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写真を楽しむ生活

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カテゴリ ‘コラム’ のアーカイブ

■ところのほんとのところ


展覧会の準備と写真集の制作と


所 幸則 Tokoro Yukinori


●「PARADOX─TIME アインシュタイン・ロマンスをめぐる冒険─所幸則写真展」


7月1日から開催される大型個展「PARADOX ─TIME アインシュタイン・ロマンスをめぐる冒険─ 所幸則写真展」(ESPACE KUU 空 大正大学 五号館1F)。テーマは1セコンド〜アインシュタインロマンへの流れです。詳しくは次回。
http://taisho-kuu.tokyo/paradox/

PARADOX─TIME アインシュタイン・ロマンスをめぐる冒険─所幸則写真展

PARADOX─TIME アインシュタイン・ロマンスをめぐる冒険─所幸則写真展


キュレーターの太田菜穂子さんにはこのように書いてもらいました。


|Curator Statement|
都市の時間、現代における時間への考察へのお誘い


過去から未来に向かって流れ続ける時間、私たち人類はその時間の運動の中で、一瞬たりとも休むことなく、ひたすら“その先へ”と突き動かされて生きてきました。


それは千年前の百年前も同じこと、ただ21世紀が過去の時代のどれとも圧倒的に違うのは、その場に存在している時間への認識が恐ろしいほど希薄になってしまったことです。


現代人の多くは、SNSの過激なまでの急速な進歩の波の中、目の前よりも他の何処かの時間に関わることに大いなる神経を使わされています。


一体、私たちは何に急かされ、“今、ここで生きる”という唯一の確かな時間との関係性すら、放棄しようとしてしまったのでしょうか?


本展覧会は、人間の支配を超えたこの存在、「時間」について、写真を起点に多角的にその本質に迫ってみたいと考えました。


「時間」へのキーワードを整理し、テーマを投げかけるのは、所幸則。1秒間に3回のシャッターを切る「One Second」という手法で、都市における時間の姿を捉えた写真家です。


彼の問いかけにさまざまなジャンルのクリエイター、アーティストたちが応えるという展開で今回の展覧会は進行します。時間という制約、時間という空間、そこでどのように写真とアートが呼吸をするのかを、皆さんと共有したいと考えています。


写真家を起点とし、複数のクリエイター、アーティストを招いて展開する今回の試み、アーディエンスの反応がなによりも重要なポイントになるはずです。この挑戦にもっとも重要な役割を担う当事者として、どうぞご参加ください。心よりお待ち申し上げます。


【何かを学ぶためには、自分で体験する以上にいい方法はない】
アルベルト・アインシュタイン


●タブロイド誌の制作と写真集の造本と


この展覧会用にタブロイド誌を作ることになって、[ところ]はよろこんでいたのだけれども、いわゆる小さめの新聞で8P、内容を決めて埋めていかなきゃならない。


太田さんや僕の文章で1P、作品で2Pは埋まるとしても、写真ばっかじゃタブロイドとしてつまらないので、一緒にコラボレーションをする音楽家、ダンサー、舞台監督、渋谷を撮った時に世話になった建設会社の人、雑誌の編集長、建築家、絵描き、写真家、キュレーター、コレクター、そしてファンにも連絡のつく限りコメントを頼んでみました。


急なことだし、半分ぐらいは断られると思ったので50人くらいに出したら、断る人がいなくて、紙面を埋めつくつくさんばかりだ。編集者って大変だなあと、今更ながらにわかった[ところ]でした。


そして写真集も同時進行。蒼穹舎と詰めの話し合いをした結果、A4変形横長かB4変形横長で、100ページは軽く超える。B4で100ページ越えなら、今時なかなかない【奇書】みたいなものだといわれました。制作費も倍近くかかる。


だけど「アインシュタインロマン」は明らかに大きいほどいい。本屋にもあまり置かれないという可能性は高い。発行部数を半分にしてもA4の1.8倍はかかる。B4の変形横の写真集は手製本で一冊1500円〜1800円もかかるのだそうだ。


なんとか、ここからファンディングが伸びて欲しい。B4で出さないと……記憶に残る本にしたいです。よろしくお願いします。
< https://greenfunding.jp/lab/projects/1083 >


ちなみに超大型プリントによる展覧会もはじまります。二度と見れないサイズだと思います。ぜひ来てください。


●超大型プリントによる展覧会 所幸則「アインシュタインロマン」


〈H.P.FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCHIより、所幸則「アインシュタインロマン」の開催をご案内申し上げます。走行中の新幹線の車窓からシャッターを切り、流れゆく風景をカメラに収める所幸則。


切り取られる一瞬の中で、被写体となる物は容易に形を変え、日常では感じ得ない“危うさ”を画面に漂わせます。緊張を孕んだ静謐な世界観を、この機会にぜひご高覧ください。〉


会期:6月19日(金)〜7月30日(木)11:00〜21:00 日祝11:00〜20:00
会場:H.P.FRANCE BIJOUX
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング 1F
http://www.hpfrance.com/bijoux/


〈これは僕が少年の頃からのスーパースターであるアインシュタインの特殊相対性理論へのオマージュである。僕が生きている間には光に近い速度で地上を走りながら写真を撮る事はとても不可能だろう。せめてもの可愛い挑戦として300Kmで走る新幹線から撮る事で、一部の人には伝わるかもしれないというささやかな試みである。所幸則〉


オープニングレセプション:6月19日(金)19:00〜21:00
大口俊輔(音楽家)と樋笠理子(バレエダンサー)によるイベント


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >

■ところのほんとのところ


写真という概念の変化


所 幸則 Tokoro Yukinori


いま写真集制作のための最後の追い込みと、三つ連続である個展のため必死にがんばっている[ところ]です。


写真集制作のために、クラウドファンディングという仕組みを使い始めた時に書いた、ヘッドコピーのような言葉について今日は書いてみます。


< https://greenfunding.jp/lab/projects/1083 >


現在はかなり抑えたものになっていますが、当初はかなり過激で【これまでの写真という概念はすでに崩壊している】というものでした。


[ところ]もこれだけではあまりに説明不足だと思ったのですが、取りあえずキャッチーさを優先させていたのです。しかし、友人が「このコピーでは損をしてるよ」と言ってくれたので、もう少しヒント的な要素も入れようと考えて、【これまでの写真という概念は科学の進化と人間の意識の進歩によって変貌しつつある】にしました。


すると、今度はファンディング会社の担当の方から「少しだけ長すぎる」と言われたので、【これまでの写真という概念は科学の進化と人間の意識によって変貌しつつある】に若干修正しました。


本来何が言いたいかをここで書くことは、非常に長い文になるし普通の人は読みたくないかもしれないと思い、とりあえず説明するのもやめておきました。本当に言いたかったのは、「近代芸術の端っこにいた写真に、やっとチャンスが回ってきた」ということ。こう書くとますます混乱するだけだろうと、[ところ]も思うわけですが。


いわゆるフォトグラフというものは、小さな針穴(ピンホール)を通る光の現象がもととなっている。ピンホールをあけると、外の光景の一部分からの光が穴を通り、穴と反対側の黒い内壁に像を結ぶという現象。こそが写真の本質であり、この現象は古代から知られていたと歴史家たちもみとめている。


文献的にはそのレベルだろうが、まだ文字を持たなかった人類も偶然にそれを発見する機会はあったと考えるのが自然だろう。カメラ・オブスクラと呼ばれるものですら、10世紀頃にエジプトの数学者であり哲学者でもあるイブン・アル・ハイサムが、光学の書の中でこの現象について研究をして、すでに組み立てている。


[ところ]が何を言いたいかというと、現代のカメラとて同じ現象を再現しているに過ぎないということです。


昔は鑑賞するしかできなかったものが、なんらかのメディアに定着することができないかと考えて、ピューター(鉛とすずの合金)板をアスファルトピッチで被覆し、プレートを光にさらすことによって、最初の写真を撮ったとされている。


その後、蒸気を利用した湿板、写真乾板、そしてやっとセルロイドのフィルムが生まれ、一気にカメラが普及したのが35mmフィルムが市場を支配した1960年代から。


光の現象の発見のころから考え方は全く変わっていない事は事実であるし、銀塩が主流になってからを考えても、数千年の中の数10年にしかすぎない。


センサーの性能が急激に良くなってきてもう10年以上になる。ピンホールを通る光の現象のなかで、センサーは銀塩よりも長い時代、中心的存在として君臨するかどうかはわからないけれども、銀塩よりも多くの可能性を秘めているのは確かだろう。


第一に、現像液やフィルムがある程度多様だった時代が終わり、その代わりにRAWデータを現像するということにおいて、今の銀塩フィルムが無くしてしまった多様性があるということ。


第二に、印画紙も銀塩はどんどんと種類が減っていっているのに対して、プリント用紙は今や銀塩の全盛期よりもはるかに増えていっていること。


第三に、「しょせんデジタル」という人がいるが、プリントした時点でそれは実在する紙にあるアナログ物であるということ。


第四に、銀塩の進歩のスピードよりも、センサーや工学的な部分の進歩やソフトウェアの開発により、自由な発想のものが生まれ続け、銀塩よりも遥かに多彩な試みを、あらゆるアーティストがやってもやり尽くせないということ。


銀塩では出現した当時に、マン・レイのような作家があらゆる試みをし尽くした観があったのとは対照的である。この点が最も大きな違いだという気がする。ピンホールカメラで、手持ちで、昼でも夜でも撮れるといったことも、センサーの急激な進歩のおかげであるし、解像度も今では8×10を越えてきている。


写真という概念の変化は、考えれば他にもいくらでも出てくるのではないか。


もちろん、一回シャッターを切るたびに快感と喜びがある、手触りのいい銀塩時代の名機で楽しむのも素敵な趣味であることは間違いがないし、それはある程度残っていくであろう。


かくいう[ところ]だって、たまにはかつての相棒ニコンF2フォトミックや、ハッセルブラッド500CMのシャッターを押してはなつかしいと思い楽しむこともありますが、こと近代芸術においては、第四の要素は非常に大きな問題であると思われるのです。この話はまた次回に。


さて、6月1日から茅場町の森岡書店にて個展「僕が愛した渋谷、そして銀座」が始まっています。また、所幸則写真集「ONE SECOND vol.1 SHIBUYA」の販売もしています。


◎国内外で精力的に活動している所幸則は、街の風景の儚さを的確に表現するため、通常の撮り方ではなく、1秒間の経過を3ショットで撮しとめる、One Secondという独自の技法を用います。


今回は、所幸則のホームタウンであった渋谷に加え、同じ技法で撮影した銀座の光景を展示します。また、森岡書店スペシャルプリントとして、330mm×220mmサイズのイメージを制作しました。


森岡書店茅場町店が入居する昭和2年築の建築とあいまって、時間の流れとともに変化する人と街の儚さは、むしろ、強度を増します。写真の彼方に広がる現実と非現実の揺らぎをぜひご覧ください。[森岡督行]


会期:6月1日(月)〜6月13日(土)13:00〜20:00 6月7日(日)定休
[ところ]在廊日:6月13日(土)午後


会場:森岡書店 東京都中央区日本橋茅場町2-17-13 第2井上ビル305
TEL.03-3249-3456
< http://www.moriokashoten.com/ >


大好きな作品の一つなんですが、[ところ]のミスで作品集に入れるのを忘れてしまった作品があります(↓)。森岡書店では展示だけではなく、この作品をつけて写真集の販売もします。小さいですがオリジナルプリントです。13日間だけの特典です。よろしくね。


・渋谷ハチ公前スクランブル交差点

所幸則「渋谷ハチ公前スクランブル交差点」

所幸則「渋谷ハチ公前スクランブル交差点」


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >

■おかだの光画部トーク[136]


写真クラウドサービスの決定版になるか?「Google Photos」


岡田陽一


3.11後のデジクリ(日刊デジタルクリエイターズ)の連載で、「写真はクラウドに保存しましょう」と何度も書いた。フィルムで写真を撮っていた頃と違って、デジカメ、スマホで写真を撮ることが当たり前の今は、データをしっかりバックアップ取っておかないと、何かあったら写真が残らないからだ。


どうでもいいような写真も増えてはいるが、何年、何十年後に見るとそんな写真も想い出になるかもしれないし、子供や家族の写真などは、時が経つほど大切なものになるはずなので「消えちゃった……」では済まされない。


地震や津波などの大災害だけでなく、スマホがゲリラ豪雨で水没したり、不注意で落として壊れることもあるだろう。スマホや、デジカメで撮った写真が常にクラウドにバックアップがある状態だと、家が火事になったとしても、写真はインターネット上のどこかにあるので安全だ。


そんなバックアップ先として、先週、Googleが出したサービスが「Google Photos」だ。


以前からGoogleは、Picasa ウェブアルバムや、Google+のフォトアルバムというサービスが写真の保存や共有であったが、


・おかだの光画部トーク[61]おすすめ Google+ Picasa ウェブアルバム
(2011年9月6日)
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20110906140100.html >


今回、新たなサービスがリリースされた(※過去のサービスがアップデートされたのかと思ったが、まだPicasaはそのまま残ってるようだ)。


こちらが紹介動画
< https://youtu.be/ydBjsZnHrwM >


Android、iOS、Webブラウザから使える。元の写真からは圧縮がかかってしまうが、1,600万画素までの画像を無料で容量無制限で保存できる。


仕事の写真なら、元画像をそのまま圧縮をかけずにバックアップする必要があるが、普段の写真で、想い出としていつか見るという用途であれば、圧縮がかかったとしても、無料で容量無制限というのは、生活の一部としてスマホを使っている以上、とてもありがたい。


圧縮をかけずに元画像を保存することもできる。この場合、Googleアカウントについてくる15GBが消費され、必要であれば追加で購入する。普通の使い方であれば、無料で無制限の方が気兼ねなく使えていいと思う。


PCのブラウザで
< https://photos.google.com/ >
にアクセスするか、スマホからはアプリをインストールして自分のGoogleアカウントのIDとパスワードを入れると使うことができる。
< https://flic.kr/p/tFiR3f >


< https://flic.kr/p/tXTxGe >
まずは、高品質(無料、容量無制限)を選んでおく。


Google Photosのことはあまり意識する必要はなく、普段通り、iPhoneで写真を撮るだけでよさそうだ。しばらくMacとiPhoneで使ってみて、詳しい使い勝手を次回以降レポートしたいと思う。


【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
< mailto:okada@fuwhat.com > < Twitter:http://twitter.com/okada41 >

■わが逃走[155]


豪雨と豪雪の金沢でトマソン階段を歩く。 の巻


齋藤 浩


このところ金沢出張が多い。


金沢はよいところであるが、東京から行くとなると新幹線で一旦越後湯沢まで出て、直江津経由で向かうか、羽田からまず小松空港に向かいバスで40分かけて市内へといった具合に、妙な遠回りを強いられるのだ。


私は空港での待ち時間がクヤシく感じる性格なので俄然陸路派である。


しかし、時間的には早いのだろうが、越後湯沢まで行ってまた戻って来なければいけないことにもクヤシさを感じる。


信越本線の横川・軽井沢間をぶった切ってしまわなければ、時間はかかるかもしれないが高崎、軽井沢、長野、直江津、富山とごく自然なコースで金沢に向かうことができたのだ。


寝台特急が健在なら、仕事を終えた後に金沢駅から『北陸』に乗車、日本酒と鰤の寿司なんぞ食べながら個室でゆっくり休んで、翌朝上野に着くこともできた。この方がキモチ的にはるかに楽だったのにー!


