●イラストレーター・なかむらるみが、5年間にわたりおじさんを観察・取材した成果をまとめたのが「おじさん図鑑」(小学館、2011)だ。「普通のスーツのおじさん」からはじまり、「偉いおじさん」「制服のおじさん」「たそがれるおじさん」「ラフなおじさん」「酔っ払いのおじさん」「正体不明なおじさん」「ちょいワルおじさん」「カメラ好きおじさん」「おじさん基本のシャツ」「おじさん基本の帽子」「かわいいおじさん」などきめこかく48態、なかなかいい味のイラストで描き、簡単な観察記録がつく。さらに、漫画家と行くおじさんツアーin赤羽、おじさんバンドに潜入、大阪・名古屋おっちゃん探訪などのコラム、ドヤ街で炊き出し体験などのルポ、有名無名のおじさんインタビュー(超短編)21人なども加えて充実、全一冊がぎっしりおじさんワールドである。
ネットにあった作者インタビュー記事によれば、「アダルトな“おじさん好き”とは異なる層に向けられた本であり、なかむらさんは明らかにいやらしい意味での“おじさん好き”ではなかった」とある。「おじさんに恋愛感情を抱いたことはなくて、昆虫観察に似てるんだと思います」「おじさんを笑ってたり、馬鹿にしてると思われないように心掛けました。でも逆に褒め過ぎるとそれはそれで違ってきてしまうので、加減が難しかったです」とは作者談。だから過剰な思い入れがなく、たしかに図鑑になっている。でも、もっと意地悪な表現があった方がわたしの好みだ。
問題は、四六判と判型が小さいことである。図鑑なのにイラストが小さいし、観察記録テキストの分量も少ない。コラムは非常に小さな文字で組まれているから読みにくい。ページに隙間なくびっしりという感じ。もう一回り大きなサイズだったら、もっと余裕のある見せ方ができたはずだ。手元にある本は初版第6刷だから、よく売れているのだろう。でも、誰をターゲットにした本なのか、じっくり読んでもわからない(おじさんからの反響は上々で、おばさん以外にウケているとも聞く)。こんな売れるか売れないかわからない企画を通した、勇気ある編集者に拍手したい。(柴田)
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●まにフェスは無事終了。ご来場いただいた皆さま、講師やスタッフの皆さまに感謝! 久しくお会いしていなかった人たちが、時間を作って来てくださって、とてもとても嬉しい。私はというと、最初は受付付近にいたが、受付嬢たちが気のつく人ばかりで仕事がなく、主に3Fの広報にまわる。4Fのセッションはまったく参加できなかったが、3Fの展示やオープンセッションは興味深かった。
FONT+さんの「Webフォントの認知度は、クリエイターの中でもまだ1%程度」と聞いて驚いたし(こういうイベントに来る人は意識が高いので認知度高め)、どう使われると良いのかなど、アクセシビリティにも繋がる話だった。ファーストサーバさんのWordPress専用クラウドサービス「PHP Ninja」だと、「写真を楽しむ生活」サイトは5倍のスピードが実現可能。サイバーエージェントさんの「リアルいいね!」はソーシャルの話も含めて。アップルップルさんの「a-blog cms」は実際のデモ画面に興味を持つ人続出。他のセッションは忙しくてほとんど聞けなかった。各ブースで配られるノベルティが嬉しいし、IT系ゲームにも、ムキになるぐらい燃えた。忍者コスプレ、イヌの着ぐるみ、プレゼントなど、展示会ならではの諸々が楽しかったよ。後記じゃ書ききれないや。 (hammer.mule)
http://webfont.fontplus.jp/ FONT+
http://php-ninja.com/ PHP Ninja
http://www.cyberagent.co.jp/news/press/2012/0305_1.html
リアルいいね!
http://www.a-blogcms.jp/ a-blog cms
http://togetter.com/li/287931 当日のtogetter