●太田光「向田邦子の陽射し」を読む(文芸春秋、2011)。「最強の向田論、最高の入門書」という惹句に、何言ってやがると思った。だが、新版「向田邦子全集」の月報に連載されたテキストとNHK教育テレビ「知るを楽しむ=向田邦子」での太田の講義録、向田和子との対談、太田の選んだ向田作品の小説とエッセイ10篇、映像シーンの10篇を収めた構成は過不足なく(この本の全体の1/3は向田邦子作品である)、読み終えたら確かにそのとおりであった。太田が向田邦子のそうとうな見巧者であることは間違いない。作品分析は的確で、わたしも何となく思っていたことがズバリ言語化されていて気持ちいい。「向田さんの作品は、不道徳である、と思う。」「向田さんの言葉は、本当の大人の悪だ。にもかかわらず、向田さんの作品は有害とされるどころか、逆に誰からも尊敬され続け、美しく、品があり、礼をわきまえた、正しい姿、といったイメージすらある。私はこれが、向田邦子の“恐ろしさ”だと思う。」みごとな解釈だ。向田は、愛、美、感動、悲しい、憎い、寂しい、悔しい、など感情を形容する便利な言葉を使わないという。初めて知った。向田小説をずいぶん読んだのに気がつかなかった。一時期夢中になったが、けっして読後感がいいわけではなく、いつのまにか遠ざけていた。太田は「向田邦子を読むと自信が持てて、楽しくなって」と書く。そうかな〜、では文庫本棚の奥の奥を捜索してみるか。(柴田)
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●便利な言葉ばかり使ってるぜ……。高校生ぐらいまでは、まわりの人たちに、あなたの使う単語の意味がわからないと言われ続け、お母さんみたい、先生みたいと言われ、年上の人たちには、よくこんな言葉知ってるねと言われていたのに、今や陳腐なボキャブラリーしか持ち合わせていない〜。感性よ感性、わかるでしょ、言いたいこと。(滝汗)/ネタなし。いや、あるけれど書くには調べものが必要になるので、書けず。仕事てんぱり中。まさかのスケジュール前倒し+予想外の出来事あり。睡眠不足と肩こり腰痛で体ボロボロ。突入前にひとときの休息と栄養補給をしたが、連日のインスタントとファストフード、冷凍食品で燃料切れ気味。急に冷え込む日々が続き、暖房つけると頭がぼーっとして眠くなるし(それでなくても睡眠不足)、着込むと肩こりがひどくなるし、着込んで体がどうにかなっても、手先が冷たくてしびれ気味。入力スピードが落ちる。で、そうだったわ、冬のお仕事ってこうだったわ、とじわじわ思い出してきている。夏と違い、夜中仕事がきつくなるんだったわ。床に気軽にごろ寝ができないんだったわ。ツライのぉ、とめげそうになっていたら、他の方か
らもっと大変そうな状況を聞き、そして過去の自分の仕事を思い出して、こんなのツラくなんてないもん! と奮い立たせている。ヘルプするぞ〜の声に助けられている。助けてもらえる自分は幸
せだっ。(hammer.mule)