのが基本単位になっている。働きながら写真展をやる人も多いし、凝縮してやるという感じですね。


元々「街道」は尾仲浩二さんが運営していたギャラリーだけど、今年からは若い女性写真家、松谷友美さんと佐藤春菜さんが引き継いで運営している。この辺りの話は、このギャラリーが生まれた頃にちょっと書かせて貰った。そして今年の春にお二人から企画展の話をいただき、ありがたくお引き受けすることにした。会期は短いけど、毎日顔を出すつもりなので、私のツラを見てみたいとか、話をしてみたいという方はぜひお越し下さい。


尾仲さんとの付き合いは1986年から。私が「FOTO SESSION’86」という写真のグループに参加して、月に一度森山大道さんに写真を見ていただいていた時に、先輩としてほぼ毎回その例会に現れていた。ちなみにもうお一方、顔を出していた先輩が山内道雄さんだ。


私はそのFOTO SESSION’86に参加し始めて一年もたたないうちに、当時勤めていた本の雑誌社を辞めてしまったんだけど、それはもう少し写真を撮る時間が欲しくなってしまったのと、森山さんがあまりにもカッコ良かったからだ。写真で食っていこうとかいう話ではまったくない。当時は景気も悪くなかったから、まあ何とかなるだろうという、ぐらいの気持ちで退職してしまい、今日に至る、というわけだ。


今、尾仲さんが「デイズフォト通信」で「あの頃、東京で…」というエッセイの連載をしているのだが、ちょうど当時の話がネタになっていて面白い。森山さんや尾仲さんが、自分自身のギャラリーを立ち上げた頃の話だ。尾仲さんと交流はあったものの、当時の裏事情も分かり、興味深く読ませて貰っている。そして改めて当時のことを思い返してみると、かなり面白い時期に、ディープな現場に居合わせたのかな、という気がしてきた。


私は1987年になってすぐに会社を辞めたのだが、その年に森山さんは渋谷に自身のギャラリーである「room801 森山写真研究室」を作った。そして、そのギャラリーの内装工事を仕切ったのが尾仲さんだ。CAMPやFOTO SESSION関係の人間が手伝いに集まったのだが、私もペンキ塗りの日に手伝いに行った。


その時、工事で出たゴミを入れるための袋が余ったので、その袋を森山さんから譲り受け、しばらくの間森山大道モデルのコインランドリー袋として愛用していた。いや、ただ土のうを作ったりする時に使う袋だし、森山さんが買ってきたもんでも何でもないんだけど、なんか森山さんの所から貰ってきたというのが嬉しかった。


同じ年に、尾仲さんが西新宿の成子坂下にギャラリー「街道」を作った。そして山内道雄さんと瀬戸正人さんが四谷四丁目に「Place M」を作った。自主ギャラリーというは、それ以前からもあったけれど、その後の影響のことなどを考えると「room801」「街道」「Place M」が生まれた1987年というのは、日本の写真史の中でも重要な年だったんじゃないかと思う。写真評論家には、ぜひこの辺の話をまとめておいて欲しいなあ。


自主ギャラリーというのは、写真家個人や写真家グループが主体となって運営しているギャラリーだけど、メーカー系のギャラリーと違って、自分が発表したい写真を発表したい時期に公開できるというメリットがある。メーカー系のギャラリーだと、審査があったり、ずうっと先の話だったりするでしょ。


そんな自主ギャラリーでは夕方になるとアルコールが登場する。私の周りの写真家というのは、シャイな人が多いけど、夕方になり、アルコールが入るにつれ饒舌になっていく。そして、昼間はおとなしかった人達のテンションがだんだんと上がってゆき、翌朝まで写真について語り合うという状況もよくあった。


写真集専門の出版社であり、書店であり、ギャラリーである蒼穹舎の代表である大田通貴さんが道を誤ったのもこの年で、たまたま初めて行った「room801」で酒宴が始まり、そのまま朝まで写真について語り合う、という洗礼を受けたことが、その後の人生を変えたようだ。


当時はただ写真が好きで、ギャラリーめぐりをしていた青年だったのに、新宿御苑の蒼穹舎で写真集に囲まれている大田さんを見ると、あの頃、あの場のエネルギーって、何か凄かったんだなあと感じさせる。


・デイズフォト通信
http://www.daysphotopress.com/
・蒼穹舎
http://www.sokyusha.com/


今回の展示は「街道リぼん」の「大部屋」という名の四畳半のスペースで行われる。あんまり大きな花とかいただいても飾れないから、花はけっこうですよ。ドン・キホーテの「具だくさんラー油」はいいかもしれません。って、ギャラリーじゃ、食えないか。じゃあ、スイーツがいいかな。


ネタは「宙玉レンズ」「手ぶれ増幅装置」「歪みガラスの向こうの世界」あたりをやろうと思っている。って、もう明後日だというのに何も準備ができていない。搬入の当日はワールドカップの日本対デンマーク戦もあるしけっこう危険だな。


写真展の会場には、蛇腹レンズや宙玉レンズなんかの工作物も持っていくつもり。宙玉レンズは販売もします。お客さんが少なければ、蛇腹の折り方教室もやりたいな。まあ、いろいろサービスしますんで、ぜひ、お越し下さい!


◇上原ゼンジ写真展「手ぶれ増幅装置、その他の実験」
会期:6月25日(金)26日(土)27日(日)13:00〜19:00
会場:GALLERY街道リぼん 
http://www.zenji.info/news/ribbon.html


◇宙玉レンズの販売について
ようやく供給が追いついてきました。
http://www.zenji.info/cn21/pg243.html


【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
http://www.zenji.info/
http://twitter.com/Zenji_Uehara

上原ゼンジ


先日は、「Make:Tokyo Meeting 05」(MTM05)に参加してきた。オライリー・ジャパン主催の工作イベントで、日本中から工作や手作りが好きな人達が集まってくるという楽しい催しだ。電子工作の割合が多いが、最近は手芸関係も増えてきているし、自転車、飛行機、楽器など、本当にいろんなものが出展されていて面白い。ただし、今回は自分も出展側に回ってしまったので、他の人の展示があまり見れなかったのが、ちょっと残念。


