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おかだよういち


No.44で買ったばかりのファーストインプレッションを書いてからしばらく経ったので、その間に使ってみたCX4の感想などをレポートします。


RICOH コンパクトデジタルカメラ CX4
http://amzn.to/fazU1E


コンパクトデジカメは各社いろんなモデルを発売していて、どれが一番いいのかなんて断言するのは正直不可能です。とにかく機能もまちまちだし、持つ人の用途やよく使うシチュエーションで良し悪しは決まってくるでしょうし、単純に好みの問題なのかなと思います。


普段、大きくて重いデジタル一眼レフを常に持ち歩くのはちょっと億劫なので、いつでも持ち歩き用のコンパクトデジカメが欲しかったわけです。数年から使っていた、同じくリコーのGX100が調子悪くなってきたので、基本的な操作が同じCX4にしました。


リコーは歴代マクロに強いカメラで、レンズの先1cmまで寄れます。ズーム全域でマクロ撮影できます。背面のアジャストボタンを、親指で左へのチューリップマークに倒すだけで接写モードになります(若干反応が鈍いような気がします)。


野口英世を撮ってみました。
http://flic.kr/p/8YVzxY
普通にこれくらいは楽勝で寄れます。さらに望遠にズームすると…。
http://flic.kr/p/8YVzNS


ピントも浅くなるし、手ブレも気になってきますが、かなりの接写が可能です。花や昆虫など接写してみると楽しそうです(動く被写体はピントもブレも難易度高いですが……)。


楽しい機能としては「クリエイティブ撮影モード」。モードダイヤルを「C」に合わせると6種類のアーティスティックな表現で撮影できます。
http://flic.kr/p/8YUn9k


1.ダイナミックレンジ
2.ミニュチュアライズ
3.ハイコントラスト白黒
4.ソフトフォーカス
5.クロスプロセス
6.トイカメラ


撮影設定で「+通常撮影」をONにしておくと、効果付きと通常撮影2枚が保存されます。かなり大げさな効果が付くので、この設定をONにして効果なしバージョンも残しておくと、後から選べてよさそうです。では、クリエイティブモードで撮ってみたのをいくつかアップしたので見てみましょう。


http://flic.kr/p/8YUSRB
ハイコントラスト白黒で撮ったもの。何気なく撮ったものでも高いコントラストのせいかなかなかアートな感じです。ちなみにノーマルのものはこちら。
http://flic.kr/p/8YUTft


クロスプロセスは出たとこ勝負。撮影時に液晶で効果がかかった状態が表示されていますが、このモードは撮るたびに違う色味のフィルターがかかったような効果が付きます。
http://flic.kr/p/8YUUM6
昔、保存状態をわざと悪くエイジングした期限切れのカラーフィルムを使って出たとこ勝負の色を楽しんだ感じに似ています。ノーマルがこちら。
http://flic.kr/p/8YXYBL


http://flic.kr/p/8YYjiN
ソフトフォーカス。全体的にやわらかくふわっとした感じになります。使いどころが難しそうですが、花とか結婚式でのワンシーンとかで使うとよさそうです。


一番派手で面白いのがトイカメラ。彩度が極限までアップして周辺が少し暗くピントがぼやけた感じで、更に歪んだ感じになります。まずは空に飛行機雲。
http://flic.kr/p/8YUTQn
こちらがノーマル。
http://flic.kr/p/8YXXCd


紅葉。もう鮮やかになりすぎて色飽和をおこしてしまってます。
http://flic.kr/p/8YUToF
こちらがノーマル。
http://flic.kr/p/8YUTA6


ポートタワー。周辺がトイカメラっぽく変形させているようで元と比べると一部切れてしまっています。
http://flic.kr/p/8YZ8Hh
こちらがノーマル。
http://flic.kr/p/8YW5Ha


クリエイティブモードとは別に、「SCENE」にダイヤルを合わせるとシーンモードになり、11種類のシチュエーションから選べるようになります。これは、他社のコンパクトデジカメにも同等の設定があると思います。変わっているのは「夜景マルチショット」です。夜景を撮る時に使うモードで、シャッターを押すと自動で4枚連続撮影したものを合成し、手ブレが目立たないようにしてくれます。


http://flic.kr/p/8YUUs6
http://flic.kr/p/8YXY6u
KOBEルミナリエで撮ったものです。凄い人ごみで目の高さでは撮れなかったので、思いっきり手を伸ばして頭の上くらいにカメラを構え、かなり不安定な状態で撮っています。普通ならブレブレ必至な状況ですが、一応ちゃんと撮れています。


