●1996年公開の映画「トキワ荘の青春」のDVDを見た。3軒のレンタルショップで捜索に失敗したが、最後の店のカウンターで検索を頼んだら、お姉さんはPCをチャッチャッと操作して秒速で発見し、すぐお皿を持って来てくれた。最初からこうすればよかった。
なぜ「トキワ荘の青春」を捜しまわったのかというと、川本三郎「時には漫画の話を」を読んだからだ(2012、小学館)。この本には、わたしも前々から知りたかった、寺田ヒロオが漫画を描くのをやめた理由がはっきりと書かれていた。ところで、寺田ヒロオが主人公の映画があったなと思い出したのだ。
わたしの知っているトキワ荘とは、若く野心に燃える漫画家たちの梁山泊だったはずだが、この映画では全然違う描き方をしている。とにかく暗く、静かで、盛り上がりがない。会話が少ない。あっても小声過ぎてよく聞き取れない。これ致命的ではないか。誰が誰だかわからないというのも困ったものだ。
つげ義春や棚下照生などトキワ荘に関係ない漫画家まで出て来る。これは違うだろう。自分の理想とする漫画が、時代から取り残されて行くテラさんの悩みや怒りを、本木雅弘がみごとに演じ切った、とも思えない。なにしろ寡黙過ぎる。玄人受けするかもしれないが、わたしのように映画を深読みしない者にとっては退屈に過ぎた。
「時には漫画の話を」は、映画や文芸評論で知られる川本三郎の漫画に関する文章だけを集めた一冊だ。偏愛するつげ義春関係のページが多いが、少女漫画、トキワ荘、気になる漫画家、同時代漫画など読み応え充分だ。なかでも、「『テラさん』の残した夢」が気になる。我孫子素雄は、最後の頃は誰とも交流がなく仕事もせずに酒浸りだった寺田を「あれは病死というより、緩慢な自殺というんでしょうね」と言ったそうだ。それはどういうことか。
テラさんの明朗で清潔で牧歌的な少年漫画、児童漫画はわたしも愛読していた。そんな漫画を描いていた人が、なぜ無頼な死に方をしたのか。もっとも古い友人で、寺田が晩年一番頼りにしていたのが棚下照生だった。
彼は「漫画界の現状に絶望したからというのはきれいごとだと思う。そんなに美化したら寺田だって苦笑するよ。挫折感とは違う。描くことがなくなってしまったんだ、もう。レールの上を走って来たらそのレールが切れてしまった。そういうことだと思う」と川本に語る。おそらくその通りなのだろう。なんという絶望、なんという孤独、つらく長い人生だったと思うと心が痛む。知らなければよかったとも思う。(柴田)
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トキワ荘の青春
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時には漫画の話を
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/i/20021101000000.html
映画と本と音楽と[145]青年たちが共有した夢 十河 進
●続き。今の学生さんはいいなぁ、英語関連アプリやインターネットがあってと羨ましがっていたが、『gooからだログ ヘルスアシスト』を見つけて、私は何と素晴らしい時代にダイエットを始めることになったのだろうと感動した。31品目をノートにつけていた友人のようなマメさがない私でも記録できるのだ。
食事をiPhoneで撮影するだけでカロリーが自動表示される。カロリーだって本を買ってひいて計算して、が、ネット検索するだけで細かく出てくるし、大手飲食店のメニューごとのカロリー一覧なんてのもある。ほとんどの加工品にはカロリーや成分が記載されている。何この便利な時代! とことん享受しないともったいない!
gooからだログで目標体重を入れると、一日の摂取カロリー目標が出る。この目標は連動しているヘルスアシストにも表示される。撮影での記録はしていないが、ネットで検索して、アプリに食事内容とカロリーを登録。と、自動的にあと何カロリー摂取して良いかの表示が出てくる。続く。 (hammer.mule)
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