●篠田節子のSFタッチの短編集「はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか」を読む(文芸春秋、2011)。表題作は過疎の村の田舎屋にひとり暮らしする女性と、キャタピラで移動する小型ロボットストーカーの話。どこに逃げても執拗に追跡される。誰が何のためにこのロボットを操っているのか。追われる理由は伏線から推理できるが、ロボットの正体には考えが及ばなかった。
「深海のEEL」は駿河湾で大量捕獲された巨大ウナギがレアメタルであるパラジウムを含有していることがわかり、それを取り出し精錬する技術を持つ会社が資源エネルギー事業として奔走する話だが、なぜ回遊魚のウナギがレアメタルを体内に蓄えるのか、その謎は想像もつかない。
「豚と人骨」は、マンション建築現場から人骨が出て、施主も建設会社も学者も役所も翻弄される話。その骨の量は半端ではない。高さ10メートル、直径3メートル、円筒型の骨の塔である。3500年前の、若い女だけ、おおよそ300体。この骨の正体はなにか。消却処分はできない、引き取り手がいない、しかし放置できない、どうやってこの問題を解決したのか。
「エデン」は、極北の地で正体不明の巨大トンネルを掘る仕事に、嵌められて従事しなければならなくなった男(日本人)の半生を描く。このプロジェクトは60年以上の時をかけて進められているが、労働者の村にはテレビもエアコンもインターネットもない。殆ど文明の恩恵には浴さない、古い時代の開拓村だ。そしてトンネルが開通する日が来る。それぞれの作品のポイントは、独特の設定(なにしろみんな正体不明なのだ)、先が読めない展開、そしてみごとな結末である。面白かったなあ。(柴田)
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●日本の技術と発想力って凄い。Kindleやらの前にだってリーダーは出ていたのに、あんまり売れず、次の波で逆輸入。こういうの多くない? お芝居の『陽だまりの樹』を見て来た。手塚治虫原作のもので、幕末の話。黒船が来て、権力のある人ほど新しい価値観に対抗しようとする。「古いも新しいもない、もっと大きな理念で」と思える頭の柔らかさって、歳をとると難しくなっていくのだと実感しているから、見ていて痛い。漢方医学から蘭方医学へ。独自文化から文明開化へ。歳とってから、漢方より蘭方ですよと提示されても勉強するのはつらいわな、地位を譲るのは厳しいわな。古狸様達ならうまく従えて権力維持するのに、お芝居の漢方のお偉いさん(多紀誠斉。代々徳川家に仕える)にはそのずるさはなく、蘭方自体を潰すことにエネルギーを使っていたわ。
あの時代の蘭方医学が漢方医学より進んでいたから、説得力はあるんだけど、今の時代、日本技術の方が先に進んでいたのに、逆輸入を受け入れるのはもったいない気がする。宣伝やブランド力があれば世界一って書きはじめて、SONYならもっとやれる、ジョブズが目指していたのはSONYだったんだわ、と頭の中が一周して戻ってきた。ChatWorkとか、もっと日本発のサービスが海外で発展して欲しい〜。「日本」にこだわるのも頭硬い証拠? でもそれも含めて自分なのよぉ。 (hammer.mule)
http://www.musicman-net.com/artist/13737.html
東京・大阪・名古屋
http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/hidamari/
ドラマやってたのか
http://www.chatwork.com/ja/ ChatWork
http://vipsister23.com/archives/5502959.html
ギネス見たら世界最古の国が日本らしい