とにかく、撮影モードや設定項目がたくさんありすぎてまだ全部使い切っていないので、CX4を自分の思い通りに手足のように使いこなすにはまだしばらくかかりそうです。そして上手く使いこなすには、よく使う設定をモードダイヤルの「MY1/MY2」に登録して、いつでもすぐに呼び出せるようにしておくことと、「Fn」ボタン(ファンクションボタン)に何を割り当てるかがキモじゃないかと思います。


その辺は人によってよく使う機能もまちまちだと思いますから、これが正解というのはないのでしょうけど、年末年始にもっと使ってみて、どんな設定が「おかだ的ベスト」か探ってみようと思います。固まってきたらまたお知らせしますね。


そんな感じで、今までテレビCMとか全くやらなかったリコーのデジカメですが、斉藤和義の曲をBGMに最近やたらとテレビCMが放送されています。発売当初より値段も下がってきて、だいぶお買い得感が出てきました。クリスマスの自分用プレゼントにいかがでしょうか!


【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
http://s-style-arts.com/
okada@s-style-arts.com
<twitter:http://twitter.com/okada41>


ペンタックスのカラフル一眼レフ「K-r」にも、前機種の「K-x」に引き続きコレジャナイロボモデルが発売されますよ! 限定100台なので秒殺必至だと思いますが欲しいですね! 予約開始は12月24日正午。
http://shop.pentax.jp/shop/goods/goods.aspx?goods=14886

上原ゼンジ


iPhoneに宙玉レンズをくっつけられないだろうか? ということは、以前から考えていた。実際に宙玉レンズをiPhoneの前にかざして撮影をしてみると、なんとかいけそうな感じだ。ただし、きちんと撮影するためには、宙玉レンズとiPhoneの間に凸レンズを一枚入れないといけない。それと固定の方法はどうすればいいだろう?


宙玉レンズというのは、透明球に映る世界にピントを合わせるので、近接撮影ができることが条件となる。だから、マクロレンズ、クローズアップレンズ、接写リングといったものを利用するか、元々最短撮影距離が短いということが重要だ。また、装着するためにフィルター用のネジを利用しているので、このネジがないコンパクトカメラや携帯電話の類いだと、別の取り付け方法を考えないといけない。


どうしようかなー、などと気をかけつつも、なかなか時間がとれずに放置していたのだが、ついに工作に着手。iPhoneによる宙玉ムービーの撮影に成功した。すっごいクールな映像(ホントか?)が撮影できたので、ぜひご覧ください!
http://www.youtube.com/watch?v=a3TauvL_VrQ


ポイントはパンをした時の映像の動き方だ。この宙玉レンズでは、球の内側と外側で天地逆さまになって見えるのだが、パンをさせると内側と外側で逆の動きになる。たとえば、内側が右に流れていけば、外側は左に流れていく。上下方向にパンした場合、やはり内側が上に流れれば、外側は下、という感じで像は動く。これはけっこう不思議な感じだ。


私はスチルが専門だから、面白いと思いつつ映像作品は作って来なかったんだけど、すでにPVで使われたりしている。Lily.さんの「気づいてよ…I Love You」のミュージックビデオがそれ。さすがプロですね。効果的に使用されてました。


TwitCastingで「宙玉iPhone部」


この「宙玉レンズ for iPhone」は例によって、チップスターの空き箱を使った手作り品だけど、工作キットを作って欲しいというリクエストを、たった今TwitCastingで受けてしまった。昼飯を食い終わってTwitterを見ていたら、KEN3TVがツイキャスをやっているところに遭遇。しかも、ちょうど私の宙玉レンズの紹介をしていた。


先日、オライリー・ジャパン主催の「Make:Tokyo Meeting 06」に半日だけ出展してきたのだが、その時KEN3TVが見に来てくれ、iPhoneで撮影していったムービーを使いながらライブで紹介してくれていたのだ。KEN3TVがMTMに来てくれたのは、私が前日に「MTMにゲリラ出展! 東京工業大学生協食堂で待つ」というツイートをしたから。そして、それが初対面だった。


ツイキャスではその場で「宙玉iPhone部」とか出来ちゃうし、なんだか不思議な世の中になったものだ。まあ、せっかく盛り上がってくれたから、なるべく早く試作品を作ってみたいと思う。
http://ken3tv.com/