しかし、もうすぐ北陸新幹線が開通する。旅情には欠けるかもしれないが、金沢までわずか2時間半。そしてなによりも不自然な遠回りをしなくてすむのは精神衛生上とてもよろしい。


だがそうなると日帰り出張がデフォルトになってしまいそうでコワイ、といえなくもないのだが。


さて、そんな北陸新幹線開通を来月に控えた2月某日、金沢出張が決まった。


朝から打合せということになると前泊は必須だし、一仕事終えて北陸の海の幸と旨い酒、ということになれば東京に戻るのは翌日しかない。


泊まりとなると、なんとか早く出るか遅く帰るかして時間を捻出し、その地ならではの風景、できることなら歴史と伝統のある坂道を歩きたくなるのである。オレの場合。


という訳で金沢の地図を見る。


浅野川と犀川にはさまれた地形。間にググッと盛り上がる河岸段丘が小立野台地だ。Googleマップで近寄ってみると、おお、階段道がたくさんある!


というわけで、オレンジ色で印をつけたのが、今回気になった坂道。小立野台地の南西側。周辺の道のくねり方、地図を見るだけで歴史を感じるぜ。


(fig01)

(fig01)



こういう複雑な線で構成された町は、行政や宅地開発業者主導ではなく、自然と人々が集まって集落が形成された場合が多い。定住する理由がそこにあるのだ。これぞ本来あるべき姿。


私はいわゆるニュータウンの区画整理されすぎた土地に、違和感を覚えながら育った。そのせいか、古くからその地に人々が暮らす意味を感じることのできる町に住みたいと思っている。


そういった訳で、このあたりの町並にはとても魅力を感じるのだ。ちなみに私の育った町を地図で見るとこんな感じ。


(fig02)

(fig02)



地形が完全にリセットされた上に造られたため、非常に単調な線で構成されている。散歩していてもこの町ができる前がどんな風景だったかを知る術はないし、そのせいか、ここで30年近く暮らしたにもかかわらず、この土地に対する愛着もあまりないのだ。オレの場合。


さて、朝5時半に起きて東京を出て、金沢に到着したのは正午だった。ホテルに荷物を預け早速散歩にでかける。


外は暴風雨、ところにより雷を伴う。ちなみに翌日から豪雪の予報。傘がまったく役に立たない。それにもめげずに美術の小径、大乗寺坂、嫁坂、新坂、白山坂と小立野台地のエッジに沿って歩いてみた。


最も気になっていたのが嫁坂だ。(地図左上の印)


前回の旅でタクシーの運転手さんにも美しい坂としてすすめられ、その後調べてみてもさまざまな物語を持つこの坂の背景に歴史的風情を期待していたのだ。で、到着してみると確かに良い坂ではある。しかし…。


急傾斜ナントカ地区に指定された影響か、以前は密集していたであろう周囲の住宅がまばらになっていた。


さらに市の『景観再整備なんちゃら』が行われたせいか、路面には派手な石板が貼られたうえ蹴上の高さが統一、大きくきらびやかな手すりが設置されるなどして昔ながらの趣をイメージしていた私にとっては、残念ながら味気なく思えたのだった。


しかし、斜面に沿って進むといくつもの階段道があり、有名じゃない(=名前のついていない)物件はわりとイイ感じだった。


ひとつひとつ語りたいが、今回はナントカ坂(名称不明・地図右下の印)を紹介しようと思う。クランク状に曲がりながら上るドラマチックな階段だ。


(fig03)

(fig03)


(fig04)

(fig04)


最初の角になんとトマソン物件『無用門』が。ブロック塀と化した二度と開くことのない門。その奥にも階段は続く。


(fig05)

(fig05)



この門が現役だったとき、この上に住む人の暮らしはさぞ素晴らしかったことだろう。階段道から門をくぐって自分だけの階段を登り、家に着く。振り向けば金沢の景色が一望できる。うーん、素敵だ。


さらにナントカ坂を上る。次の角を曲がり、振り向く。


(fig06)

(fig06)



冬のしかも雨の日だというのに思わず感嘆の声が出てしまう。素晴らしいじゃないか、ナントカ坂。季節や時間を変えて何度も訪れ、移り変わる色彩を楽しみたいと思うオレなのだった。


翌日は仕事。金沢地方は大雪となった。


翌々日の朝も雪。昼の新幹線で東京に帰る予定だが、どうしても雪のナントカ坂を見てみたくなり早起きして現地に向かってみた。雪の中の階段を注意深く進むと、一昨日の夕方とは全く違う景色がそこにあった。


(fig07)

(fig07)



【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

道程青年団(ザ・ディスタンス)第一回展覧会を開催


齋藤 浩


第一回展覧会の概要


写真家小河孝浩とグラフィックデザイナー齋藤浩は、この度フォトグラフィユニット“道程青年団”(ザ・ディスタンス)を結成、第一回展覧会を2014年9月3日より宮崎県立美術館にて開催いたします。


展覧会タイトル:旅の途中〜出会いこそ人生の醍醐味〜
アーティスト:小河孝浩×齋藤浩
会場:宮崎県立美術館 県民ギャラリー1,2
会期:2014年9月3日(水)〜7日(日)(会期中無休)
開場時間:10:00〜18:00(最終日は16:30閉場)
観覧料:一般400円(高校生以下無料)
http://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/


[ギャラリートーク]
9月6日(土)13:30〜15:00 1Fアートホールにて 作家による写真論的世間話 入場無料


[フロアレクチャー]
土曜を除く毎日開催。平日16:00、日曜14:00 会場にて作家による作品解説的世間話


お問合せ先 小河写真工房 E-mail opf@nishimera.net


憧れのギャラリートークデビュー


そう! 憧れのギャラリートークデビューなのだ。たのしみだなあ。


デザインの講義なんかだとそれなりに段取りが大切だったりするけど、今回の写真展ではその場のノリと勢いに任せちゃう感じだろうか。


私も小河孝浩も極限まで研ぎすました写真を、気合いじゅうぶんに「これでもか!」と見せつけるつもりではいるけれど、これらはある意味ものすごく敷居の低いカジュアルな風景やモノたちの写真でもあるのだ。


漫才的写真ショーになる確率も高い。客席からいろいろとツッコミが入る感じか。いいねえ。本人達も目からウロコな意見を是非聞きたい!


また会期中は「フロアレクチャー」と称し、ギャラリーで来場者とアカデミックな写真の解説をするふりをして世間話に興じます。こちらもたのしみ。


展示予定作品の一部


小河孝浩

小河孝浩


齋藤浩

齋藤浩


小河孝浩

小河孝浩


齋藤浩

齋藤浩


小河孝浩

小河孝浩


齋藤浩

齋藤浩


小河孝浩

小河孝浩


齋藤浩

齋藤浩


小河孝浩

小河孝浩


齋藤浩

齋藤浩


示し合わせたわけじゃないのに、妙に対比的。そして妙に通ずるものがあると思う。正直言って、想像以上の相乗効果。意味のある2人展になると確信したオレであります!!


次に、小河孝浩と齋藤浩の紹介文。これも名文が揃ったので、ギャラリー入口にパネルにして掲出しちゃおうかな。


小河孝浩のこと


小河さんとは10年前にネット上で知り合いました。まるで子供の頃からの長い付き合いのような気がしていますが、改めて思い返すと実際に会ったのは昨年6月のことで、これには我ながらオドロイてしまいます。


想像通りの九州男児、義理堅く漢儀あふれ、写真と西米良のことを語りはじめたら止まらない。


小河さんから故郷の話を聞く度、自分も西米良出身のような気がしてしまうから不思議です。これこそが小河孝浩の力。故郷と人々を繋ぐ力です。


彼の写真の魅力をひと言で表現することはできませんが、あえて言うなら「未完結」だと思います。


絵の中の行ったことのない風景、会ったことのない人物に見る者の思い出が重なることで完成し、あたかも自分の記憶のように心に留まってゆくのです。《齋藤浩》


気配を感じる写真


写真を撮り始めて40年が経つ。写真雑誌を読みあさって、ありとあらゆる写真を真似た中学時代。ピント、露出、構図。セオリーどおりの写真を撮るが満足できない。職業として生計を立てると、撮影は楽しかったが、出来上がった自分の写真を好きにはなれなかった。


帰郷した頃、仕事で撮った写真を見た息子が「お父さんの写真ってつまんないね。僕は西米良で撮った写真の方が好きだよ」と言った。切り花が溢れんばかりに生けられた、無駄のないきれいな写真だった。


ある時、余計なものだと決めつけていた人工物が、自然と共生している景色に惹かれた。人の暮らしや気配を感じて、自分の写真を好きだと思えた。


誰でも出くわす日常の風景だが、写真として捉える重要な条件は、撮影者の心の在り方だ。あれから13年、大学生になった息子は父の写真を観て何と言うだろうか。《小河孝浩》


小河孝浩◎略歴


1961年宮崎県西米良村生まれ 在住 13歳の頃白黒写真の引き伸し機を伯父から譲り受け、現像液から写真が生れ出る瞬間に感動して撮影を始める。


高校3年生の時に全国規模の写真コンクールで一番になり、その気になって広告写真家を志し上京するも、凄まじい修行が待ち構えており、かなり凹んだが耐え抜く。


1988年独立。憧れの南青山に撮影スタジオを設立するが、あまりにも同業者が多い事を知ってがっかりする。


40歳まで広告写真を中心に人物、静物の撮影を手掛ける。2001年、西米良村に帰郷。以後、村をテーマにした写真展や写真集で継続的な発表を続けている。2013年、前年に刊行した写真集「結いの村」が宮日出版文化賞を受賞。県内外で写真展多数。


著書『おかえり』(石風社刊)『結いの村』(同)『西米良神楽(撮影)』(鉱脈社刊)『オガワタカヒロ 毎日行進』(忘羊社/9月発刊予定)日本広告写真家協会(APA)会員
小河孝浩公式Website http://www.ogawatakahiro.com/


齋藤浩のこと


顔の見えない付き合いが大嫌いである。出会いはクリエーター仲間が自由に繋がるWebサイトに参加していた10年前、面識のない齋藤氏の日記を読んでメッセージを送ったことがきっかけだった。


そのサイトが閉鎖になり、Facebookの登場でネット上にて再会の後、遂に齋藤氏と対顔する。嫌いなはずだったバーチャルの世界で、旧知の友に出会えた「錯覚」に驚いた。


彼の写真には無駄がない。削ぎ落されたシンプルな画面だが、被写体の存在が最大限に伝わってくる。感性のアンテナに狙われた標的は、齋藤浩の適切なフレーミングによって美しく切り撮られる。それは技術だけでは真似のできない、圧倒的センスから生み出される写真といえる。《小河孝浩》


削ぐ写真


デザイナーとして忘れてはならないこと。良いデザインとは騒いだり飾ったりすることではなく、必要な情報を簡潔かつ的確に伝えるために工夫することだと思うのです。


ということは、カメラ一台でそれを作ることも可能なのでは?? と思い立った齋藤浩はその日からノンコピー・ワンビジュアルのポスターをデザインするつもりでシャッターを切ることにしました。テーマは「趣味の構造美」。


私の撮る「構造美」は、暮らしてゆくための工夫の痕跡であることが多いように思います。本来人が住まない場所に無理矢理造られた、いわゆるニュータウン育ちのせいか、人がそこに暮らす必然のある場所で出会えるカタチにとても魅力を感じるのです。《齋藤浩》


齋藤浩◎略歴


1969年生まれ(生まれが千葉で育ちがサイタマ)。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟りデザイナーをめざす。


武蔵野美術大学短期大学部デザイン科卒、同専攻科修了。1999年独立。有限会社トンプー・グラフィクス主宰。


文化庁メディア芸術祭優秀賞、世界ポスタートリエンナーレトヤマ銅賞×2、ニューヨークADC merit賞、準朝日広告賞、朝日広告賞入選×3、毎日広告デザイン賞優秀賞・奨励賞、グラフィックアートひとつぼ展グランプリ、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ入選、その他受賞多数。ニューヨークADC、日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員。


2007年より日刊デジタルクリエイターズ(www.dgcr.com)にてコラム『わが逃走』連載中。
tong-poo graphics http://www.tongpoographics.jp


西米良村について


こうして読んでみると、図らずも対比と調和とでもいうような概念が出来上がっているみたい。そして西米良村についての紹介です。なぜこの文が必要なのか。それは、最後まで読んでいただければわかる!