私は「宙玉レンズ」や「蛇腹レンズ」を持って参加したのだが、隣りではカミさんがマトリョミンの展示も行っていた。マトリョミンはマトリョーシカの中にテルミンが入った楽器だけど、さすがMTMの会場ということで、中の電子部品を見せて欲しいというリクエストがけっこうあったようだ。中身はカミさんが作っているわけではなく、外身をペイントしてるだけなんだけどね。神田敏晶さんからも取材を受けてました。


こういうブースに立っても、あまり愛想のいい応対はできないんだけど、まあカメラを持っているので、「ちょっと覗いてみますか?」という感じで、カメラを渡してファインダーを覗いてもらえれば、後はなんとか説明をすることもできた。


「宙玉レンズ」や「蛇腹レンズ」でピントが合うというだけで、けっこう感動してくれる人も多かったので、こちらも嬉しかった。私は写真を撮る場合にマニュアルでピント合わせをする機会がいまだに多いけれど、初めてマニュアルで合わせたという人も多かったようで、それが私にとっては新鮮な驚きだった。まあ、レンズのデフォルトは今やオートだもんね(だいぶ前からかw)。


蛇腹レンズというのは、オモチャの双眼鏡などをバラして取り出したレンズを一枚だけ使って撮影するための自作レンズだ。ピントを合わせるためには蛇腹を伸ばしたり、引っ込めたりする。この伸ばしたり、引っ込めたりでピントが変わることが不思議だったみたいだけど、ようするにこの距離の変化でピントを調整するわけだ。カメラの仕組みを理解するには、なかなかいいオモチャだと思う。アオリやシフトまで出来ちゃうしね。


ブースでは「蛇腹の折り方ワークショップ」というのもやった。蛇腹を折ってみたいという人の隣りに座って、折り方をお教えした。さすがに「Make:」イベントに参加しているだけあって、皆さん器用に折っておられた。早速、工作の成果を報告してくれた方もいる。シグマDP-1に装着された姿がなかなかかっこいいんだけど、これはインチキですね(笑)


・ブログに「MTM05」の写真をアップ
http://zenji.jugem.jp/?eid=46


「宙玉レンズ」を製品化してみた


「宙玉レンズ」というのは、この連載でずうっと紹介していた透明球レンズを使った写真のこと。自分でも呼び方が確定していなくて「ビー玉レンズ」とかいろいろ言っていたんだけど、宙に浮かぶ玉の中に光景が映るので、「宙玉レンズ」(そらたまれんず)という名称に統一することにした。


4月からやっている「ゼンラボ・ワークショップ」の中で、受講生のみんなにもチャレンジしてもらおうと思ったんだけど、透明のアクリル板に穴をあけてアクリル球を接着する、という作業はちょっと工作の難易度が高い。そこで、その部分の工作だけをアクリル関係の業者に依頼することにした。


ただ、なるべく安く済ませたいということで、「チップスター」の円筒形の空き箱を利用して工作をすることにした。そして、その工作の方法はYouTubeにも公開した。「ギズモード」なんかで紹介してもらったおかげで、アクセス数はぐんぐん伸びてゆき、今チェックしてみたら、8,000人以上の人が見てくれたようだ。これってなんだか凄いことだよな。


前から参加を決めていた「MTM05」でも、この「宙玉レンズ」を見てもらおうと思い、新たに業者に発注して持ち込んでみた。そしてブースで、その透明の部品だけを売ってみたんだけど、自分でも作ってみたい、という人が沢山現れた。今まで、自分では面白いと思ってたんだけど、今ひとつ広がりが出なかったのが、レンズ部分の細工が出来たことにより、かなり工作の敷居が低くなったようだ。


そして、iPadの発売日に余っていたレンズをネットで販売してみたところ、3時間ほどで完売。どうやら、お金がなくてiPadを買えない人たちが、みんなこちらの方に流れてきたらしい。まあ、「宙玉レンズ」の方が相当安いからな。私の作戦勝ちということかな。


というわけで、現在は追加を業者に発注して待っているところ。でも、ネットで「宙玉レンズ」を検索してみると「欲しい、欲しい」と言って、身悶えしている人がかなりいるようだ。6月4日から予約販売を開始するんだけど、どうなることでしょうか? 入荷したら、家族みんなで梱包して出荷するからね。申し訳ありませんが、しばしお待ちを!


・宙玉レンズの販売について
http://www.zenji.info/cn21/pg243.html


◇カラーマネージメントセミナー参加者募集中!
「色のトラブルを回避する! カラーマネージメントの最低限の知識とワークフロー」
日時:6月18日(金)19:00〜21:00
会場:喫茶室ルノアール新宿3丁目ビックスビル店マイスペース
参加費:3,000円(消費税込み)
http://www.zenji.info/cn25/pg237.html


◇上原ゼンジ写真展「手ぶれ増幅装置、その他の実験」
会期:6月25日(金)〜27日(日)の3日間 13:00〜19:00
会場:GALLERY街道リぼん(東京都杉並区成田東5-23-2 いわとうアパートメント2F TEL.050-3023-4582)
http://www.zenji.info/news/ribbon.html
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上原ゼンジ


パソコンで画像を取り扱っていると、微妙な色の違いに気がつくことがある。同じファイルを開いているのに、アプリケーションによって色が違う! というような場合だ。まあ、どうでもいいような些細な違いだったりするんだけど、私はそのあたりにズブズブと潜り込み、しつこく調べてしまっているというわけだ。


色が変わってしまう原因はたくさんあって、特定することはなかなか難しいのだが、大きく分ければ、次のようなケースが挙げられると思う。


【その1】
同じファイルなのに、モニタによって表示される色が違う。これは当たり前と言えば当たり前の話なのだが、モニタごとに「R」(赤)、「G」(緑)、「B」(青)の原色が違うので、そのRGB値の組み合わせで表現される画像の色も違ってしまう。それぞれのモニタがその表示の美しさや色の鮮やかさなどを売りにしているが、高級モニタも安物モニタも同じに見えてしまってはメーカーも困ってしまう。


ただし、モニタによって色の見え方がバラバラというのも問題で、プリンタや印刷物との色合わせも困難になる。そこで、考案されたのがカラーマネージメントシステムで、モニタやプリンタの色を測定し、測色的に一致させようという仕組みだ。このシステムはWindowsやMac OSなどに搭載されていて、ユーザーがあまり意識せずに、色合わせができるようになっている。


