●「幸田文 どうぶつ帖」を読む(2010、平凡社)。幸田露伴の次女・幸田文が書いたものを、一人娘の青木玉が編み、その娘の青木奈緒があとがきで締める。犬好き、猫好き、どうぶつ好き、の3章立て。「私にあるのは多く身勝手と呼ばれる愛情ではないかと恐れるのであるが、とにもかくにも私は動物と親しくしたい」という幸田文の、動物への愛と鋭い観察で書かれた優れた文章には感動せずにはおられない。珠玉の短編集の中でも、「私は動物が好きでかわいがっているつもりだが、動物は私に愛情と酷さを教えるのである。動物園に行こう。」という、動物園の飼育係への取材ものがとくにおもしろかった。飼育係はみな謙遜で、はにかみで、学問を志す人と同じ態度だったそうだ。ゴリラのビルがどうした弾みかで檻から出て、お客がいる外へ歩き出した事件の話が泣かせる。ビルの後ろ姿がかわいそうだったと飼育係は言う。「私はここまで聴いたとき、檻に長く飼われた動物の、外へ出てみたもののその行きどころなさを思いやって、そのあまりの淋しさに涙が出そうになった。」そして、飼育係に後ろから呼びかけられたビルは、懐かしい人を見つけたうれしさに、「特有な声で、呼吸を刻んで喜び、その人へ手をつないで、何かいいかけるかのように顔をふりむけふりむけ、O字型の二本足で歩いて住いへ無事に帰ったのである。」ほんとうにしみじみいい話だ。とにかく、犬好き、猫好き、どうぶつ好きの人には無条件でおすすめできる。それにしても美しい本である。装幀はクラフト・エヴィング商會、さすがだ。こういう本を手にとるとiPadの電子書籍なんてなんぼのもんじゃいと思う。iPad、まださわったことないけど。(柴田)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582834728/dgcrcom-22/
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●新しいiPhone 4が素敵。事前リーク通りで大きなサプライズはなかった(ジョブズも「既にご覧になっていると思いますが…」みたいなこと言っていた)。日本の携帯を使っていたら、ビデオチャットに新鮮さはないし(手話で会話できるね)。あ、HDビデオ撮影&編集には驚き。ノイズキャンセラとかも。形は現行機種の方がいいと思うのだが、褪せてみえるようになるんだろうなぁ。発売は地球上で日本が一番早いだろう6月24日。この24日発売は数カ国のみ。88カ国は9月末。基調講演ではiPad発売時の日本のニュースや、iAdの例として日産、カメラ画像を見せるのに日本庭園が使われていたりしたよ。iOS 4は21日から無償アップデート。フォルダ分けとマルチタスク、アプリ上限アップが欲しかったので、やっだ〜。スレッド表示が欲しくて、友人らとはSMS/MMSでやりとりしてるのだが、i.softbank.jpでもスレッド表示するようになるね。MacBook Pro用だが、Bluetoothキーボードは注文済み! Felicaつけてよ〜。(hammer.mule)
http://www.apple.com/jp/iphone/ iPhone 4
http://www.apple.com/jp/iphone/features.html#design-video
5分半のガラスのところだけでも見て〜
http://live.gdgt.com/2010/06/07/live-wwdc-2010-keynote-coverage/
基調講演実況
http://www.macrumors.com/
ここの実況テキストが良かったのに、見つからない