最後に小河孝浩の出身地であり、道程青年団(ザ・ディスタンス)結成の地でもある宮崎県の西米良村について紹介したいと思います。


県西部に位置する山々に囲まれた静かな村。風光明媚にして、食べ物は旨く、温泉も最高。思わず撮影旅行に行きたくなる、絵になる村。それが西米良です。


主要産業は農林業。近年は柚子やほおずきの栽培も盛んに行われています。宮崎で最も人口の少ない村でありながら、地域に根ざした体験ができる「おがわ作小屋村」が国交省「地域づくり表彰」最高賞を受賞するなど、その身軽さをポジティブに捉えた行政も注目されています。


そして九州写真史を語る上で欠かせない人物、写真家・浜砂重厚 安政3(1856)─昭和6(1931)の出身地もまた西米良村です。


彼が100年前に撮影した風景や人々の暮らしは、九州そして日本の歴史・風俗を研究する上でも貴重な資料となっています。その浜砂重厚、実は西米良村の初代村長でもあったのです。


つまり、西米良は村として誕生した時から写真と所縁のある地だったのです。


さて、彼が写真家として活躍した100年後にこうして運命的な出会いを遂げた道程青年団(ザ・ディスタンス)、「こいつあ重厚さんのお導きかもー!」などと思わなくもない。


こうなると俄然テンションが上がり、ここだけの話、西米良村を「写真の村」として盛り上げてゆく構想が水面下で進行中のようですよ。


間に合うのか??


7月10日、プレスリリースの配布がようやく完了した。今日が24日だから写真展まであと41日。これから作品のプリントと案内状の制作と作品集のデザインをしなければならない。


間に合うのか?? と思い、心配して小河孝浩に相談してみたところ、彼は、「ギリギリまで撮影する主義だから。」だそうで、それ聞いちゃったら、まあなんとかなるかなー。なんて思った次第。


しかし油断は禁物である。密度の濃い写真生活は続く。


※東京やその他の都市での巡回展は未定ですが、是非やりたい。ギャラリーを(比較的というかかなり安く)貸して下さる親切な方を常に募集しております。


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

「写真」ということば ──「写真」の語源について


笠井 享


はじめに


「写真」ということばは、西洋からフォトグラフィ(Photography)が伝来したときに訳されて命名されたと思っている方々が、一般の方々のみならず写真家や評論家などの専門家にも多くいるのだが、それは大きな誤解である。


1990年代後半から「写真」なる言葉が気になりだして、少しずつ調べるようになった。2006〜2008年頃には、ネット上のいくつか投稿欄などに考察を書き連ねたのだが断片的であった。Facebookを始めたのが2011年だったのだが、その時点で、少し整理してノートとして公開した。以下は、その論考とその後の追記である。


最初のことば ── ダゲリヨティープ


最初のフォトグラフィ=「ダゲレオタイプ」の発明が、1839年(=天保九年:徳川家慶の頃)で、そのわずか10年後の1849年(=嘉永二年:徳川家慶の頃)には、日本に伝来した。長崎経由で薩摩藩(=藩主:島津斉彬の頃)に納品されている。この時この技術は、翻訳することなく『ダゲリヨティープ』とカタカナで記されている文献が残っている。


それよりもはるか前、1700年代半ば、杉田玄白のころには、西洋事情を紹介した書物の中に、『箱の内に硝子の鏡を仕掛け、山水人物をうつし描ける器、かの地にて写真鏡とよべるものあり。』(カメラ・オブスキューラの紹介:
http://bonryu.com/atelier_bonryu/PH_Salon_1.4.html


つまり、フォトグラフィが発明される何百年も前から「写真(鏡)」という日本語(というか漢文)は存在していた。実は、写真ということばは、中国の明帝の時代(1300年代〜)の漢書の中に残っているそうで、おそらく言葉そのものは、もっと古く、もしかすると紀元前から中国にて使われていたかもしれない。ここまで戻ると私も専門外で調査する方法さえ知らない。


「写真」とは似顔絵を意味した


このフォトグラフィ以前の写真とは、(王様や身分の高い)人物の姿をそっくりに描くことを指している。日本でも天皇の写真のことをかつては「御真影」と言ったが、この単語の「真」は人の姿を言い表している。つまり「写真」とは、「真=姿」を「写」したものであり、フォトグラフィ以外でも、水墨画や浮世絵や他の絵図でも肖像画は「写真」だった。


この時代の人物を描いた絵図の裏書きには、「ダレソレの写真」という記載が多々見受けられる。「写真」という言葉は明治時代中期までこの意味でも使われていたようだ。


いろいろな翻訳


さて、伝来した「ダゲリヨティープ」は、その後10年ほどかけて研究された。日本人自身の手によってまともに写った(=まともに現像処理まで成功した)のは1857年(=安政四年:徳川家定の頃)である。そして、このころは、まだフォトグラフィは写真とは訳されておらず、「印影」「直写影」「留影」「撮景」などの言葉が文献に見受けられる。


1862年(=文久二年:徳川家茂の頃)に、長崎の上野彦馬が肖像写真スタジオをオープンしたが、店舗の看板に「一等写真師:上野彦馬」と表記した。同じ時期、江戸の勘定奉行の川路聖謨が記した文献でも「写真鏡」という単語が登場する。


よって、「フォトグラフィ」は、日本伝来当初から約15年くらいの間に、いろいろな呼ばれ方をしたが、結局、定着した最初の言葉としては「写真」だったのであろう。ただし、上野彦馬がここで「写真師」と自称したのも、肖像フォトグラファーという意味ではなく、(光学・化学的手段を使う)肖像画家というほどの意味だったのかも知れない。


時代が求めたもの


何しろ、幕末のこの時代、数多くの武士たちが維新の戦争に行った。彼らはこぞって自分の姿をフォトグラフィに残そうとしたにちがいない。多くは下級武士であり、肖像画を描いてもらうほどの録はなかったはずだ。


他の国では、登場したフォトグラフィを宗教や政治のプロパガンダとして活用すること、あるいは、画家やその他の芸術家のツールのひとつとして活用することが主であったが、日本は、維新の最中にあって、少しだけ事情が違ったようだ。


ちなみに、中国ではフォトグラフィは「照片」と訳されている。台湾はここ十数年の期間で、「照片」から「写真」へとフォトグラフィの表記が変化しているそうだ。主として日本文化の、とりわけ若者に人気の日本のタレントの「×××写真集」(×××はタレントの名前)が影響を与えているとのことである。


◎追記 その1


私は、若い頃6年間ほど海外に住んでいた。職業は写真や印刷に関連する業界だったので、周辺には写真家や評論家もいた。


そこではフォトグラフィはフォトグラフィであり、Taking truth(真実を写す)とか、あるいは、もう少し哲学的にTaking essential(本質を写す)というような、日本の写真のような概念でフォトグラフィを語るシーンに一度も出くわしたことはない。


フォト(=光)・グラフィ(=絵図)はフォトグラフィなのであり他意はないのである。ダゲレオタイプの発明の一年後、英国ではタルボットが別の方式の写真を発明したが、彼は、その技術をフォトジェニック・ドローイング(=光的描画とでも訳しておきます)と呼んだ。ここでも「まことを写す」という概念はない。


油絵がオイルペインティングと呼ばれるのと同じ延長に、フォトジェニックドローイングやフォトグラフィということばの展開がある。フォトの代わりにライト(光)を使って、ライトペインティングでもぜんぜん構わないわけだ。


日本でフォトグラフィが写真と呼ばれるようになったのは、不幸なことなのかもしれない。「写真が写すのは真実」などという大それたものではなく、単純な「光学的事象」だけであり、その写っている事象に撮影者が意図を託すのが写真的表現なのである。その状態をもって、真実を写すと解釈するのは飛躍しすぎのはず。そもそも「真実」と「光学的事象」の間の違いについて誰もきっちりと語り、定義していない。


フォトグラフィが写真と呼ばれるのではなく、最初から「光画」とか、「写影」・「写景」とか呼ばれていたら、誰も「まことを写す」などとは考えず、あるいは、縛られずに、光学的事象の描写能力を借りて、撮影者の意図を表現すること、自由奔放に自分が視た世界・光景を表現することだけに集中できたのに〜と思う。


ところで、明治末期から大正中期に、写真と俳句を重合するような表現や方法論が流行った時期がある。俳句は、その五七五の句の裏にたいへん奥行きや広がりのある光景を表現できる。


写真で「真実を写す」というとき、日本人は、写真に俳句的な表現力を期待しているのかもしれない。すなわち、写っているものごとの向こう側にある、写っていないけれども、読み手が写っていると感じることのできることがら、それが真実なんだと〜。


同じ文化、同じ風土、同じ民族、同じ言語、同じ価値観を持つ日本人だからこその写真の見方かもしれない。


◎追記 その2


「真実の真」という意味において「まことを写す」というように写真を解釈し始めたのは、写真批評・写真論が盛んになった大正時代ではないか? と、私は仮説をたてている。この説の探索は芸術史や写真史の研究者のよい研究テーマかもしれない。


「写真」は、そのことばがフォトグラフィのことを指し示すようになったころは、既述のように別の意味でも写真という元祖のことばがあったわけだから、多くの人々にとっては「精密描写似顔絵」という程度の意味合いだったのであろう。


そもそも、フォト+グラフィであるから「照図」とか「光画」と訳されていれば、写真は真を写すという解釈を土台にした、表現範囲の狭い日本の写真の傾向は生まれなかったのかもしれない。それほどまでに、写真ということばは日本写真界にある意味、悪しき影響を与えてきたとも言えそうだ。


欧米のフォトグラフィック表現へのおおらかさや寛大さ、ゼラチンシルバープリントなどを絵画同様に敬ってくれる文化などは、フォトグラフィなることばが、真を写すというような呪縛に捕らわれていないからだと思うのは私だけなのだろうか。


一方で、デジタル写真は? というと、その登場によって、「真を写す」という呪縛から解放するという効果が生まれている。何しろ、ダイアルひとつで、ファンタジックアートやらデイドリーム、ラフモノクロームなどなど、「マコト」の向こう側にある心象光景を写す(いやこの場合は「映す」か?)能力を得たのである。


このへんのこと、すなわち、フォトグラフィとデジタルフォトグラフィの比較表言論については、またのチャンスに論じてみたいものである。


◎追記 その3


「写真」の語源について、その後、文献をあたっていると、下記の写真論の中に、似たような記述があることを発見した。


「日本芸術写真史:浮世絵からデジカメまで」西村智弘著、美学出版、2008年10月発行 ISBN978-4-902078-16-9 3,150円(3,000円+税)
http://nishimuratomohiro.web.fc2.com/nihongeijutu.html


470ページ余の大作。「写真」なる言葉に関する関連ページは各所にある。特に、54ページの記述は、同様のアプローチで私の「写真」ということばへの考察を補完してくださっている部分だ(多少、見解は違うようだが)。


写真前夜からデジカメ登場までの180年余について、かなり深く述べている。技術論や道具論ではなく表現論を基盤にしていて、私の好きな切り口だ。


「写真的思考」飯沢耕太郎著、河出ブックス、2009年発行
ISBN978-4-309-62408-2、¥1200
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309624082/


この本では、第二章の第二節で、「『写真』と『フォトグラフィ』」と題してフォトグラフィが日本に伝来したころの、日本語としての呼び名についての考察などは、私が教科書として参照している写真史の各書の同じベースであるが故に、ほぼ同じ展開といなっている。


特にフォトグラフィ渡来以前の「写真」という言葉が当時(江戸時代中期)にどのような意味づけ・位置づけであったかについて司馬江漢(しばこうかんの「西洋画談」を引用して述べているあたりはたいへん興味深い。
http://ja.wikipedia.org/wiki/司馬江漢


◎追記 その4


この考察を私が私的に展開しはじめたのは、1990年代初頭であった。というのも、当時私は玄光社の季刊Mook「SUPER DESIGNING」誌のレギュラーライターであって、その記事中で「デジタル写真」に対比する形で、いわゆる銀塩写真感光材料を使った従来からの写真手法を、「銀塩写真」と呼んで区分けする必要が生じたからだ。


「銀塩」という言葉は、「銀塩写真」と呼ぶ時期より少し早い時代から技術用語として存在しているのだが、「デジタル写真」に対して「銀塩写真」と呼ぶようにしたのは私自身だと自認していて、そこにはそれなりの理由がある。


そのことについては、また別の機会に述べるとして、かくして「デジタル写真」と呼ぶときに「写真」という言葉をこのまま使ってゆくべきなのかどうかを、私なりに考察しはじめ、結果として、そもそもフォトグラフィとは似ても似つかぬ訳語としての「写真」の語源が気になってしまった。


同誌はまもなく休刊したのだが、私自身は「写真」なる「怪語」を調べはじめて今日にいたっている。


【かさいあきら】bonjour_ia@infoarts.jp


1990年代にデジタル画像処理の各種解説書などを執筆し、94年に設立したインフォーツ株式会社にて、デジタル写真関連メーカーの製品開発支援/大手印刷需用社内のコンピュータ化/フォトアルバムサービスシステムの開発などのコンサルタント事業を展開して来た。


現在では、一般撮影も積極的にこなしているが、中でも自作品をていねいにインクジェットプリンターを活用して、ファインアートプリントに仕上げる創作活動にウエイトを置いている。


また、つい最近に「笠井アキラのデジタル写真塾」を京都市にて展開しはじめた。現在はテストラン的な活動だが、今秋からはプリントを仕上げて作家的作品作りをめざす、写真家向けの本格的ワークショップなどを計画している。

■おかだの光画部トーク
花火の撮影は難しい! 