【その2】
このカラーマネージメントシステムはICCプロファイルを用いた方法が一般的で、互換性も保たれている。ただし、WindowsとMacとPhotoshopでは、その計算機であるCMMがそれぞれ違うので、その部分での微妙な違いがある。それから、画面表示する際のレンダリング方法(「知覚的」とか「相対的な色域を維持」)とかが違っていたりもするので、そこからも差が生まれる。ただし、見比べてみると「ああ、確かに違うね」というようなレベルなので、そんなに大騒ぎするような差ではない。


【その3】
データにプロファイルが埋め込まれていないことによる違い。これが一番重要な問題。カラーマネージメントの基本は、まず元データがあり、それを出力するデバイスであるモニタやプリンタや印刷機に合わせて色変換をすることだ。つまり、元データのプロファイルと変換先のデバイスのプロファイルが必要になるのだが、元データにプロファイルがなければ、取りあえず汎用的なプロファイルで代用することになる。取りあえずのプロファイルが、OSやアプリケーションによって違うために、見た目の色も変わってしまうというわけだ。


Macの場合、この基準のプロファイルは、その昔Apple RGBだった。当時のマッキントッシュの13インチのモニタを基準に考えられたカラースペースだ。その後、一般RGBが基準となり、現在のMac OS 10.6ではsRGBが基準となっている。


sRGBはマイクロソフト社とヒューレット・パッカード社が考案したカラースペースで、IECにより標準化され、現在ではデジタルカメラやプリンタでのデファクトスタンダードともなっている。一般RGBとsRGBの色域はかなり近いが、ガンマ値が1.8と2.2という違いがある。この違いは明るさの違いとなって表示される。


Photoshopの場合も、基準となるカラースペースはsRGBがデフォルトとなっているが、印刷向けにはAdobe RGBが推奨されている。sRGBでは印刷物の色再現域のすべてがカバーできていないので、いくら補正しても出せない色があるからだ。


画像に正しいプロファイルが埋め込まれていれば、WindowsでもMacでもPhotoshopでも同じように再現される。しかし、プロファイルが埋め込まれていないと、それぞれの基準のプロファイルが割り当てられてしまうため、見た目は変わってしまうというわけだ。


プロファイルの埋込みが重要


プロファイルが埋め込まれていない場合に、単純に初期設定のプロファイルが割り当てられるだけなら、ある意味仕方がないが、デジカメデータか? CGデータか? なんていうことも色には関係してくる。


デジカメの撮影データには、基本的にプロファイルは埋め込まれていない。その代わり、デジカメのデータの中には、撮影した日時とか、機種名とかシャッタースピードだとかが記録された、Exif情報が記録されている。そしてその中には、カラースペースの情報もあるのだが、Exifの基本はsRGB。もしもsRGB以外を使う場合には、「Uncalibrated」と記録するのが約束事になっている。


つまり、このExifタグを参照すれば、カラースペースが分かる。一見プロファイルが埋め込まれているように見えても、ただExif情報を参照しているだけ、というケースがあるので注意。またRAWデータの場合はJPEGなどに書き出す際に、アプリケーションがプロファイルを埋め込む。


たとえば、Mac OS 10.6のプレビューでファイルを展開した場合、
(1)プロファイルが埋め込まれていればプロファイル優先
(2)プロファイルがなくてExif情報があれば、そのタグを参照
(3)プロファイルもExif情報もなければ、モニタプロファイル
を参照となる。


最後の(3)のケースは、カラーマネージメントされていない状態を表す。モニタプロファイルからモニタプロファイルへの変換だから、色変換せずに出力する、素の状態のイメージ。たとえばカラーマネージメントがサポートされていない、CGアプリで作成したデータを展開するような場合がそれに当たる。単純に基準のプロファイルを指定しているというわけではないのだ。


なんかややこしくて嫌になりますね。でもトラブルが起きる場合というのは、正しいプロファイルが埋め込まれていない時。だから、きちんとプロファイルが埋め込まれた状態で運用していれば問題はない。


これからは、WEBブラウザや電子書籍用のデバイスやシステムが、カラーマネージメントに対応していくことが予想されます。iPhone OSも次期バージョンからICCプロファイルをサポートするとのこと。つまり、iPadもカラマネが効くようになる。まあ、そういった流れを見据えて、きちんと色変換を行いプロファイルを埋め込んでおくというワークフローを確立しておくべきでしょう。


デバイスによる色の違いも、今後はさらに広がっていくことでしょう。ただし、その差を埋めるのがカラーマネージメントの技術。別に夢のような技術とは言わないけど、かなり実用的な技術ではあります。


◇カラーマネージメントセミナー
今後不定期で「カラーマネージメント&レタッチ」セミナーをやります。第一回は6月18日(金)。カラーマネージメントの基礎知識的な話、とりあえず知っておくべき最低限の設定。印刷、WEB、電子書籍での運用法、などについてお話します。こんなことをやって欲しいとか、◯曜日だったら出席しやすい、といったリクエストがあれば、メールください。


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上原ゼンジ


初めて本の編集をしたのは「沢野ひとしの片手間仕事」という画集だった。当時(1983年)私は大学3年で本の雑誌社に助っ人として出入りしていたのだが、交換広告の担当をしていて、多少写植の知識があったことから、学生ながらに編集担当になったのだった(写植と言っても分からん人が多いかな?)。


当時の「本の雑誌」は、椎名誠、目黒考二の二人で作っていたのだが、単行本の担当は椎名さんだった。しかし、椎名さんはデビュー以来、執筆の仕事が増えてきて、とても単行本の編集までする余裕はなかった。群ようこも在籍していた時代だが、群さんも事務仕事に忙殺されていたので、やはり無理。ということで、助っ人の私が担当することになった。


しかし、今考えてみれば、社内で編集できなければ、外注するというのが普通なんじゃないだろうか。そしてレイアウトはデザイナーの仕事。まあ、コストを安く抑えたいという思惑はあったにせよ、よく素人の学生にやらせたものだなあと思う(笑)


編集担当になった私は、椎名さんから渡された沢野さんのイラスト(段ボール箱3箱分)を毎日毎日眺め、取捨選択し、分類し、構成していった。他の画集を多少参考にしてみたりはしたが、あまり役には立たない。仕方なく、現物を机の上に広げ、順番や配置を変えてみながら、自分の中でしっくりとくる構成を考えていくしかなかった。


