●映画「ゴールデンスランバー」で軽妙な殺人鬼を演じた、濱田岳という俳優が気になっていた。この映画はとくにおもしろいとは思わなかったが、殺人鬼キルオのシーンだけはもう一度見たい。その後、「ロボジー」でのマジメで弱気な会社員役もいい感じだった。そんな彼が主演の映画「みなさん、さようなら」の予告編が興味深かったので、原作の久保寺健彦「みなさん、さようなら」を読んでみた(幻冬舎、2007)。
最初の4ページで、主人公は中学に行かないと宣言し、母(父とは離婚)は、行きたくないなら行かなくてもいいと認める。中学の担任の説得も受け入れない。彼は団地の中だけで生きて行こうと決意する。こりゃまた荒唐無稽な設定である。そうとう無理筋だが、物語の設計は大丈夫か? 納得させてもらえる仕掛けなんだろうな。こんな制限の中でどれほどうまく主役を動かせるものか、期待しながら読み進める。
彼は団地を出ないのではなく、出られないのだった。団地から出るのが怖いのだ。坂を下れば団地の外に出られる。恋人と一緒に一歩を踏み出そうとすると、猛烈な動悸と息苦しさで半狂乱の発作を起こす。彼が団地を出られなくなった理由は、本の半分すこし前でやっと語られる。それは小6の卒業式で彼の隣席で起こった同級生の刺殺事件だ。なるほどトラウマは分かったが、説得力は弱い。その後は、トラウマを克服するであろう彼の成長物語。
結局、12歳から30歳までの18年間、彼は団地を一歩も出ない。その間の出来事は、よく考えられていると思う。なんとなく不吉な雰囲気が漂い、安心して読んでいられないけれど、最後までよくひっぱってくれた。青春讃歌というより闘病記か。ただ、彼にはまったく感情移入できない。濱田岳をイメージしながら読んでいたが、この映画はあまり見たくないなと思うのであった。(柴田)
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みなさん、さようなら
●昨日のエネループ。独禁法の関係だという記事を紹介してもらった。旧デザインのものは、大手小売店では売り切れらしい。ありがとうございます。
『airpenPocket++』を買った。このペンにはボタン電池が使われていて、電池寿命連続筆記で90時間程度らしいのだが、エネループを日常的に使っていると、使い捨てするのは、もったいない気になるわ。
airpen自体は2007年12月には欲しいと書いていた。が、その頃はWindows版しかなかったか何かで断念。いまごろ買った理由は4つ。ノートにメモをとる機会が増え、古いノートを参照したくなることが、ごくたまにあること。Evernoteのプレミアム会員になったものの、ほとんど使っていないこと。MacやiOS対応をしていること。Bluetooth接続ができること。続く。 (hammer.mule)
http://anond.hatelabo.jp/touch/20130302105531
eneloopを残すつもりだったPanasonicと独占禁止法と国際経済競争
http://www.airpen.jp/
airpen公式