岡田陽一


毎年5月の終わりのこの時期に、自宅のある兵庫県相生市では恒例の「ペーロン祭」が開催され、前夜祭として港で「海上花火大会」が盛大に行われます。
http://www.city.aioi.lg.jp/site/pe-ron/


毎年、仕事や何かのイベントとかぶるので、なかなかじっくり観に行けないのですが、今年は時間があったので、打上げ一時間程前に会場に行ってみました。


大きな花火大会としては、早い時期に開催される相生市の会場花火大会。観客エリアと、打上げる場所が比較的近いので、打上げる音と開く音が腹に響き、すぐ頭上で視界一面に大きく閃光が弾けるのが大迫力!


しかし、写真やビデオにおさめようとすると、近すぎて逆に難しい。広角レンズを付けていてもなかなか画角に入りきらない感じでした。


打上げ花火というと、夏! という感じで、これからの数か月間、あちこちで開催されると思います。この夏、花火を撮ってみようという方に、今回は打上げ花火の撮り方について解説してみます。


まず、難しいことを考えず無難に撮るなら、花火モードが付いているコンデジを選ぶのがよいと考えます。例えばキヤノンのPowerShotの機能で「シーンモード」の中に「打上げ花火」というのがあります。
http://cweb.canon.jp/camera/dcam/lineup/powershot/sx600hs/feature-mode.html


このモードにするだけで、適切な設定になるのでお手軽でしょう。


花火モードがあるコンデジで撮らない場合は、基本的には、絞り・シャッタースピード、フォーカス共にマニュアルに設定できるカメラが必要なので、一眼レフか、ミラーレス一眼がよいでしょう。


よくオリンピックや球場などの、メモリアルなシーンをテレビで見ていると、観客席でピカピカとフラッシュが焚かれています。見ている分にはキラキラしていてきれいなのですが、こういう場所でフラッシュを焚いてもまず意味がありません。被写体が遠すぎて、小さなカメラのフラッシュは、光が届かないからです。


花火の会場でも、同じくフラッシュをONにしている人がたまにいますが、きっと設定がオートになっていて、暗いところで勝手にフラッシュが光っているのでしょう。


花火はそれ自体明るいので、フラッシュを使う必要はないですから、設定でオフにしておきましょう。


最近の花火は、単発で打上げず、スターマイン(速射連発花火)というド迫力のものが多く、明るすぎて露出がオーバーになってしまいます。


https://flic.kr/p/nsK7SA
(明るすぎた失敗例)


絞りを絞って(Fの数字を大きく)設定します。シャッタースピードはできればバルブ(開けっ放し)で、レリーズを使って撮影するのがいいでしょう。バルブにできない機種やレリーズがない場合は、4秒〜15秒くらいのスローシャッターで、タイミングを見ながらということになります。


ピントも、オートフォーカスにしていると、せっかくのシャッターチャンスでフォーカスが迷ってピントが合わないことがあるので、マニュアルフォーカスに設定して、あらかじめ遠くにピントが合うようにしておきましょう。


https://flic.kr/p/nKcxsA
(ピントが外れてしまった失敗例)


数秒以上シャッターを開けるので、三脚は必須です。ブレないようにしっかりとした三脚を使いましょう。ただし、会場は多くの人で混雑しますので、周囲の人の迷惑にならないように。


タイトルに「花火の撮影は難しい!」と書きましたが、それはカメラの設定以外の要因が大きなウエイトを占めるからなのです。一朝一夕ではなかなかうまくいきません。


ちゃんと思い通りに撮ろうと思ったら、入念な下調べと準備が必要です。それは各地で開催される花火大会によっても、それぞれ違ってくるでしょうから、何年も同じ花火大会に通ってチャレンジして、自分なりのノウハウを積み重ねることになります。


会場のどの位置がいいアングルで撮れるのかは、実際に何度か経験してみないとわからないかもしれません。打上場所が会場からすぐ近くだと、画角的に入りきらない場合もありますから、少し離れた小高い丘なども撮影スポットとして候補に入るかもしれません。


実際に事前にロケハンしたり、Googleマップなどで自分なりのポイントを探るのも楽しいでしょう。


そうしたとしても、最終的には当日の風向きや天候などに左右されるので、運と忍耐が必要ですし、1〜2時間の中でプログラムはどんどん進行されますから、ベストシーンを撮るチャンスはそう多くはありません。


無風に近いと、溜まった煙が白く光って、花火の邪魔をしてしまいます。


https://flic.kr/p/nK4731
(煙できれいに撮れない失敗例)


適度に煙が流れる風があるとベストですが、これは自分でどうにかなるものではないので運ですね。


何枚か良さそうなものをピックアップしてみました。


https://flic.kr/p/nsKAzP
https://flic.kr/p/nsKkN7
https://flic.kr/p/nJWJoR
https://flic.kr/p/nKeMEa


ということで、来年はもう少し準備を整えて臨みたいと思います。


【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
okada@fuwhat.com <Twitter:http://twitter.com/okada41>


6月13日(金)にa-blog cms全国ツアー 2014 神戸編として「ゼロからはじめるa-blog cms」を開催します。


神戸周辺のWebディレクターさん、プランナーさん、企業のWeb担当者の方など、CMSを採用検討、提案する立場の方や、デザイナー、コーダーの制作側のみなさん、是非ご参加ください。こちらのFacebookイベントページで参加お願いいたします。
https://www.facebook.com/events/1387185051569551/

おかだの光画部トーク
Lightroom mobile を使ってみた


岡田陽一


先日リリースされたAdobeのLightroom mobileを早速ダウンロードして使ってみました。今回はそのインプレッションです。


Adobe Lightroom mobile(無料)
http://bit.ly/1r47Dlz


現在はiPad版のみですが、今後時期は未定ながらiPhoneやAndroid版もリリースされるそうです。


iPad版はAppストアから無料でダウンロードできますが、使用するには「Creative Cloud通常版」または「Creative Cloud – Photoshop写真家向け特別プラン」のサブスクリプションが必要です。


普段から制作のお仕事でAdobe製品を使っている方は、既にCreative Cloudの人も多いと思いますので、Lightroomをダウンロードすればすぐに使用できます。


まだ、Creative Cloudを使っていない写真をたくさん撮る人は、期間限定の「Photoshop 写真家向けプログラム」がいいかもしれません。PhotoshopとLightroomが月980円で使用できるプランです。
http://adobe.ly/1r4bjUu


Lightroom使ったことないけど、とりあえずお金をかけずに使ってみたい。という方は、30日間体験版をダウンロードして試してみるのがよいでしょう。
http://adobe.ly/1r48Idg


Lightroom mobileの説明の前に、まずLightroomとはどんなソフトなのかを知っておく必要があります。


Lightroomは、おそらくプロで写真を撮ってる人にはなくてはならないソフトじゃないかと思います。プロだけでなく、普段から写真をたくさん撮る人、いろんな種類のカメラ(一眼レフやミラーレス、コンデジやiPhoneなど)複数のカメラを使って撮った写真がハードディスクの中にいっぱいたまっている人にとっても、とても重宝するはずです。


RAWで撮った写真を現像するソフトだと思っている人が多いと思いますが、それだけの用途ではありません。RAWだけでなく、JPEG画像も柔軟に調整できますし、現像・画像調整に使用するだけでなく、むしろ、デジカメで膨大に撮りためる写真や動画データの管理に使えば使うほど、威力を発揮するソフトです。


写真データの管理の仕方は、ひとそれぞれのワークフローがあると思いますので、今回は触れませんが、またの機会に解説しようと思います。


それでは、iPadのLightroom mobileについて……。


iPadのAppストアからダウンロードしてインストールします。
https://flic.kr/p/nfMian


最新版にアップデートしたデスクトップ版のLightroomを起動すると、左上に「Lightroom mobileをはじめる前に」と表示されています。
https://flic.kr/p/nfMGH4


環境設定の「Lightroom mobile」のタブでAdobe IDを入力しサインインします。
https://flic.kr/p/nfPJAQ


iPadで使いたい写真を入れる「コレクション」を作成。その時にLightroom mobileと同期にチェックを入れておきます。
https://flic.kr/p/ndJUzr


iPadで使いたい写真を、先ほど作ったコレクションに入れるとCloudにデータがアップロードされます。
https://flic.kr/p/nfPJx3


この時アップロードされるデータは、元のRAW画像ではなく、長辺2048pixelに縮小されたJPEGプレビューデータのようです。


Lightroomは、トリミングや色調補正、レタッチなどいかなる処理も、オリジナルの画像データを変更するのではなく「何を変更したか」というパラメータだけが記録されます。そして、元の画像データにその処理を加えたものを書き出して新たな画像を生成するので、撮影した元データはずっと元の状態です。


Web制作者が、PhotoshopデータからWeb用の画像をPNGやJPEGやGIFなどでWeb用に書き出すのと似ています。


iPadのLightroom mobileを起動して、Adobe IDを入力しサインインすると、先ほどLightroom側で選択した画像が同期されiPadで表示されます。
https://flic.kr/p/ndJFnz
https://flic.kr/p/ndJLT5
https://flic.kr/p/ndLpyh


逆にiPadのカメラロールにある写真を同期することもできます。iPad側で新規コレクションを作り、写真を選択すると同期が始まります。
https://flic.kr/p/ndLt1b
https://flic.kr/p/ndLwTG
https://flic.kr/p/ndLudX


では、Macから同期したRAW画像をiPadで色調整してみましょう。そのままだと少しくすんだ感じの写真を、夏っぽくコントラストを高くして、色を鮮やかにしました。
https://flic.kr/p/ndLJ6b
https://flic.kr/p/ndLG2B


もう1パターン。今度はiPad側にあったカレーのJPEG画像を調整してみます。
https://flic.kr/p/ndLVrx


撮ったままの写真は、ごはんの部分が白く飛んでしまっているので、この部分のディテールがでるように、ハイライト部分を調整します。ごはん粒の陰影が確認できるようになりました。
https://flic.kr/p/nfPJCc


iPadでの調整が終わると、同期されてMac側にも同じものが表示されます。
https://flic.kr/p/nfQemg


iPadでRAWやJPEGが簡易的ではありますがLightroomの画像調整ができるのは素敵なことなのですが、まだまだ調整項目がMac側のものよりも少ないですし、そもそもiPadは個体によってかなり画面の色が違いますから、現状では、それを元にどこまで調整可能なのかということもありますが、あくまでざっくりとシミュレーションするくらいは使えそうです。


出たばかりのiPad版Lightroom mobile、今後どんどん進化していくと、撮影後のワークフローが大きく変わるかもしれない可能性を秘めたアプリです。今後も注目して折にふれてご紹介していきます。


【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
okada@fuwhat.com <Twitter:http://twitter.com/okada41>


今週は水曜日から土曜日まで久しぶりに東京出張の予定ですが、昼間と朝晩の気温の差が大きいので着ていくものに悩みます。ちょうどオバマ大統領訪日と重なるようなので、あちこち不便な気がします。

■おかだの光画部トーク
キヤノンのスマホアプリ


岡田陽一


写真の仕事をするようになってから、フィルムの頃もデジカメになってからも、一眼レフカメラはずっとニコンを使ってきたし、なんだかんだで人にもニコンをオススメしてきました。


そんなわたしが、今、気になってるカメラがキヤノンEOS70D。昨年夏頃に発売した機種のキヤノンでは中堅の機種です。
http://cweb.canon.jp/eos/special/70d/index.html


実は、小学4年生の頃にお年玉などでたくわえた貯金をはたいて買った、初めてカメラがキヤノンA1だったので、http://flic.kr/p/kTD5Ee別にキヤノンを毛嫌いしていたわけではなく、1995年頃仕事で使うカメラとして、Nikon F4sを買ったので、それ以来あれこれと増えたレンズの資産を活用できるニコンを、デジカメになってもずっと使っています。


そんなわたしが、何故キヤノンEOS70Dなの? という話ですが、それが「キヤノンのスマホアプリが他よりも断然良さそうだから」という理由。


スマホとWiFiで接続して、撮影した画像をスマホで加工したりネットにアップしたりと、最近多くのデジカメメーカーで流行りの無線LAN+アプリのスマホ連携機能ですが、スマホ連携はこれだけではありません。iPhoneやiPadをリモコン&遠隔ファインダーとして使えるところにかなり魅力を感じているのです。


ブツ撮り(商品撮影)する際に、何に時間がかかるかというと、商品の配置やライティングです。三脚にカメラを固定し、背景紙を設置した舞台に商品を配置して、ライティングやレフ板をあーでもないこーでもないと少しずつ位置を変えたり、商品の角度や並べ方を変化させたり、アクセントとなる小物などをあしらったり……。


何かの配置を変える度に、カメラのファインダーを覗いて確認、また少し調整、その繰り返しです。


配置さえ決まれば、撮るのは一瞬ですから、次のシーンのセッティングをまた時間をかけて行います。とにかく、ブツ撮りはセッティングが本当に時間がかかって大変です。


更にカメラが高い位置で、踏み台に乗ってファインダーを覗いたり、首が痛くなるような角度だったりすると、もういちいちファインダーを覗いて確認するのが嫌になってきます。