●「Soratama – 宙玉レンズの専門サイト」を公開


懸案だった宙玉レンズの専門サイトがようやくできあがった。「Soratama – 宙玉レンズの専門サイト」だ。いずれ世界制覇したいと思って「www.soratama.org」というドメインを取得していたのだ。これからは「Sushi」や「Kawaii」とともに「Soratama」もワールドワイドな言葉になっていくことでしょう。
http://www.soratama.org/


まだコンテンツはあまり多くないが、いろんなカメラでの宙玉レンズの装着法を事例として紹介している。おすすめはリコーのGRに宙玉レンズを着ける方法。今まではチップスターの空き箱を使う方法を紹介してきたが、ここではラバーフードを使う方法をまとめた。HOYAマルチレンズフード(49mm径)に70mm径の宙玉を着けるとピッタリとはまるのだ。


「チップスターじゃ、ちょっと……」と思っていた人は、ちょっと見てみてください。なかなかかっこいいですよ。ただ、このカメラの場合は最短撮影距離が約1cmと短く、かなり寄って撮影できるのが大きなポイント。どんなカメラでもいいというわけではない。あと同じようなことができそうなのは、ニコンCOOLPIX P7000、キヤノン PowerShot G12あたり。寄れるカメラをお持ちの方はぜひ試してみてください。


宙玉サイトでは、コンパクトデジカメに取り付ける方法も紹介している。コンデジの場合は、フィルター用のネジが切っていないため取り付けが難しかったのだが、透明ゴムを使って取り付ける方法を思いついた。透明ゴムと言っても実際はポリウレタン製。ビーズに通して使うもので、手芸品店などのビーズ売り場で購入可能。これもぜひ試してみて欲しい。


今後はもっと事例を増やしたり、他の人の宙玉写真をいっぱい掲載したりして、内容を充実させてゆきたいと思っている。もし、面白い工作ができたり、写真がとれたら、ぜひご協力ください!


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
http://www.zenji.info/
http://twitter.com/Zenji_Uehara

おかだよういち


前回の続きで、インスピレーションを得られるiPadの写真閲覧アプリを紹介します。アイデアが浮かばない時に、これらのアプリで写真を観ることで何かヒントが浮かぶのは、人の写真を観ることで脳が活性化するからだと思います。


◆imagenavi(無料)
http://itunes.apple.com/jp/app/imagenavi/id398951568?mt=8
ストックフォトサービスの「imagenavi( http://imagenavi.jp/ )」のiPadアプリ。
http://flic.kr/p/8TCSy


imagenaviに登録されているストックフォトがテーマごとにランダムに表示されます。
http://flic.kr/p/8TFYiQ


ストックフォトなので商用が前提の写真がほとんどですが、一覧で表示されているサムネイル画像を眺めていると、まだ固まっていないデザインのアイデアがなんとなくまとまってくるから不思議です。


http://flic.kr/p/8TFYiQ
右下のシャッフルボタンをタップすると、新しいセットが読み込まれます。一覧で気になった写真をタップすると大きく表示されます。


http://flic.kr/p/8TFYt1
「詳細を見る」でSafariが起動し、該当の写真のストックフォトページが表示されます。


http://flic.kr/p/8TFYKq
Safariでその写真を購入することもできます。使い勝手から言うと、いちいちアプリとSafariを行き来するのがちょっと面倒なので、できればアプリ内で完結してほしいところです。今後のアップデートやiOS4のマルチタスクに期待しておきましょう。ただ、Safariからアプリに戻った時に先程の状態がキープされていますので、探しものの途中で見失うこともないでしょう。


★を付けてマークしておくと、一覧表示でもサムネイル上に★印が付いて、リロードしてもキープされます。しかもその写真に似たものが次から現れるようになります。
http://flic.kr/p/8TCSZH


◆Flipboard(無料)
http://itunes.apple.com/jp/app/flipboard/id358801284?mt=8
http://www.flipboard.com/


ソーシャルマガジンアプリ「Flipboard」は、iPadの魅力をたっぷり堪能できるアプリ。雑誌をぱらぱらめくっている感覚で、自分が登録したサイトに掲載されている写真を見ることができます。また、TwitterやFacebookのアカウントやリストも登録できるので、フォローしている人がアップした写真も雑誌風に眺めることができます。普段の文字ベースのタイムラインと全然印象が違っておもしろいですよ。
http://flic.kr/p/8TH7p5


