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カテゴリ ‘デジアナ逆十字固め…/上原ゼンジ’ のアーカイブ

■デジアナ逆十字固め…
「日本の写真文化を海外へプロジェクト」に参加


上原ゼンジ


写真集が刊行された。大判でハードカバーのなかなか立派な造りの本だ。以前にも作品集を出しているのだが、そちらの方はA5判のソフトカバーだったし、ハウトゥーページもあったので、あまり「写真集」というような扱いはされず、本人も意気込んで「写真集が出たぞ!」と言うのは憚れるところがあった。


しかし、今回の本は25cm×25cmというサイズでけっこう迫力もあり、当人としても苦節27年、ようやく写真集が出せた感がある。


タイトルは「Circular Cosmos─まあるい宇宙」(シリーズ名)。「宙玉」「万華鏡写真」「うずらの惑星」という3つのシリーズから「丸」つながりでセレクトした。日常の向こう側の、もうひとつの宇宙を垣間見るようなイメージだ。


ずうっと写真を撮ってはきたものの、写真集にまとめるという意識は薄かった。まああまり売れそうな写真でもないから、出すとしても自費出版に近い形になってしまう。しかし、元々が編集者だから自費出版の大変さも分かり、及び腰になっていた部分もある。そんな中、ただ撮るだけじゃなくて、きちんと作品を写真集としてまとめたいなと考え始めた矢先に、今回の本の話をいただいた。


連絡をくれたのは「日本の写真文化を海外へプロジェクト」の代表である柴田誠さんだった。この会はその名前が示す通りに、海外で写真を発表したいという写真家の手助けをしたり、逆に海外の写真事情を知りたいという人のために生まれたNPO法人だ。


活動としては、写真展、フォトフェスティバル、ワークショップなどを通じて日本の写真文化を広めていくのだが、その一環として今回の写真集のシリーズが発刊された。プロフィールやステートメントなどに英文の対訳がついており、基本が海外仕様になっている。


私の本は第一回の配本だが、2月から5月にかけて毎月3冊、計12冊の写真集が刊行される予定。シリーズのすべてが赤い表紙で統一されているので、これがまとまるとけっこう迫力が出そうです。大判の本なので書店で平積みにしたら場所を取っちゃいそうだけど、美術書を扱う書店では置いてる姿が見てみたい。


第一回配本は私の他、高崎勉さんとMichael Hitoshiさんのお二人。高崎さんの「Silhouette」はモノトーンの影絵のような不思議な写真。というか、「Silhouette」自体が「影絵(シルエット)」という意味で、実際に紙に映った影を撮影したものだそうだ。


作品自体はそんなに特殊なイメージではないのだが、1メートルの紙を張った木枠(擬似障子戸)を持ち歩きながら撮ったものだそうだ。その姿を想像すると「やるな」という感じですね(笑)。イメージを追求するための工夫とエネルギーに共感します。


そしてそんな撮影法を知って、あらためて見てみると、確かにただの写真じゃあない。紙に近い影はくっきりと、紙から離れると薄れる微妙な影の味わいがいい。


Michael Hitoshiさんの写真は、都市をヘリコプターを使って俯瞰で撮影したもの。普通の航空写真との違いはその描写の緻密さ。夜景をこんなふうに真俯瞰できっちりと写した写真は見たことがない。闇に浮かぶ街の灯りは美しい模様のようにも見える。


ヘリコプターでホバリングをしながらの撮影はかなり揺れるそうだが、夜間にそんな状態でブレもせずに撮影するのは相当大変なはずだ。この写真にもやはり、自らのイメージを定着させるためエネルギーが凝縮されている。


シリーズはこの後も次々に刊行されていくわけだが、けっこうバラエティーに富んだ人選で面白そう。すでに有名になった人ではなく、まだ知られていない人を海外に紹介していくというプロジェクトには心躍るものがある。自分が選んでもらったということもあるけれど、成功して欲しい、応援したいミッションだ。


自分の写真も海外に紹介して欲しいという人は、ぜひこのプロジェクトに注目し、活動に参加するといいと思います。まだ始まったばかりだけど、今なら目立てるかもしれません!


◇「Circular Cosmos─まあるい宇宙」上原ゼンジ/桜花出版刊
http://imaonline.jp/ud/photobook/52fdd99fabee7b51e9000001


「Circular Cosmos─まあるい宇宙」上原ゼンジ

「Circular Cosmos─まあるい宇宙」上原ゼンジ



◇Amazon
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434189174/maminka-22/


◇日本の写真文化を海外へプロジェクト
http://www.japanphotoglobe.org/


◇「Silhouette」高崎勉
http://imaonline.jp/ud/photobook/52fddc98abee7b548e000001


「Silhouette」高崎勉

「Silhouette」高崎勉



◇「Line」Michael Hitoshi
http://imaonline.jp/ud/photobook/52fdcfebb31ac97960000001


「Line」Michael Hitoshi

「Line」Michael Hitoshi



【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com 
http://twitter.com/Zenji_Uehara
上原ゼンジのWEBサイト
http://www.zenji.info/
Soratama – 宙玉レンズの専門サイト
http://www.soratama.org/
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■デジアナ逆十字固め…
ついに『大トマソン展』開催!


上原ゼンジ


いよいよ『大トマソン展』の開催が近づいてきた。これはもちろん超芸術トマソンの展覧会のことですが、今まで『トマソン31』にしようと言っていたのが、ここに来て名称変更になった。


超芸術探査本部トマソン観測センターの発足31周年で『31』を使っていたのだが、これじゃあはっきり言ってなんのことだかよく分からない。じゃあ『大トマソン展』にしてよく分かるようになったのかと言えば、その効果もまた不明だが、『大恐竜展』とか『大リラックマ展』みたいで、なんだか大きそうでいいじゃないですか。


ではその『大』に恥じないくらい大規模な展覧会なのかというと、最初にゴメンナサイしておいたほうがいいかもしれないレベルかもしれません。しかし、新宿眼科画廊で3部屋借りているので、まあ今までのトマソン展を基準とした相対評価で言えば、『大』と言っても、あながち嘘とも言えない。


その3部屋の構成はというと、まず近年の報告の中から厳選した報告書の展示をしたメイン会場がある。しばらく展覧会をしていなかったので報告書も溜まっており、ただトマソンであるというだけでは展示してもらえません。


類例のないユニークな物件であるとか、ため息の出るような美麗物件であるとか、目利きを唸らせるような物件でないと審査を通過できないのです。そういう意味では、けっこうクオリティーが高くて面白い物件が集まったんじゃないかと思います。


今回のセレクトの特長としては「カワイイ」というのが、けっこう評価の対象になってましたね。それは色とか、その佇まいに対してなんだけど、センターのおじさん達が「カワイイ」好きであるということが発覚しました。今後はぜひカワイイ物件をたくさん見つけて来てください。


小部屋のひとつは「庇百選」用。展示内容は以下の通り。


「窓やドアが塞がれた後に残されて、何もない壁をひっそりと雨露や陽射しから庇っている、純粋な庇として存在し続けている物件のこと。超芸術トマソンの中では基本的な物件ですが、今回は厳選、集積することにより、その魅力の再発見を試みました。」


無用庇というのはわりと発見しやすいので、あまり希少性はない。報告をしてもあまりウケないので、写真だけはいちおう撮っておくけど報告はしないというようなケースも多い。しかし、今回はそんな庇にスポットを当ててみた。実際にいろんなタイプの庇を集めてみるとけっこう壮観です。もちろんカワイイ庇もあります。


レンガの壁の影タイプ

レンガの壁の影タイプ


四つの郵便受け

四つの郵便受け


無用庇

無用庇


「赤太郎ルーム」とは?


そしてもうひとつの小部屋が「赤太郎ルーム」。赤太郎について言葉で説明するのは難しいんだけど、まず道路工事の現場などに置かれている三角コーンを思い浮かべてください。赤いのや赤と白の縞模様のものなんかがあります。


あの三角コーンような形状をしたものに、赤いガムテープがグルグル巻きつけられています。そしてさらにそこから二本の手のようなものが生えていて、両手を開くようにして繋がれている。(やはり説明が難しいw)


赤太郎

赤太郎


場所は民家の壁の外側。角を守るように設置されているので、まあ車がぶつからないようにという目的で置かれているのではないかと推測することができる。ただトマソンの定義としては「無用の長物」である必要があるので、実用目的であればトマソンとはならない。


しかし、その未知の生物のような佇まいがトマソ二アンのハートを掴み、変態する姿が継続的に記録されてきた。そして、いつしかその不可思議な物体は「赤太郎」と呼ばれるようになったのでございます。


これはいったい何なのか? トマソンか否か? 答えはなかなか出なかったが類似物件なども発見されたので、今回、専用の「赤太郎ルーム」を作ってみることにした。


トマソンというのは作者不在が基本なのだが、この物件に関しては、作者の過剰性が滲み出している。類似物件も増えてきたのだが、それぞれに個性があって面白い。


「赤太郎」とは何か? 「無用庇」とは何か? そんなことを考察したとしても何の役にも立ちませんが、ちょっと頭をほぐす効果があるんじゃないかと思います。ぜひおいでください!


◇『大トマソン展』超芸術トマソン観測センター31周年


会期:11月1日(金)〜11月13日(水)12:00〜20:00 木休
会場:新宿眼科画廊(東京都新宿区)
http://www.gankagarou.com/sche/sche_all2013011.html
主催:超芸術探査本部トマソン観測センター
https://www.facebook.com/thomasson.center


・会期中のイベント


参加者が持ち寄った物件などを互いに検討します。トマソンらし
き物件がありましたら報告書をお持ちください。報告用紙入手先
は、会場または http://p.tl/Kwlp


日時:11月10日(日)14:30開場、15:00〜17:00
会場:新宿眼科画廊 スペース0
参加費:無料


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トマソンと写真の狭間で



上原ゼンジ



先日は九州電塾に呼んでいただき、自分の撮っている写真についていろいろお話したのだが、せっかくだからと熊本まで足を延ばし、ちょっと撮影をしてくることにした。


撮りたいシリーズはいろいろあるのだが、けっきょく撮ってきたのは超芸術トマソンの写真が多かった。なぜか熊本ではトマソンが多く目についたのだ。


トマソンに関しては何度か書いているが、「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」のこと。ただ昇って降りるだけしか機能しない無用階段とか、窓がないのにヒサシだけがある無用ヒサシなどの物件がある。


1983年に美学校の赤瀬川原平さんの教室に通っていたが、その頃がちょうどトマソンの全盛期で、新しい物件が続々登場してくるという、ラッキーな時代だった。


その後、路上観察が抬頭してきて、トマソンはその一部のように扱われるようになってしまったが、それを良しとしないトマソ二アンは、ジッと耐え忍びながらトマソン探査を継続してきたのである。


というのはちょっと大袈裟かもしれないが、超芸術トマソンの探査自体はけっこう高度な観念の遊びなんじゃないかと思っている。


と、トマソン一筋30年のようなフリをしてみたが、実は私も一度トマソンを裏切ってしまっている。トマソンと赤瀬川さんと雑誌「写真時代」から写真の面白さを学んだ私は、1986年から森山大道さんに写真を見て貰うことになる。もっと写真と深く付き合いたいと思ったのだ。


そしてフォトセッションという写真のグループに所属して、月に一度集まり、森山さんに見ていただいたり、メンバー同士で互いの写真について意見を述べたり、罵倒しあったりということをしていた。


当時から私は毎回違うネタで勝負していたのだが、最初はトマソンの写真を持っていくことも多かった。するとそこでは「ああ、トマソンね」(それは写真じゃないよね)みたいな扱いを受けるわけだ。


当時写真のなんたるかが分かっていたわけではないけれど、「写真」がやりたいと思って参加しているので、写真扱いされないのは困る。そこで私は、モロにトマソンの物件写真ではないんだけど、なんかちょっと妙な感じがあるよね、といった辺りを志向するようになっていった。


写真ではなく、物件に語らせる


トマソンを発見するアンテナと、「写真」を撮るためのアンテナは違うので、しばらくすると、街中で撮っていてもあまりトマソンが目に入らなくなってしまった。


そして長らくトマソン界から離脱していた私だったが、何年か前からまたトマソン観測センターのメンバーと行動を共にするようになった。トマソンから離れた後いろんな写真を撮ってきたが、ちょっと原点に返ってみたいという気になったのだ。


観測センターのメンバーとはたまにミーティングをして、互いの物件について話し合うのだが、報告書に付けた写真が主張していると、「これって写真だよね」というような扱いを受ける。これはフォトセッションの時とは逆の現象だ。


物件の写真はなるべく分かりやすく撮影をするというのが基本。引いた絵や寄った写真、角度を変えたりして、状況がよく分かるように気を配る。


この場合に構図を考えたり、光線の具合を考えたりして、一枚の写真として成立させようとすると、それは余計なことになってしまうのだ。質実剛健に物件の有り様が分ければそれで良し。写真に語らせるのではなく、物件に語らせるためには、いい写真にしようなどという邪な心は無用なのだ。


トマソンじゃなくても、「いい写真」にしようという心は曲者で、構図が良くて、光線をうまく捉えていて、写真的であればそれでいいのか? という問題がある。


確かにうまいけど、何も訴えてないよね。というようなケース。きれいな作例のような写真だけど、何が言いたいのか伝わってこないような写真。「それっぽいけど、中身なし」というのは注意しなければならない。


もともとトマソンには作者はいない。つまりいい物件を作ろうなどという下心を持った作者が存在しないということだ。これが普通の芸術と超芸術との大きな違い。作者がいないわけだから、意図というのもない。そこに撮影者の意図を潜り込ませようとするのは余計なこと。


ただ、物件には「美麗物件」というのも存在する。その佇まいが美しく、みんなが「おおおお……」と感嘆の声を上げるような物件だ。


トマソン物件自体はそんなに珍しいものではないのだが、美麗で唸らせるようなものに出会うのはなかなか難しい。そこでトマソニアンは美麗物件や新種を求め、街を徘徊するのだ。


今でも、トマソンは写ってないんだけど「なんか妙だよね」という写真を撮りたいという気持ちは変わっていない。そして写真的な小細工をせずに、その妙な感じをすくい取りたいと思っている。


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「プレトマソン31」開催!