そのために、USBでMacに繋いでMacでコントロールしたりするのですが、これはこれでMacを置く台や、USBケーブルの取り回しが面倒だったりします。


そこで、カメラのWiFi機能+スマホアプリの連携で、タブレットやスマホを使ってリモコン撮影がとても快適だと思うわけです。


iPad Retina画面の高精細ライブビューで、ファインダーに映る画面をそのまま、カメラから離れた商品のところで確認しながら位置を微調整できるのです。そして、そのままiPad画面内の任意の場所をタップしてピント位置を決め、露出などもiPadで調整して、シャッターも切れる。


ブツ撮りが多いと、これで超はかどるのではないかと思います。


各社スマホ用のアプリを出していて、ニコンのものもあるのですが、どうもレビューなどを見ているとキヤノンのそれとは現時点では雲泥の差なようで、これだけのためにキヤノンを買いたくなっている今日このごろです。


ニコンのカメラもレンズも凄くいいし大好きなので、是非このスマホアプリ&WiFi周りの開発にも力を入れて欲しいと願っております。


各社のiOSアプリはこちら…。


・キヤノン EOS Remote
http://cweb.canon.jp/eos/lineup/6d/wifi/eos-remote03.html
http://cweb.canon.jp/eos/software/app.html
http://bit.ly/1dHqyhc


・ニコン Wireless Mobile Utility
http://bit.ly/1dHqIFn


・SONY PlayMemories Mobile
http://bit.ly/1nzC8hA


・Panasonic Image App
http://bit.ly/1dHqRZl


それでは、最後にブツ撮りの様子の面白いムービーを見つけたのでご紹介。
・McDonaldのチーズバーガーの撮影風景
http://youtu.be/oSd0keSj2W8?t=1m4s
・雑誌表示用iPhoneの撮影風景
http://vimeo.com/5989754


【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
okada@fuwhat.com <Twitter:http://twitter.com/okada41>


3月に入ったというのに、まだ雪が舞う寒い日々。次回くらいには桜のニュースが聞こえてくればいいのですが……。今年はちゃんと桜の写真も撮りに行きたいと思います。

ところのほんとのところ
ニューヨーク冬の風物詩が……


所 幸則 Tokoro Yukinori


さて、いろいろな人とのつながりができつつも、[ところ]のNY行きの本来の目的は、写真を撮ることです。まずは、NYの冬の風物詩と思われる、道路から吹き上がる蒸気(というか煙というか)です。これは20年近く前に初めてNYに行ったときの印象から来ています。当時の[ところ]は武田真治君を撮りに行った冬のNYのかっこよさに魅了されました。


いままで何度かNYに行ったものの、真冬に行く機会はなかったのです。そして今回は、ようやくタイミングが合ったので、憧れの蒸気を狙って探しまわったわけです。しかし、思ったよりポイントは少なく、円筒状のものから水蒸気を逃がすための工事がそこかしこで行われていました。そういった貴重な写真も撮れましたけれど、道路からの直接放出ではないのがちょっと残念でした。


そして、旅の最後の方で会ったNY在住の日本人から、意外な話を聞きました。地下鉄の温かい空気が寒い地上に上がって来て、蒸気となって道路から吹き上がる、という説を[ところ]も含め日本人は信じていたように思います。


真実はもっと驚くべき話だったのです。マンハッタン島の地下には色々なケーブルや配管があります。近くにある火力発電所からも来ています。それらの管のヒビや隙間からもれているものが、冬には水蒸気と一緒になって上昇することで、あの幻想的な冬の景観になっていたようです。


この冬の間にはほとんど工事は完了するようなので、NY名物はもう見ることはできなくなるでしょう。ボイラー室から出る水蒸気は変わらず見られますが、それは主にビルの上にあるので、道路から立ち上るのとは違う景色です。


もっとも[ところ]の視点はたまに訪れる人のものであるし、住んでる人からすれば出ない方が快適になると思います。たぶん空気もきれいになるし、道路の交差点での事故も減るでしょう。あの雰囲気がよかったなどというのは、あくまで旅人の感傷やエゴでしかないですよね。


というわけで、一番の目当てはもうほとんどなかったので、最後の一日は盟友・木村達也君と、別のポイントを探しながら効率的に撮影を進めました。運良く天気も味方をしてくれて、満足できる撮影になり、[ところ]はかなり満足しました。もう一〜二回撮影に来れば、個展ができるなというぐらいまでNYの撮影は進んでいます。もっとも、それを[ところ]が作品に仕上げるのには随分かかりそうです。その後のプリント作業もありますからね。


それと、けっこう驚いたことがありました。友人フランコの車に乗る時によく通る道で、車の窓から素敵なビルを見つけました。そこに行きたい、と木村君に言ってみたのですが、彼はそんなビルはまったく覚えがないと言うのです。


しかし、[ところ]も渋谷の街を撮り始めた頃、渋谷歴28年以上なのに、新発見だらけでした。行く場所や道は知っていても、今まで被写体としては見ていなかった物件がいくつもありました。普通はそういう目で見てないのだから、木村君の感覚は当たり前なんだなと思った次第です。


●「アートとして香川を撮り続けるフォトグラファー集団K lovers photograpers TOKYO展」
助成:一般財団法人百十四銀行学術文化振興財団


会期:3月11日(火)〜3月16日(日)11:00〜18:30
会場:gallery cosmos(東京都目黒区下目黒3-1-22 谷本ビル3階 TEL.03-3495-4218)
http://gallerycosmos.com/


所幸則の指導の下、写真に取り組んできた「フォト・ラボK」の卒業展、フォト・ラボK修了生からなるフォトグラファー集団「K lovers Photographers」の選抜作品展が行われます。


いわゆるカメラ雑誌でいうところの“うまい写真”を撮る、あるいはFacebookで「いいね!」をもらえる写真を撮るというのではなく、自分のテーマ、被写体と真摯に向かい合い、作品を紡ぎ出すという写真表現、アートとしての写真に取り組む人々の写真展です。主宰の所幸則の新作も出しています。


普段見慣れた人にとっての香川の風景も、香川を見たことがない人にとっても、フォトグラファーの目を通して表現されるとまったく異なる表情を見せます。写真表現の可能性についても、感じられる写真展になると思います。


3月11日(火)18時からのオープニングパーティには皆さんお誘い合わせの上いらしてください。お待ちしています。


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 http://tokoroyukinori.seesaa.net/
所幸則公式サイト  http://tokoroyukinori.com/

■デジアナ逆十字固め…
「日本の写真文化を海外へプロジェクト」に参加


上原ゼンジ


写真集が刊行された。大判でハードカバーのなかなか立派な造りの本だ。以前にも作品集を出しているのだが、そちらの方はA5判のソフトカバーだったし、ハウトゥーページもあったので、あまり「写真集」というような扱いはされず、本人も意気込んで「写真集が出たぞ!」と言うのは憚れるところがあった。


しかし、今回の本は25cm×25cmというサイズでけっこう迫力もあり、当人としても苦節27年、ようやく写真集が出せた感がある。


タイトルは「Circular Cosmos─まあるい宇宙」(シリーズ名)。「宙玉」「万華鏡写真」「うずらの惑星」という3つのシリーズから「丸」つながりでセレクトした。日常の向こう側の、もうひとつの宇宙を垣間見るようなイメージだ。


ずうっと写真を撮ってはきたものの、写真集にまとめるという意識は薄かった。まああまり売れそうな写真でもないから、出すとしても自費出版に近い形になってしまう。しかし、元々が編集者だから自費出版の大変さも分かり、及び腰になっていた部分もある。そんな中、ただ撮るだけじゃなくて、きちんと作品を写真集としてまとめたいなと考え始めた矢先に、今回の本の話をいただいた。


連絡をくれたのは「日本の写真文化を海外へプロジェクト」の代表である柴田誠さんだった。この会はその名前が示す通りに、海外で写真を発表したいという写真家の手助けをしたり、逆に海外の写真事情を知りたいという人のために生まれたNPO法人だ。


活動としては、写真展、フォトフェスティバル、ワークショップなどを通じて日本の写真文化を広めていくのだが、その一環として今回の写真集のシリーズが発刊された。プロフィールやステートメントなどに英文の対訳がついており、基本が海外仕様になっている。


私の本は第一回の配本だが、2月から5月にかけて毎月3冊、計12冊の写真集が刊行される予定。シリーズのすべてが赤い表紙で統一されているので、これがまとまるとけっこう迫力が出そうです。大判の本なので書店で平積みにしたら場所を取っちゃいそうだけど、美術書を扱う書店では置いてる姿が見てみたい。


第一回配本は私の他、高崎勉さんとMichael Hitoshiさんのお二人。高崎さんの「Silhouette」はモノトーンの影絵のような不思議な写真。というか、「Silhouette」自体が「影絵(シルエット)」という意味で、実際に紙に映った影を撮影したものだそうだ。


作品自体はそんなに特殊なイメージではないのだが、1メートルの紙を張った木枠(擬似障子戸)を持ち歩きながら撮ったものだそうだ。その姿を想像すると「やるな」という感じですね(笑)。イメージを追求するための工夫とエネルギーに共感します。


そしてそんな撮影法を知って、あらためて見てみると、確かにただの写真じゃあない。紙に近い影はくっきりと、紙から離れると薄れる微妙な影の味わいがいい。


Michael Hitoshiさんの写真は、都市をヘリコプターを使って俯瞰で撮影したもの。普通の航空写真との違いはその描写の緻密さ。夜景をこんなふうに真俯瞰できっちりと写した写真は見たことがない。闇に浮かぶ街の灯りは美しい模様のようにも見える。


ヘリコプターでホバリングをしながらの撮影はかなり揺れるそうだが、夜間にそんな状態でブレもせずに撮影するのは相当大変なはずだ。この写真にもやはり、自らのイメージを定着させるためエネルギーが凝縮されている。


シリーズはこの後も次々に刊行されていくわけだが、けっこうバラエティーに富んだ人選で面白そう。すでに有名になった人ではなく、まだ知られていない人を海外に紹介していくというプロジェクトには心躍るものがある。自分が選んでもらったということもあるけれど、成功して欲しい、応援したいミッションだ。


自分の写真も海外に紹介して欲しいという人は、ぜひこのプロジェクトに注目し、活動に参加するといいと思います。まだ始まったばかりだけど、今なら目立てるかもしれません!


◇「Circular Cosmos─まあるい宇宙」上原ゼンジ/桜花出版刊
http://imaonline.jp/ud/photobook/52fdd99fabee7b51e9000001


「Circular Cosmos─まあるい宇宙」上原ゼンジ

「Circular Cosmos─まあるい宇宙」上原ゼンジ



◇Amazon
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434189174/maminka-22/


◇日本の写真文化を海外へプロジェクト
http://www.japanphotoglobe.org/


◇「Silhouette」高崎勉
http://imaonline.jp/ud/photobook/52fddc98abee7b548e000001


「Silhouette」高崎勉

「Silhouette」高崎勉



◇「Line」Michael Hitoshi
http://imaonline.jp/ud/photobook/52fdcfebb31ac97960000001


「Line」Michael Hitoshi

「Line」Michael Hitoshi



【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com 
http://twitter.com/Zenji_Uehara
上原ゼンジのWEBサイト
http://www.zenji.info/
Soratama – 宙玉レンズの専門サイト
http://www.soratama.org/
上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
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趣味の構造美の巻


齋藤 浩


私において美の基準とは、「機能する、意味のある構造か否か」をさす。さらに“装飾”を持たず、できれば作り手に下心がないことが加わればパーフェクトだ。


そんな構造美を見つける度に撮影していたところ、気がつけばかなりの量になっていた。それらをできるかぎり美しく=構造がわかりやすいようモノクロ表現に統一し、少しずつまとめている。


今回はその中から10年前に撮ったものを中心に何点かご紹介いたします。


由緒正しい木造商店建築。昭和の構造。くどいくらいに「たばこ」を主張する点はとくに評価していない。


001


道路と水路の関係。地形の美学。垂直に交わる道路と水路だが、橋に相当する部分に内輪差を見越した(?)微妙なナナメ面が追加されているところが面白い。水路の脇に無粋なネットやガードレールがない点も高く評価。


002


水とともに暮らす町では、水のありがたさと恐さを親から子へきちんと伝えていくのだ。そうすることにより、代々同じ景観を共有できる。これは素晴らしいこと。


円形の庇と柱。シンプルな美。門司港にて。


003


美トラス! 旭川にて。リベットのパターンも美しいし、なにより力を分散し、バランスをとりあっている様子が視覚的に伝わるところがイイ。
 
004


美灯台! 北海道だったことは間違いないんだけど、どこだったか忘れました。とにかくシンプルな構造と陰影が美しいと思い、シャッターを切りました。


005


風車。旭川から稚内へ向かう途中に立ち寄った風力発電用風車群。旅の途中、時間を変えて二度訪れたのだが、光の違いで印象がまるで異なることに驚いた。


006


ミニマルな構造美。最近はズームレンズを全く使ってなかったけど、こうしてみるといいものだなあ。


タイヤ。群馬県某所。構造美というよりも、無意識の構成美かな。ただ積んであるだけなんだけど、もしここに美しく積もうという意思が介在したら、けっして自然な印象にはならないはずだ。