前回紹介した、報道カメラマンが撮影した高画質写真を閲覧するアプリや、先のストックフォト閲覧アプリのようなプロが撮影したものとはまた違った、友人や知人が普段の生活の中でなにげなく撮ったタイムライン上の写真は、それはそれでインスパイアーされることが多く楽しめます。


起動すると写真のスライドショー。雑誌の表紙の部分です。
http://flic.kr/p/8TDKqe


フリップしてページをめくります。ここが雑誌の目次のページになります。好きなコンテンツをいろいろ登録してみましょう。
http://flic.kr/p/8TGRoL


FacebookとTwitterのアカウントを登録。
http://flic.kr/p/8TGRtq


アカウントと連携完了すると目次のページにタイムライン上の写真が表示され、この写真も数秒ごとにパラパラと変化します。目次だけ見てても楽しい。
http://flic.kr/p/8TGRKf


他にまだ空欄があるのでタップして興味あるコンテンツを追加してみましょう。
http://flic.kr/p/8TDL2k


アイデアの宝庫「FFFFound」も閲覧できますよ。
http://flic.kr/p/8TGS8o


これらのアプリを使ってアイデアを創出するきっかけとするだけでなく、人が撮影した写真をいっぱい眺めていると、「こんな写真撮ってみたいなぁ」とか「この場所どこだろう?」とか「どんなライティングだろう?」など色んな疑問や好奇心がわいてくるはずです。人が撮った素敵な写真を沢山見るということは、写真の上達にもつながると思います。


デスクでパソコンを使っての作業ではなく、ゆったりソファでくつろぎながらリラックスしてiPadで写真をたくさん眺めるのはとても贅沢なひととき。いろんなアイデアがいっぱい湧いてきますし、写真を撮りに外へ散歩に行きたくなります。そこでまた新たな発見があるというポジティブな循環がはじまりますよ!


【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
http://s-style-arts.info/ okada@s-style-arts.com
<twitter:http://twitter.com/okada41>

所幸則 Tokoro Yukinori


今年は半分近く海外で過ごしていたような気がするけれど、よく調べてみると3割前後、そんなものだった。外国にいることによるストレスで長く感じていたのか、いつもの渋谷にいるときよりモントリオールやNYや上海の方が印象が強いとか、リラックスできないからというのもあるんだろうか。やっぱり日本が一番であるとしみじみ思う。


とかいいながらも、11月4日から上海に行き、個展の会場であるepSITE Epson Imaging Gallery(中国上海莫干山路50号7号楼106室)の設営を見届けなければならない。


今回の個展は、去年写真雑誌の編集長の石田さんに上海に連れて来てもらって、撮影してみたところから話が始まった。上海のepSITEはあまりメーカーのギャラリーという印象も薄いし、M50(莫干山路50号)というアート村のような所にあるので、アート好きが集まるという話を北京のエプソンの川島さんから聞いていた。行ってみたらとてもいい場所だったので、当時の上海epSITEの館長の王さんに作品を見せたところ即個展が決まった。


随分たくさんの人の力を借りて決まったこの個展。さあ作品も揃ったしいよいよやるぞ、というところであの尖閣の漁船衝突があって、日中間の政治的問題や中国の国内情勢も急展開。できれば個展を止める方向に、という力が動いたこともあったのは事実。


個人なんてちっぽけなものだなーと痛切に感じた。それでもなんとかいろいろな難題を乗り越えて、個展開催にこぎつけたようなので、[ところ]は4日に上海の虹橋空港に到着。税関とか検査とか、この時期は日本人にたいして凄く厳しいのかなーと少なからず危惧していた。今回、渋谷のオリジナルプリントを13枚ほど持ち込んでいたので、スーツケースを開けていろいろ言われたらどうしよう、などと不安だった。


友人へのプレゼントとか、言い訳しようかなとか思ってたけど、事細かに調べられれば、個展やることも作品の値段もわかるだろう。関税33%取られた人の話も聞いたことあるし、小心者の[ところ]としてはビビるビビる。税関の出口に大きなX線の調査マシンが用意してあるし、あーやだなあとか思っていたら、そのまま外に出てよいとの指示。でかい荷物を大量に持ってる人とか、怪しそうな人だけ再度調べられるようで、ほっとした[ところ]でした。