考えると言っても論理的に考えるわけではなく、直感的、感覚的に脳ミソを使うわけだ。なんかこの脳ミソの使い方が私には心地よく、けっこうはまってしまった。その後、椎名誠、群ようこ、青山南、佐野洋子といった方達のエッセイ集の編集も担当させてもらったが、文章を編集する場合と画集を編集する場合とでは、脳ミソの使う部分がちょっと違う。


エッセイ集の場合も、同じように単行本に掲載する文章を選んだり、順番を考えたり、章立てをしたりという作業はするのだが、こちらはやはり理屈で考える。一方、画集の場合は「うーん、なぜとは言えないけど、なんかコッチ」という作業を繰り返していくわけだ。


これは写真集の場合も一緒。写真集としては椎名さんの「海を見にいく」「小さなやわらかい午後」、佐藤秀明「ガクの冒険」なんかを担当したけど、使う脳ミソの部分は画集の場合と似ている。基本は感覚的に選ぶしかないわけだが、「なんとなく」選ぶ段階から、「これっきゃないでしょう!」という確信的段階に至るまで、ああでもない、こうでもないと手を動かしていくのが写真の編集で、その過程が自分にとって面白いのだ。


森山大道の写真選び


「本の雑誌」の助っ人だった私は、大学卒業とともに本の雑誌社の正社員となったが、在職中に「FOTO SESSION’86」という写真のグループに参加した。月に一度、中野坂上に借りたアジトと呼ばれるアパートに集まり、森山大道さんに写真を見ていただいた。森山さんはみんなの写真を丁寧にすべて見てくれるのだが、畳の上に置かれた写真をパパっと選んで、並べて見せる所作がカッコよかった。


それらの写真はメンバーが一カ月の間に撮影し、ネガからプリントするコマを選び、プリントしたものの中から、さらにいいと思ったものを持ってきているはずだ。その写真をさらに森山さんのフィルターを通して、再構成していく作業を見ながら、写真を学んでいった。


森山さんが一貫して言っていたのは「とにかくたくさん撮りなさい」ということだった。いっぱい撮ったら、いっぱいセレクトもしなければならないわけで、ただ撮るだけではなく、当然きっちりとプリントをし、セレクトを行うということも含んでの言葉だ。


セレクトをする段階では、撮影者としての自分とはちょっと離れて、第三者的、編集者的な視点から自分の写真を見るということも重要だ。そのためにはやっぱりいっぱい撮って、いっぱい捨てるということが習慣付いていた方がいい。遠くまで撮りに行って大変だったとか、金がかかったとかいうことは写真の良し悪しには関係ない。そういう気持ちの部分を切り捨て、大胆にチョイスしなければならない。


ハードディスクがぶっ飛んだらまた撮ればいい、ぐらいに自分の写真に対してクールでいたいもんだと思っている。まあ、ハードディスクがクラッシュしたら泣くけどさ(笑)


WEB上に写真集を作る


最近は、ブログや写真共有サイトで、自分の写真を簡単に公開できる世の中になってきた。すごく便利だから私も利用している。もちろん、自分なりにセレクトした写真をアップするわけだが、写真が溜まってきたら、さらにセレクトをし、順番を考えてみたりという編集作業をしてみることも重要だと思う。


写真集を自費出版するとなったら大変だが、無料でWEB上に写真集が作れるサイトなんかもあるから、そういうものをどんどん利用していけばいいと思う。私もBCCKSに写真集を作ってみた。


「紫陽花図譜」BCCKS
http://bccks.jp/#B32208,P0


56点の写真で構成されているのだが、写真はすべて紫陽花ばかり。どんな順番で編集すべきかちょっと悩んだが、まず、写真が与える印象から「10代」「20代」「30代」といった年代別に分類してみた。そして、若い蕾から、枯れていくまでという感じで流れを作っていった。まあ、いきなりドライフラワーのような紫陽花を見せられるよりは、入っていきやすいんじゃないだろうか。


BCCKSは2年ほど前から始まった、WEB上に本や雑誌のようなものを作るサービスだが、リアルな紙の書籍の雰囲気を出すために、バックに本当の紙を撮影したものを敷いたり、ページめくり機能を付けたりと、様々な工夫が凝らされている。また、用意されたデザインの雛形がいいのが魅力。


ただ、やってみて感じたのは、ちょっと広告が目立過ぎということだ。まあ、広告が入る代わりに無料で使わせてあげますよ、ということだから仕方ないんだけど、写真集で流れを考えて構成しているのに、突如見開きの広告が入ってくるというのは、違和感がある。もう少し目立たないように、できないのかな?


今度始めるワークショップでも、こういったWEB上の写真集やギャラリー機能をうまく利用できないものかと考えている。ただ撮りっぱなしではなく、第三者的に自分の写真を眺めるための手段として面白いし、活動をワークショップ内だけに閉じ込めず、オープンにしていきたいと思っているからだ。WEBで写真をちょこっと見せるのではなく、ちゃんと見せる方法を模索していきたいと思っている。


「ゼン・ラボ」ワークショップ受講生募集中!


上原ゼンジ写真実験室のワークショップは4月10日開講ですが、まだ若干名の余裕があります。一年間というのは長過ぎという意見があり、半年全6回に変更しました。迷っていた人は、今すぐ申込むといいですよ!
http://www.zenji.info/workshop/announce.html


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上原ゼンジ


●一番ウケたのは透明球レンズ


hanaさんとデイズフォト通信企画のシリーズ撮影会「眼であるく」のゲストに呼ばれ、15名の参加者とともに、善福寺川緑地で撮影をしてきた。


この撮影会はまだ始まったばかりで、hanaさん案内のもと、ゲスト写真家とともに、お散歩しながら撮影を行うのだが、第一回目のゲストが小林紀晴さん、第二回目が私、そして第三回目が大和田良さん、と続いてゆき、同じ場所をそれぞれの写真家がどのように切り取って行くのかを、一緒に体験していくというのが一つのコンセプトとなっている。


私の場合は自分がどう撮るのか、ということよりも、参加者になるべく満足して欲しい、という気持ちが強かったので、参加者が使うための透明球レンズなどを工作して撮影会に臨んだ。


15人分の工作をするのはさすがにしんどいので、3つのパターンをチェンジしながら試してみるというスタイルにした。3つのパターンというのは、透明球レンズと、歪みガラス、そして意図的な手ぶれ写真だ。