上原ゼンジ


前回は、タイムラプス、シネマグラフ、3D宙玉など、次々にいろんな技法にちょっかいを出しているという話を書いた。しかし、それはさらにさらに続いていて、先日もまた新しい撮影にチャレンジしてきた。


自分でも少し病的なものを感じるが、まあビョーキが入ってるぐらいがちょうどいいのかもしれない、などと自分に言い訳しながら、日々実験をしている。


試してみたのは360度パノラマ写真だ。それは、カメラを中心に前後左右真上から真下まで写っている写真のこと。当然一回では撮影できないので、何回かにわけて撮影し、撮影した画像をつなぎ合わせる。


たとえば、180度撮影できる魚眼レンズで前後方向2カット撮影したものをつなぐというのが一番撮影回数の少ない方法。ただし、周縁部の画質が落ちてしまうので、もう少しカット数を増やして行けばクオリティーは上がってくる。


たとえば、水平に回転させながら6カット撮影し、さらに天地を撮影するとか、水平ではなく、ちょっと斜め上を向けて3カット撮影し、地面を撮った画像をプラスするとかいろんなバリエーションがある。


スピーディーに撮影したいか、じっくり撮れるのか。WEBで発表するのか、大きくプリントするのか、といったことを考えながら、それぞれがベストな方法を模索するというわけだ。


基本的には三脚を使って撮影するのだが、三脚は写っちゃわないの? という疑問が当然出てくる。きれいに消したい場合には、三脚をはずして三脚消し用の写真を撮影し、映り込んだ三脚部分の上から重ねて隠してしまう。


手間はかかるが、そんな工夫で撮影者もカメラも三脚も映り込まない不思議な360度パノラマ写真が撮れるというわけだ。


印刷したりする場合には、平面にしなければいけないので、天と地が大きく歪んだ写真になる。一方、WEBなどの場合はマウス操作などで回転させ自分が見たいところを見ることができる、360度VRパノラマでのブラウジングが可能。


最近では報道分野などでもよく見かけるようになってきた。たとえばイベント会場などでは、その場の雰囲気をよく伝えることができる。


◇パノラマで見る CP+2013(産経ニュース)
http://photo.sankei.jp.msn.com/panorama/data/2013/0131pentaxricoh/


◇福島第一原発4号機の最上階(朝日新聞デジタル)
http://ev.digital.asahi.com/special/panorama/20130220fukushima/


あるいは、全周パノラマの動画なんていうのも見かけるようになってきた。これはカメラを複数台使って同時に撮影するそうだが、やはりインタラクティブに操作できるようになっている。これはかなり不思議。


◇「Matchbox Twenty」のPVのインタラクティブ版
http://klooz.jp/supadupa


私の周りにはこの360°のパノラマ撮影をしている人がけっこういるのだが、私自身はやろうとは思っていなかった。というのは、その人達は何年も前から取り組んでいて、すでに素晴らしいパノラマ写真を発表している。そこに私が後から参入しても勝てるわけがない。それにパノラマでオリジナリティーを出すのはけっこう難しい。


パノラマ写真を本格的にやろうと思ったら、魚眼レンズや専用の雲台などが必要だし、きれいに写真をつなげるためのアプリケーションとその取り扱い技術も必要なのだ。


ただ、今回そんなところに新規参入しようと思ったのは、ちょっとしたアイディアを思いついたから。まだ内緒なんだけど。「おっ、やった。これはイケル!」と思ったら止まらなくなってしまった。本当にイケルのかどうかは分からないんだけどw


3月末に「プレトマソン31」を開催


超芸術トマソンの展覧会「トマソン31」をこの秋にやるということは、すでに書かせていただいた。超芸術探査本部トマソン観測センターの発足からちょうど31周年ということで、ここ最近の物件を集めて新宿眼科画廊で発表会を行うのだ。


なぜ31周年なのかということには、深い意味はない。本当はもっと前に思いついて30周年だったら区切りが良かったのだが、誰も思いつかなかったというだけの話だ。


私自身はセンターが発足した翌年の1983年に美学校の赤瀬川原平さんの授業を受けていたので、あれから30年も経ってしまったのかと感慨深い。トマソン観測センターというのは、赤瀬川さんと美学校の先輩達が作ったものだ。我々が入った年にちょうど「写真時代」誌上で盛り上がっていたので、授業の一貫としてみんなでトマソン観測をしていたのだ。


さて、そんな「トマソン31」に先駆けて今月末に「プレトマソン31」が開かれる。これは秋の発表会に向けて報告書を集めたり、新しいトマソニアンの発掘をするために行われる。トマソンを発見した人が報告書を書いて持ち寄るという会だ。


もし物件をお持ちの方は、ぜひ報告書をお書きください。報告書は以下のページよりダウンロード可能。初めての人は写真だけ持ってきて、当日記入するということでも構いません。オジさんばかりの会に新しい息吹をもたらしてください!


◇報告用紙ダウンロード
http://p.tl/WUAD


◇プレトマソン31
超芸術探査本部トマソン観測センター
公開 物件報告・認定会
日時:3月31日(日)13:30〜16:30
会場:文京区民センター 3階3C 参加費無料。定員30名。
https://www.facebook.com/events/519249904792188/


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そして、ちょっかいを出しまくる
タイムラプス、シネマグラフ、ステレオ写真をやってみた


上原ゼンジ


私が実験的な写真を撮り始めたのは、姉妹メルマガ・デジクリの連載からだ。2006年の4月の「レトロなレンズを求めて」というのがその始まりだから、もう7年になるわけだ。暗室をやっていたころから実験的なことはやっていたけれど、毎週やってくる締め切りに合わせてネタを絞り出すことにより、どんどんその世界が広がっていった。


次々といろんなことにちょっかいを出してないで、少しやることを絞ってみよう、などとたまに思ったりもするのだが、私は一生こんなことをやり続けてゆくのでしょう。たぶんそういう性分だからもう直らない。ただ興味のある方向には粘着的な力を発揮できるから、自分を放置して、好きにやらせておくのがいいのかなと思っている。


タイムラプスをやってみた


本当に次から次へとやりたいことが出て来てしまうのだが、昨日はタイムラプスをしてきた。タイムラプスというのは、微速度撮影のことで、5秒に一回とかで撮影した写真をつなぎ合わせることにより、時間を圧縮させて見せるムービーの技術。雲がすごい勢いで流れたり、蝶がサナギから羽化する様子を早回しで見せたりするアレのことです。


アレがiPhoneやデジカメで簡単にできるようになってきた。iPhoneであれば、「TimeLapse」などのアプリケーションをインストールすればいいし、これから発売されるデジカメには、あたりまえのように搭載されるようになるのでしょう。


基本は何秒毎に撮影し、どれくらいの時間撮影をするのか設定をするのだが、単にJPEGで大量に撮影するのではなく、ムービーファイルとして記録できるというのがポイント。雲の動きがもうちょっと速い方がいい、とかの確認がすぐにできるし、ファイルが重くならない。そしてパソコンに取り込んでの編集作業が不要だというのがありがたい。


ムービーをやるということに対し、写真を裏切るような後ろめたさがあるのだが、「これは写真をつなげたものだから、ただの動く写真だよな」と自分を納得させやすいところがいい。


まあムービーって元々そうなんだけど、このタイムラプスは、より写真を撮るという行為に近い感じがする。6秒分のムービーを撮るのに14分も待っていなければならないので、「そんなヒマなことは、オレには無理!」と最初は思ってたんだけど、なかなか面白くてハマってしまった。宙玉レンズと合わせるとなかなかいい感じになる。


ちょこっと動くシネマグラフ


さらにシネマグラフというのにもちょっかいを出し始めた。これは一見すると写真に見えるのだが、画面の一部だけが微妙に動いている映像だ。たとえば画面内にあるロウソクの炎だけが、チラチラと動いているとか、ポートレイト写真で片目だけが瞬きで動いているとか。その動きがGIFアニメになって、何度も繰り返される。


これを最初に見た時は面白いとは思ったけど、自分でやってみようとは思わなかった。しかし知人がセミナーで披露したデモンストレーションを見て、すぐに真似をしてみたのだが、これも面白かった。


とりあえず撮ってみたのは宙玉レンズを使ったロウソクの写真だが、一つの技術を知ると別の技法との組み合わせでいろんなアイディアが広がってくるのが楽しい。


今回は使い慣れたPhotoshopでシネマグラフに仕立て上げたのだが、これもまたiPhoneを使ってシネマグラフを作成するためのアプリがいろいろと出ている(Cinemagram、Flixel、Kinotopicなど)。


Photoshopだって、以前は動画をサポートしてなかったから出来なかったようなことが、今ではスマホで簡単にできてしまう。動きを出したい部分だけをタッチパネル上でこするという操作性の良さもいい。


◇シネマグラフの第一人者/Jamie Beck & Kevin Burg
http://cinemagraphs.com


◇映画のワンシーンをシネマグラフに
http://iwdrm.tumblr.com/


3D宙玉の可能性


先日は「ステレオクラブ東京」の例会に参加させていただいた。ステレオ写真とは言っても最近はムービーも含まれるので、例会では二台のプロジェクターを使って映像を投影し、みんなで専用の眼鏡を使って鑑賞するという本格的なスタイルだ。


なぜ私が参加したのかと言うと、宙玉でのステレオ写真に挑戦し始めたからだ。facebookにアップされた宙玉写真を見た「ステレオクラブ東京」の関谷隆司さんが、「宙玉2つ付けてステレオで・・・w」というコメントを付けてくれ、それに私がすぐに反応したというわけだ。


だって、脳内に透明球が浮かんでるイメージって面白そうでしょ? なんか宙玉写真と3Dの親和性というのは非常に高いのではないか。そう考えたらすぐに玉が二つ並んだ宙玉レンズを作っていた。


結果から言えば、この玉二つタイプはイマイチだったんだけど、現在もこの3D宙玉にはチャレンジ中。まあ、近い将来その結果をお見せすることができるでしょう。


ステレオ写真もiPhoneを使って撮影することができる。たとえばアプリとしては「i3DCamera」や「i3DSteroid」があるが、どちらも「ステレオクラブ東京」のメンバーが開発したそうだ。私はステレオ写真を始めたばかりなのに、いきなりディープな人達と出会うことができたようだ。


私の身近なところで言うと、超芸術トマソンの煙突男こと飯村昭彦さんがステレオ写真をやっているが、飯村さんは4×5のポジでステレオ写真を撮ってましたよ。それがiPhoneで撮れちゃうんだからねえ。世の中変わったもんだ。いや、当時でも4×5で撮ってたのは珍しかったかもしれないけどw


カメラは写真だけ写ればいいと思ってたけど、そんなことないから、どんどん進化して欲しい。パソコン化してカメラ自体にいろんなアプリがダウンロードできたり、編集ができたり。モジュール化して撮像部と再生部が分離出来たり。


フィルムや印画紙がなくなってしまう悲しい時代ではなく、いろんな可能性が広がる面白い状況に立ち合っていると思いたい。そしていろんなことにちょっかいを出しまくって、見た事がないような面白い写真を撮ってみたい。


◇「網フィルター」を作ってみよう! アナログモザイクの微妙な味わい(デジカメWatch)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/omoshiro/20130207_586454.html


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上原ゼンジ


トマソンの展覧会をやることになった。といっても、来年の11月に新宿眼科画廊で行われるということだけが決まった。トマソン誕生から30年以上も経ってしまったので、中核メンバー(美学校での赤瀬川原平さんの生徒達)も齢をとり、とりあえず会期を決めてしまわないと、なかなか動けなくなってしまったのだ。


超芸術トマソンとは「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」のことで、使わなくなり塗り込められてしまった窓の上にさびしく佇むヒサシとか、どこにも続いていない、ただ昇って降りるだけの機能しかない純粋階段などのこと。そういった物件を街を歩いて探し歩き、写真を撮り、報告書を作成するというのが我々の活動だ。


正しくは「超芸術探査本部トマソン観測センター」という。ただ自分たちで観測をするだけでなく、全国から集まる報告書を精査し、トマソンと認められた物件に認定印を押して保管しておくという大切な役割もある。


トマソンの楽しさはふたつあると思う。まず発見する楽しさ。街中を歩きまわって物件を探し出すのだが、そんなにゴロゴロしているものでもないので、美麗な物件などに出くわした時はけっこう嬉しい。そしてもうひとつの楽しさは、誰かが見つけてきた物件について、その物件はどうやってできたのか、トマソンか否か、ということをディスカッションすることだ。


この時、いかにくだらない想像力を働かせるのかということが重要。その物件の主に直接聞いてしまえば、ミもフタもない答えが返ってくるかもしれない。しかしそんな無粋なことはせず、その成り立ちを一生懸命想像するのだ。


たとえばその物件を生み出した人の人物像をプロファイリングするとか、少しずつ変化していった過程を描写してみる。真実を突き詰めるのではなく、曖昧なままにあれこれと考えを巡らせて味わう態度が重要。


赤瀬川さんが著した「超芸術トマソン」(筑摩書房)も増刷を重ねたので、トマソンを発見したという人は世の中に多いと思うが、みんなであーでもないこーでもないと論じ合った経験がある人は少ないはず。展覧会の期間中には報告会も予定しているので、ぜひ物件を見つけて参加して欲しい。


Facebookにとりあえずトマソンのページを作ってみた。今後、報告書の書き方や入手方法についてもまとめていきたいと思っているので、興味がある方は「いいね!」をしておいてください。


◇超芸術探査本部トマソン観測センター
https://www.facebook.com/thomasson.center


意外に多い金属鳥居


展覧会が決まり、私も久しぶりにトマソンの自主探査を行った。元々そんなにトマソン感度は高くないのだが、ほとんどトマソンと出会うことができずに疲れて帰ってきた。いちおう展覧会までに自宅周辺を中心に報告をしたいと思っているので、少しずつリハビリをしなければならない。


そんな中、トマソンではないのだがちょっと気になるものと出会った。ステンレス製の鳥居だ。銀色に輝くこの鳥居が視界に入った時は、凄い違和感をおぼえた。まあ鳥居と言えば木製がメインだよな。思い返してみれば石で出来た鳥居というのもあったかもしれない。


しかし、ステンレスだといまいち有り難みがない。前の鳥居が木製で腐ってしまったので、劣化しにくいステンレスを使ったのだろうか?
http://p.tl/Gfhf-


などと考えながら、Facebookにその写真をアップしてみたら、けっこうコメントがついた。世の中には鳥居好きがいっぱいいたのだろうか? 


