●内館牧子「十二単を着た悪魔」を読む(幻冬舎、2012)。昨年、新聞広告で見た時は、副題の「源氏物語異聞」と大きな文字の「源氏物語は、千年後を予見した優れた現代小説だった!」「無能な男など、愛欲に溺れていればいい」しか気がつかなかったので、紫式部主役の平安草紙かなと思っていた。読み進めるうちに、この時代の常識から外れた言動で、強くて狡くて決断力のある女が現れた。主演女優は弘徽殿女御だったのか! これには驚いた。
筆者は高校生の頃から、誰よりも誰よりも弘徽殿女御が好きだった。幾度も源氏物語ブームが起こったのに、弘徽殿女御が見直されたとか人気が出たということはなく、それが不満だった。ある日、映画館で「プラダを着た悪魔」を見たとき、メリル・ストリープ演ずる辣腕キャリアウーマンに弘徽殿女御が重なり、女御は十二単衣を着た悪魔だったのだと閃く。それから源氏物語を弘徽殿女御コードで読み解き、4年を費やして小説化させたのが本作である。
だが、現代の青年が平安時代にタイムスリップする設定はいささか平凡だ。おっと、正しくは「源氏物語という架空の世界」にタイムスリップするのだ。過去に飛ばされた主役の若者は、源氏物語の十三帖「明石」までのあらすじ本を持っていたので、登場人物の先々を知っている。弘徽殿女御と春宮のパーソナル陰陽師として、この時代でというかこの世界でなんと26年を過ごす。
設定はラノベみたいで、内心バカにしていてごめんなさい。内容は新しい視点で見た源氏物語の世界だ。ぐいぐい引き込まれる。タイムスリップものといえば、最後には元の世界にもどるのがお約束だ。どうやって無理なく現代に戻し、その後もうまくつじつまをあわせるか。読んでいる間中、それが気がかりだったが、感動的なオチをつけてくれた。
筆者は主役の口を借りてこう言う。「何よりムカつくのは、ひどい目に遭わされ続けながら懸命に生きた女御が、千年後のあっちでは知名度があまりにも低いことだ」。単にトゲトゲしくて底意地の悪い女と誤解されている女御に光を当てた、内館版源氏物語。傑作。絶賛おすすめ本であります。たまたま、与謝野晶子訳 全訳源氏物語Kindle版(青空文庫版全巻セット)が99円だったのでダウンロードした。(柴田)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344021754/dgcrcom-22/
内館牧子「十二単を着た悪魔」
●『MAC POWER』連載を読んで憧れていた川崎和男氏。何年か前に聞いたデザイン系セミナーでの話がとても面白かった。阪大に来られてから、一度授業を受けたことがある。仕事が忙しくて全然通えなかったんだけど。とにかく理論的だったり、実情や本音トーク満載だったりの面白い授業で、Ustでの中継をしていたものの、ヤバい話になると中継を止めなければならないという……。氏の阪大での最終講義と懇親会がこの土曜日にある。まだ受付しているみたいなので、興味のある方はぜひ!
クレカ・テレカ続き。通信費など自動引き落としが増えると、カード乗換に伴う変更手続きが面倒になり、そのまま使い続けてしまう。
昔読んだケント・ギルバートの本に、アメリカ的クレカの話があった。クレカを使い続け、遅延しないことによって信用を積み上げることができるという話だった。だから使いなさいと。返済実績を積みなさいと。
さすがキャッシュレス社会の進んでいるアメリカ人の考え方だなぁと、その時は思った。仕事をしはじめると、納品から入金までの期間が空くと、運転が厳しいとは思うようになった。サブプライムローンによる不況で、アメリカって……と考えるようにもなった。クレカネタが続くか続かないかは私次第。(hammer.mule)
http://kzthefinal.peatix.com/
川崎和男教授 大阪大学大学院最終講義+懇親会
http://ja.wikipedia.org/wiki/川崎和男
http://garasunokamendesuga.ponycanyon.co.jp/
『ガラスの仮面ですが』TwellVで4/7から
http://www.appbank.net/2013/02/26/iphone-news/553848.php
iPhoneアプリ開発者向け勉強会+オフ会。3/1大阪。
http://lineblog.naver.jp/archives/23921713.html
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