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2013年09月25日のアーカイブ

●かつて映画「インセプション」DVDを少し見ただけで、こりゃアカンさっぱりわからないと投げ出してしまった。こんなことは滅多にない。よほどイライラしてたのか。さて、「ものすごい才能が出現した。めくるめく迷宮感覚と独創性は『インセプション』を凌ぐ。2010年代を背負って立つ、最強の新人だ!」と絶賛するのは大森望。この人がこういうんだから読まなくては。乾緑郎のSF「完全なる首長竜の日」(宝島社)である。2011年第9回「このミステリーがすごい!」大賞作品だ。この小説が書かれたのは「インセプション」公開以前である。


たまたま宝島社の新聞広告で、歴代の大賞作品が紹介されていたので読んでみた。少女漫画家の和敦美は、自殺未遂で植物状態になった弟の浩一と、SCインターフェースという機器を介する最新医療技術センシングにより、対話を続けている。SCインターフェースの仮想世界で実体化した浩一は、「なぜ自殺を図ったのか」という敦美の問いかけに答えることはない。やがて謎の女性が浩一と接触したことにより、敦美の周囲で不可解なことが起こり始める。


ヒロインの漫画家、アシスタント、担当編集者による日常は極めてリアルでとても興味深い。一方、センシングで敦美が見る世界はどんな現実味があっても現実ではない。だが、次第に仮想と現実の境界線は崩れ始める。どちらが夢でどちらが現実かも判然としない。度々出てくるキーワードが「胡蝶の夢」である。荘周という人が夢の中で蝶になったが、それはもしかしたら蝶が見ている荘周の夢かもしれないという、中国の故事だ。ヒロインがそんな状態だから、読んでいる者にとって、現在のシーンは虚構か現実かの区別がつかなくなる。ちょっと戸惑うが、その現実崩壊感覚は気持ちよくもある。


そして意外な結末。こういうことだったのか〜(じつは予測してたけど)。幼い弟が海で溺れるシーンは何度も繰り返される。その弟が自殺未遂で植物状態になったという設定は妙だなと途中で気がついたが、いちおう納得できる。しかし、何度も語られるいくつかの印象的なビジュアルは収束されていないような気がする。この作品は黒沢清監督で映画化された。姉と弟という設定を恋人にしたほか、大幅な変更を加えているようだ。DVDがレンタル開始したら見なければ。また「インセプション」も再挑戦しなければなるまい。(柴田)


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4796687874/dgcrcom-22/
乾緑郎「完全なる首長竜の日」


●大阪マラソンの参加案内が来た。チャレンジランなので、走るとは言いづらいが、走ることは走る。が、もう一か月切ってるぞ。仕事でてんてこ舞いで、もう一か月ぐらい走っていないのではあるまいか。せっかく毎日6km走れるようになったのに、また2kmぐらいからスタートか。来月はじめからリスタートしたい。したい。したい。このままではヤバし。完走のタオルとメダル欲しいなぁ。(hammer.mule)

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