二宮さんは「曾叔父でもある二宮忠八翁が建立した飛行神社も、ジュラルミンの鳥居です。かなり迫力あります(笑)」というコメントをくれた。ジュラルミンというのはステンレスよりカッコよさそうだな。飛行機の機体の素材として使われることが多いから、鳥居に使ったということのようだ。拝殿はギリシャ風だし、飛行神社侮りがたし。


◇飛行神社 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/飛行神社


よく見ると、私が発見したステンレス製鳥居もなかなかよくできている。もしかしたら、飛行神社のように何か謂われのあるものなのだろうか? などと考えていたら、今度は飯村さんがステンレス製鳥居の業者を教えてくれた。


実は現在の鳥居の素材としては、かなり一般的なもののようだ。ただし多くは赤く塗っり、御影塗装を施したりしているようだ。私が見つけた鳥居は塗装代をケチったのだろか?


◇ステンレス鳥居の色・石調について
< http://www.sankei-torii.com/color_stone/index.html >


また柴田さん(女子)は兵庫県高砂市にある鹿島神社には、高さ26メートルのチタン製大鳥居があるという情報を寄せてくれた。するとみんな、この「チタン」という響きに大興奮。男子はチタンが好きだよな。


調べてみたらこの大鳥居の動画もあった。かなりの迫力だぞ。近くの石碑にはこのチタン大鳥居の概要が書いてあるんだけど「耐久年 千五百年」だって(笑)。人類が滅亡した後も鎮座しているのでしょう。


◇街角散策「鹿島神社チタン製鳥居」(高砂市)
http://www.youtube.com/watch?v=yHOrAAStwCs


結局私が見つけた鳥居の正体は不明だ。「ご予算がないようでしたら、塗装は後からでも大丈夫ですよ。後々のことを考えたらステンレス製が絶対にお得です」と業者に説得されて、ステンレス剥き出しの鳥居ができたのだろうか? まあ、正しい解は求めていない。考える過程こそが重要だからだ。


ゼンラボ・ワークショップ「万華鏡写真の巻」


12月9日(日)に下北沢のカフェ&ギャラリー「バロンデッセ」にて万華鏡写真のワークショップを行います。詳細は以下URLを御覧ください。
http://p.tl/W2GS-


◇「こんな撮り方もあったんだ! アイディア写真術」
(インプレスジャパン)
http://www.impressjapan.jp/books/3273


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私が主宰する「bitgallery」に二つのコンテンツを追加した。ギャラリーと称しているが、奥付などもあり紙の本の構成を模しているので、WEB写真集といったほうがいいようなものだ。姉妹メルマガ「デジクリ」執筆者のGrowHairさんの写真など、現在9つの写真集が掲載されている。


しばらく更新していなかったのだが、今回加わったのは広瀬勉さんと那須潔さんの写真だ。広瀬さんはフォトセッションの同期で、1986年から2年間森山大道さんに写真を見ていただいた。


この時、先輩から一緒に現像の手ほどきを受け、写真にずぶずぶとはまってしまった経緯も同じなので、年下ではあるが同志的な意識を持っている。それと美学校で赤瀬川原平さんに習ったというところも一緒だ。


美学校では当時超芸術トマソンが課題の一つだったが、街歩きをする中で彼は穴あきブロックに惹かれ、いろんなパターンのブロックを探し、写真として記録していった。元々蒐集癖があったのだと思うが、その種類はどんどん増えてゆき「穴あきブロックの広瀬勉」として広く知られるようになっていった。


というのは冗談ではなく、トマソンから路上観察へと移行していく過程で、路上観察の1ジャンルとして認められ、展覧会に出展したり、テレビに出演したり、「塀帳」というブロック塀の写真ばかりを集めてた写真集が刊行されたりもした。


また展覧会では、ブロックのひとつひとつを実物大にプリントし、それを塀のように並べるという、けっこう迫力のある展示をしていた。


当時から「型録」という毎回違ったテーマで構成した冊子を作ったり、同じ型録という名を冠した写真展を続けており、こちらは現在開催中の「キヨスハルヒ」で59回目になるそうだ。


写真展にもかなりのバリエーションがあったのだが、たとえば友人の徳山君のアパートの部屋の中を複写し、原寸大に引き伸ばした写真を元の場所に再び張り、アパートの部屋自体を写真展会場にしてしまう、なんていうユニークな回もあった。


今回、WEB写真集としてまとめたのは、愛知県の清須市はるひ美術館で開催された写真展『猫の塀、渡る鳥。』での展示作からセレクトしたもの。ちょっとした違和感が感じられるような、不思議な雰囲気の写真をご覧下さい。


いま広瀬さんは高円寺駅のすぐそばで、写真の展示ができる「バー鳥渡」のマスターをしている。店の中が見えず、フラッとは入りづらい店なのだが、ぼったくりバーではないので、ご近所の人はどうぞ。夜毎写真に魅せられた人々が集っています。


http://bitgallery.info/hirose.html


◇『バー鳥渡』
東京都杉並区高円寺北2-4-8 2F TEL.03-3338-3331


SNSでの友人に依頼


那須さんとの出会いはSNS上だ。flickrなどで公開されている写真に惹かれたのだが、Facebookでの発言や「いいね!」の付け方を見るうちにシンパシーを覚えるようになった。


ただ、私は積極的にコミュニケーションをとるタイプの人間ではないので、まあなんとなく好みが会うなあ、と感じながらたまにコメントし合うというようなお付き合いをさせていただいている。


今までは面識のある人に「bitgallery」への参加をお願いしていたのだが、SNS上での知り合いに参加してもらったのは今回が初めて。いや、実際に写真展でお目にかかったこともあったそうだが、すっかり忘れてしまっていた。


このWEB写真集の作り方は人によって違う。基本的には私がチョイスしたり、順番を決めたりということをしたいと思っているのだが、中には自分のイメージが強い人がいて、そういう場合はこちらから、強く主張したりということはしない。私が好きな写真を、うまくサポートしながらWEB上で紹介していきたいと思っている。


ただ、那須さんの場合はほぼ私が独断で構成をしてしまった。flickr上に沢山アップされている写真にすべて目を通し、好きな写真を選び、順番を考え、タイトルを考え、表紙のデザインまでした。


「こんな感じで紹介したいんですが、いかがでしょう」と提案したものが通ったので、那須さんの写真であるが、私のフィルターも効いたWEB写真集になったというわけだ。


広瀬さんはフィルムのモノクロだが、那須さんはデジタルで撮影しモノクロ化している。デジタルなのに不思議な味わいのある描写だが、これはオールドレンズを使っているからだ。


その味わいがすごくいいんだけど、これは沢山あるレンズの中からどんなレンズを使うのかというセンスの問題だと思う。ただ古いレンズを使えばいいというわけではない。被写体や撮り方にもすごくマッチしていて好きなのだ。


http://bitgallery.info/nasu.html


Facebookが役に立った!


今回はワークショップの告知をさせて貰おうと思ったんだけど、ゼンラボ通信とFacebookで告知をしたら、数時間で定員になってしまった。Facebookでファンページを作っているのだが、やはり自分に興味を持ってくれた人が「いいね!」をしてくれているので、ピンポイントで伝わるということだな。Facebookの力を見直しました。


https://www.facebook.com/zenlabo


◇「デジカメ・オブスクラ」を作ってみよう!〜スクリーンに映るレトロなイメージを撮影する
(デジカメWatch)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/20121019_566202.html


◇「こんな撮り方もあったんだ!アイディア写真術」
(インプレスジャパン)
http://www.impressjapan.jp/books/3273


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com < http://twitter.com/Zenji_Uehara >
上原ゼンジのWEBサイト
http://www.zenji.info/
Soratama – 宙玉レンズの専門サイト
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上原ゼンジ


新しい本が出た。『こんな撮り方もあったんだ! アイディア写真術』というタイトルで、デジカメWatchに書かせていただいた原稿を大幅加筆訂正し、撮りおろしの写真などもたくさん入れて構成した本だ。内容は、宙玉、太陽画、ブレ写真、万華鏡写真、トイ蛇腹、水玉・泡玉など。多くの作例を交え、撮影の方法などを紹介している。


今までの本というのは、わりと読者のニーズなども考えながら構成していたのだが、今回のは私の趣味が前面にでており、ここ何年か私が最近取り組んできたことの集大成的なものになっている。


元はと言えば、日刊デジタルクリエイターズの連載用に思いついたネタだった。「手作りのレンズを作ったらどうだろう?」という発想から連載を始めたが、一週間ごとに締切がやってくるため、必死でネタを考えなければならなかった。それがどんどん広がって、宙玉レンズや手ブレ増幅装置へとつながったというわけだ。


一番始めの工作は、紙筒の先に100円ショップで買った双眼鏡のレンズをくっつけ、フタのスライドによりピント合わせをするというものだった。金属を加工したりするスキルがなかったのと、なるべく簡単な工作にして、いろんな人に楽しんでもらいたいと思ったからだ。そんな工作を6年もやっていたらどんどん工具も増えてゆき、この間はついにボール盤まで買っちゃいました。


ボール盤というのは、電動ドリルとそれを支える台が一体化したもので、垂直に穴をあけることができる装置のこと。なんでこんな大袈裟なものを買ったのかというと、宙玉レンズ用にガラスのフィルターに穴をあけるためだ。最初にフィルターに穴をあけた時は専門家に依頼した。でも、やはり自分でできた方が便利なので、穴をあけるための試行錯誤を始めた。


でもねえ、うまくできるようになるまでに10枚ぐらいフィルター割っちゃいましたよ。最初は普通の電動ドリルにガラス用の刃を付けてグリグリと削っていたのだが、穴をあけているうちに微妙に動いてしまい、穴はあいても中心にならないのだ。


こんな作業には、刃も穴をあける物も固定できるボール盤が向いていると知ったのだが、値段が高いしけっこうゴツい。しょっちゅう使うものでもないから、使ったあとの置き場にも困る。


そんな時に私が出会ったのは、REXONの小型ボール盤DP2250Rでした。本体寸法はW180×D275×H410mm。想像してみてください、幅が18センチしかないんですよ。小さいでしょ。しかもお値段ナント11,500円。これは買うっきゃないでしょ。早速カミさんに内緒でポチりました。しかしいくら小さいとはいえ、これを使うとかなりの騒音が出るので、すぐにバレちゃったけど。


◇これがそのボール盤
http://www.japan-hobby-tool.com/cart/syouhin.php?cat=00000052&no=00003104


●いつもとは違う体制で編集


単行本の制作というのは、通常は編集さんと二人でチマチマやるんだけど、今回は少し規模が大きかった、最初の打ち合わせは編集2名、デザイナー2名、そして私という5人で行った。


その後もメーリングリストを作って互いに意見を交換しながら、構成やタイトル、表紙デザインなんかを決めていったのでなかなか面白かった。ただ、デザイナーさんには著者まで直接意見を言ってくるので、ちょっと負担だったかもしれないけど……。


いつものやり方だと、デザインのフォーマットを貰って、こちらでInDesignに組んだものを渡し、デザイナーさんにブラッシュアップしてもらうというような段取りなのだが、今回はドサッと写真やテキストを編集さんに渡して「好きにして」という方式をとった。


自分であんまりやり過ぎると、考えが限定されてしまって面白くないからだ。やはりチームで作業をするのなら、違った面白いアイディアをどんどん取り入れていきたい。


そういう意味では編集者、デザイナーの手間のかかった本になったと思う。そして自分で出来上がった本を見ていて思ったんだけど、「オレって相当しつこい人間だよな」ということだ。きれいなレイアウトでオブラートにくるんでは貰っているけど、粘着的な部分が滲み出しているように思う。森山大道さんからは「病気」と言われたけど、こういう部分のことなのだろうか。


●本の中身を全ページ見せます!