透明球レンズは6つ工作したのだが、今回新たに開発したのは、以下のような工作法。


1)透明プラ板に電動ドリルで穴を開け、リーマで穴を広げる。この方法だといろんな大きさの透明球に対応できる。


2)プラ板の穴のところに強力な接着剤をつけて、透明アクリル球を接着。さらに紙管に接着。


3)最後に可愛いマスキングテープを巻いて完成。このテープは別に必要ではないんだけど、カメラ女子に媚びを売ってみました(笑)


一番ウケたのは透明球レンズだった。私が撮っている写真を見て「なんか面白そうだな」とは思っても、自分で工作するとなると、ちょっと面倒だ。しかし、実際に撮影をしてみると「もっと撮ってみたい」と思わせる体験だったようだ。デジタルカメラを使ってはいるけど、やっていることはアナログなので、そんなプリミティブな体験が新鮮なんじゃないだろうか。


◇完成品はコチラ
http://zenji.jugem.jp/?eid=23


歪みガラスというのは、ガラス容器のフタや皿など通して撮影し、世の中を歪ませてしまう手法。今回用意したのは、フタや皿は新宿ミロードの雑貨店「ナチュラルキッチン」で購入した。消費税込みで105円だけど、けっこう楽しめる。一眼レフの場合は、手作りの琉球ガラスの皿なんかが面白い。


意図的な手ぶれというのは、シャッタースピードを遅くして、わざとブレさせて撮影する方法。撮影会の当日はすごく天気が良くて、シャッタースピードを遅くしようとすると露出オーバーになってしまい、参加者の手応えはいまいちだった模様。


そんな中、私は一人でNDフィルタを使って光量を落としながら撮影をしていました。皆さんゴメンナサイ(笑)。NDフィルタを使わなくても、車の遮光フィルムやカラーセロファンなんかを使っても光量を落とすことは可能。たとえば、赤セロファンと青セロファンを重ねたらどうなるか? なんていうことを試してみても面白いと思う。


手ぶれに関してはあまり面白さを伝えられなかったんだけど、実は本人としてはあらためて可能性を感じた。最近は輪ゴムで一眼レフを吊り下げてビヨンビヨンさせていたけれど、これだと適確なフレーミングができない(当たり前だ)。そこで、もうちょっと手元でカメラを震わせるような装置を開発できないものかと思いついた。


細いゴムで蜘蛛の巣のようなものを作って、そこにカメラを取り付けるとか、弾力性のある薄いラバー生地にカメラをくっつけるといったようなイメージだ。そんなゴム製のネットや生地はないものかとネット検索していた時に、ふと思いついたのがコンドームだ。コンドームの先っちょをカットして、そこからレンズを出してみたらどうだろうか? 薄くて弾力性があって。うん、イケル、イケル。


なんてえことを思いついたけど、これはカメラ女子から総スカンを食いそうだから止めておくことにしよう(何カメラ女子を意識してんだよ>オレ)


「ゼンラボ」始めます


4月から、1年間12回のワークショップ「上原ゼンジ写真実験室」(通称ゼンラボ)を開講します。トイレンズや透明球レンズの工作をしたり、撮影会をしたりしながら、自分なりの写真が撮れるようになることを目的とします。そして最終的には写真集を作る(お金をかけないで)というところまでやりたい。


詳細はホームページをご覧ください。少人数限定なので、今すぐお申し込みください!
http://www.zenji.info/workshop/announce.html


●電子書籍の話


前回原稿を書いた「電子書籍で印税生活?」に関してですが、電子書籍化してみようと思っていたのは、「デジカメでトイカメ!! キッチュレンズ工房」という本でした。残念ながら絶版になってしまったため、電子書籍として復活できないだろうか、と思ったわけです。


元々はデジクリで連載したコンテンツだし、「問題ないですよね」という意味で、版元の方に勝手に電子書籍化しても構わないかお伺いを立ててみたところ、「ちょっと待ったー」がかかりました。何か契約上の問題でもあるんだろうか? なんていうことを考えながら、版権を管理されている方と打ち合わせをしたんだけど、それは「うちから電子書籍として出版しないか」というお話だったのだ。


すでにレイアウトも始めていたし、ちょっと迷ったんだけど、今回はこの申し入れを受けることにした。まあ、どちらで出すにしても、そんなにたくさん売れるとも思えない。ただ、欲しいという人が現れた時に、著者としては、簡単に読めるような手段を用意しておきたかったのだ。


打ち合わせが進むうちに、iPhoneアプリにしたらどうか、とか、いろいろと面白そうなアイディアも出てきた。これはこれで面白そうな展開になってきたので、またレポートさせて頂きます。そして、絶版になったコンテンツを持っている著者は、きちんと整理して、電子書籍としての復活の道を探ってみてはどうだろうか、と思った次第だ。


◇「その向こうに」
デイズフォト通信のWEBギャラリーに、歪みガラスや輪ゴムカメラで撮影したモノクロ写真「その向こうに」をアップ。「こんな風に写るんだ!」というのを見てみてください。
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◇hanaさんの写真展「目であるく─端境─」開催中!
http://hana-photography.com/


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蛇腹レンズの作り方の動画を、YouTubeにアップしてみた。元々蛇腹の設計図(PDF)は公開していたのだが、うまく折れなかったという人がいたので、動画で説明をしてみたというわけだ。折り始めの部分が分からないと、なかなか次のステップに進むことができないらしい。たぶんこの動画を見れば分かるはずなので、別にレンズを作る必要がない方も、意味なく蛇腹を折ってみていただきたいと思う。人生が豊かになりますよ。


動画の撮影はデジカメで行った。全部自分でやっているから、録画ボタンを押してから、そそくさと椅子に座って撮影開始、終わったらまたカメラの所まで行って録画停止、というのを繰り返しながら作った。座る位置が悪くてちゃんと画面の真ん中に収まっていなかったりするのだが、なんどもやり直すのは面倒だし、折り方が分かればいいんだから、と自分に言い訳しながら、あまり手間はかけずに気軽に作った。


この「手間をかけずに気軽に」というのは自分にとってすごく重要で、凝りだしたらどんどん突っ走って行ってしまうので、最初から距離を置いておかないと大変なことになってしまうのだ。だから、ギャンブルにも、ゲームにも、flashにも、CGにも近づかないようにしている。そうじゃないと破産したり、廃人のようにゲームをやり続けたりする可能性があるからだ。


