●第24回日本ファンタジーノベル大賞・優秀賞の三國青葉「かおばな憑依帖」(受賞時タイトル「朝の容花(かおばな)」を改題)を読む(新潮社、2012)。かおばなとはこの物語で重要な役回りを演じた朝顔のことだ。作者は若い頃からのSFファンであり、いまは「時代ものオタク」を自称する50歳の女性。
この作品は、SFと時代ものをミックスしたとんでもない怪作である。ほぼ主役のマザコン美剣士に、怨霊、生霊、忍者、剣豪らが入り乱れての大バトルを展開し、八代将軍・吉宗をはじめ田沼意次、青木昆陽ら実在した有名人が意外なキャラクター、役割で登場する。なにしろ田沼家は隠密集団の元締で、紀州徳川家を支え、世継ぎを狙う怨霊がとりついた尾張徳川家と闘っているのだから、でたらめもいいとこだ。それぞれキャラ立ちの具合もよろしく、ほとんどマンガだ。
でも、文章はうまいから読みやすく、読む側としてはよけいなことは考えず、スピーディな展開に乗ってさえいればいいんだからお気楽だ。果ては、時代物最大のスターであるあの剣豪も霊体で登場するんだからサービス満点である。たしかにこの作品は、作者の尊敬するという柴田錬三郎の名言「花も実もある絵空事」に通じている。このばかばかしさは相当ランクが高いと見た。
もうひとつの優秀賞は関俊介「絶対服従者」(「ワーカー」を改題)である(新潮社、2012)。アリやハチなど昆虫が突然変異、体長10〜15センチに巨大化し、知性を持ち、人間の労働の一翼を担うようになった世界が舞台だ。ものすごく面白い設定だが、人間と昆虫が会話を始めたらどうにもリアリティが感じられない。ようするに、その場面が目に浮かばないのだ。文体も好きではない。20ページぐらいで本を閉じてしまった。
最近、歳のせいか自分のテイストに合わないものに対して寛容ではなくなった(って、昔からそうだろうといわれればそうなんだけど)。イントロで、直感的に、こりゃダメだと投げ出す本や映画DVDが少なくない。「トランスフォーマー/ダークサイドムーン」でさえそうだった。それでいて、明らかなバカBC級映画は我慢して見ているんだから、やはりただの偏屈老人なのか。 (柴田)
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かおばな憑依帖
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絶対服従者
●体組成計続き。比較した末、思い切って『UC-411PBT-C』を購入。Bluetooth接続で記録するiOSアプリ『bodycloud』やAndroidアプリ『からだログコンティニュアアプリ』がある。アプリ単体でも使用可能だが、経由して『gooからだログ』にも記録できる。『gooからだログ』は匿名で交流可能なSNSになっていて、「毎日記録することで自分が見えてくる。」と書かれてあった。
ここには172のグラフがあり、自分で追加もできる。一番参加者数が多いグラフは「太もも」で30,677人。次いで、「ぺたんこお腹体操」の24,236人、「ぺたんこお腹体操食物チェック」の23,462人。ジョギングや勉強時間なんてのもある。
まずは習慣づけないと、とiPhone充電ケーブルのある棚の前に置いた。ここの前には、毎日絶対に立つ。夜中のうちに消耗したのを充電しようとするから朝に立つ。見栄えが悪いと反対する家人の反対を押し切った(あとで徹夜したら立たないことに気づいた。キッチンコンロの前の方がいいかもしれないが、邪魔すぎるな……)。
この体組成計は最初に登録しておけば、乗るだけで電源が入り、測定した結果で家族の誰のものか特定してくれる。こちらはBluetoothをオンにし、iPhoneアプリを立ち上げるだけだ。特定に失敗することもあるのだが原因はわからない。続く。(hammer.mule)
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bodycloud iOSアプリ『bodycloud』
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.ne.goo.karada.aandd.continuaapl
Androidアプリ『からだログコンティニュアアプリ』