今回は本の中身をパラパラと見てもらうために、全ページが収録された動画を作ってみた。InDesignから見開きのPDFに書きだしたものを、Photoshopのバッチ処理でリサイズなどの処理をしてJPEG化。iMovieに読み込んで、それぞれの写真の秒数を設定した。最初は文字が見えすぎで全ページ無料配布になりそうだったので、解像度を落としてYouTubeにアップしてみた。


本の中身を見せるというのはあるけど、新刊で全ページというのはないんじゃない?(ありますか?)なんでこんなことをやろうと思ったかと言うと、本をパラパラやってみれば、興味を持ってくれる人も増えると思ったからだ。


Amazonなんかでも、「なか見!検索」はあるけど、私自身はあまり利用していない。それよりもYouTubeにアップしておいた方が、人目に触れる機会も増えるんじゃないかという計算だ。


まあ中身を見せると言っても、0.3秒でページが切り替わっちゃうんですよ。本当に次々ページが変わるので、なんとなくは分かるけど、よくは分からない。「なんかよく分からないけど面白そうだから買っちゃえー!」という人がいっぱい増えてくれるというのが狙いなんだけど、さて効果はあるかな。


・YouTubeにアップした動画
http://www.youtube.com/watch?v=mwRpYqmgytk


・インプレスジャパンでは目次なども掲載されてます
http://www.impressjapan.jp/books/3273


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以前にもちょっと書かせてもらったことがあるが、尾仲浩二さんが「デイズフォト通信」で連載していたエッセイが、「極・私家版 あの頃、東京で・・」(matatabi文庫)としてまとまった。私家版とあるが、実際に編集やレイアウトなどの作業もすべて尾仲さん自身が行った限定発売の本だ。


内容は、尾仲さんが写真をやるために東京に出てきた1980年から、最初の写真集である「背高あわだち草」を出版した1991年までのことを回想した自伝的エッセイ。東京写真専門学校(現東京ビジュアルアーツ)の森山大道ゼミに通い、CAMPのメンバーとなり、ギャラリー街道を立ち上げた頃の話がまとまっている。


私が尾仲さんと初めてあったのは1986年のこと。FOTO SESSIONという写真のグループに参加し、月に一度森山大道さんに写真を見ていただいた。その時に森山さんの助手のような感じで付き合ってくれたのが、尾仲さんや山内道雄さんだった。尾仲さんは26才、私は24才、森山さんが47才の頃の話だ。ということは、私もあの頃の森山さんの年をいつの間にか越していたということか。


FOTO SESSIONではアジトと呼ばれるアパートを借り、昼間は畳の上に写真を並べて写真を見ていただき、夕方から夜半にかけてはその場で飲み会。そんな場で、森山さんや諸先輩から話を聞きながら、写真のコアな部分に触れていった。


現在、尾仲さんは街道塾を開講し後進の指導にあたっているが、その街道塾の卒業生にリサーチしたところ、酔っぱらうとけっこう無茶なことを言っているらしい。これを聞いて、当時森山さんが酔っぱらってみんなに無茶なことを言っていたのことを思い出した。こんなところで、森山さんの流儀が今も継承されていたというわけだ。


たとえば、ある先輩は森山さんからバイトをするなと言われた。写真家が別の仕事をするなということだ。しかし、これは職業的にカメラマンで食って行けというわけではない。じゃあどうやって食っていいけばいいんだ、と誰しも思うのだが、まあそれくらいの気概を持てとか、覚悟をしろと言われていたのかと思う。


尾仲さんの本の中には、「自分の写真を撮る時間を確保するのにこれは大切なことだ。雑誌などの仕事は、事前の打ち合わせや、原稿の受け渡しなどで、ひと仕事でも数日とられるだろうし、何よりそのために編集者やデザイナーに付き合っていると、本物のカメラマンになってしまいそうだから敬遠した」という一文がある。職業的に写真を撮るのではなく、写真家として自分の写真を撮り続けるために選んだ生き方ということだろう。


翻って自分のことを考えてみれば、やはり写真を撮る時間を確保したいために会社を辞めたのだが、食っていくことに費やす時間が多く、どうにも中途半端に生きてきてしまったものだと思う。


ただ、あまり突っ走り過ぎてもどこかで息切れしてしまうし、何事か成したい人はそれぞれが自分にあった方法を見つけて、継続していくことが重要だと思う。まあ進むべき道を誤っていれば、継続も無駄になってしまう場合もあるから、気をつけなければいけないのだが……。


●「背高あわだち草」から21年


尾仲さんの初めての写真集「背高あわだち草」が、蒼穹舎から刊行されたのは1991年。この時の制作費は蒼穹舎の大田通貴さんと、尾仲さんが折半したのだということを、この本によって初めて知った。出版社とはいっても、大田さんが自分の好きな写真集を出版するために作った会社で、二人にとって制作費の捻出は大変なことだったと思う。


その後、尾仲さんは自分の写真集を着実にまとめてきた。そして
現在までに11冊の写真集が刊行されている。もちろん、すべてが
自費出版というわけではないが、今回の本にしても「人がやって
くれなきゃ自分でやる」という態度が一貫していて格好いい。


あらためて尾仲さんのバイオグラフィーを眺めていると、写真の
王道を歩んできたのではないかという印象を持った。なんか、こ
れからでも尾仲さんを見習いたいと思わされた一冊だ。


◇「極・私家版 あの頃、東京で・・」
B6判、モノクロ、108ページ、限定500部
定価1000円
http://www.onakakoji.com/2012/04/21/極-私家版-あの頃-東京で/


◇尾仲浩二写真展「I’m full オナカイッパイ」
こちらも尾仲色たっぷりの写真展。会期中にはトークショーやライブなども行われる。
会期:6月1日(金)から17日(日)までの金・土・日、13時〜19時
会場:そら塾(東京都台東区根岸3-13-25)
http://www.onakakoji.com/2012/05/22/i-m-full-オナカイッパイ/


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久しぶりにテレビの取材を受けた。最近三件ばかり打診があったが、すべてボツっていたので、どうなるのかと思っていたら今回はすんなりと企画が通ったようだ。


テレビの企画が決まっていく過程としては、まずプロデューサーや構成作家が集まってネタを考え、そのネタに合う人や商品などをリサーチ会社が探しだし、出演できるかどうかの打診をし、オーケーであったら再度企画会議でGoするかどうかを決める、というようなことをやっているらしい。


つまり、打診があった後に企画が通らなければ、話はなくなってしまう。ただし企画が通れば、かなりバタバタと撮影に向けてことが運んでいくことになる。今回の場合は、打診があってから2日で企画が通り、5日後に打ち合わせ、そして9日後にロケの収録ということになった。


番組は読売テレビの「大阪ほんわかテレビ」。残念ながら関西ローカルの番組です。関東では「中井正広のブラックバラエティ」をやっている時間帯だ。どんな番組か知らなかったのでホームページを覗いてみた。


出演者は、笑福亭仁鶴、間寛平、中川家、なだぎ武といった方々らしい。なかなか豪華な顔ぶれですね。特に笑福亭仁鶴さんの名前に私は強く反応しました。生まれて初めて買ったレコードが、笑福亭仁鶴の「どんなんかなァ」だったから(笑)


当時は京都に住んでいて、仁鶴師匠は憧れの人でした。1970年頃の話。私は小学2年生、師匠は33歳。今では吉本興業の特別顧問で、上方お笑い界の重鎮になっているけれど。


私は小学校3年になる時に関東に引っ越してきたのだが、当時関東には関西のお笑いが全然なくて悲しかった。今は関西のお笑いが日本を席巻してるけど、42年前はまださびしい状況でねえ。唯一の楽しみは日清フーズ提供の「ヤングおー! おー!」ぐらいだったな。まだ、さんまは登場しておらず、ザ・パンダが大人気だった。


ディレクターさんは、わざわざ大阪から打ち合わせに来てくれた。そして私が作った宙玉レンズや手ブレ増幅装置などを実際に見てもらい、段取りなどを考えていった。ただ、今までのテレビ出演経験の中で、意にそぐわないことをやらされたこともあったので、その辺りは注意をしなければいけない。


たとえば、テレビ向きのネタとか、視聴者がすぐにできるようなものを求められるんだけど、他のテレビ番組でやっていたようなネタを拾ってきて、やってくれと言われる場合もある。それ、オレが考えたアイディアじゃないし、やってもそんなに面白くないでしょ、というようなケース。


だからテレビを観ていても、ああこれはこの人の発想じゃなくて、構成作家がどこかで見つけてきたアイディアなんだろうなあ、というのが気になってしまう。だって何かの専門家が、そんなにテレビ向けするようなネタをたくさん持ってるとは思えないし。


写真を言葉で伝える


ディレクターさんからは、構成を考えるためにいろいろと話を聞かれた。たとえば「なぜこういうことを始めるようになったんですか?」というようなこと。これは私にとって重要な問題なので、まず何から話したらいいだろうか、などと考えていてはいけない。


ディレクターさんが求めているのは、「大阪のオバちゃん」がパッと分かるような回答だ。写真の技術的なことも、オバちゃんが理解できるような言葉で説明をしなければいけない。これって実はけっこう難しい。


たとえば「何を撮ってるんですか?」と聞かれた場合、写っている以外の何かを撮ろうとしてるんだから、そんな簡単に言葉にできるようなもんじゃないんだ! と言いたいような場合もある。一方で、写真家は撮影するだけじゃなく、自分のやっていることをきちんと言語化して説明できなければダメだ、という言い方もある。


確かに日本の写真家はそういう部分が弱かったかもしれない。だから最近は写真家のホームページでも、きちんとアーティストステートメントを掲げている人も増えてきた。これは写真家に限らず、アーティストが自分のやっていることについて、きちんと文章化にしておこうということ。自分で自分のやっていることを整理するためにも、人に理解してもらうという意味でもいいことだと思う。


ただ実際にそういった写真家のステーツメンツを読んでみると、堅苦しかったり、難しげな場合が多い。まあ、言いたいことは分かるけど、あまり観念的にならずに、やさしい言葉で考えていることが伝えられればそれに越したことはない。


そんな時に、大阪のオバちゃんに説明するというトレーニングも悪くないと思う。写真によけいな言葉はいらないという思いはあるけれど、自分でもなるべく簡潔で分かりやすいアーティストステートメントは書いてみたい。


新しい写真を関西限定公開


埼玉の自宅までロケに来てくれたのは、お笑いコンビのダイアンだ。最初ダイアンという名前を聞いてもピンと来なかったけど、YouTubeでネタを見たら思い出した。M-1の決勝にも二度進出している芸人さんだ。


関西のお笑い芸人が家に来て、どう対応すればいいものかと思ったけど、実際には収録は割とスムーズに進んでいった。一対一でなんか話さなきゃと思うと緊張もするが、コンビが二人で勝手にボケたり、突っ込んだりという時間があったので、それでこちらも落ち着くことができた。ただし、二人のネタが始まってしまうと、こちらはどこから入ったらいいのか困ってしまうこともあったのだが……。


いちおう今回はテレビ映えのするネタもいくつか用意した。一つはドリルドライバーを使った写真。まず子供部屋にクリスマスのイルミネーションを張り、その前にダイアンの津田さんに立ってもらう。そして電動ドリルドライバーに付けたカメラを回転させながら撮影を行う。


この時ストロボを軽く発光させるというのがミソ。するとまずイルミネーションがグルグルと回転した軌跡が写る。さらに発光させた瞬間に人物が浮かび上がり、その二つが合体したように写るのだ。この絵面は新しいかもしれないな。もうちょっとスマートに仕上げて、宙玉レンズのように普及させたいものだ。


相方の西澤さんは水玉レンズで撮影した。これはレンズ前に透明なアクリル板を取り付け、そこにスプレーで水滴を付ける。水滴の一つ一つに西澤さんが写るのだ。これはかなり不気味な写真になりました。考えてみたらこれらの撮影法で人物を被写体にしたのは初めてだった。関西限定ではありますが、世界初公開の写真をお楽しみください!


◇大阪ほんわかテレビ
4月1日 23:20〜(読売テレビ)
http://www.ytv.co.jp/honwaka/


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Facebookのタイムラインに次のような「近況」が流れてきた。


「所沢市では、市内の小中学生全てに金環日食を観察する機会があります。この取組みを全国に広めたいです。『日食観察会@所沢』」


コメントの主は、天体望遠鏡や顕微鏡などのメーカーであるビクセンの社長の新妻和重さん。ご自身のブログにリンクが張られており、今年の5月21日に見られる金環日食について書かれていた。要旨は金環日食が見られるのは7時30分ぐらい、ちょうど通学時間に当たってしまうため、きちんとした観察会をセッティングして、子供たちに見せてあげられないだろうか、ということだった。


ビクセン本社のある所沢市では、校長会が理解を示してくれ、市内の全小中学校で観察会が開催されることになった。できればこの取組みを全国に広めたいという話だ。今年金環日食があるということは知っていたが、それが通学時間に当たるということは知らなかった。


所沢市はお隣の市だが、残念ながら我がふじみ野市ではこのような動きはない。しかし、うちの今年中学に上がる娘にもぜひ見せてやりたい。当日は彼女の誕生日でもあるので、実現すればいい記念にもなるだろう。そう思うと私はいても立ってもいられなくなり、ふじみ野市役所に乗り込んで市長に直談判をした。


というような行動力は残念ながら持ちあわせていないので、市の広報にメールをしてみた。でもそれではちょっと足りなそうだ。そう言えばふじみ野市の市議会議員さんからFacebookでフォローをされていた。こういう時は議員さんに陳情すればいいのだろうか? と思ってFacebookでメッセージを送ってみた。するとしばらくして、次のようなコメントがタイムラインに流れた。


「全小中学校で『金環日食観察会』を実施したいと思います。みなさまどう思いますか? ぜひ覗いてみてください。」


リンクは仙田さだむ議員のブログにつながっており、市に日食観察会の提案をしてくれたようだ。ありがとう仙田議員! あなたのことは忘れません。そしてマーク・ザッカーバーグさんにも感謝します。


登校途中の子供たちが肉眼で太陽を見てしまうと危険だし、世紀の天体ショーをじっくりと観るためにも、日食観察会が全国に広がっていくことを私も望みます。ビクセンでは社員が日食を見られるように、この日は金環日食休暇にするとのこと。子供ばかりではなく、大人だって見てみたいもんね。


「521金環日食観察会」を広めようという取組みに賛同していただける方は、ぜひ、学校や市や議員さんやマスコミなどに働きかけをしていただければと思います。金環日食休暇にして欲しい人は、社長さんに直談判してみてください。当日は晴れるといいですね。


◇「521金環日食観察会」を全国に広げよう!
http://www.zenji.info/column/eclipse.html


◇日食観察会@所沢/びっくりビクセンBlog
http://ameblo.jp/vixen/entry-11139843487.html


ついに「宙玉レンズ for iPhone」登場か?!