さて、DMもできてないという話なので、ホテルに着いてすぐにoffice339の鳥本くんとギャラリーに向かう。個展の2日前の時点で、ポストカードもリーフレットもできていないというのは日本では考えられない。たぶん、ギリギリまで中止の可能性を考えていて遅らせたのだろう。開催中の展覧会会場には、次回の展示のDMが置いてあるのが普通だ。ミュージシャンまで日本から連れて来て、オープニングパーティをやるのに、これでは人が来ないじゃないか。かなり焦ったが、まあこれで挫けてたら個展なんかできない。


この日は会場で作品の設置スペースなどを決めるために行ったのだが、すでに出来ているはずの額縁がまだなかった(!)。しかも、会場の壁を塗りなおしている真っ最中だった(!)。結局、日本から持ってきたオリジナルプリントにサインをして、額装する業者に渡すだけで帰ることにした。


2日目の11月5日、13時にギャラリーに向かう。明日は13時に来てくれとギャラリー側の責任者に言われたからだが、行ってみると関係者は誰もいない。額縁はすべて揃っていて、それだけは安心した。しかし、中国語しかわからないギャラリーの関係者でもない人達と、黙々と液晶プロジェクターのセッティングをしている専門の業者がいるだけ。13時40分ぐらいに、やっとギャラリーのスタッフがコンビニ袋とか抱えて4人ほど入ってくるが、[ところ]のことは知らない顔して、自分たちだけスタッフルームに入っていく。ちょっと不思議。


14時前には鳥本くんも来て、額縁の並べ方を決め始めることにした。だが、液晶プロジェクターの関係者の道具が散らかっていて、そっちのエリアには置くことができない。もうセッティングはほぼ終わっているようなので、14時半ぐらいになって、どかしてくれないかとギャラリーの責任者にお願いしてみる(この人だけ日本語が少し喋れる)。


しかし、20分ぐらいたっても進展がないので、すぐにどかすように言ってくれと催促すると、しばらく待ってくださいと言う。「私は13時から待っている。もう15時になる。あなたが13時に来てくれと言ったのですよ。あなたは13時にはいなかった。14時まで顔も見せなかった。私はもう充分待った。今すぐ行動して下さい」これぐらい主張して初めて相手は動く。国民性の違いだろう。


[ところ]が順番や配置を決め終わった額縁を、13時に来ていて何者かわからなかった人達が、光の出る水準器で壁に線を照射して額縁を設置し始めた。凄く手際がいい。始まるとものの30分足らずで43枚の額縁が壁にかかった。いい仕事だ。彼らもこれで帰れるし、よかったよかった。


途中で「私は空間デザインの勉強をしていますが、この一列に並んでいるパートを4枚セットのブロックにした方が面白いと思うのでやっていいか」と、いままでろくに寄ってこなかった女性が主張してくる。そのパートは[ところ]にとってとくに大事な「渋谷1second」の作品だった。


「この一連のシリーズは、始まりから終りまですべて考え抜かれた順に並んでいる。なにも変えることは許しません」と毅然として答えた。これで終わりだ。大陸の人達は、ただの素人レベルの思いつきでも堂々と主張してくる。対する我々も、しっかり意見を言わないと無茶苦茶にされる場合もあるから気を付けないと。


次の日がオープニングだった。前夜に無事到着した、友人のMystic Floor(近江賢介、深見真帆)によるDJイベントも好評だったようだし、作品を見たお客さんが何人も値段を聞いたり、質問をしてきたりと、忙しい初日になった。[ところ]も鳥本君もホッと一安心。結果としては会場も素晴らしいし、大判のプリントアウトも素晴らしい品質のものを飾れた。いろいろあったが、中国のギャラリースタッフにも大感謝の[ところ]である。


鳥本君について、少しばかり説明をしておきます。上海にギャラリーも持つOffice339は、現代アート中心のアートマネージメントをしている会社で、そこの代表が鳥本君です。[ところ]のアジアでのマネージメントもしてもらうことになりました。今回、個展のDMが一枚も送られていなくても、彼が顧客にメールでオープニングの招待状を送っていたので、なんとかお客さんも来たというわけです。彼がいなかったら、マスコミをはじめ誰にも知られることなく寂しいオープニングになったと思う[ところ]です。


打ち上げでは最高に素敵な夜景スポットに連れて行ってもらいました。
http://tokoroyukinori.com/essay/


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 http://tokoroyukinori.seesaa.net/
所幸則公式サイト  http://tokoroyukinori.com/

おかだよういち


先日新しいMacBook Airが発売されて以来、ちまたの注目はすっかりiPadからAirに移ってしまったようです。やはり、MacでPhotoshopなどの本格的なアプリケーションを使って仕事ができるのは魅力的です。


