●西尾幹二「中国人に対する『労働鎖国』のすすめ」を読む(飛鳥新社、2013)。二部構成で、第二部「『労働鎖国』のすすめ」は1989年にカッパビジネスで刊行、1992年にPHP文庫で再刊された内容そのままの再録である。その本を読んだ当時、外国人労働者の問題は、単なる労働問題でも経済問題でもなく、安全保障の問題であり、文化防衛の問題である、という主張に戦慄しながら全面的に賛意を表したものだった。内容はいまも全然古びていない。底抜けに危機感の薄いノーテンキ国家・日本は、外国人労働者について有効な対策を講じないまま今日を迎えている。
筆者は24年も前に、やがて日本は何億という中国人に飲み込まれるという恐れを予言していた。それがすでに杞憂でなく現実のものとなっている。「これ以上の事態の悪化を抑えるべく、国民的規模で考えていただきたい、そう思って本書を取りまとめた」とあとがきにある。本書の第一部が「中国人に対する『労働鎖国』のすすめ」で、全体の1/4である。これを読むと、いやはや日本の現状はじつに危機的であることが理解できる。絶望感を抱くほどである。
危機の一例。在日中国人は68万人超。永住権をもつ中国人は16万人、日本人を配偶者に持つ永住者予備軍を加えると26万人。彼らはいつなんどきでも、中国政府の「国家動員法」による指令があれば一斉蜂起する。長野の聖火リレーで中国大使館が50台のバスを仕立てて5000人を結集させたり、3.11後に中国大使館が約3万人を集団帰国させたりしたのが実例で、中国政府から命令が下ればイナゴの群れが日本を蹂躙する。在日中国人はかくれ人民解放軍である。こんな状況を何の備えもせずに放っておいていいのか。
あえて「中国人に対する」という限定付きの意味は、「わが民族がいかに生き延びるか、民族的アイデンティティをいかに死守できるのか、いわば生死を賭したぎりぎりの最後の戦いの言葉であり、予言の句である」と著者。これを人種差別、民族侮辱だなどという批判をする日本人がいたら、よほどの莫迦である。ところが、そんな莫迦が政界にもマスコミにも、ばかにできないほどいるのだ。この恐ろしい本、読むべし読むべし!(柴田)
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中国人に対する「労働鎖国」のすすめ
●街の小さな書店にて。幼稚園ぐらいの男の子がパパと一緒にいた。パパは雑誌コーナーで物色。すぐ後ろは絵本コーナー。男の子が、舌ったらずの可愛い声で「おとしゃん、ポケモンの絵本買ってもいいよね。」と声をかける。いいよね、は疑問符ではない。んー、「○○っていいよね。」のイントネーション。断定じゃなくて、同意を求める「いいよね」。
幼児なのに、もう「お父さん」呼びさせてるんだーと感心。なんだろう、パパと呼ぶより可愛いぞ。そして声が下から聞こえてくるのもいい。何度も何度も彼は繰り返す。パパは自分のことに夢中で聞き流している。