●佐野洋子「役に立たない日々」を読む(朝日新聞社、2008)。2003年秋から2008年冬までに書かれたエッセイ。一番最後にがんで余命2年と告白し、「わたしの一生はいい一生だった」と書いている。2年と云われたら10数年苦しんだウツ病が殆ど消えたというから人体は神秘だ。11月5日に72歳で亡くなったが、最後まで佐野洋子で、ああこういう人の男友達になりたかった。2005年春から一年間、彼女が韓流ドラマにはまった話がおもしろすぎる。「冬ソナ」を見て何回もボーボー泣いた。生まれて初めて、全く別次元の、この世でもあの世でもないムードの中に魂がさまよい、心臓をよじるように泣いた。何度でも見る。見るのをやめられない。その後もどんどん韓流ドラマを貰ったり買ったりして、ヨン様やイ・ビョンホンやリュ・シウォンに没頭、まさに韓流に淫し、身をもちくずし、完全な依存症になった。「ふと気がついて馬鹿じゃねえと思うのは理性である。理性は矛盾を許さないが、感性は矛盾のマグマである。何でもいらっしゃい。」「この幸せは一体何なのだろう。ストーリーなど、ほとんどがご都合主義のつじつまなんぞ合わないケッと云うようなものばかりである。でも幸せなの、特別に幸せなの、えらい人は皆分析するが、私はしない。好きなものに理由などないではないか。好きなのよ」。あの佐野洋子さえ捕らえた韓流とは何だったのか、その正体を正気に返ってから解き明かしている。「これは呆けつつある老人のリポートとしてご参考になさってください。」という日常の話がやっぱり佐野洋子、すてき。この人の文章をもっと読みたかった。(柴田)
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●右耳が聞こえにくくなった。たまーになったことはあったが、二日もすれば治るのに今回は三日過ぎても治らない、どころかひどくなる。突発性難聴なら早期治療が必要とのことで、慌てて病院に行くが、耳自体の機能には問題はなく、耳管開放症だろうとのこと。ストレスや過労が原因とのことで、安静を言い渡される。その日の夜はたこ焼きで終電を逃し、翌日のメルマガ発行後に食事をし、薬を飲んだ。ビタミン剤と、メニエール病や眼精疲労に効くという血流を増やすもの。が、この薬を飲んでから、熱もないのに高熱時のような頭痛が発生。孫悟空がいいなりになるのがわかるぐらいのもの。動けない。起き上がれない。吐き気もひどい。本気で死ぬのではないかと思った。ひたすら薬が抜けることを願っていて、電話、メール、TwitterなどのSOSは思いつかず。家人の帰宅第一声が「顔が真っ白」。おうどんを用意してくれたものの、一口食べたところで吐き気MAX。吐くように命令される。吐く時の内臓の動きとか気持ち悪さとかが嫌で我慢してしまうのだが、吐いたら、なんだか楽に。あの内臓の動きって凄いよね。人間って動物だなぁと思うよねぇ。自由に動かせたら、格闘技での急所が減る……とか話が逸れるな……。だんだんと顔色が戻り、吐き気も治まり、しゃべるようになり(家人談)、少しずつ食事がとれるようになった。頭痛と闘っていた時から思っていたが、この薬が身体に合わなかったんだろう。血流増やして何故顔から血の気がひく? 私の身体の1パーセントもないくせに、ここまで身体に影響を及ぼしますか? 蟻一匹を退治するために象を連れて来たみたいな、母屋壊れますがな、というようなイメージ。もう飲まん。週末もずっと寝ていて(いつまでも寝ていられる。眠くて仕方がない)、ようやく身体も耳も楽になってきた。原因に、不規則な生活、睡眠不足に加え、バレエやっていないのもあると思うんだなぁ。忙しくてやっていなかったら、肩こりや腰痛がひどい。週一の趣味バレエは、どれだけしんどくても身体を引きずってでも参加したら、終わった頃には肩こり腰痛がすっきり。忙しい時こそ、ストレッチや運動不足解消が必要なんじゃないかと思うよ。(hammer.mule)