来月の頭にはカメラ関係のイベントである「CP+」と印刷、メディア業界のイベントである「page2012」が開催され、期日がもろにバッティングしている。私は両方とも顔を出そうと思っているのだが、CP+の方では間に合えば「宙玉レンズ for iPhone」の発表をしたい。


これはギズモショップから声をかけて貰って製作中なのだが、試作が上がるのがイベントの前ギリギリになってしまう。だから試作の出来が良ければ手にとってもらえるし、出来が悪ければアクリルケースの中に陳列。人様に見せられるようなものにならなければ、イメージ画の展示、という感じでしょうか。


この宙玉レンズは「ZENJIX」というブランドから出す予定。「ZENJIX」では3カ月に一点ぐらい新製品をリリースして行きたいと、さっきSkype会議でギズモショップの社長が言ってたんだけど、本当にそんな展開になるのでしょうか(笑)


でもこのギズモショップの清家英明社長はいろんなアイディアを持っているので、話していると凄く面白い。最近だとカメラ型のiPhoneケース「iCA」が発売になり、けっこう話題になっている。これはただケースにカメラのデザインがプリントがしてあるわけじゃなくて、レンズ部分(偽物)が本当に出っ張っていたりするので、かさ張って邪魔。だけどストラップを付ければ、首からぶら下げられるようになるという冗談のような製品。


ファインダー部を覗いて撮影できたり、シャッターを押すと本当に写真が撮れるというところがけっこう楽しい。またこれからこのケースに取り付け可能なフィルターやレンズ類がいろいろと登場する予定だが、その中の一つに宙玉レンズもラインナップされており、iCAに宙玉レンズがねじ込み式で装着できるようになるはずだ。


他にも海外の変わったカメラやレンズを扱っているので、CP+に行かれる方はぜひブースを覗いてみてください。もしかしたら、私も商品説明をしているかもしれません。


◇ギズモショップ
http://www.gizmoshop.jp/
◇CP+
http://www.cpplus.jp/


「page2012」は日本印刷技術協会主催で今年25回目を迎える老舗イベント。さまざまなメーカーやベンダー企業が出展する大規模なイベントだが、セミナーでは印刷、DTPの話ばかりではなく、電子書籍やデジタルサイネージの話など、最新のネタもいろいろとある。


私は「電塾+年に一度のJPC合同大勉強会」というオープンイベントで、「個別プロファイル解禁!?日本の印刷は専用プロファイルで上手くいく」という話をさせていただく予定。これは昨年出版された「写真の色補正・加工に強くなる〜レタッチ&カラーマネージメント知っておきたい97の知識と技」という本を印刷した時の、カラーマネージメントワークフローに関する話。


紙質があまり良くない紙の場合、なりゆきで色は沈んでしまうというのが常識ですが、その用紙の個別プロファイルを作成すれば、それなりに色はマッチするよ、という話。無駄な色校正も減るので、コストの削減にもつながります。タダなので、興味のある方はぜひどうぞ。


◇「電塾+年に一度のJPC合同大勉強会」
http://www.jagat.or.jp/PAGE/2012/session/session_detail.asp?sh=5&tr=10&se=45
◇「page2012」
http://www.jagat.or.jp/PAGE/2012/


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PHOTOGRAPHER HALさんの写真展「Flesh Love」(ギャラリー冬青)を観てきた。同シリーズは、今年の5月にニコンサロンで行われたものも観たが、ニコンサロンでは大判プリントだったのに対し、今回はコンパクトなサイズにプリントして展示を行なっている。同じシリーズでも、サイズの大小で与えるイメージ変わってくるのでなかなか面白い。


「Flesh Love」の撮影はカップルを布団の圧縮袋に入れて空気を抜き、食品の真空パックのようにした状態で行われる。ヌードの場合もあるし、派手な衣装に身を包んでいる場合もある。被写体はある時点から息を留めているので、2〜3回シャッターを切ったら、すぐに袋を開けて解放する、というかなり緊張感のある撮影現場になるとのこと。


この写真の面白いところは、撮影前に服装やポーズなどの打ち合わせはするものの、圧縮することよって変なふうに体が歪み、想定外の状況になってしまうということだ。やっぱり絵コンテを書いてそれをなぞるような写真よりも、偶然の面白さが加わった方が、写真は魅力的になる。またストロボ光がビニールで反射する様子がチープでポップで艶かしい。


同シリーズは写真集にもなっているが、iPad版が出来たということで、帰ってから早速ダウンロードしてみた。このiPad版もなかなかいいです。いい理由はiPadの光沢感のある液晶画面に、作品がマッチしているということ。ビニールのテカリ感は紙に再現するよりも、iPadで観るほうがよりリアルな感じになる。


それに紙は光らないけど、iPadは光るということも大きい。今後ディスプレイの輝度がさらに上がったり、広色域化したり、解像度が上がったりすることを考えれば、ディスプレイで鑑賞した方が面白い写真というのも増えてくるんだろうなと思わせられた。また、この撮影のメイキング映像なども含まれているのでおすすめです。


今回はちょうどHALさんにも会って説明していただけたので、より面白く観ることができた。在廊予定は冬青社のサイトにアップされるので、できたらご本人の説明を聞きながら鑑賞することをおすすめします。


PHOTOGRAPHER HAL「Flesh Love」
会期:12月2日(金)〜12月24日(土)日月祝休
会場:ギャラリー冬青(東京都中野区)
http://www.tosei-sha.jp/TOSEI-NEW-HP/html/EXHIBITIONS/j_exhibitions.html


◇Photographer’s File #9(デジカメWatch/HARUKI)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/culture/photographer/20111202_495506.html


被災地域のストリートビューが公開


Googleにより、東日本大震災の被災地域のストリートビューが公開された。これはストリートビュー撮影車を使って被災地域を周り、震災の前と後の様子をパノラマ写真によりアーカイブ化し、公開するという試みだ。


◇未来へのキオク
http://www.miraikioku.com/streetview/


私は被災地を訪れていないので、写真や動画でしか被災地の状況に触れていないわけだが、あらためてGoogle Mapでパソコンを操作しながら現地の状況に接してみると、あまりに規模の大きな災害だったことにに驚かされる。


初めにストリートビューで現地のパノラマ写真にアクセスした時は、一見普通の風景にも見えた。しかし、元々家やビルがあった場所に何もなくなり、瓦礫ばかりが積み重ねられている状況に気づくと愕然とさせられた。


そしてその光景が360°つながっているのだから、平面の写真とはまるで臨場感が違う。またすでに道路は開通して車も写っていたりするので日常感もあるのだが、それがかえって恐ろしさを増幅させる。


通常報道写真というのは、撮影者が意図を持って四角いフレームに収めるわけだが、撮影者が自分のイメージに合わせて切り取った非日常的な光景よりも、ストリートビュー車によりオートマティックに撮影されたパノラマ写真の方が、よりリアルに感じさせられる。


震災直後には、海外からたくさんのカメラマンが訪れて震災地の写真を撮っていった。そして、それらの写真が掲載された海外のWEBサイトでは、日本のメディアではあまり見かけないような報道写真が見られた。たぶんあの時期の日本には、世界中の著名報道カメラマン達が集結していたのだろう。


それらの写真を見て、クオリティーの高さにびっくりするとともに、何か違和感を覚えていた。報道カメラマンとしては当たり前のことだと思うが、その場の光を生かし、構図がバッチリ決まった写真はどこかウソ臭く、逆にリアリティーが損なわれているように見えたのだ。


もちろん360°のパノラマ写真によって一瞬を切り取るスチル写真が駆逐されるとは思わないが、閲覧する側が能動的に見たい場所を選び、拡大できる機能というのは非常に魅力的だ。また、とりあえずムービーやパノラマで撮影しておき、後から瞬間や部分を切り取るという手法は一般的になっていくんだろうなと思わせられたのだった。


尾仲浩二「海町」展


尾仲浩二さんの写真展「海町」がギャラリー街道で開催される。これは尾仲さんが20年前から撮影してきた三陸地方の写真をセレクトした展示。キャビネサイズの写真をは一点10,000円で販売し、売り上げの50%を今回の震災で親をなくした子供たちへの一時金、奨学金「あしなが東日本大地震・津波遺児募金」へ寄付されるとのこと。


会期:12月17日(土)/18(日)・23(金)/24(土)/25日(日)
会場:ギャラリー街道(東京都杉並区)
http://www.kaido-onaka.com/これからの展示-upcoming/尾仲浩二-海町/


「第15回写真家達によるチャリティー写真展」への参加


私もチャリティー写真展に参加させていただく。こちらは225名の写真家のオリジナル作品を展示、即売するもの。やはり一点一万円で販売されるが、その場で持ち帰りとなるので、興味のある方は早めのご来場をお勧めします。
http://www.stbears.com/pvj/


「第15回写真家達によるチャリティー写真展」
12月16日(金)〜18日(日)10:00〜19:00
富士フイルムフォトサロン・東京(東京都港区)
http://www.fujifilm.co.jp/photosalon/tokyo/s12/111216012.html


「写真家達によるチャリティー写真展15 Part.2」
会期延長で、12月21日(水)〜25日(日)10:00〜19:00
フレームマン・ギンザ・ショールーム(東京都中央区)
http://www.frameman.co.jp/ginzasalon.html


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com 
http://twitter.com/Zenji_Uehara
上原ゼンジのWEBサイト
http://www.zenji.info/
Soratama – 宙玉レンズの専門サイト
http://www.soratama.org/
上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
https://www.facebook.com/zenlabo

上原ゼンジ


デジカメWatchに『「トイ蛇腹レンズ」を作ってみよう 〜世界でただひとつの描写を手に入れる』というテキストを書いた。この連載を以前から読んでいただいている方はご存知だと思うが、蛇腹レンズというのは、デジクリでテキストを書きながら進化してきたネタだ。


今、デジクリ(写真を楽しむ生活の姉妹メルマガ)のサイトで調べてみたら、最初に蛇腹が登場するのは、2006年8月17日号で「蛇腹一号大失敗」という話を書いている。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20060817140300.html


そうそう、一番初めに作った時はうまくいかなかったんですよ。カッコイイ蛇腹レンズが完成して、いざメラのボディに取り付けようと思ったら、付かなかったんだよね。5年前の文章だけど、すごくフレッシュ感じがするなあ。最近は白髪も増えてきたし、文体も変わってきたようだ。


この後、手ブレ増幅装置だの、宙玉レンズだのを開発し、いろんなことにちょっかいを出してはきたけど、蛇腹に関してはいまだに進化しているし、もうちょっと広がりが出てもいいかなと思っている。


進化した部分で言うと、袋蛇腹というのと、広角レンズというのが加わった。袋蛇腹というのは、まあ袋の蛇腹ですよ。って何の解説にもなってませんねw。写真の方をご覧ください。紙を幾重にも紙を折り畳んでいくんじゃなくて、袋一つで蛇腹代わりにできないかと思って取り組んだ方法だ。


蛇腹を折るという行為には、はっきり言ってハードルがあると思う。やってみると簡単な折り紙レベルなんだけど、「手前のような者が蛇腹を折るなんて、めっそうもございません」というのが、ごく一般的な反応だろう。そこで、誰もが簡単に蛇腹レンズを作ることができないだろうか? と、ずうっと考えていた。


そんなある日のこと、私は池袋のディープな中国料理店で小龍包に舌鼓を打っておりました。ぼんやりと小龍包の形状を見ていた時、ついに閃いたのです。そして「ΕΥΡΗΚΑ」(ヘウレーカ)と叫びながら、皿に盛られていた小龍包をむんずと掴み、持っていた一眼レフの交換レンズをはずしてボディの中にいきなり突っ込みこそしませんでしたが、小龍包の形状を仔細に眺め、設計図を頭に思い描きました。これが、小龍包式袋蛇腹誕生の逸話にございます。


たまに「いろんなことをよく思いつきますね」とか「どういう時に思いつくんですか」とか聞かれるけど、ずーっと、こういうことばっかり考えてるんですよ。後はメシのことと。だから私の頭の中を割ってみると「写真、写真、写真」というのと「メシ、メシ、メシ」というので構成されているということが分かります。


写真のことを一生懸命考えていても、時間がきたらお腹が空きます。そしたら頭の中は一瞬にしてメシにスイッチします。考えごとに集中していて、食事を忘れてしまうということはありえません。身体の欲求に対し、ひじょうに従順な人間であると言えるでしょう。


・袋蛇腹の次は広角化


蛇腹レンズの広角化に成功したのはつい最近のことだ。このトイ蛇腹というのは、レンズを一枚だけ使って写真を撮る、というのがポイントだけど、難点としては、あまり広角にはならないという問題がある。広角レンズっていうのは、焦点距離が短いですよね。だけど、あんまり焦点距離が短いレンズだと、レンズをカメラのボディーの中に入れないとピントは合わない。


凹レンズを使えば、広角にできるという話を聞き、何度か広角化への道を模索していたのだがなかなか思うようにいかず、頭から血の滲むような努力を重ねた結果、ついに35mm換算で35mmぐらいの画角になった。レンズに関する知識に乏しく、ただファインダーを覗きながら、レンズを取っ換え引っ換えするだけの力技だったので、まあ良くできたものだと思う。


ただし、今までは小さなプラスチックレンズを一枚使っていただけだったのが、大きめのガラスレンズを二枚プラスしたので、レンズは重くなり、紙製の蛇腹はダヨーンと伸びて、情けない姿になってしまった。かなり笑えるレンズになったが、別に笑えるレンズを作ろうとしていたわけではない。私はただ広角にしたかったのだ。


