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写真を楽しむ生活

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2012年05月のアーカイブ

上原ゼンジ


以前にもちょっと書かせてもらったことがあるが、尾仲浩二さんが「デイズフォト通信」で連載していたエッセイが、「極・私家版 あの頃、東京で・・」(matatabi文庫)としてまとまった。私家版とあるが、実際に編集やレイアウトなどの作業もすべて尾仲さん自身が行った限定発売の本だ。


内容は、尾仲さんが写真をやるために東京に出てきた1980年から、最初の写真集である「背高あわだち草」を出版した1991年までのことを回想した自伝的エッセイ。東京写真専門学校(現東京ビジュアルアーツ)の森山大道ゼミに通い、CAMPのメンバーとなり、ギャラリー街道を立ち上げた頃の話がまとまっている。


私が尾仲さんと初めてあったのは1986年のこと。FOTO SESSIONという写真のグループに参加し、月に一度森山大道さんに写真を見ていただいた。その時に森山さんの助手のような感じで付き合ってくれたのが、尾仲さんや山内道雄さんだった。尾仲さんは26才、私は24才、森山さんが47才の頃の話だ。ということは、私もあの頃の森山さんの年をいつの間にか越していたということか。


FOTO SESSIONではアジトと呼ばれるアパートを借り、昼間は畳の上に写真を並べて写真を見ていただき、夕方から夜半にかけてはその場で飲み会。そんな場で、森山さんや諸先輩から話を聞きながら、写真のコアな部分に触れていった。


現在、尾仲さんは街道塾を開講し後進の指導にあたっているが、その街道塾の卒業生にリサーチしたところ、酔っぱらうとけっこう無茶なことを言っているらしい。これを聞いて、当時森山さんが酔っぱらってみんなに無茶なことを言っていたのことを思い出した。こんなところで、森山さんの流儀が今も継承されていたというわけだ。


たとえば、ある先輩は森山さんからバイトをするなと言われた。写真家が別の仕事をするなということだ。しかし、これは職業的にカメラマンで食って行けというわけではない。じゃあどうやって食っていいけばいいんだ、と誰しも思うのだが、まあそれくらいの気概を持てとか、覚悟をしろと言われていたのかと思う。


尾仲さんの本の中には、「自分の写真を撮る時間を確保するのにこれは大切なことだ。雑誌などの仕事は、事前の打ち合わせや、原稿の受け渡しなどで、ひと仕事でも数日とられるだろうし、何よりそのために編集者やデザイナーに付き合っていると、本物のカメラマンになってしまいそうだから敬遠した」という一文がある。職業的に写真を撮るのではなく、写真家として自分の写真を撮り続けるために選んだ生き方ということだろう。


翻って自分のことを考えてみれば、やはり写真を撮る時間を確保したいために会社を辞めたのだが、食っていくことに費やす時間が多く、どうにも中途半端に生きてきてしまったものだと思う。


ただ、あまり突っ走り過ぎてもどこかで息切れしてしまうし、何事か成したい人はそれぞれが自分にあった方法を見つけて、継続していくことが重要だと思う。まあ進むべき道を誤っていれば、継続も無駄になってしまう場合もあるから、気をつけなければいけないのだが……。


●「背高あわだち草」から21年


尾仲さんの初めての写真集「背高あわだち草」が、蒼穹舎から刊行されたのは1991年。この時の制作費は蒼穹舎の大田通貴さんと、尾仲さんが折半したのだということを、この本によって初めて知った。出版社とはいっても、大田さんが自分の好きな写真集を出版するために作った会社で、二人にとって制作費の捻出は大変なことだったと思う。


その後、尾仲さんは自分の写真集を着実にまとめてきた。そして
現在までに11冊の写真集が刊行されている。もちろん、すべてが
自費出版というわけではないが、今回の本にしても「人がやって
くれなきゃ自分でやる」という態度が一貫していて格好いい。


あらためて尾仲さんのバイオグラフィーを眺めていると、写真の
王道を歩んできたのではないかという印象を持った。なんか、こ
れからでも尾仲さんを見習いたいと思わされた一冊だ。


◇「極・私家版 あの頃、東京で・・」
B6判、モノクロ、108ページ、限定500部
定価1000円
http://www.onakakoji.com/2012/04/21/極-私家版-あの頃-東京で/


◇尾仲浩二写真展「I’m full オナカイッパイ」
こちらも尾仲色たっぷりの写真展。会期中にはトークショーやライブなども行われる。
会期:6月1日(金)から17日(日)までの金・土・日、13時〜19時
会場:そら塾(東京都台東区根岸3-13-25)
http://www.onakakoji.com/2012/05/22/i-m-full-オナカイッパイ/


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com 
http://twitter.com/Zenji_Uehara
上原ゼンジのWEBサイト
http://www.zenji.info/
Soratama – 宙玉レンズの専門サイト
http://www.soratama.org/
上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
https://www.facebook.com/zenlabo

オリンパス、「OM-D E-M5」にダブルズームキットを追加。14-42mmと40-150mmが付属


(デジカメWatch)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120530_536240.html



ニコン、「D4」「D800」「D800E」のファームウェアを公開


(デジカメWatch)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120530_536225.html

伊達淳一のレンズが欲しいッ! タムロン「SP 24-70mm F2.8 Di VC USD」〜手ブレ補正機構を搭載した大口径標準ズームレンズを試す


(デジカメWatch)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/date_lens/20120530_536185.html


富士フイルムX-Pro1とNEX-7、EOS 7Dの感度別の画質の比較記事が掲載


(デジカメinfo)
http://digicame-info.com/2012/05/x-pro1nex-7eos-7d.html


タムロンSP24-70mm F2.8 Di VC USDはプロクオリティの標準ズームが必要な人にお勧めのレンズ


(デジカメinfo)
http://digicame-info.com/2012/05/sp24-70mm-f28-di-vc-usd.html

三洋電機、デジカメおよびムービーカメラのOEM事業を別会社化


(マイナビニュース)
http://news.mynavi.jp/news/2012/04/26/111/index.html


ソニーが供給不足のツァイスレンズの増産を検討中?


(デジカメinfo)
http://digicame-info.com/2012/05/post-378.html


ヨドバシ・ドット・コム、「ご注文当日お届け」の地域を拡大


(デジカメWatch)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120530_536213.html


写真集連載(第3回)日本のファッション系フォトブック・ガイド 浅井慎平写真集「WINDS」、「海流の中の島々」など


(The Short Epic)
http://gallerist.cocolog-nifty.com/epic/2012/05/3-3winds-aed0.html


上空から撮影したイギリスの風景が、何やら謎めいていて魅力的、「英国鳥瞰図」


(カラパイア)
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52084378.html

手帳とスマートフォン、使い分けのポイントは?


(誠BIZ.ID)
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1205/29/news001.html


【連載】ビジネスに役立つiPhoneアプリ ホーム画面を見るだけで降水確率が分かる「降水確率」


(INTERNET Watch)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/biz_i_app/20120530_536248.html


接着剤不要のカンタン組み立て、ライトアップも可能な「1/3000彩色済み情景モデル 東京スカイツリー」


(ITmedia)
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1205/28/news065.html

YouTubeで見つけました!

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