ゴム臭を思い出しながら現像していたら、かなり濃いめに仕上がった。
 
007


階段。構造が美しいのはもちろんだが、トリミングがうまくいった! と思う。沖縄にて。


008


今回の写真はいずれもエントリー系の一眼レフ+高倍率ズームで撮影したもの。こうしてみると、構図に気持ちを集中していたなあ、と思う。


ここ数年、その緊張感から離れたくてレンジファインダーカメラばかり連れ歩いていたけど、機材が変わると写真も変わるものなのだなあと改めて認識いたした次第。


さて後から気づいたことなのですが、これらはいずれも撮ることを目的として出向いた結果ではなく、カメラを持って歩いていたときにたまたま見つけた物件です。


広告写真なんかは、最終的なイメージに向けて無作為を演じつつ作為的に撮るけど、無作為な構造美は撮影する側も最初から下心を捨てていた方が納得のいく絵が得られるような気がしました。


旅も目的地よりも、その過程のほうが印象に残ったりするものだしね。



『趣味の構造美』の続きです。前回は10年ほど前に撮った写真中心でしたが、今回はここ1〜2年に撮った「装飾を持たず、必然から生まれた構造物のコレクション」を紹介したいと思います。


あの小惑星探査機『はやぶさ』や宇宙帆船『イカロス』等の通信施設としても有名な、臼田宇宙空間観測所のパラボラアンテナ。直径64メートル。はやぶさが行方不明になっていた際、発見の手がかりとなる微弱な電波を受信したのもこの『うすださん』。後姿もたのもしい。


・うすださん


SONY DSC


友人の事務所を訪ねて某ビルの9階に出向いた際、外階段から見下ろした風景がこれ。何世代も前から生きながらえていた木造家屋の瓦屋根が、絶妙なグラフィックパターンを見せてくれた。


昔はあたり一面がこんな感じだったのだろう。こういった日本独自の美が失われているのは寂しいかぎり。


・先週水曜の瓦屋根


002-1


U字溝ブロックを並べて車止めにしている。この物件には以前からミニマルな美を感じていたのだが、先日しゃがみ込んで覗いてみたところ、「スターウォーズ」のデススター攻略線的パースペクティブ! な世界だった。


「おお!」とか感嘆の声をあげながらシャッターを切るオレの姿は、さぞ怪しかったことだろう。通報されなくてよかった。


・デススター的


003-1


神楽坂にて発見。人が上り下りするうちに、石がすり減って独自の曲面が生まれるような例は知っていたが、これは左官屋さんがノリで作った印象がある。


そして踏み面すれすれに窓が。窓に合わせて階段ができたのか、階段に合わせて窓ができたのかは不明。


・とろける階段


004-1


尾道にある美しい階段。こんど行くときは、超広角レンズで全体像を記録したいところ。


・扇形階段


SONY DSC


究極のミニマルな美だと思う。この写真を絶賛してくれる人がいる反面、そうでない人も多数。


世代交代による土地の切り売りの影響か、地方都市においてスライスされた木造建築をよく見かける。四半世紀前の東京がそうだったように、この駐車場もほんの少し前までは昭和な佇まいの家屋と庭だったのだろう。


経済主導で風景がなくなるのは嘆かわしいことであるが、この瞬間に限って言うなら、真新しい駐車場のペイントとスライスされた家屋の断面に時代の境界を感じなくもない。まあただの壁と地面と言われちゃあそれまでなのだが。


・尾道の駐車場の壁
 
SONY DSC


同じ駐車場脇の壁ではあるものの、おそらく尾道とは異なるシチュエーションで出現したと思われる。


店舗拡張かなにかで後から駐車場を作ったところ、本来人目にさらす予定のなかった隣家の壁面が公の場に、というパターンだろう。化粧気もなく素朴だが、油絵のタッチのような力強さを感じる美壁。


・軽井沢の駐車場脇の壁


SONY DSC


某公園にて。仲のよい恐竜がみんなで同じ方向を向いてる。面白い彫刻だなあ! と思ったけど、よく見たらそういう訳でもないみたい。


ネタをばらせば、ベンチの骨組みだけ残ったものだが、このような、“作為”とは無縁の立体造形こそ、かえって印象に残ったりする。公園といえば唐突に裸の銅像が立ってたりするけど、オレはこの恐竜の方が好き。


・恐竜×3


008-1


今回の写真は50年前のフィルムカメラで撮ったものもあれば、最近のデジタル一眼レフで撮影したものもあります。


しかし、いずれもあまり考えすぎず、素直にシャッターを切ったものはわりと思いどおりに撮れてるものだなあ、などと思う今日この頃です。


とくにデジタルカメラの場合は撮ってすぐに画像を確認できるので、一枚目を参考に二枚目以降は冷静に構図や露出を微調整してゆくものですが、イイ! と思った感動は後になるほど薄れるらしく、ほとんどの場合一枚目が“当たり”でした。


この『趣味の構造美』、気がつけばけっこうな量になっていたので、日の目を見せるべく某写真コンペに出品してみようかと思います。


無事写真展までこぎつけたあかつきには、皆様のご来場を心よりお待ちしております。オリジナルプリントの販売もできたらいいなあ。夢はおおきく。


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

■ところのほんとのところ
怒濤のスケジュール


所 幸則 Tokoro Yukinori


香川県高松市のCafe & Gallery SOUSOUにおいて、フォト・ラボKからの選抜メンバーと、所塾香川チームによって構成される「k-Lovers Photographers セレクション展」陸チームの展示も始まっています(10月15日から10月31日まで)。一階のカフェでは所幸則の作品の常設展示も始まります。


そして、11月1日から11月31日まで、写真家・所幸則の写真展【本当は秘密の写真家の目】を展示します。高松以外では決して見ることが出来ない展示です。日常的視点から、メインテーマから外れているけれど、いいなと思った瞬間、撮らずにいられなかった写真たちです。


詳しくはこちらを見てください。
https://www.facebook.com/cafe.sousou?rf=164041880318522
http://sou-sou.info/


内容は、room、window、door、海、など[ところ]の部屋の太陽の光と反射によって様々に変化する様を、気がつくたびに撮ったものが主です。


いま「CAPA」で連載中の「所幸則コンテンポラリーフォトファクトリー」でもおなじみの、アインシュタインロマン・四国編と、日本で本当の意味で美しい庭、桂離宮などに匹敵する栗林公園の中で和笛の天才奏者を撮った作品も展示します。会場は栗林公園の直ぐ側ですから、一枚は特別出品ですね。


ほとんどの作品は、「良い写真とは場所を選ぶことなく写真家のインスピレーションで撮れるもの」という[ところ]の持論の証明でもあります。


ただ、昨今のカメラの進歩、特にカメラメーカーの技術者達のもの凄い努力の成果がドンドン表面に出て来て、それほどきれいでもない色でも家庭用プリンタで、現実より華やかで美しい写真が出来上がってしまうこの時代、まぐれでも大量に撮れば時には良い作品が出来てしまうこの時代。


[ところ]のこういう理念で撮った写真がアート足り得るのか。そのことに対する疑問も自分の中にはあります。展示をしてみて、どう自分自身が感じるのかも確かめてみたいと思います。


そして、今回「k-Lovers Photographers」のメンバーの一人が、JR高徳線の屋島駅を撮っていて駅長から展示を頼まれました。そのこと自体はよかったのですが、[ところ]も数枚屋島駅を撮影することになりました。その展示も11月1日からです。かなりきついです。


このテキストを書いた4時間後、朝5時半にはそこに向かうことになっています。それをクリアーしたとして、その後、11月22日にはNYに持って行くプリントを20枚プリントしなくてはなりません。


さて、NYの話は今出たばかりですが、11月14日にはNYに行き、バレエのダンスホールでの作品の展示、邦楽の知人達のライブの撮影など、盛りだくさんスケジュールが組まれています。


これは、栗林公園の中で和笛の天才奏者を撮ったこととも関連があるのですが、鼓や三味線の将来の人間国宝達とも一緒に行くことになっています。そう聞いただけでも[ところ]のプレッシャーの重さがおわかりいただけるでしょうか。


この過密スケジュールの中、11月8日〜10日には、「Mt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTOGRAPHY FESTIVAL 2013」に参加します。
http://rokkophotofestival.com/index.html


この期間中、アルペンローゼにて「東京画」写真展を運営します。RAIECのコミッティーのメンバー太田菜穂子さんのキュレーションで「東京画」の4名の写真家、大西みつぐ、古賀絵里子、鋤田正義、所幸則にフォーカスを当てた写真展です。[ところ]も会場近辺にいます。一日中ってことはないけど、メッセンジャーで会いたいと言ってくれれば行きます。
http://rokkophotofestival.com/2013/tokyoga.html


そして11月25日からは[ところ]の久しぶりの個展も始まります。「sibuya 1second 瞬間と永遠」で作家デビューした思い出の地です。詳しくはまた、お知らせします。


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 http://tokoroyukinori.seesaa.net/
所幸則公式サイト  http://tokoroyukinori.com/

■デジアナ逆十字固め…
ついに『大トマソン展』開催!


上原ゼンジ


いよいよ『大トマソン展』の開催が近づいてきた。これはもちろん超芸術トマソンの展覧会のことですが、今まで『トマソン31』にしようと言っていたのが、ここに来て名称変更になった。


超芸術探査本部トマソン観測センターの発足31周年で『31』を使っていたのだが、これじゃあはっきり言ってなんのことだかよく分からない。じゃあ『大トマソン展』にしてよく分かるようになったのかと言えば、その効果もまた不明だが、『大恐竜展』とか『大リラックマ展』みたいで、なんだか大きそうでいいじゃないですか。


ではその『大』に恥じないくらい大規模な展覧会なのかというと、最初にゴメンナサイしておいたほうがいいかもしれないレベルかもしれません。しかし、新宿眼科画廊で3部屋借りているので、まあ今までのトマソン展を基準とした相対評価で言えば、『大』と言っても、あながち嘘とも言えない。


その3部屋の構成はというと、まず近年の報告の中から厳選した報告書の展示をしたメイン会場がある。しばらく展覧会をしていなかったので報告書も溜まっており、ただトマソンであるというだけでは展示してもらえません。


類例のないユニークな物件であるとか、ため息の出るような美麗物件であるとか、目利きを唸らせるような物件でないと審査を通過できないのです。そういう意味では、けっこうクオリティーが高くて面白い物件が集まったんじゃないかと思います。


今回のセレクトの特長としては「カワイイ」というのが、けっこう評価の対象になってましたね。それは色とか、その佇まいに対してなんだけど、センターのおじさん達が「カワイイ」好きであるということが発覚しました。今後はぜひカワイイ物件をたくさん見つけて来てください。


小部屋のひとつは「庇百選」用。展示内容は以下の通り。


「窓やドアが塞がれた後に残されて、何もない壁をひっそりと雨露や陽射しから庇っている、純粋な庇として存在し続けている物件のこと。超芸術トマソンの中では基本的な物件ですが、今回は厳選、集積することにより、その魅力の再発見を試みました。」


無用庇というのはわりと発見しやすいので、あまり希少性はない。報告をしてもあまりウケないので、写真だけはいちおう撮っておくけど報告はしないというようなケースも多い。しかし、今回はそんな庇にスポットを当ててみた。実際にいろんなタイプの庇を集めてみるとけっこう壮観です。もちろんカワイイ庇もあります。


レンガの壁の影タイプ

レンガの壁の影タイプ


四つの郵便受け

四つの郵便受け


無用庇

無用庇


「赤太郎ルーム」とは?


そしてもうひとつの小部屋が「赤太郎ルーム」。赤太郎について言葉で説明するのは難しいんだけど、まず道路工事の現場などに置かれている三角コーンを思い浮かべてください。赤いのや赤と白の縞模様のものなんかがあります。


あの三角コーンような形状をしたものに、赤いガムテープがグルグル巻きつけられています。そしてさらにそこから二本の手のようなものが生えていて、両手を開くようにして繋がれている。(やはり説明が難しいw)


赤太郎

赤太郎


場所は民家の壁の外側。角を守るように設置されているので、まあ車がぶつからないようにという目的で置かれているのではないかと推測することができる。ただトマソンの定義としては「無用の長物」である必要があるので、実用目的であればトマソンとはならない。


しかし、その未知の生物のような佇まいがトマソ二アンのハートを掴み、変態する姿が継続的に記録されてきた。そして、いつしかその不可思議な物体は「赤太郎」と呼ばれるようになったのでございます。


これはいったい何なのか? トマソンか否か? 答えはなかなか出なかったが類似物件なども発見されたので、今回、専用の「赤太郎ルーム」を作ってみることにした。


トマソンというのは作者不在が基本なのだが、この物件に関しては、作者の過剰性が滲み出している。類似物件も増えてきたのだが、それぞれに個性があって面白い。


「赤太郎」とは何か? 「無用庇」とは何か? そんなことを考察したとしても何の役にも立ちませんが、ちょっと頭をほぐす効果があるんじゃないかと思います。ぜひおいでください!