でもまあ、なんとなく動画の編集はできている。いつもは紙媒体で写真とキャプションにより解説をしているわけだが、同じコンテンツを使って動画にすることもできる。ただ、写真とキャプションを時間によって切り替えていけばいいのだから。動画の場合、縦横の比率が一定なので、誌面上でレイアウトすることを考えれば楽と言えば楽。


それにしても、個人で動画のコンテンツを作って簡単に公開できるようになったんだから、世の中も変わったものだ。しかもそんなことを自分がやるなんて。でも蛇腹の折り方を伝える方法を考えた場合、動画が一番簡単だし分かりやすそうだ。


今回気を使ったのは、指毛を剃ること。そんなに体毛は濃い方じゃないんだけど、手元をアップにするとちょっと目立つ。そこでカミソリを使って剃ってみたんだけど、手の甲を二か所ほど傷つけてしまった。赤い傷でかえって目立つようになってしまったので、今度はファンデーションで傷を隠す。手間をかけずにと言ったわりには手間がかかってるか(笑)。今度は剃毛じゃなくて、脱色にするべきか?


蛇腹レンズに関しては、以下のURLから設計図がダウンロードできるようになっている。ニコンの一眼レフとマイクロフォーサーズでは使えたから、キヤノンでもペンタックスでも使えると思う。写りに関しては、自分で調達したレンズに依存する。安物のプラスチックレンズであればトイカメラのような写りになるし、ちゃんとした光学レンズであれば、品のある描写にもなる。


この蛇腹レンズを作ってから、しばらく経つけれど、安く工作できるし、ピント合わせもそんなに難しくないし、描写も悪くない。蛇腹を折るというハードルがあったが、やってみるとそんなに難しくないので、動画を見てぜひチャレンジしてみてください。


・YouTubeのチャンネル
http://www.youtube.com/kitsch999
・設計図のPDF
http://www.zenji.info/bellows/bellows.html


【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
http://www.zenji.info/


デジタル一眼レフカメラが上手くなる本 基本とシーン別の撮り方60
著者:
アマゾンレビュー
欲しいものリストに
上原ゼンジの新刊(共著)
「デジタル一眼レフカメラが上手くなる本 基本とシーン別の撮り方60」(翔泳社刊)
上原ゼンジ/桃井一至/荻窪圭
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798120626/maminka-22/


Twitterというのも始めてみた。hanaさんに勧められて、登録してみたんだけど、まだ様子がよく分からん。とりあえず、お知らせ的に使おうと思っている。
http://twitter.com/Zenji_Uehara

上原ゼンジ


◎飯村昭彦「芸術状物質の謎」


以前、写真展などを紹介したことがある、飯村昭彦さんの写真集が刊行の運びとなった。タイトルは「芸術状物質の謎」、サブタイトルは「あの男が煙突から降りてきた」だ。もともと飯村さんの写真のファンだったのだが、私の本を出してくれた雷鳥社の担当編集者に紹介して、ようやく世に送り出せることになった。ウレシイ!


サブタイトルを見れば、分かる人には分かると思うが、赤瀬川原平著「超芸術トマソン」の表紙ともなった写真を撮影した人物で、煙突から降りてきた後、地味〜に撮ってきた写真が今回まとまったということだ。


分からない人のために説明しておくと、銭湯の浴場や脱衣所部分が壊され、空き地に煙突だけが立っているという物件が、当時六本木にあった。飯村さんはその煙突に登り、支えもなしにてっぺんに立って、一脚に付けた魚眼レンズで自分の姿と周りの景色を写しこんだのだ。


その恐怖の写真はコチラ。
http://www.zenji.info/profile/iimura/iimura.html


さて、地味〜に何を撮影していたのかと言えば、やはり超芸術トマソンや、トマソンの分類からちょっと外れた芸術状物質だ。トマソンというのは、建築物に付着した使い道のない物件のことで、
窓のないヒサシや、昇ったはいいけど、降りるしかない無用階段などの物件のことを指す。


そして芸術状物質というのは、芸術家が意識的に造り上げたものではなく、名も知れぬ民が意図せず造ってしまったんだけど、芸術にしか見えないような物件のことを指す。被写体となっているのは街の中にある鉄柱や壁や立て札や自転車等々。


何度も何度も違う色のペンキを塗り重ね、それが剥がれたり、剥がされたり、風雨に晒され腐食したりしながら、いつの間にか抽象絵画のようになってしまったものだ。


こういう剥がれたペイントや錆びたようなもんが好きな人というのは、世界中にいて、フリッカーでグループを作っていたりするけれど、飯村さんのスタンスは独特だ。まず、芸術(物件)ありきなので、飯村さん自身が主張をして物件を手篭めにするような撮り方ではない。あくまで冷静に作品を複写するようなスタンスなのだ。


だからと言って突き放すのではなく、きちんと作品と対峙し、大判のカメラを使ってじっくりと撮影する。たとえば、新宿の大ガードの側の鉄柱の後ろに黒いバックペーパーを垂らし、ライティングをしてかっちりと写す。その撮影風景を想像すると笑ってしまうが、写真自体は物件のディテールが緻密に描写されていて美しい。


今まで何度も写真は見せて貰ってたんだけど、本になってテキストを読みながら鑑賞してみると新たな発見があってなかなか面白い。梱包芸術のような物件やインスタレーションのような物件なども収録されていて、芸術とは何か? 写真とは何か? なんていうことを考えるためのヒントもいろいろあって楽しめる。なかなかいい本が出来ました。もうそろそろ書店に並ぶはずなので、ぜひ手にとって見てください。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844135317/dgcrcom-22/


◎「OLYMPUS PEN」で蛇腹レンズ


最近「OLYMPUS PEN」を使って、手作りレンズ遊びをしてました。『オリンパス PEN ファンブック E-P2/E-P1対応』(インプレスジャパン)というムックで3ページほど紹介したんだけど、アップルストア銀座でのイベントに参加して、生でお話もすることになりました。持ち時間は40分ほどですが、手作りレンズを見てみたいかたはぜひご参加ください。


「もっと撮りたい!おもしろPEN Graphy講座」
http://ganref.jp/m/dcm_staff/reviews_and_diaries/diary/1001
日時:12月19日(土)
会場:Apple Store,Ginza(東京都中央区銀座3-5-12 サヱグサビル本館)
http://www.apple.com/jp/retail/ginza/