でも試し撮りをしてみたら、なかなかいい感じの描写になった。ここで言ういい感じというのは、ダメダメでいい感じということ。トイカメラやトイレンズはたくさんあるけど、ここまでダメダメ、かつ個性的な描写なのは見たことがない。このダメさ加減はトイカメラでもPhotshopでも無理。そんな描写のレンズが作れてしまうというのが、この工作の醍醐味だ。


プリントしたり、WEBにアップしたりという過程では、必ずPhotoshopを使うけど、あとからPhotoshopでいじり倒すというのは、あまり面白くないし面倒くさい。Photoshopで何でもできてしまうから、あえてPhotoshopではできないようなアナログ表現を模索する、というのが私のやろうとしていることなんだろうな。


◇デジカメWatchへの記事へのリンク
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/20110516_445566.html


◇早くも工作した人がいます/the Things give Pleasure
http://quack-quack.at.webry.info/201105/article_8.html


・関西電塾 上原ゼンジの実験写真術


関西電塾主催で「上原ゼンジの実験写真術」という講演があります。美学校で赤瀬川原平さんに習い、本の雑誌社で編集者として働き、森山大道さんに写真を見ていただき、実験的な写真を撮るようになった過程をお話ししたいと思います。宙玉レンズや万華鏡カメラ、トイ蛇腹レンズなどを持っていきますので、興味がある方はぜひお越しください。


http://i-digital.jp/kansai_denjuku/02/01-1/
http://www.2055.tv/irie/img/2011_05.pdf
日時:5月28日(土)受付 13:00〜
会場:株式会社2055(東大阪市中新開2-8-8 TEL.072-963-2055)
会費:一般5,000円、電塾/APA/JPS/WA各会員3,000円、
学生1,000円


・Facebookページも作ってみた


「上原ゼンジ写真実験室」のFacebookページを作ってみました。「いいね!」ボタンをクリックすると、ウォールの更新情報が表示されるようになります。
http://www.facebook.com/zenlabo


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◇Twitter
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上原ゼンジ


私が原発に関心を持ったのは、1987年に刊行された「危険な話」(広瀬隆)によってだ。ベストセラーになった本なので読まれた方も多いと思うが、原発の危険を説いた本で、読んだ当時は大変な衝撃を受けた。いつ日本の原発がメルトダウンしてもおかしくない、といった内容に「エライこっちゃ」と思った。


その後、テレビ朝日の「朝まで生テレビ!」で原発推進派と反対派が意見を戦わせるといった回が何度かあったが、興味深く討論を聞いていたことを覚えている。「危険な話」がきっかけだったので、最初はもちろん自分も反原発の立場で番組を視聴していた。原発を推進する頭が良くて弁の立つ科学者や政治家のことを、憎ったらしく思いながら見ていた記憶がある。


ただ、回を追うごとにそういった気持ちはすこしずつ変化していった。反対派の中には、まず反対ありきで、情報を曲げたり、非科学的なことを言ったり、エキセントリックであったり、という人がけっこういて、少しずつ気持ちが萎えていった。


いっぽう推進派の中にも、理知的で信じられそうな人もいたので、単純に「原発=悪」とは思えなくなっていった。積極的に付き合いたいとは思わないけど、仕方がないのかなあ、というふうに気持ちは変わっていった。


そして番組はいつも意見が平行線のまま終了となり、後味の悪さだけが残った。まず推進ありきで、都合のいい情報ばかり流すのではなく、かと言って反対ありきで話を誇張したりするのでもなく、バランスがとれた意見が聞いてみたいと思っていたが、そういった意見は残念ながら出てこなかった。そして、私は「原発で作った悪い電気」(by渡辺和博)を消費しながら、今まで生きてきた。


理屈ではなく、気持ちを優先させたい


今回、福島原発で事故に起きたからといって、原発反対派の人達から「ほーら、言ったでしょ」とは言われたくないし、今すぐ原発を全廃せよなどという意見にはまったく乗れない。鉄道や病院に電気が供給されなくなったら大問題だし、いちいちパソコンの電源を落とさなければならない計画停電は大きな負担だ。


しかし、今回の事故で学んだことを活かせば、より原発の安全性は高まるなどと言って、今までと同じように原発を使おうという意見がけっこうあるということにも疑問を感じる。原発はもういいから、他のエネルギーに変えていこうよ。時間がかかるかもしれないけど、そこに集中していけば道は開けるはず。


誰でも原発や放射能は嫌でしょ。だったら理屈ではなく、その「原発やだよ」という気持ちに従って、方針を決定してもいいはず。現状を考えれば原発に頼らざるを得ない、なんて無理に自分を納得させようとする必要はない。


「原発は安全である」というのが嘘だったように、「原発に代わるエネルギーはない」というのも不確かなことだと思う。嫌な原発を使い続けて、心の健康を失っていくよりも、新しいエネルギーの開発に心踊らせたい。まあ、オレが開発できるわけでもないんだけど……。


写真を提供します


被災地の人達の役に立つようなことができない私は、ここ最近春の花の撮影をしていた。まだ、花の美しさに心をシンクロさせることができない人達もたくさんいるだろうし、私の写真を見て、心を癒してくださいなんていう脳天気なことも言えない。でも何枚か気に入った写真が撮れた。


この春に撮影した写真は、できることなら復興支援に関わるビジュアル要素として、役立ててもらいたいと思っている。あるいはポストカードにして売上げを寄付するとかいうことでも構いません。無償で提供しますので、何かアイディアが浮かんだ方はご連絡下さい。


◇桜を宙玉レンズで撮影
桜玉と名付けた。
http://www.soratama.org/gallery/sakura.html


◇宙玉ギャラリーのバリエーションが増えました
私以外の人が撮った宙玉写真もアップ
http://www.soratama.org/gallery/soratama.html


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上原ゼンジ


昨年の暮れに京都に撮影に行ってきた。京都は物心がついた頃にいた場所で、小学2年の時に開催された大阪万博の年まで住んでいた。父親の仕事の関係で引越しが多く、生まれてから中学の2年までで7回の引越しを経験した。だから「ふるさとはどちらですか?」なんていうことを聞かれてもちょっと困るのだが、五十路を迎えんとする今、懐かしく思い起こされるのは、京都山科の田舎の風景だ。


デジタルカメラマガジンの「PENと歩くふるさと。」という企画で「ふるさとの写真を撮ってきてください」と言われた時に「行きたい!」と思ったのは、その京都だ。万博の年からだから、もう40年も行っていない。最近は大阪に行く機会が増えてきていたので、休眠していた関西細胞が再び活動を始めていた。そして、ちょうど京都への想いが募っていたところだったのだ。


ただ、関西に対してはちょっと複雑な思いもある。それは京都弁を捨てて東京者になってしまったからだ。まだ言葉のどこかに関西のイントネーションが残っているらしいのだが、ちゃんとした京都弁で喋る自信はない。関西のお笑いと粉もんを愛しているが、ちょっと負い目があるのだ。


京都で住んでいたのは、山科の御陵(みささぎ)という所。滋賀県大津と京都の間に位置し、琵琶湖から京都に水を引くための人工的な水路である疎水が流れている。そして私はその疎水のすぐそばに住んでいた。御陵というのは、天智天皇のお墓のことで、砂利が敷き詰められた参道が続く神聖な場所だ。私はその神聖な場所を毎日横切って小学校に通っていた。


当時は路面電車が御陵の住人の交通手段だったが、それが今は地下鉄に変わっていた。路面電車が消えたことは情報として知ってはいたが、目の当たりにするとがっかりだ。ふだんは何も感じない地下鉄の駅に、何か寒々しいものを感じた。


脈絡なく思い出したが、ロバのパン屋というのもあったなあ。パン屋さんがロバに馬車を牽かせてやってくるんだけど、馬車には木の引き出しがあり、その引き出しを開けると中に蒸しパンが入っているのだ。ロバパンのテーマソングが流れると小銭を握りしめて買いに走った思い出がある。でも、今ネットで検索して調べてみたら、あればロバではなく、ポニーだったらしい。ずうっとロバだと信じてたのに……。


●既視感と違和感


様変わりしてしまった御陵駅の周辺には、懐かしさ中枢を刺激するものは何もなかったが、「ごりょうさん」(近所の人達は天智天皇陵のことをこう呼んでいた)にはさすがに見覚えがあった。ただ子供の頃の印象とはかなり違っていた。まず、どこまでも続くかのように思えた参道はかなり短く、全体にコンパクトに感じた。そして大きな問題は厳かな感じが薄れていたこと。


参道に敷いてあった砂利はアスファルトになり、参道の脇の木はかなり伐採されていた。私のイメージでは鬱蒼とした林のせいで辺りは薄暗く、ちょっと怖いような場所だった。たぶん結界の役割を果たしていたと思うのだが、その木を切ってしまったせいで、結界が崩れてしまった。せめて宮内庁が管理している場所は聖域として残しておいて欲しいものだ。


私が暮らしていた保険会社の社宅は当時のまま残っていたのだが、ここもイメージと違ってかなりコンパクトだった。まあ、当時と比べて身長は1.5倍ぐらいになっているわけだから、あの頃の世界が小さく見えても当たり前のことだ。もし、チェ・ホンマンの視線に立ったら、世の中は大分変わって見えるはずだ。かつて住んでいた場所に対し、経験したことがないぐらいの違和感を感じたのだが、これは40年という歳月のせいなんだろうな。たまに来ていたら、どんどん記憶を修正していたことだろう。


その他、強い既視感を覚えたのは、家の周りを囲っていた金網。別になんていうことのない金網なんだけど、よくこの金網を登ったから記憶していたようだ。「わあ、この金網覚えてるー」ということで一応写真撮ってきたんだけど、読者にはよく分からないだろうからボツにした。私がいくら懐かしがっても、金網に共感は得られないだろう。


個人的な郷愁が他者と共有できるのかは良く分からない。でもふだん写真を撮っているなかにも、たぶん郷愁のようなものを感じてシャッターを切っていることも多いのだと思う。それは今回の京都行で感じた。旅写真を撮る人は多いから、あえてそこに参入する気はなかったんだけど、新たなテーマとして、もう少し突き詰めてみたいと思わされたのだった。


●PEN Liteで撮影


撮影には、オリンパスのPEN Lite E-PL1とE-PL2だけを持っていった。普通泊まりがけでじっくり撮ろうという場合は一眼レフを持っていくので、マイクロフォーサーズ機だけで勝負というのは新鮮な体験だった。何が新鮮だったかと言えば、まずその重さ。一眼レフだったら交換レンズも含めて、かなりの重量になってしまうから、気分的にもまるで違う。


一番始めにファインダーなしで液晶画面オンリーのカメラが登場した時には、「そんなもんで写真が撮れるか!」と思ったけど、もう大分慣れた。ピントはファインダーで確実に合わせたいし、カメラを構えた時の不安定な格好が嫌だったけど、ピントは合うし、ブレもしない。オールマイティーとは言わないけど、シャッター半押しのフォーカスロックで何の問題もない。


となってくると、液晶のメリットというのも出てくる。画面を拡大して細部の確認をしたり、実際よりも明るく表示させることもできる。カメラに顔をくっつける必要がないから、アングルの自由度は上がる。写真を撮ってる感が薄れるので、コソッと撮りたい時に向いている。これだったら写真を撮っていて不審に思われることもないだろう、って本人が思ってるだけかもしれないけど。


自分自身、一眼レフじゃなきゃダメ、という意識がどこかにあったんだけど、マイクロフォーサーズ機での撮影はすごく楽しかった。身軽で余計なことを考えずに撮影できる分だけ撮影に集中できるし、素直な写真が撮れるような気がする。またPENクンを持ってどこかに行ってみたいものだ。


◇デジタルカメラマガジン2月号
京都の写真はデジタルカメラマガジンの最新号に掲載して貰った。2ページ、4点ですが、後ろの方のページに載っているので、ぜひ御覧ください。寺社仏閣は一切写っていない、「どこが京都やねん」という写真です。


◇PENで万華鏡写真
PEN Liteで万華鏡写真を撮影。パンケーキレンズ(M.ZUIKO DIGITAL 17mm)はレンズ径が小さいから、万華鏡写真に向いてる。フォーカスもオートなので、すごく楽。
http://bit.ly/fOYulK


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上原ゼンジ


今年私が一番つぶやいた言葉は「宙」らしい。そうか、Twitterでも「宙玉、宙玉」とつぶやいていたんだな。「そらたま」という言葉を思いついてまだ一年経ってないんだけど、自分にとってはかなり大きな展開のあった年だった。


このメルマガで私の文章を読んでくれてる方はご存知のことと思うが、私がいろんな写真の実験をやることになったのは、姉妹メルマガ「デジクリ」のせいだ。「せいだ」っていうことはないな、「おかげだ」に訂正。カラーマネージメントネタの後、いろんな写真に関するアイディアを実行してみるという企画を考えて、書かせてもらうようになった。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/13_/


ただ、問題は連載のスパンが1週間だったということ。1週間なんてすぐに経ってしまうので、次から次へとネタを出していくうちに、なんかそれが専門のようになっていった。ある編集者が「実験写真家」という肩書きを考えてくれたので、最近はずっとそれで通している。


私はもともといろんなことをやっているから、「何をやっているのか?」と面と向かって問われると言葉に窮することがある。しかし「実験写真家」と言っておかば、相手は不審に思いつつもスルーしてくれるのだ。これは便利な肩書きだ。以前の私は、分からなかればそれでいい! というような態度だったが、最近は少しサービスをするようにしている。


