●読売新聞の金曜日夕刊に掲載される「いやはや語辞典」を愛読している。気になる言葉、嫌な使われ方をされる言葉、抵抗を覚える言葉……そんな言葉を通じて、“言葉の専門家たち”が今の日本人の意識を探るという好企画。毎回、そうだそうだと同意し、鋭い分析には快哉を叫ぶ。そして、とうとう先週“真打ち”「させて頂く」が登場した。不特定多数の相手に使いまくる昨今の「……させて頂きます」はどこが嫌なのか。御厨貴さんは「どうもどこかに逃げの姿勢が見られるからだ。何か言われたら『だから書かせて頂いたんです』と、それこそ本当に誰かに“させて頂いた”ように感じてしまうからだ」という。限られた時間内に「させて頂きます」を乱用すると、しゃべる内容は減るし印象にも残らない。若僧がつかうとむしろ無礼に感じる。年が明けるとマンションの定期総会があって、またたっぷり「……させて頂きます」を浴びる。事前にやめてくれと申し入れるか。変人だと思われるだろうな。ところで、天皇陛下会見問題で鳩サンは、陛下のご体調と政治利用という批判のないよう時間をかけてつくられた貴重な慣行「1カ月ルール」を「杓子定規」と決めつけて一方的に破棄した。杓子定規とは「何でも一つの規則・標準で律しようとする、融通のきかないやり方・態度」をいう(岩波)。あきらかに用法も使う場面も違う。民主党には「小沢ルール」という杓子定規があるけどね。しかし、非難されると「ルールのほうが悪い」という開き直りは、社会では通用しないんだけどね。ルールやマナーは守って当然だ。なげかわしい。 (柴田)
●劇場で。友人と二人で座席の確認をしようと、それぞれ持参したチケットを見る。友人は「3並びなのよね〜。私は3、3、34」と言った。私は「3並びだったんだ。えーと、3、4、33」。友人「え? 3、3、33」じゃなくて? 私「え?」お互いのチケットを覗き込んで、列が違うことを知る。リサイタルを見た後、劇場側が対面で売っていて、座席表を見ながら、隣同士を購入した割引チケット。劇場側のおじさまが、「はい、ではこことここですね」と座席表にペンで×マークをつけて、チケットの束から2枚を抜き出し、「これとこれ……間違いありませんか?」と言い、二人で元気よく「はい!」と答えたもの。私「でもこれ、目の前で確認したよね……。」友人「うん……。」私「確認した以上、こちらにも落ち度はあるよね……いやまさか列が違うなんて思ってもいなくて。」友人「わかる。座席番号は確認したんだけど。」私「私も……。」その劇場の3列と4列の間は通路。斜め後ろというには遠い。まぁ、芝居中に会話しないからいいけど……と幕間までは見たものの、やっぱり納得いかず。だって3、3、33は空いたまま。これはきっと、劇場側は事故と認識して、空けたままにしているんだろう。だって後ろの3、4群は埋まっている。座席案内の女性に、事故報告はないか聞いたら、上司に確認してくれて、報告はあがっていないけれどどうぞ、と言われた。いいのか? で、後半は横並びで観ることができたよ。こんな経験、なかなかないよね〜とふたりで笑いながら出てきたよ。 (hammer.mule)