14:10〜14:50「ファンタジックラフモノクローム」
PEN Grapher:佐々木啓太 http://homepage.mac.com/st_eight/
PENのアートフィルターと「もやっとフィルター」の合わせ技が生み出すイメージを体験しましょう


15:10〜15:50「Happy Color Filter」
PEN Grapher:佐藤倫子 http://www.rin-photo.com/
色の機能と実際のフィルターを使って、PENで“色とカタチ”の表現を楽しんでみましょう


16:10〜16:50
PEN Grapher:上原ゼンジ http://www.zenji.info/
「軟焦点・キッチュレンズ」レンズを作るおもしろさと写真を撮る楽しさを両方味わえる“軟焦点レンズ”を試してみましょう


【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
http://www.zenji.info/

大阪で写真展やセミナーをやります


上原ゼンジ


今月の27日(火)から大阪のギャラリー「ナダール」での写真展が始まる。去年の今頃、尾仲浩二さんが運営するギャラリー「街道」の流し台のスペースに写真を飾らせてもらったのだが、それを見たナダールのオーナーの林和美さんからお話をいただき、企画展を開いていただくことになった。ありがたいことです。


会期中にはトークショーがあり、その前日にはDTP Boosterのセミナーもある。トークショーのタイトルは「創作のネタばらしをします!」ということで、ビー玉レンズとか万華鏡だとかの現物を持ち込んで、どんなふうに撮影しているのかの、実演などしてみたいと思っている。今までひた隠しにしてきた恥ずかしい姿が生で見れます。


それから、写真をどうやって加工しているのか、といったあたりもお見せするつもりだ。人から見たら「インチキじゃん!」というようなこともあるかもしれないな。けっこう手を加えてる写真もあるから。でもオレはドキュメンタリーをやってるわけじゃあないんだから、何をやったっていいんだよ。と言っても、そんなにあざといことをやっているつもりもないけどね。


DTP Boosterのセミナーの方のタイトルは「カラーマネージメント講座─書籍ができるまでを例に」というもので、今まで私が関わってきた本や雑誌の色再現に関して、失敗例や成功例をあげながら、「何をやればいいのか?」ということについて話してみたいと思っている。印刷機本機のプロファイルまで作って運用している人というのは少ないと思うから、参考になるんじゃないかと思います。


もちろん、そんな特殊な事例ばかりじゃなくて、なるべくお金も手間もかけずに、カラーマネージメントの環境を整える方法についても、お話したいと思ってます。


●気合いを入れたプリント


写真展のために、久しぶりにまともにプリントをした。ふだんの仕事では見本プリントを出力したりすることは、ほとんどない。デジタルデータだけだったら、メールやサーバーを使って送れるけど、見本を付けたらバイク便を出動させなければならない。それに編集者とデザイナー、印刷会社間のやりとりだって、ネットを介して行われているのだから、ハードコピーの見本がうまく活用されることはほとんどないだろう。


そんなわけで、久しぶりに自分の手元で行ったプリントは楽しかった。写真では撮影も大事だけど、それと同じぐらいプリント作業も重要なものだと思う。そんな重要なことを怠っていたというのは、良くないな。プリント作業の中では、いろいろと発見もあったし、たまには、気合いを入れたプリントをすることにしよう。


今回は用紙として、「ピクトランバライタ」(コスモスインターナショナル)というペーパーを提供していただいた。バライタというと暗室で使う印画紙のことを思い出すけど、こちらはインクジェットプリンタ用のバライタ紙だ。


暗室で使っていた印画紙には、バライタ紙とRCペーパーがあった。バライタの方は「紙」でRCは「プラスチック」。バライタは乾燥が遅く、フラットに乾燥させるのが結構大変。高価ではあるけれど、トーンなどはきれいに出る。


一方、RCの方は乾燥が速くて、取り扱いが楽。安価だけど、バライタと比べるとちょっと安っぽい感じ。使いわけとしては、バライタの方は展覧会や販売用。RCの方は取りあえずのプリントやベタ焼き用。というような認識を持っていた。でも、ちょっと調べてみたら、その認識は誤りだったことに気づいた。


まず、RCペーパーというのは、プラスチックというわけではないみたいだな。いや、確かに触った感じはプラスチックじゃなくて、紙です(笑)。紙は紙なんだけど、まずベースになる紙をポリエチレン層でサンドイッチにした上に乳剤層があるんだそうだ。だから、ベース紙まで薬品等が染み込まず、水洗や乾燥が楽だというわけ。


一方のバライタ紙の方には、ベース紙の上を硫酸バリウムの白色微結晶によるバライタ層というのがある。紙の白色度や平滑性を高めるためのものですね。ということは、印刷用紙のコーティングや、インクジェットプリンタ用紙の蛍光増白剤と同じような役割をしているということだ。ナルホド……。


今回使用したピクトランバライタの説明は以下のようなもの。


「本紙は結晶性硫酸バリウム層(バライタ層)を設けており、蛍光増白剤を使用しておりません。そのため、永遠不変に近い均一な白色を維持します。もちろんバライタ層の上にはピクトランの基本技術である最高度の高透明インク受容層を有しており、バライタの白さから暗黒の黒さまで最大限の階調性で新しい写真の世界を表現することが可能であるとともに、従来の古典技術である、銀塩バライタ紙の風合いも、そのまま感じ取ることができます」


つまり、一般的なインクジェットプリンタの用紙のように蛍光増白剤を使わずに、印画紙のバライタと同じように結晶性硫酸バリウムを使ってみました。どうですか、お客さん! ということですね。


で、使用感は悪くないですねえ。印画紙にプリントをしていた時は、RCペーパーのつるんつるんの光沢具合が気に食わなくて、バライタ紙を使っていた。RCペーパーにも半光沢や無光沢というのはあるんだけど、これもいまいち。インクジェットプリンタの場合もビカビカの光沢紙というのは、あまり好きじゃないんだけど、マット系だと色の出具合がイマイチなので、仕方なく光沢の強い紙を使っている。


まあ、風合いがありつつ、色も出る(色再現域が広い)という用紙が今までになかったわけじゃないんだけど、このピクトランバライタはなかなかいいですよ。ただ「超高級作品画質インクジェット用紙」というだけあって値段は高いです。作品としてきっちりプリントしておきたい、という場合のための用紙ですね。実際にどんな感じのプリントになるのか見てみたい人は、大阪までぜひどうぞ!