名刺も分かりやすいものにした。片面を10個に分割して、宙玉レンズや蛇腹レンズなどの写真を入れて、「こんな写真を撮ってるんですよ」という説明ができるようにした。これはすごく便利。どんな写真を撮っているのかと問われても、写真なしで説明するのはなかなか難しいけど、小さいながらも写真があれば、簡単に分かって貰える。これがあればiPadもいらない。


それから、パーティーなんかでは、宙玉レンズの現物を持っていくようにした。カメラを首から下げておけば、「さっきから気になってたんですけど」などと言って相手から声をかけて貰える。初対面の人にこちらから声をかけていくなんていうことは、ほぼしないタイプの人間なのでこれはありがたい。スイッチさえ入れてくれれば、動作はするんだよ。


プロフィールもニッコリ笑った写真をホームページに出すようにした。営業が出来ない人間なので、せめてホームページを訪れた人に「悪いヤツじゃないんだよ」ということをアピールするための作戦だ。自分が依頼する立場だったら、訳の分からない、おっかなそうな人に連絡取るのはためらうもんな。


●ワークショップがきっかけとなった


宙玉レンズが形になっていったのは、ワークショップがきっかけになっている。自分では面白いと思って、ほかの人達にも広めたかったのだが、工作をするという部分でハードルがあるらしく、著作や雑誌でも紹介をしたが、反応はいまいちだった。


そこでワークショップなどの機会に、参加者に体験してもらうようにした。最初は、hanaさんとデイズフォト通信が主催する撮影会「目で歩く」で使ってもらった。この時はリコーのGX200を借りてきて、GXに合うように自分で手作りした宙玉レンズを持っていった。


参加者の反応は良かったんだけど、問題は特定の機種でしか使えないということ。たまたま直径50mmの紙管がGXのアダプターにぴったりあったこと。GXの最短撮影距離は約1センチと短く、クローズアップ撮影が必要な宙玉レンズには最適だったので、GX200を使ったわけだが、やっぱりいろんな機種で使えるようにしたい。そこで考えついたのが、チップスターの空き箱を使った工作だ。


チップスターの空き箱なら、安く簡単に入手することができる。そこで今度はチップスターにぴったり合うような宙玉レンズを加工業者に依頼して作って貰うことにした。自分で作るとあまりき
れいに出来ないし、面倒だからだ。4月から始めたワークショップ用にとりあえず10個発注してみた。


そして、今度は一眼レフカメラを対象に宙玉を装着できるようにした。ワークショップをやってみて良かったと思ったのは、いろんなカメラやレンズを持っている人が集まったということ。やってみると問題点が出てくるのだが、それをクリアしていけば、さらに広がりが出てくる。つまりいろんなカメラに対応できるようになっていったのだ。


●宙玉レンズでの撮影法


撮影に関しても、いろんな人からヒントを貰っている。私が宙玉を始めた頃は、望遠系のマクロを使っていた。さらに手持ちで接写をすることが多かったので、絞りは浅くピントが合うのは一点であとはボケボケだった。透明球の輪郭もはっきりしていなかったけど、それが当たり前と思っていた。


しかし、いろんな人が撮影を始めると、球の輪郭をハッキリさせたいという人が出てきた。あんまり絞りこむと、球の接着面やフィルター部分の汚れなども写ってしまうので、美しくなくなってしまうのだが、球が浮かんでいる感じ、というのはボケている場合よりも面白い。


一方、絞り込むと宙玉の持ち味である周囲のボケがくっきりしてきてしまい、つまらない。そこで、ある程度球の輪郭をはっきりさせつつ、周囲のボケを損なわない、という絞り値を見つけるというのが、ポイントになってくる。


あるいは、球の内側の絵柄は面白いんだけど、外側が無地だったりするとつまらないので、球の内と外とで、絵柄や配色などのバランスを考えてみると面白い。最初はただ、宙に浮かんだような絵に喜んでいたけど、突き詰めていけば、まだまだ面白そうなことはできそうだ。


●宙玉写真のコミュニティー


宙玉写真のコミュニティーを作ってみた。flickrとフォト蔵だ。まだ人が集まっていないので、ぜひ参加して写真をアップしてみて欲しい。flickrの方は海外の人達ばかりだから、やりとりがちょっと面倒だけど、世界中の人たちに宙玉レンズを広めるというのが現在の野望だ。


flickr Soratama
http://www.flickr.com/groups/soratama/


フォト蔵 宙玉人[そらたまんちゅ]
http://photozou.jp/community/show/2896


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Soratama─宙玉レンズの専門サイト
http://www.soratama.org/

上原ゼンジ


iPhoneに宙玉レンズをくっつけられないだろうか? ということは、以前から考えていた。実際に宙玉レンズをiPhoneの前にかざして撮影をしてみると、なんとかいけそうな感じだ。ただし、きちんと撮影するためには、宙玉レンズとiPhoneの間に凸レンズを一枚入れないといけない。それと固定の方法はどうすればいいだろう?


宙玉レンズというのは、透明球に映る世界にピントを合わせるので、近接撮影ができることが条件となる。だから、マクロレンズ、クローズアップレンズ、接写リングといったものを利用するか、元々最短撮影距離が短いということが重要だ。また、装着するためにフィルター用のネジを利用しているので、このネジがないコンパクトカメラや携帯電話の類いだと、別の取り付け方法を考えないといけない。


どうしようかなー、などと気をかけつつも、なかなか時間がとれずに放置していたのだが、ついに工作に着手。iPhoneによる宙玉ムービーの撮影に成功した。すっごいクールな映像(ホントか?)が撮影できたので、ぜひご覧ください!
http://www.youtube.com/watch?v=a3TauvL_VrQ


ポイントはパンをした時の映像の動き方だ。この宙玉レンズでは、球の内側と外側で天地逆さまになって見えるのだが、パンをさせると内側と外側で逆の動きになる。たとえば、内側が右に流れていけば、外側は左に流れていく。上下方向にパンした場合、やはり内側が上に流れれば、外側は下、という感じで像は動く。これはけっこう不思議な感じだ。


私はスチルが専門だから、面白いと思いつつ映像作品は作って来なかったんだけど、すでにPVで使われたりしている。Lily.さんの「気づいてよ…I Love You」のミュージックビデオがそれ。さすがプロですね。効果的に使用されてました。


TwitCastingで「宙玉iPhone部」


この「宙玉レンズ for iPhone」は例によって、チップスターの空き箱を使った手作り品だけど、工作キットを作って欲しいというリクエストを、たった今TwitCastingで受けてしまった。昼飯を食い終わってTwitterを見ていたら、KEN3TVがツイキャスをやっているところに遭遇。しかも、ちょうど私の宙玉レンズの紹介をしていた。


先日、オライリー・ジャパン主催の「Make:Tokyo Meeting 06」に半日だけ出展してきたのだが、その時KEN3TVが見に来てくれ、iPhoneで撮影していったムービーを使いながらライブで紹介してくれていたのだ。KEN3TVがMTMに来てくれたのは、私が前日に「MTMにゲリラ出展! 東京工業大学生協食堂で待つ」というツイートをしたから。そして、それが初対面だった。


ツイキャスではその場で「宙玉iPhone部」とか出来ちゃうし、なんだか不思議な世の中になったものだ。まあ、せっかく盛り上がってくれたから、なるべく早く試作品を作ってみたいと思う。
http://ken3tv.com/


●「Soratama – 宙玉レンズの専門サイト」を公開


懸案だった宙玉レンズの専門サイトがようやくできあがった。「Soratama – 宙玉レンズの専門サイト」だ。いずれ世界制覇したいと思って「www.soratama.org」というドメインを取得していたのだ。これからは「Sushi」や「Kawaii」とともに「Soratama」もワールドワイドな言葉になっていくことでしょう。
http://www.soratama.org/


まだコンテンツはあまり多くないが、いろんなカメラでの宙玉レンズの装着法を事例として紹介している。おすすめはリコーのGRに宙玉レンズを着ける方法。今まではチップスターの空き箱を使う方法を紹介してきたが、ここではラバーフードを使う方法をまとめた。HOYAマルチレンズフード(49mm径)に70mm径の宙玉を着けるとピッタリとはまるのだ。


「チップスターじゃ、ちょっと……」と思っていた人は、ちょっと見てみてください。なかなかかっこいいですよ。ただ、このカメラの場合は最短撮影距離が約1cmと短く、かなり寄って撮影できるのが大きなポイント。どんなカメラでもいいというわけではない。あと同じようなことができそうなのは、ニコンCOOLPIX P7000、キヤノン PowerShot G12あたり。寄れるカメラをお持ちの方はぜひ試してみてください。


宙玉サイトでは、コンパクトデジカメに取り付ける方法も紹介している。コンデジの場合は、フィルター用のネジが切っていないため取り付けが難しかったのだが、透明ゴムを使って取り付ける方法を思いついた。透明ゴムと言っても実際はポリウレタン製。ビーズに通して使うもので、手芸品店などのビーズ売り場で購入可能。これもぜひ試してみて欲しい。


今後はもっと事例を増やしたり、他の人の宙玉写真をいっぱい掲載したりして、内容を充実させてゆきたいと思っている。もし、面白い工作ができたり、写真がとれたら、ぜひご協力ください!


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
http://www.zenji.info/
http://twitter.com/Zenji_Uehara

上原ゼンジ


7月に立ち上げたWEB上のギャラリー「bitgallery」に新しいコンテンツが加わった。第一弾が私の「Vibrating World」と伊藤紀之さんの「Cloudly Cat」で、ブレ写真とボケ写真だったから、工作系とか、アブストラクト系で攻めるのかと思っていた人もいたみたいだけど、違いました。
http://bitgallery.info/


今回加わったのは、西村陽一郎「青い花」と山崎弘義「DIARY」の2本。「青い花」は2007年に四谷の「Roonee 247 Photograpy」で観た西村さんの作品展で感動したんだけど、大勢の人に観て欲しいと思い、お願いして掲載させていただいた。


作品自体はフォトグラムという技法を使っているのだが、フィルムが介在せず、一点物のオリジナル作品で、すでに売れてしまったものもある。いちおうデジタルカメラで複写した画像があるとのことだったので、今回はそのデータを元に構成した。


元は大判のプリントで、花の花粉が金平糖のような形で目視できるような、緻密な描写だった。さすがにその金平糖の再現まではできないが、西村さんの作品の持つ、緻密で繊細な雰囲気は味わうことができると思う。


山崎さんは「FOTO SESSION ’86」という写真のグループで、森山大道さんに一緒に写真を見ていただいた仲間。元々はストリートスナップが専門だったが、お母さんが認知症になられて以降、写真が自由に撮れなくなってしまった時期があった。そんな時にお母さんのポートレイトと自宅の庭を撮影するということを日課とし、撮りためたのが「DIARY」という作品だ。


それまでの山崎さんの写真とはまるで違うコンセプトの写真だが、やはり写真展で拝見した時に、何か力強さのようなものを感じた。写真自体はひじょうに静かな写真なんだけど……。カメラ雑誌に掲載されたり、新聞で紹介されたりということはあったものの、私としては、もう少し評価されてもいいんじゃないか、という思いがあった。そこで、山崎さんに声をかけ、私のギャラリーで公開させて貰うことになったというわけだ。


まだ「bitgallery」には作品は4本しかないけど、なんとなく私のやろうとしていることが、分かってもらえるようになってきたんじゃないかと思う。第三弾、第四弾のネタもあるので、少しずつ形にしていきたいと思っている。


・ゼンラボ「森の撮影会」の報告


先日は森林公園でゼンラボの撮影会をやってきた。森林公園というのは、東武東上線で池袋から、1時間ほど行ったところにある、国営の大きな自然公園だ。キノコ、落ち葉、シダ、コケなどを撮りに行きませんかと、Twitterなどで声をかけ、集まった参加者とともに撮影を行ってきた。


私はなぜか、森の中で見かける植物というか、苔類、菌類、昆虫などに惹かれ、写真を撮っている。まあ、メジャーな分野とは言えないが、撮ってみたら意外にイケますぜ、という感じで声をかけさせて貰ったというわけだ。参加者は特に森の専門家という人はおらず、ちょっと興味があり、どんなもんだろう、と思って参加したという感じだった。


森林公園の南口から入園すると、すぐに雑木林がある。そこで、さあ皆さん撮影してみましょう、という感じで始めたんだけど、最初はなかなかキノコなどは眼に入ってこない。けっこう慣れが必要なのだ。だから蜘蛛の巣に霧吹きで水滴を吹きつける、といったオプションもこなしながらの撮影会となった。


私が持っていったカメラはニコンのD5000。レンズはカールツァイス ディスタゴン T* 2.8/25とAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8GEDの2本だった。D5000というのは、液晶画面が可動式になっていて、上から覗きながら撮影できるというのがポイント。地面にカメラを置いてキノコなどを低い所から撮るのに最適なのだ。そしてレンズの方は、ピントが合っているところはキリッと締まるんだけど、ボケ味もなかなか良し、というところが気に入って使っている2本だ。


その他の必須アイテムは膝あてと虫除けスプレー。けっこう膝まづいて撮影することが多いから、膝あては重要。こんな時期に蚊なんかいるんですか? という人がいたけど、10月だというのに、蚊はたっぷりいました。私はほとんど刺されなかったんだけど、集中して刺されている人がいて、ちょっとかわいそうだった。この刺されやすい人と刺されにくい人の差はなんなんだろう。O型の人が刺されやすいとか聞くけど、本当に血液型と因果関係はあるのか?


あとは、レフ板やディフューザーの類いもあると便利。森の中は薄暗いので、光をレフ板で補ったり、木漏れ日を和らげるのにはディフューザーも役に立つ。ただし、森の中を歩きまわるわけだから、なるべく荷物は少なくするということも重要なポイントだ。


4時間ばかりの撮影会だったけど、最後の方はみんなキノコを発見する能力が身についてきたようだった。なかなかいいフォルムのキノコも見つけることが出来たし、まあ良かったんじゃないでしょうか。目標は、お伽話に出てきそうな毒キノコと出会うことなんだけど、それはまた今度のお楽しみ!


