●メタン・ハイドレートとは「燃える氷」である。天然ガスの主成分であるメタンが、シャーベット状に固まったものだ。日本の領海とEEZの海はこれを豊富に擁している。実用化されれば、一躍日本は資源大国に躍り出る。メタン・ハイドレートこそ、日本が建国以来初めて持つ自前資源になる。まさに日本の希望の星だ。それが……。
産官学のコンソーシアムが、太平洋側で年間約50億円、10年で500億円を投じてメタン・ハイドレートを調査してきたが、いまのところ成果はゼロである。ところが、日本海側での調査研究を独自に進めてきた、独立総合研究所と東大の連携などが遥かに少ない費用で、メタン・ハイドレートの膨大な埋蔵を確実に捉え、結晶状の良質なそれの採取にも既に成功していた。国際社会は日本海のメタン・ハイドレートの実用的価値と、海底資源探索方法の技術的価値を認めている。
コンソーシアムは面目まるつぶれだが、こうなったら日本海側の調査も平行して行えばよいものを、公には「日本海にはメタン・ハイドレートがろくにない、ことになっている」と情報操作し、あろうことか日本海側の調査を封じ込める妨害までしているという。既得権益にしがみつく日本社会の病理がもろに出ていて、じつに醜い。
大手石油会社社長は「海外から資源を買うことで、世界秩序も日本の経済もうまく廻っている。日本海のメタン・ハイドレートは実用性が高いからこそ、それを覆す怖れがある」と言う。つまり石油が売れなくなり、儲けがなくなるからメタン・ハイドレートには消極的だ。「福島原子力災害が起きた今こそ、わたしたちは慌てて海外からの資源輸入を増やすのではなく、自前の資源を確保して、子々孫々に手渡すことをなすべきだ」と青山繁晴は「ぼくらの祖国」(扶桑社、2012)で力説する。まったくその通りだ。(柴田)
●びびりながらiOS 5.1にした。ソフトバンクでiPhone 4S。入手は発売されてしばらく待たされたから、初期ロットではないと思う。iTunesとアプリのバージョンアップを済ませ、バックグラウンドで走るアプリを切る。念のため電源オフし、しばらくたってからオン。USBで繋いだ後、iTunes上の「アップデートを確認」し、ダウンロード後に自動的にアップデートさせることにした。ドキドキしながら待っていたら、あっさり完了して拍子抜け。
Siri(β)は英語版のままだったので、設定→一般→Siriから日本語に。動画を見ながら真似をしてみたが、動くものと動かないものがあった。単なるアクセスエラー(Siriサーバとの)の場合もあり、再度試すと動くことも。会話文でも理解してくれるのだが、ミスられるとメンドクサイので、ついつい単語での命令になりがち。プレイリストを作っておけば、「プレスリスト名、再生」で音楽がかかる。曲名、Podcast名やオーディオブック名にも対応。オーディオブック自体への移動操作は断られる。プレイリストに動画を入れておいても再生せず。
リマインダーの「自宅に着いたら」は使えた。日本語版は、場所はアドレスブックにないと登録できないので、よく行く場所はあらかじめ登録を。「リマインド」「チケット発券」「○○劇場に着いたら」で登録。はっけん、だと発見になるので、チケットはっけんにした。リマインダーは内容の変更できず。関西弁のイントネーションでも認識してくれるが、「覚えておいて」ではリマインドしても「覚えといて」ではweb検索を薦められる。
「メッセージを読んで」だと、MMS(SMS、iMessage)のものになる。句読点は無視して続けて読まれてしまう。返信や再度読み上げ可能。落とし穴は、迷惑メール。怪しい内容の文章をSiriさんがロボット声で、装飾用の記号も「下向きの三角、下向きの三角、下向きの三角……」「ほしほしほしほしほしほしほしほし……」と壊れたレコードのように律儀に読み上げてくれるよ……。削除も命令できればいいのにな。あとは、ロック画面でもパスワードなしで読んでくれるところ。ただし新着のみ。読み上げ途中でも、画面が自動オフ(ブラックアウト)したらSiriは消える。メモやリマインド、音楽再生、スケジュールなどもロック解除不要。これらは設定→一般→パスコードロック→Siriをオフで防御できる。
「メールを読んで」だと読み上げはしてもらえないけれど、新着順に、発信元名・タイトル・最初の二行が並び、そこからタップしてアクセスできる。こちらはロック解除しないと一覧すら見られない。複数アカウントがある場合、全受信メールから時系列で並ぶ。「メール」「メッセージ」だとそれぞれ送信のための手順に進む。認識精度は高く、簡単なメールでは間違えずに漢字混じりで変換してくれた。句読点や疑問符が入らないのは仕方ないところ。メールだと設定で指定しているデフォルトアカウントから送信される。
誰に送信されるか聞かれるので、名前を言い、複数のメールアカウントがあれば、ラベルを読み上げればそのアドレス宛になる。なのでラベルは分けて登録しておくと良い。よみがな(ひらがな・カタカナどちらでも可)が必要。登録名が漢字でなければ不要。直接電話番号やメールアドレスを言っても良い。送信キャンセル後に「電話」と言えば、先に指定した相手に電話をかけてくれる。
相手の名前は認識するのに、Siriが復唱する名前はてきとー。「〜園(ぞの)」さんなのに、「〜えん」さん。「高(たか)〜」なのに、「こう〜」さんとかに。で、間違った「こう〜」でメールを作成させようとすると、そんな名前はないよ、「たか〜」さんですか? と指摘してくる。で、そのまま作成して復唱する時には「こう〜」さん。あなたが指摘したのに……。
他にもできることあり。デフォルトアプリでもボイスメモはとれない。覚えておくと良い言葉は「何ができるの?」と「キャンセル」。よくわからなかったり、間違ったりしたら聞く。何でも途中でキャンセル。これで怖くない。(hammer.mule)
http://www.apple.com/jp/iphone/features/siri.html
最後に「(命令)終わり」と言ってみたら胸が痛くなったわ。