◇実験写真家 上原ゼンジの世界
http://nadar.jp/osaka/schedule/091027.html
会期:10月27日(火)〜11月8日(日)11:00〜19:00 11/2休
会場:NADAR/OSAKA(大阪市中央区南船場3-2-6 大阪農林会館B1TEL.06-6251-8108)
※トークショーは定員に達したもよう。ありがとうございます!


◇DTP Booster 008(Osaka/091030)
カラーマネージメント講座─書籍ができるまでを例に
http://www.mebic.com/konokuri4/1335.html
http://www.dtp-booster.com/vol08/
日時:10月30日(金)19:00〜20:30
会場:デジタルハリウッド大阪校 セミナールーム(大阪市北区)


【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
http://www.zenji.info/

フォトセッション(正式には「FOTO SESSION ’86」)は、私が在籍した写真のグループだ。伝説の写真雑誌「写真時代」が企画した、読者参加型のイベント「写真時代倶楽部」に集まったメンバーを中心に1986年に結成された。中野富士見町にアジトと呼ばれるアパートを借り、月に一度の例会を開いて、森山大道さんに写真を見ていただいた。


アパートには現像設備も作ったので、「写真をやってみたい」と思い始めていた私は、そこで現像ができるという魅力にも惹かれて参加することにしたのだった。


フォトセッションに参加する前は、カラーポジフィルムのコダクロームで撮影していたが、参加してからはモノクロネガフィルムのTri-X400を自分でパトローネに詰めて使うようになる。これで月光の4号という印画紙にプリントするとコントラスト強い写真が焼けるのだが、みんな同じように硬くて黒い写真を焼いていた。森山大道に憧れて、ヘタな真似をしていたというわけだ。


何を撮っていたのかと言えば、街中をふらついてのスナップ写真だ。「写真をやる」イコール「モノクロでスナップ」みたいなイメージは今でもあるが、まあ当時の私もそれをなぞっていたというわけだ。


ただ、毎月森山さんに写真を見て貰う時に「ウケたい」という願望があり、当時からちょっと変なことをやっていた。たとえば、いったんプリントした印画紙に薬品を塗って、わざとムラを作ってみたり、人工着色してみたり。人工着色自体は珍しくないが、写真に水玉模様を描いて持っていった時にはちょっとウケた。


フォトセッションでの活動を開始してしばらくすると、私は会社を辞めることを考え始めた。当時私は本の雑誌社で編集の仕事をしていたのだが、日曜日以外は自由になる時間がなく、もっと撮影やプリントに費やせる時間が欲しくなってしまった。会社を辞めてカメラマンで食って行こうとかいう話ではない。ただ、写真を撮る時間欲しかっただけだ。


1986年の4月からフォトセッションの活動が始まり、夏の終わりに退職を願い出た。引き継ぎをきちんとしていって欲しいと言われ、その年いっぱい在職した。そして年明けからフリーの身となり現在に至る、というわけだ。


○上原ゼンジのツラ


フリーとなり時間がいっぱいできた私はまず、スキンヘッドにした。それまでもいろんなヘアスタイルにしてきたのだが、丸坊主というのはやったことがなかった。不摂生な編集者生活で太ってしまった私は、丸坊主にして痩せていく過程を記録しておこうとした。


完全に剃り上げてしまう前にまず、おでこにアールを入れた。生え際を曲線に剃り上げたということですね。そんなことをやっている人は見たことがなかったので、ちょっとやってみた。そして顔に油を塗り、オールバックにして撮影した。


自分で頭をツルツルにする勇気はなかったので、曲線剃り込みが入ったまま床屋に行った。床屋のお兄ちゃんは不気味なオデコの人間を見てどう思っただろうか? けっこう時間をかけて剃り上げてもらったが、「眉毛を剃ってください」というのは止めにした。それじゃ怪し過ぎる。


家に帰ると一人で眉剃りの儀式を敢行した。それまでは尊いお坊さんのような姿だったけど、いきなり凶悪な顔つきになった。眉毛は社会との架け橋だったんだな。反社会的になりたい人は眉毛を剃ればいいんだよ。興味ある方はぜひお試しください。


ポートレイトのパターンはいろいろ考えていて、たとえば小さな発泡スチロール球を頭にいっぱい張り付けて、仏像化するというのがあった。しかし、頭に接着剤を付けた場合に、頭皮にどのような影響をおよぼすのであろうか? ということを考えるとちょっとビビってしまい、このアイデアはボツにした。いつか自毛でリアル大仏カットに挑戦してみたい。


あとは、シャッタースピードを遅くして、頭を振り回して撮影するとか、鼻の穴にチューブを差し込むとか、まあ、そういったことをいろいろと試してみた。当時の写真を少しWEBにアップしてみた。ご興味ある方はどうぞご覧下さい。


◇上原ゼンジのポートレイト集
http://www.zenji.info/profile/portrait.html


○山崎弘義さんの写真展


フォトセッションのメンバーはけっこうしつこく写真を撮り続けているけど、その中の一人、山崎弘義が現在写真展を開いている。山崎さんは路上で人間に肉薄する写真を撮ってきた。しかし、近年は認知症になったお母さんの看護で、そういった写真も撮れなくなっていたようだ。


そして、ある時から山崎さんはお母さんのポートレイトを撮り始める。お母さんを撮影した後に庭の片隅を撮影する、ということを3年の間毎日繰り返し、1149カットの写真を撮影。その中の約40点が現在展示されている。


◇山崎弘義写真展「DIARY」
http://www.upfield-gallery.jp/
会期:8月20日(木)〜9月6日(日)12:00〜19:00
会場:アップフィールドギャラリー(東京都千代田区三崎町3-10-5 原島第3ビル304 TEL.03-3265-0320)


・山崎弘義ホームページ
http://homepage3.nifty.com/hiroyama/


【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com


ボケ/ブレ不思議写真術 (カメラプラス)
著者:
アマゾンレビュー
欲しいものリストに
・上原ゼンジの新刊
「ボケ/ブレ不思議写真術 カメラプラス」雷鳥社(1,575円)
http://www.zenji.info/profile/book/fushigi/fushigi.html
・上原ゼンジのWEBサイト
http://www.zenji.info/
・上原ゼンジのブログ
http://zenji.jugem.jp/

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