◇『大トマソン展』超芸術トマソン観測センター31周年


会期:11月1日(金)〜11月13日(水)12:00〜20:00 木休
会場:新宿眼科画廊(東京都新宿区)
http://www.gankagarou.com/sche/sche_all2013011.html
主催:超芸術探査本部トマソン観測センター
https://www.facebook.com/thomasson.center


・会期中のイベント


参加者が持ち寄った物件などを互いに検討します。トマソンらし
き物件がありましたら報告書をお持ちください。報告用紙入手先
は、会場または http://p.tl/Kwlp


日時:11月10日(日)14:30開場、15:00〜17:00
会場:新宿眼科画廊 スペース0
参加費:無料


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com http://twitter.com/Zenji_Uehara
上原ゼンジのWEBサイト
http://www.zenji.info/
Soratama – 宙玉レンズの専門サイト
http://www.soratama.org/
上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
https://www.facebook.com/zenlabo

わが逃走──趣味の構造美 の巻


齋藤 浩


私において美の基準とは、「機能する、意味のある構造か否か」をさす。さらに“装飾”を持たず、できれば作り手に下心がないことが加わればパーフェクトだ。


そんな構造美を見つける度に撮影していたところ、気がつけばかなりの量になっていた。それらをできるかぎり美しく=構造がわかりやすいようモノクロ表現に統一し、少しずつまとめている。


今回は、その中から10年前に撮ったものを中心に何点かご紹介いたします。


由緒正しい木造商店建築。昭和の構造。くどいくらいに「たばこ」を主張する点はとくに評価していない。


001


道路と水路の関係。地形の美学。垂直に交わる道路と水路だが、橋に相当する部分に内輪差を見越した(?)微妙なナナメ面が追加されているところが面白い。水路の脇に無粋なネットやガードレールがない点も高く評価。


002


水とともに暮らす町では、水のありがたさと恐さを親から子へきちんと伝えていくのだ。そうすることにより、代々同じ景観を共有できる。これは素晴らしいこと。


円形の庇と柱。シンプルな美。門司港にて。


003


美トラス! 旭川にて。リベットのパターンも美しいし、なにより力を分散し、バランスをとりあっている様子が視覚的に伝わるところがイイ。


004


美灯台! 北海道だったことは間違いないんだけど、どこだったか忘れました。とにかくシンプルな構造と陰影が美しいと思い、シャッターを切りました。


005


風車。旭川から稚内へ向かう途中に立ち寄った風力発電用風車群。旅の途中、時間を変えて二度訪れたのだが、光の違いで印象がまるで異なることに驚いた。


006


ミニマルな構造美。最近はズームレンズを全く使ってなかったけど、こうしてみるといいものだなあ。


タイヤ。群馬県某所。構造美というよりも、無意識の構成美かな。ただ積んであるだけなんだけど、もしここに美しく積もうという意思が介在したら、決して自然な印象にはならないはずだ。ゴム臭を思い出しながら現像していたら、かなり濃いめに仕上がった。


007


階段。構造が美しいのはもちろんだが、トリミングがうまくいった! と思う。沖縄にて。


008


今回の写真はいずれもエントリー系の一眼レフ+高倍率ズームで撮影したもの。こうしてみると、構図に気持ちを集中していたなあ、と思う。


ここ数年、その緊張感から離れたくてレンジファインダーカメラばかり連れ歩いていたけど、機材が変わると写真も変わるものなのだなあと改めて認識いたした次第。


さて後から気づいたことなのですが、これらはいずれも撮ることを目的として出向いた結果ではなく、カメラを持って歩いていたときにたまたま見つけた物件です。


広告写真なんかは、最終的なイメージに向けて無作為を演じつつ作為的に撮るけど、無作為な構造美は撮影する側も最初から下心を捨てていた方が納得のいく絵が得られるような気がしました。


旅も目的地よりもその過程の方が印象に残ったりするものだしね。


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/ >


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

キヤノンとニコン


岡田陽一


オリンピックやワールドカップ、F1など世界的なスポーツ・イベントのカメラマン席で、各国の報道陣が使っているカメラはほとんどキヤノンかニコンだと思います。


そのほかにも、ペンタックスやオリンパスなど、日本には昔から良いカメラを作っているメーカーが数多くあります。こんな多くの有名メーカーが存在するのは世界的にも他になく、カメラ・写真ファンにとっては贅沢な国に暮らしていると思います。


わたしが小学5年生の頃に最初に買ったカメラはCanon A-1でした。1978年に発売された当時「カメラロボット」と言われたカメラ。


従来は、シャッター優先か絞り優先のどちらかだった機能が切替られる両優先AEに加え、プログラムモードまであるマルチモードAE機のさきがけのカメラでした。今では当たり前に、どのメーカーのカメラにも搭載されている機能ですが、当時は画期的でした。


なぜキヤノンを選んだかというと、カメラが趣味だった祖父がCanon F-1を使っていて、ボディーだけ購入すれば、レンズは色々借りられるという理由からでした。


最初に買ったニコンのカメラはそれから随分と後のことで、シアトルで学校に通っていた頃になります。写真の先生がかなりのニコンファンで、日々「ナイコン(Nikonのことを欧米人はこう発音する)」のレンズの素晴らしさを話していたのに影響を受け購入したのが、1988年発売のNikon F4でした。


このF4、使いやすさの話をすると、手の小さなわたしにとっては、本当にゴツくて使い難いカメラで、必要なボタンやスイッチに指が届かないくらいでした。それでも我慢できるくらいカッコいいカメラでした。特にシャッター音。キレが良くて、人に聞いてもらいたくなるくらい心が踊るシャッター音。


当時はフィルムの時代なので、各メーカーの特徴というのは機械的な部分とレンズでしたが、デジカメの時代になった今は、カメラ内で行われる絵作り、画像処理技術がカメラメーカー、機種の大きな特徴と変わってきています。


先頃、キヤノンとニコンの違いについて、こんなまとめ記事が話
題でした。
http://matome.naver.jp/odai/2137490225443752601


キヤノン派、ニコン派、とこれはもう好き嫌いを通り越し、双方の熱心なファンにとっては一種の宗教戦争のような論争になってしまう時もありますが、ここではどちらが良いと優劣をつけるわけでなく、双方のメーカーの絵作りに対する思想の違いについてピックアップされています。


わたしは、Nikon F4を買って以来、ニコンのレンズを揃えてきたので、今さらキヤノンに戻ることもできず、人のEOSを触らせてもらった経験しかないので、キヤノンのカメラをあれこれ語るほどの情報は持っていません。


一方、ニコンのカメラをフィルム時代からずっと何台も乗り継いできていますのでニコンについての良いところは語ることができますので、そのあたりを中心に…。


小学生の時に祖父に借りていたキヤノンのレンズ達は、今のEOSなどには使えません。1987年にキヤノンはFDマウントからEFマウントへと移行し、径も情報伝達機構も互換性がないものに一新されました。


一方、ニコンのFマウントは、ずっと変わらず同じ径なので、古いレンズを最新のカメラでも使うことができます(※AEや絞り制御などに関して一部制約はありますが)。ここに、根本的な思想の違いがあると思います。


まとめ記事に書かれていることを引用すると、“CANONは「見る側」の気持ちを考えて作っている、つまり写真の美しさを重視していて、NIKONは「撮る側」の気持ちを考えて作っている、つまり操作性を重視しているイメージ”


これは、機種によってボタンの位置や操作性が全然違うキヤノンと、フラッグシップ機からエントリー機まで、基本的には同じ操作のニコン、という大きな違いです。


仕事でキヤノンのカメラを使う場合は、サブ機として全く同じカメラを複数台用意しないと、操作にまごつくと聞きますが、ニコンを相棒に選んだ場合は、高いカメラをメインに、サブには普及機を用意しても操作は同じなので、そういうチョイスをしているプロも多くいます。


色に関しては、まとめ記事にある絵作り、カメラ内での画像処理に関しても、キヤノンは鮮やかでコントラストが強めのパキッとした画像なので、一見上手に見えます。


ニコンはその場の実際の色に忠実に再現するので、比べてみるとコントラストが低い、ネムくくすんだ感じがすると思います。女性や赤ちゃんの透明感のある肌色などは、きっとキヤノンで撮った写真の方が好まれるでしょう。


商品の写真などはどうでしょうか。実物よりも鮮やかに再現されてしまうと困る場合もあります。商品撮影の場合などは、ほとんどRAWで撮影して目的に合わせて現像するでしょうから、大きな問題ではないでしょうけど。


これがまとめ記事にある、Canonは「記憶色」、Nikonは「記録色」という部分です。


買ってきたままのデフォルトの設定では、ニコンの絵はどうしても鮮やかさが足りないと感じている人は「やっぱりキヤノンにすればよかった。誰かに売って買い換えようかな」と思う前に、一度設定を見直してみましょう。


MENUボタンを押すとカメラマークの中に「ピクチャーコントロール」という項目があります。
http://flic.kr/p/fiKDzc


その中には、
SD:スタンダード
NL:ニュートラル
VI:ビビッド
MC:モノクローム
http://flic.kr/p/fiZSmJ
となっていて、買ってきたままの設定ではSDになっていると思います。


各設定で撮り比べてみました。


SD:スタンダード http://flic.kr/p/fiKFWi
NL:ニュートラル http://flic.kr/p/fiZUJY
VI:ビビッド http://flic.kr/p/fiZUj5


プレセットされているものだけでも随分とちがいますよね。ニュートラルだと本当に味も素っ気もない感じの絵です。


でも、素材撮影として後から処理する前提であれば、むしろどうにでも味付けができるニュートラルが良い場合もあります。


ビビッドに設定すると、鮮やかさとコントラストが増し、少しキヤノンの絵っぽくなりました。


これらの設定をベースとして、更に自分で細かく調整できます。


ビビッドより更にコントラストと彩度を高く設定してみました。
http://flic.kr/p/fiZSfq


このようなマトリックスで表示確認もできます。
http://flic.kr/p/fiKCMg


設定したら名前を付けて、何時でも呼び出せるように保存しておきます。
http://flic.kr/p/fiKCGM


ビビッドよりももっとビビッドな設定で撮ったものがこちら。
http://flic.kr/p/fiZU1C


ということで、操作性や絵作りはそれぞれの好みの問題なので、好きなカメラで自分なりのベストな設定を見つけて、長く使うのがレンズなどの資産も無駄にならずに良いと思います。


【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+
フォトグラファー】
okada@fuwhat.com <Twitter:http://twitter.com/okada41>


あっという間に7月も終わりです。8月になるとまた色々と熱いイベントがいっぱいです。暑くて溶けそうですが、お近くの方は是非ご参加ください!


8月10日:まにフェス
http://m2college.net/fes2/


8月31日:CSS Nite in OKAYAMA, Vol.4
「デザイナーじゃなくても知っておきたい、成果の上がるWebデザイン」
http://cssnite-okayama.jp/


9月7日:CSS Nite in KOBE, Vol.3
Webサイト制作・運用に必要なWebマーケティング、ソーシャルメディア、SEOの本当の知識
http://cssnite-kobe.jp/

トマソンと写真の狭間で



上原ゼンジ



先日は九州電塾に呼んでいただき、自分の撮っている写真についていろいろお話したのだが、せっかくだからと熊本まで足を延ばし、ちょっと撮影をしてくることにした。


撮りたいシリーズはいろいろあるのだが、けっきょく撮ってきたのは超芸術トマソンの写真が多かった。なぜか熊本ではトマソンが多く目についたのだ。


トマソンに関しては何度か書いているが、「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」のこと。ただ昇って降りるだけしか機能しない無用階段とか、窓がないのにヒサシだけがある無用ヒサシなどの物件がある。


1983年に美学校の赤瀬川原平さんの教室に通っていたが、その頃がちょうどトマソンの全盛期で、新しい物件が続々登場してくるという、ラッキーな時代だった。


その後、路上観察が抬頭してきて、トマソンはその一部のように扱われるようになってしまったが、それを良しとしないトマソ二アンは、ジッと耐え忍びながらトマソン探査を継続してきたのである。


というのはちょっと大袈裟かもしれないが、超芸術トマソンの探査自体はけっこう高度な観念の遊びなんじゃないかと思っている。


と、トマソン一筋30年のようなフリをしてみたが、実は私も一度トマソンを裏切ってしまっている。トマソンと赤瀬川さんと雑誌「写真時代」から写真の面白さを学んだ私は、1986年から森山大道さんに写真を見て貰うことになる。もっと写真と深く付き合いたいと思ったのだ。


そしてフォトセッションという写真のグループに所属して、月に一度集まり、森山さんに見ていただいたり、メンバー同士で互いの写真について意見を述べたり、罵倒しあったりということをしていた。


当時から私は毎回違うネタで勝負していたのだが、最初はトマソンの写真を持っていくことも多かった。するとそこでは「ああ、トマソンね」(それは写真じゃないよね)みたいな扱いを受けるわけだ。


当時写真のなんたるかが分かっていたわけではないけれど、「写真」がやりたいと思って参加しているので、写真扱いされないのは困る。そこで私は、モロにトマソンの物件写真ではないんだけど、なんかちょっと妙な感じがあるよね、といった辺りを志向するようになっていった。


写真ではなく、物件に語らせる


トマソンを発見するアンテナと、「写真」を撮るためのアンテナは違うので、しばらくすると、街中で撮っていてもあまりトマソンが目に入らなくなってしまった。


そして長らくトマソン界から離脱していた私だったが、何年か前からまたトマソン観測センターのメンバーと行動を共にするようになった。トマソンから離れた後いろんな写真を撮ってきたが、ちょっと原点に返ってみたいという気になったのだ。


観測センターのメンバーとはたまにミーティングをして、互いの物件について話し合うのだが、報告書に付けた写真が主張していると、「これって写真だよね」というような扱いを受ける。これはフォトセッションの時とは逆の現象だ。


物件の写真はなるべく分かりやすく撮影をするというのが基本。引いた絵や寄った写真、角度を変えたりして、状況がよく分かるように気を配る。


この場合に構図を考えたり、光線の具合を考えたりして、一枚の写真として成立させようとすると、それは余計なことになってしまうのだ。質実剛健に物件の有り様が分ければそれで良し。写真に語らせるのではなく、物件に語らせるためには、いい写真にしようなどという邪な心は無用なのだ。


トマソンじゃなくても、「いい写真」にしようという心は曲者で、構図が良くて、光線をうまく捉えていて、写真的であればそれでいいのか? という問題がある。


確かにうまいけど、何も訴えてないよね。というようなケース。きれいな作例のような写真だけど、何が言いたいのか伝わってこないような写真。「それっぽいけど、中身なし」というのは注意しなければならない。


もともとトマソンには作者はいない。つまりいい物件を作ろうなどという下心を持った作者が存在しないということだ。これが普通の芸術と超芸術との大きな違い。作者がいないわけだから、意図というのもない。そこに撮影者の意図を潜り込ませようとするのは余計なこと。


ただ、物件には「美麗物件」というのも存在する。その佇まいが美しく、みんなが「おおおお……」と感嘆の声を上げるような物件だ。


トマソン物件自体はそんなに珍しいものではないのだが、美麗で唸らせるようなものに出会うのはなかなか難しい。そこでトマソニアンは美麗物件や新種を求め、街を徘徊するのだ。


今でも、トマソンは写ってないんだけど「なんか妙だよね」という写真を撮りたいという気持ちは変わっていない。そして写真的な小細工をせずに、その妙な感じをすくい取りたいと思っている。


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まずISO感度を確認しよう


岡田陽一


関西では桜も散ってしばらく経ちゴールデンウィーク目前ですが、結構寒い日もあって体調管理が大変な今日このごろです。


さて、みなさんはデジタル一眼レフやミラーレス一眼などで撮影する時に、まず何を設定しますか?