◇森で収穫した写真
http://zenji.jugem.jp/?eid=59


◇「上原ゼンジの写真教室」受講生募集中!
http://nadar.jp/tokyo/workshop_style355/uehara.html


見たことのない写真を撮ってみよう「上原ゼンジの写真教室」生徒募集中。さまざまなスタイルの技法を試しながら、写真の基礎知識を学び、自分なりの写真を撮るための写真講座です。
対象:写真を撮り始めたけど、何をどう撮っていいのか分からない人。写真の幅を広げてみたい人。デジタル一眼レフカメラ、ミラーレス一眼を持っている人が対象です。
会場:style355(NADAR/渋谷355)


◇「万華鏡カメラ」を作ってみよう 〜眼の前の光景をすべて万華鏡のパターンに(デジカメWatch)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/20101022_401179.html


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
http://www.zenji.info/
http://twitter.com/Zenji_Uehara

上原ゼンジ


相次いでテレビからの出演依頼が来た。一つは「ぶらり途中下車の旅」で、もう一つは「王様のブランチ」。どちらもふだんあまり観ることはないけど、よく知ってる番組だから、なんか変な気分だ。テレビで自分のツラを晒す恥ずかしさはあるが、個人商店だから、宣伝になるならと引き受けることにした。


「ぶらり途中下車の旅」というのは、毎回違った旅人が鉄道を使って旅をしながら、沿線の紹介をするという番組だ。旅人としてパッと思いつくのは、やっぱり阿藤快だな。でも、本物の阿藤快が目の前に現れたら、どう絡めばよいのでしょうか?


一番初めの打ち合わせの時に、興味を持って聞いたのも、旅人は誰なのかということ。でも、出演する人には事前に教えてくれないのです。一応の段取りはあるんだけど、初めて出会うリアクションを重視したいということで、余計な情報は入れないというシステムになっているらしい。


ただ、私の場合、写真を撮っているところに声をかけられるワケで、「何を撮ってるんですか?」とか声をかけられた時に、(わあ、やっぱ阿藤快だ!)とか、(川合俊一デケーっ!)とか、心の中でビックリしながらも、平静を装って普通に受け答えをしなければならない。最初の出会いで失敗したら、取り返しのつかないことになってしまうが、大丈夫なのだろうか?


撮影は立川の昭和記念公園で行われた。宙玉レンズで撮影するんだったら、コスモス畑なんかを撮ったら面白いと、こちらからリクエストをしたのだ。コスモスはまだ満開ではなかったけど、一応絵になりそうな場所を選んでロケの開始。コスモス畑の中をタレントさんが歩いてきて、他のアマチュアカメラマンなんかにも声をかけつつ、私の所へやってくるという段取りだ。でも、それだったら、途中で誰だか分かっちゃうじゃん! せっかく隠してたのに。


私は一人コスモス畑に取り残され、ロケ隊が現れるのを待った。そして写真を撮りながらロケ隊の方をチラ見していると、チューリップハットをかぶったおじさんが目に入った。やっぱり阿藤快?それとも田山涼成? しかし、そのチューリップハットのおじさんは関係のない人で、本命は元巨人の宮本和知さんだった。「となりのマエストロ」の時は高田延彦だったし、なんかスポーツ選手に縁があるのだろうか。


撮影当日の暑さには閉口したけど、まああまりアガリもせずに会話できたんじゃないかな。こっちはカメラの操作をしなくちゃいけないし、ムービーで撮影しやすいようにするにはどうすればいいだろう? なんていうことを考えていると、テンパっている暇もない。あとムービーというのは、シャッター音がないから、あんまり撮られてる感じがしないんだな。


だからスチールの場合もまったくシャッター音がしなくなったら、撮影時に相手に与えるプレッシャーというのも変わるはずだ。人物撮影の場合、撮られ慣れてる人はシャッターを切るたびにポーズを変えたりできるけど、カメラの前だとすごく緊張してしまい、顔が強ばってしまうこともある。遠くない将来、カメラからシャッター音が消えたら、人物撮影もちょっと変わるんだろうな。


・はしのえみの腕に感嘆


「王様のブランチ」で私が登場するのは、はしのえみさん扮する姫様のコーナーだ。この番組は基本的に関東ローカルだから、地方では知らない人も多いみたいだけど、はしのさんの姫キャラは14年もやってるらしいし、「BOSS贅沢微糖」のコマーシャルなんかにも出てるから、認知度は高いんじゃないだろうか。


姫様はお付きの女の子二人とトリオで登場するが、姫様とも事前の打ち合わせはなく、私が一人待つ部屋へカメラとともに突然現れ、それが初めてのご対面となる。白衣を着た私を見て、何をする人だろうと想像を巡らし、最後に私が「実験写真家の上原です」と名乗ることになる。カメラを前に「実験写真家の上原です」と名乗ることには抵抗があったが、まあしょうがない、文句を言わず、この演出に従うことにした。


ただ、基本的には細かい演出はなく、はしのさんとお付きの女の子にレポートは任されていた。テレビを見ていて特に感じたことはなかったけど、はしのさんの芸人としての能力はひじょうに高いね。お会いして強く感じました。常人には、台本もなしにあんな風に喋ったり、リアクションしたりということはできないよ。お付きの女の子二人も(福井仁美さんと茜ゆりかさん)頑張ってた。素晴らしいトリオだと思います。


撮影は「写真の学校」の教室で行ったんだけど、宙玉レンズや手ブレ増幅装置を使って撮りっこをしたり、万華鏡写真をiPhoneで撮ったりといったことをしてきた。面白かったのは、手ブレ増幅装置に対抗して、はしのさんが動き出したり、大きなバネに取り付けたカメラを使って、はしのさんがセルフポートレートを撮ったりした場面かな。これは私もオンエアが楽しみ。


・スチールにもムービーにも適したカメラ


ロケ隊は家の方にもやってきて、カメラやレンズのブツ撮りなどもしていった。スチールとの違いは、カメラをパンさせたり、ズーミングしたり、フォーカスを移動させたりといったあたりだ。最近スチールカメラマンにムービーも一緒に撮ってくれという依頼が増えてきているようだが、動画と静止画の撮影は、まったく違う技術だと思う。


900万円するというビデオカメラをちょっと持たせてもらったけど、これは重さが8kgもあるらしい。しょうがなくこんな重さになってるんだろうけど、重さのおかげで安定するというのもあるし、一眼レフできれいに動画が撮れるっていっても、ムービーを撮りながらのフォーカス移動やズーミングがムービーカメラのようにスムーズにできるわけではない。


とはいうものの、WEBなどでもムービーで撮ることが当たり前の世の中になってくれば、スチールカメラマンへのムービーの依頼はますます増えることだろう。今ある一眼レフカメラというのは、フィルムを撮像素子に置き換えただけで、見た目のスタイルは銀塩時代とまるで変わりがない。早くムービーもスチールも自在に撮れる、今までに見たことがなかったようなカメラが出現しないものかと思うけど、それはいつぐらいになるのだろうか?


◇テレビ放映予定
「ぶらり途中下車の旅」(日本テレビ系列、BS日テレ)
10月2日(土)朝9:30〜10:30


「王様のブランチ」(TBS系列及びBS-TBS)
10月2日(土)午後1:15ぐらいから、姫様のコーナー


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上原ゼンジ


「PHOTOGRAPHERS SUMMIT 7」に参加してきたので、今回はそのご報告。フォトグラファーズ・サミットとは、写真家が生み出した写真のイベントだ。メインは写真を大きなスクリーンに投影しての、写真家によるプレゼンテーション。さらに、ポートフォリオの展示なども行われる。
http://www.phsmt.net/


第1回のサミットが催されたのが、2008年5月、渋谷のアップリンクファクトリーで来場者は110人。回を重ねて、今回の渋谷のO-EASTで行われた第7回では、およそ800人の人たちが集まったようだ。写真のイベントでこんなに人が集まるというのは、けっこう凄いことだと思う。


私自身が参加するのは今回が初めて。イベントの存在自体は知っていたし、サイトを覗いてみたことはあったが、行ってみようとは思わなかった。なんか、派手でオシャレな感じのイベントに気後れがしていたのだ。自分とは関係のないイベント、という感じに捉えていた。


ところが今回、代表である写真家・山田敦士さんから連絡をいただき、プレゼンテーションをしてみないかとのお誘いを受けて、即、引き受けさせていただいた。写真に興味のある多くに人たちに、自分の写真を見て貰える機会が与えられるのはありがたいことだ。


どういう経緯で参加することになったのかと、何人かの方から尋ねられた。元々はTwitterだったそうだ。Twitter経由で私のホームページに飛び、興味を持っていただいたとのこと。私のつぶやきは1日平均1.9件なので、すごく効率が良かったですね。ろくなつぶやきをしてないし、使いこなしているとは言い難いけど、Twitterで広がりが出てくるというのは、確かなようだ。


・プレゼン用のムービーを作る


今回、プレゼンテーションをしたのは8名。私のほかには、魚住誠一、うつゆみこ、奥出和典、兵頭喜貴、水谷充、宮下マキ、渡部さとる、といった方々。各人の持ち時間は5分間で、その間に写真を投影し、自作について語り、さらに司会者からの質問などを受け、トータル7分ぐらいで次の人にバトンタッチ、という段取りだ。


5分間で自分の言いたいことをまとめて話すというのは、なかなか難しいですね。ふだんセミナー等で話す場合というのは、20分〜3時間程度。だいたい時間が合う程度のネタを用意しておき、オプションネタでつじつまを合わせるというやりかたをしている。でも、5分だったら、もたもたやってるうちに終わっちゃうし、構成をきちんと考えておかなければならない。


今回は、「実験写真とは何か?」ということをまず話し、後半は手ブレ写真から、手ブレ増幅装置を作るまでの過程についてお話しした。写真の見せ方としては、同じ秒数で単純に写真を切り替えていくパターンと、テキストなどを加えながらムービーにしてしまうパターンが合ったが、私はiMovieを使って、細かく秒数などを調整していくことにした。


YouTubeなどに動画をアップすることもあるから、多少動画の編集もできるようになってきたけど、今回は書き出しにちょっと苦労をした。単純にiMovieから書き出すとかなり画質が劣化してしまうのだ。でっかいスクリーンに投影するわけだし、ストリーミング再生をするわけではないから、多少重くてもいいから、画質優先で書き出しをしたいのに、それがうまくできない。


結局、QuickTimeを使い、設定をいろいろ試していたら、どうにかまともに書き出せるようになったんだけど、こういった知識も今後は重要になっていくなと思った。もともと自分の写真を印刷物でまともに再現したいと思い、カラーマネージメントや製版の勉強を始めたけど、WEBや電子書籍で再現する、YouTubeやVimeoに動画でアップする、プロジェクターを使ってプレゼンをするといったケースを想定すると、それぞれの出力先にあった画像の最適化の方法を確立しておくべきだろう。


・突っ走るうつゆみこさんがステキ!


今回、プレゼンやポートフォリオで多くの写真家が参加したけど、なかなかユニークな人たちが集まっていて面白かった。いちいちリンクは張らないけど、ちょっと名前で検索してみるといいと思います。


その中で一人だけ紹介すると、うつゆみこさんのプレゼンが面白かった。実際に会場に来ていた人たちの間からも笑い声が上がり、かなりウケていたと思う。何がウケていたのかと言えば、うつさんの写真とそのキャラクターだ。また、写真を映しだす秒数が短くて、駆け足、盛りだくさん感が楽しかった。


うつさんの写真は、魚類や貝類やキノコ、人形、昆虫、臓物など、ちょっと不気味なもので構成された独特の世界だ。でもただグロい写真というわけではなく、そこには美しさとユニークさがある。作者は当然、何らかの美を感じてシャッターを押しているはずで、それは見ている側にも伝わってくる。まあ、全然受付けないという人もいるだろうけど、私はかなり好き!


なんか、うつさんが「まっしぐら」に写真を撮っている感じがして、それが凄く良かった。理屈ではなく感覚で撮っていて、そこに迷いがないということ。理屈先行で、ハートに来ない写真の反対ということだな。うつさんには、ぜひこのまま突っ走っていっていただきたい。


今回フォトグラファーズ・サミットに参加させて貰って、このイベントに関する印象はかなり変わった。司会はもちろんのこと、物販なども写真家達が行う手作りのイベントで、写真に対して真剣に考えてるな、というのが伝わってきた。個性豊かな写真家達のプレゼンも面白かったし、イベントとしては大成功といっていいんじゃないだろうか。


きっちり焼いたオリジナルプリントを見せることも大切だけど、プロジェクターを使いながら、ダイレクトに語りかけていく方式というのがいいな。プロジェクターで写真を見せること自体は珍しくはないけど、5分という限定された時間の中で、写真を伝えていくスタイルは面白いと思った。今後の発展をお祈り申し上げます、というか、また声をかけてくださいね。


・「実験写真相談会」のお知らせ


赤坂の小さなカフェの壁面に写真を飾らせて貰うことになった。でも、それだけじゃ面白くないので、「実験写真相談会」というのをやります。下記の時間帯にお店におりますので、何か聞きたいことがあればおいでください。工作法や撮影法などについてアドバイスさせていただきます。


「実験写真相談会」(赤坂港カフェ)
9月12日(日)14時〜17時30分、9月15日(水)18時〜20時
http://www.zenji.info/news/pg245.html


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
http://www.zenji.info/
http://twitter.com/Zenji_Uehara


「デジカメWatch」で『「宙玉レンズ」を作ってみよう』という原稿を書きました。本誌でも書いてきたネタのまとめですね。最新のネタもプラスされているので、ぜひごらんください。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/20100902_389833.html

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