●石井秀一「墓地散歩」を読む(日刊スポーツ出版社、2010)。墓マイラーのためのガイドブックにしては280ページ超と厚過ぎる書籍だ。持ち歩きにはまったく適していない。この本は日刊スポーツ新聞レジャー欄で1年間、51回、登場人物65人の連載エッセイを再編集したもので(目次で51人。総登場人物197人とか)、メインは登場人物の残した興味深いエピソードだ。「この本は、もちろん過去に生きた人々の、生きた言葉を拾うことに重きをなした。死の周辺、『あの人』はどんな言葉を発したのか、その情景はいかばかりであったか。その多くは残された書物などから引用し、再現を試みた」とあとがきにある。スポーツ紙の連載だけに、なじみ深い人物が多く、知られざる話、心にしみる話、笑える話など、各人5ページで要領よく収まっている。本文2段組み下段には人物データ、お墓データ、所在地地図、お墓の写真などが収容されている。小さな文字でびっしり、読み応えがある。だから、ひとりひとりの情報量はかなり多い。ストレートなタイトルから、のんきなエッセイかと思っていたが、これはフィールドワークと文献読み込みにかなり時間をかけた労作だ。巻末に別刷り16ページの「霊園ガイドマップ」がある。青山、谷中、雑司ヶ谷、小平、多磨、染井の各霊園と、築地本願寺、池上本門寺の霊園マップ、そのほかが収録されている。これは便利、たぶん本からとり外して用いるのだろう。わたしは墓マイラーではないが楽しめる一冊だった。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4817202777/dgcrcom-22/
●昨日紹介された「『タッチ』全一巻を作ろう(Daily Portal Z)」を読んで軽くショック。同じ裁断機なのに、裁断面を表示するライトがLEDに変わっていた……。/iPadに否定的なニュースがちらほら。私はiPadで読書というより、iPhoneより大きくなって見やすくなるだろうスケジュールアプリやメール、金銭管理アプリを稼働したいと思っていて、使っているスケジュールアプリのiPad版が出るまではと思っている。読書したくても、最近の過密スケジュールではなかなか。図書館から予約本が届いたと連絡が入っているのに、取りに行けなかったり。で、iPadは暇しているかと言うと、過去に自炊しておいた漫画を「ComicGlass」使って家族が読んでるよ。漫画に限らず、連番JPEGファイルをZipで圧縮したものを、解凍しなくても直接読めるアプリ。二枚のファイルを並べての見開きにも対応しているので、漫画の見開きぶち抜き迫力画面も問題なし。で、ちょっと疑問が出てくる。読書だと長時間占拠されるわけで、読書中にちょっとスケジュールを、なーんてどうなのさ? 空いている時間にだけ確認なんて意味ないわけで、結局パソコンかiPhoneで確認? 二台目導入はiBooksもしくは電子書籍市場が成熟してからだと思っているんだけど……。いや、読書だけなら他の機種でも……うーん。 (hammer.mule)
http://portal.nifty.com/2010/07/21/a/
『タッチ』全一巻を作ろう(Daily Portal Z)
http://comic-glass.ryusuke.net/
ComicGlass。有料化したみたい。現在は半額の115円。