●鳥居民「それでも戦争できない中国」を読む。サブタイトルは「中国共産党が恐れているもの」(草思社、2013)。筆者については「膨大な資料を渉猟し、徹底した調査、考察をもとに日本及び中国近現代史を鋭く洞察した独自の史観を展開」と本のカバーにある。今年1月に急逝、この本が“遺言”ともいうべき最後の「中国論」である。淡々として格調高い論理から導かれた結論は、本のタイトル通り、いまの中国が毛沢東的な軍事冒険主義に打って出るシナリオは考えにくい、故に中国は戦争できない、とのことである。
全体になんだか翻訳みたいな文体で、それ自体は非常に味わい深くてきらいではないが、中国近現代史を多少でも知っていないとついていけない。正直に言うとわたしにゃ手に負えぬ。どうやら理解できたのは、中国共産党はどの国よりも安定(「穏定」という)を必要としており、「名のごとく平和の海」を必要としているのはどこの国よりも中国だということだ。現状では外に向かって挑戦的で、とくにアジアの海ではやりたい放題の無法者ではないか、とわたしには見えるので、「中国は戦争できない」の根拠はなんなのか興味津々だ。
中国を動かしているのは中国共産党指導部と、100人ほどの「太子党」と呼ばれるスーパーリッチである。幅広く利権と繋がって巨大なビジネスを展開し、富と力を寡占する連中である。習近平も太子党だ。彼らは腐敗と貪欲を以て団結しているが、その共通点は恐怖心で、民衆から中国の本当の敵は太子党だとバレてしまうことと、共産党の党内に大衆の味方をする勢力が力を占めることだ。少数派の太子党は、投機的な場当たり策は絶対にとれない。「穏定がすべてを圧倒する」のが原則である、とのことだ。
「中国共産党指導部と100人の太子党の人びとは、台湾海峡、あるいは東シナ海で軍事冒険することはありえない。かつて毛沢東は国民が望んでいないことを無理やりやらせようとし、国民を集団的ヒステリーの状態にしようと目論んで、台湾とアメリカに対して軍事恫喝をおこなった。その結果となる10年の文化大革命の悲劇がどのようなもであったかを痛切に記憶しているのは、太子党の人びとなのである。」
いまや世界経済に組み込まれ、貧富の格差と少子高齢化が世界でもっとも深刻化している中国に戦争などできるはずがない。国内問題が山積で民衆の不満が爆発寸前、求心力が失われている共産党指導部に残された唯一の問題解消(解決ではない。現実から目を逸らすよう仕向ける)カードが「反日」である。
わが日本は「反日」から生じる「挑発」に絶対にのってはいけないのだ。淡々と毅然と対処していくうちに、中国共産党の恐怖する「亡党亡国」が現実のものとなる。その見立て通りになればいいな。(柴田)
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鳥居民「それでも戦争できない中国」
●続き。スランプとか言ってる状況じゃないよね? ベストを尽くせば許してもらえると思っているんじゃないの? 結果がすべてじゃないの? 遊んじゃいけないの? 忙しい人ほど遊んだり、身体を鍛えているって聞くけど、あれは見栄をはっているだけ? いうほど忙しくないってこと? 自分に罰を与えて、誰が喜ぶっていうの? 誰が幸せになるの? 何度同じことを繰り返すの?
だいたい考える時間が多すぎるんだよ。もし考えずに手を動かせば、多少クオリティは落ちても、たくさんのことはできるはずだ。自分の「楽しい」「嬉しい」時間だって持てるし、人との約束はでき、連絡だってできる。続く。(hammer.mule)