絞り? シャッタースピード? 最近では、色をナチュラルやビビッド、モノクロなどにする設定や、ミニチュア風などにエフェクトをかける設定などもあります。「このシーンはこんな感じに撮りたい!」って感じたら、まずはピクチャーエフェクトの設定をするのかもしれません。


最近のデジカメは設定項目もたくさんあるので、どうなんだろうと色々と考えてみたのですが、やっぱり一番最初に設定するのは、「ISO感度」じゃないのかと思います。


ISO感度はほとんどのカメラで自動設定になっているので、普段あまり意識しないかもしれません。最近のデジカメは、暗い場所でシャッタースピードが遅くブレやすいシチュエーションになると、自動でISO感度を高く設定するようになっているものが多いです。


なので、設定項目としては忘れがちですが、実は重要なのでちょっと注目してみましょう。


フィルムで撮ってた時代。写真を撮ろうと思うとまず、カメラ屋
さんに行ってフィルムを買います。24枚撮り、36枚撮りのチョイ
スもありますが、フィルムを選ぶ時にISO感度を見て購入してい
ました。


晴れた日の屋外で撮影する時は、ISO100のフィルム、屋内で撮ることが多い日はISO400、夜や暗い場所で撮る場合はISO1600など。そう、フィルムの時代、撮影する際は最初に必ずISOを設定していたのでした。


ということは、デジタルになっても基本は同じです。以前、仲間と神戸花鳥園に花や鳥を撮影に行きました。望遠レンズを付けて、鳥が飛んでいるシーンを撮影しようと思うと、どうしても速いシャッターを切りたくなります。


そんな時はまず、なるべくISO感度を高く設定しておかないと、シャッタースピードを速いところに設定できません。また、花を撮る時に背景をぼかしたい場合も同様です。


逆に、鳥が飛んでるシーンでも躍動感を表現するために意図的に少しぶらして撮ったり、流し撮りをする場合は、少しシャッタースピードを遅くするのですが、絞りとの兼ね合いもあるので、まずはISO感度を先ほどより低めに設定するといいかもしれません。


では、ISO感度って何かおさらいです。


デジタルカメラの場合、ISO感度とはセンサーが光をとらえる能力を表す値です。デジカメはセンサーに当たった光を電気信号に変えて処理します。ISO感度を上げることは、電気信号を増幅することです。ISO感度を2倍にすると電気信号は2倍になります。


ISO感度の設定を200から400に2倍にすると光の量が半分でよくなるので、露出値で1段分(絞りだと1段開ける、シャッターだと1段速く)設定できます。


電気信号を増幅するのですから、当然弊害もあります。ノイズが乗ってきますので、画像が荒れて汚くなってきます。ISO感度は低いほどきれいな画像が得られます。


ノイズの入り方はセンサーの大きさにも関わってきます。iPhoneやコンデジの小さなセンサーでは当然光を受ける量が少ないので、高感度になるとノイズが目立ちます。逆にデジタル一眼レフなど大きなセンサーであれば、その分たくさん光を受けるので、感度を上げても比較的ノイズは目立ちません。


普段は、オートで撮影していても、いざ「こんな写真が撮りたい!」と思った時は、絞りやシャッタースピードを調節する前に、まずISO感度を確認するように心がけると、意図した写真が撮りやすくなると思います。


では、ISO感度について参考になるリンクを紹介しておきますね。


「デジタルカメラにおけるISOとは? 高いとどうなる?」
<http://allabout.co.jp/gm/gc/19762/ >
「ISO感度と写りの関係を理解する」
http://camera.itmedia.co.jp/dc/articles/1007/02/news024.html
「デジカメのISO感度とは?」
http://dcdb.nf4hou.com/kinou/iso.html
「ISO感度とは」
http://diji1.ehoh.net/contents/iso.html
「ISO感度」
http://ja.wikipedia.org/wiki/ISO%E6%84%9F%E5%BA%A6


【岡田陽一 株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
okada@fuwhat.com <Twitter:http://twitter.com/okada41>


6月30日(日)に開催する「CSS Nite in KOBE, Vol.2〜デザイン再考(サイコー!)では、
イベントの主旨にご賛同いただける企業・団体・個人のみなさまからのご協賛を募集しています。神戸・関西のWebを一緒に盛り上げてくださるみなさんの応援をお待ちしております! 協賛のメリットなど詳しくはこちら…
http://cssnite-kobe.jp/sponsor.html

「プレトマソン31」開催!


上原ゼンジ


前回は、タイムラプス、シネマグラフ、3D宙玉など、次々にいろんな技法にちょっかいを出しているという話を書いた。しかし、それはさらにさらに続いていて、先日もまた新しい撮影にチャレンジしてきた。


自分でも少し病的なものを感じるが、まあビョーキが入ってるぐらいがちょうどいいのかもしれない、などと自分に言い訳しながら、日々実験をしている。


試してみたのは360度パノラマ写真だ。それは、カメラを中心に前後左右真上から真下まで写っている写真のこと。当然一回では撮影できないので、何回かにわけて撮影し、撮影した画像をつなぎ合わせる。


たとえば、180度撮影できる魚眼レンズで前後方向2カット撮影したものをつなぐというのが一番撮影回数の少ない方法。ただし、周縁部の画質が落ちてしまうので、もう少しカット数を増やして行けばクオリティーは上がってくる。


たとえば、水平に回転させながら6カット撮影し、さらに天地を撮影するとか、水平ではなく、ちょっと斜め上を向けて3カット撮影し、地面を撮った画像をプラスするとかいろんなバリエーションがある。


スピーディーに撮影したいか、じっくり撮れるのか。WEBで発表するのか、大きくプリントするのか、といったことを考えながら、それぞれがベストな方法を模索するというわけだ。


基本的には三脚を使って撮影するのだが、三脚は写っちゃわないの? という疑問が当然出てくる。きれいに消したい場合には、三脚をはずして三脚消し用の写真を撮影し、映り込んだ三脚部分の上から重ねて隠してしまう。


手間はかかるが、そんな工夫で撮影者もカメラも三脚も映り込まない不思議な360度パノラマ写真が撮れるというわけだ。


印刷したりする場合には、平面にしなければいけないので、天と地が大きく歪んだ写真になる。一方、WEBなどの場合はマウス操作などで回転させ自分が見たいところを見ることができる、360度VRパノラマでのブラウジングが可能。


最近では報道分野などでもよく見かけるようになってきた。たとえばイベント会場などでは、その場の雰囲気をよく伝えることができる。


◇パノラマで見る CP+2013(産経ニュース)
http://photo.sankei.jp.msn.com/panorama/data/2013/0131pentaxricoh/


◇福島第一原発4号機の最上階(朝日新聞デジタル)
http://ev.digital.asahi.com/special/panorama/20130220fukushima/


あるいは、全周パノラマの動画なんていうのも見かけるようになってきた。これはカメラを複数台使って同時に撮影するそうだが、やはりインタラクティブに操作できるようになっている。これはかなり不思議。


◇「Matchbox Twenty」のPVのインタラクティブ版
http://klooz.jp/supadupa


私の周りにはこの360°のパノラマ撮影をしている人がけっこういるのだが、私自身はやろうとは思っていなかった。というのは、その人達は何年も前から取り組んでいて、すでに素晴らしいパノラマ写真を発表している。そこに私が後から参入しても勝てるわけがない。それにパノラマでオリジナリティーを出すのはけっこう難しい。


パノラマ写真を本格的にやろうと思ったら、魚眼レンズや専用の雲台などが必要だし、きれいに写真をつなげるためのアプリケーションとその取り扱い技術も必要なのだ。


ただ、今回そんなところに新規参入しようと思ったのは、ちょっとしたアイディアを思いついたから。まだ内緒なんだけど。「おっ、やった。これはイケル!」と思ったら止まらなくなってしまった。本当にイケルのかどうかは分からないんだけどw


3月末に「プレトマソン31」を開催


超芸術トマソンの展覧会「トマソン31」をこの秋にやるということは、すでに書かせていただいた。超芸術探査本部トマソン観測センターの発足からちょうど31周年ということで、ここ最近の物件を集めて新宿眼科画廊で発表会を行うのだ。


なぜ31周年なのかということには、深い意味はない。本当はもっと前に思いついて30周年だったら区切りが良かったのだが、誰も思いつかなかったというだけの話だ。


私自身はセンターが発足した翌年の1983年に美学校の赤瀬川原平さんの授業を受けていたので、あれから30年も経ってしまったのかと感慨深い。トマソン観測センターというのは、赤瀬川さんと美学校の先輩達が作ったものだ。我々が入った年にちょうど「写真時代」誌上で盛り上がっていたので、授業の一貫としてみんなでトマソン観測をしていたのだ。


さて、そんな「トマソン31」に先駆けて今月末に「プレトマソン31」が開かれる。これは秋の発表会に向けて報告書を集めたり、新しいトマソニアンの発掘をするために行われる。トマソンを発見した人が報告書を書いて持ち寄るという会だ。


もし物件をお持ちの方は、ぜひ報告書をお書きください。報告書は以下のページよりダウンロード可能。初めての人は写真だけ持ってきて、当日記入するということでも構いません。オジさんばかりの会に新しい息吹をもたらしてください!


◇報告用紙ダウンロード
http://p.tl/WUAD


◇プレトマソン31
超芸術探査本部トマソン観測センター
公開 物件報告・認定会
日時:3月31日(日)13:30〜16:30
会場:文京区民センター 3階3C 参加費無料。定員30名。
https://www.facebook.com/events/519249904792188/


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com http://twitter.com/Zenji_Uehara
上原ゼンジのWEBサイト
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Soratama – 宙玉レンズの専門サイト
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TOKYO Shibuya Lovers Photographers 初の写真展


所 幸則 Tokoro Yukinori


渋谷ハチ公広場のアオガエルという電車の中で、3月8日から開催していた[ところ]の作った写真家集団 TOKYO Shibuya Lovers Photographers の初展示「変貌する渋谷展」が18日に終わっています。


ですが、ファインアートフォトグラファーの集団としてのTOKYO Shibuya Lovers Photographers の正式な展示は、3月26日から目黒のギャラリーコスモスで行われる「渋谷論*AROUND THE SHIBUYA PARCO 写真展」2013年です。


なぜかというと、アオガエルは場所の問題でオリジナルプリントを展示していませんでした。まず、渋谷の真ん中から始めようということで、花火を一発打ち上げたようなものだとご理解下さい。


「渋谷論*AROUND THE SHIBUYA PARCO 写真展」2013年 は正式なオリジナルプリント40枚以上という本格的な展示をします。3月26日(火)から4月14日(日)まで、ぜひ見に来て下さい。


そして3月30日(土)16時30分から、月刊CAPA+デジキャパの統括編集長・石田さんと、[ところ]を含めた作家達でのトークショー。その後18時からレセプションパーティがありますので気楽にご参加ください。


[ところ]はいま、2008年から大量に撮りためている渋谷の写真の中から、この写真展のタイトルに相応しい作品のセレクトの真っ最中です。


これが本当に大変です。一か月づつ区切ってフォルダーを作り整理していますが、ライトルームに対応していないカメラのデータもあるため、整理が二度手間になってしまい、非常に時間がかかります。


さらに、香川県で起こしたフォトラボKという企画の説明会やら、展示やらで大忙しの毎日です。そんななか、今までテレビには散々出た経験はありましたが、ラジオ番組に出る機会が[ところ]に初めて訪れて、興味津々で行ってきました。


FM香川という香川県内だけの放送局で、なんだかとてもアットホームな雰囲気でした。しかしベテランのパーソナリティの巧みな誘導で、[ところ]がこのプロジェクトへの熱い思いを語り尽くして、とても気持ちがよかったです。


ラジオが広告やテレビ番組の制作と違うのは、パーソナリティひとりの力量に負うところが大きいこと。そこがアーティストと重なった感じがして、こういうのいいなあ、と思った[ところ]でした。


・TOKYO Shibuya Lovers Photographers「渋谷論*AROUND THE SHIBUYA PARCO 写真展」2013年
会期:3月26日(火)〜4月14日(日)
会場:ギャラリーコスモス(東京都目黒区)
http://gallerycosmos.com/main/?cat=1



作品:所幸則「パルコ周辺」


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 http://tokoroyukinori.seesaa.net/
所幸則公式サイト  http://tokoroyukinori.com/

YouTubeで見つけました!

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