●木堂椎「りはめより100倍恐ろしい」を読む(角川書店、2006、2007文庫化)。インパクトあるタイトルの意味は「(いじ)りは(いじ)めより」だと初めて知った。中学時代はいじられ続けた主人公は、高校生活を平穏に過ごしたい、いじられたくない、いじられないためにはなんだってやると、部活の仲間一人をむりやりいじられキャラに仕立て上げるが、やがて陰湿ないじりグループの口撃の次の標的は自分に。当時17歳、高校在学中にケータイで書いたというこの作品。とにかく読めたものではない文体で、読んでいるときの苦痛と忍耐とむかつきは半端じゃない。半分くらいまで来たら物語の展開がおもしろくなり、文体にも慣れて来たのでその後は一気に読めた。オチもうまいが後味はよくない。しかし、本書が言いたいところの「り」と「め」の違いが実感できない。わが世代にいじりはなかった(と思う)から、この本に書かれたいじりはイジメと変わらないと感じる。共感はまったくできないが、これを読んでいまの中高生って気の毒だと思う。
同時に、荻原浩「コールドゲーム」を読む(新潮文庫、2008)。これもイジメがテーマ。高3の夏、主人公の中2時代の級友が次々と襲われる。犯行予告の内容からトロ吉(廣吉)が浮かび上がる。中2当時、クラス中の残忍なイジメの標的だったトロ吉が、復讐を開始したのだ。主人公らは防衛隊を結成し、警察に頼らずトロ吉を探し始める。後に「イジメ報復殺傷事件」と呼ばれるこの出来事の顛末はなかなかスリリングで、最後まで緊張が続くサイコ・サスペンスだ。実行犯の意外な正体、うまいものだ。トロ吉の復讐にやや共感を覚えるのに対し、防衛隊の連中の軽い言動にはほとんど感情移入できない。生徒諸君、いじめられたらすぐ反撃するのがいちばん有効だ。外交という戦場においても、やられたら倍返しだ、できるのか、岡田克也。(柴田)
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