しかし、iPadもまだまだAirとは違った魅力があります。シンプルで直感的な操作で、パラパラ雑誌をめくるように次々と出てくる素敵な写真を眺めていると、感性が刺激されてインスピレーションが湧いてきます。


それがリビングのソファででも、公園のベンチででも、お洒落なカフェでラテを飲みながらでも、鞄から出してそのまますぐに使える。ノートパソコンのように開く動作すらないのですから、思考を遮られることがなく、アイデアを産み出すツールとしてはとても優れていると思います。


あらゆる場面で何かアイデアを出さなければいけない時、パソコンや画用紙の前で腕組んで唸りながら頭をひねっていても、多くの場合何も思いつきません。そんな時にどうするかというと、FRISKを一粒口に入れるとか、自転車で街を走ってみるとか、いっそのこと気になってる映画を観に行くとか、マッサージに行くとか、人によってトリガーとなる行動はさまざまですが、自分以外の人が撮影した素敵な写真をiPadで次々と眺めるというのも、なかなか効果のある解決策じゃないでしょうか。今回はそんなアプリ(しかも無料!)を何個か紹介します。


Explore Flickr(無料)
http://itunes.apple.com/jp/app/id372457895


この連載のサンプル写真置き場でも利用しているのでもうお馴染みのFlickrですが、Webのインターフェイスは決して使いやすいものではありません。このアプリはFlickrのExploreページ
http://www.flickr.com/explore/
に出てくる写真を閲覧するアプリです。


起動すると画面一面にサムネイルが敷き詰められます。
http://flic.kr/p/8PTp3K


このモザイク状のサムネイルは、眺めてるだけでも脳が活性化する感じがします。サムネイル画像は、一定時間ごとにくるっと回転して新しい画像に入れ替わります。気になった写真は、サムネイルを指で触れると高解像度の写真が読み込まれます。
http://flic.kr/p/8PTpha


左上の歯車アイコンに触れると、iPadにダウンロード出来たり、実際のFlickrのページを見ることも出来ます。「View Photo on Flickr」をタップすると、Safariが起動するのではnaく、今見ている写真がくるんと回転して、アプリ内でFlickrのページにとびます。続けて見る場合、いちいちSafariとアプリを行き来しなくていいので思考が中断されませんね。
http://flic.kr/p/8PTppr


また、作者が写真のダウンロードを許可していない作品の場合は、保存できないようになっています。
http://flic.kr/p/8PTpyx


このアプリはiPhone、iPad両方に対応していますので、iPhoneの人も画面が小さいバージョンで使えます。


LIFE for iPad(無料)
http://itunes.apple.com/jp/app/id399415330


アメリカTime社の、歴史ある有名な雑誌「LIFE」
http://www.life.com/
のiPadアプリです。LIFEは写真を中心とする雑誌で、戦場写真やスポーツ、政治、生活などありとあらゆるドキュメンタリーフォトで誌面が構成されています。その誌面を飾った、ショッキングな写真からユーモア溢れるものまで色々な写真がiPadで閲覧できます。
http://flic.kr/p/8PY7wN


起動すると、世界地図上にピンが立った画面が表示されます。ピンをタップするか右上のBrowse Locationsをタップして場所を選択すると、その場所に関連する写真のサムネイルが表示されます。
http://flic.kr/p/8PY7J5


試しにJapanを見てみましょう。
http://flic.kr/p/8PV24v


日本の風景やライフスタイルや歴史史跡などの美しい写真が表示されます。
http://flic.kr/p/8PV29t


LIFEのフォトジャーナリストが撮った写真なので、我々日本人とはまた違った視点で世界を見ているのが感じられて興味深いですし、そこから学ぶことも多くあります。


気になった写真はFacebookやTwitterで共有できますし、メールに添付することもできます。これぞLIFE誌という感じの、見事なシャッターチャンスを捉えた写真などは、アマチュア写真家が撮る写真とはまた違った凄みが伝わってきますよ。
http://flic.kr/p/8PY87S


The Guardian Eyewitness(無料)
http://itunes.apple.com/us/app/id363993651


こちらは英国guardian.co.ukに、フォトジャーナリストから送られてくる世界のさまざまなニュース写真を閲覧できるアプリです。これもLIFE同様、素人ではなかなか撮影不可能な写真が満載なのでとても勉強になります。
http://flic.kr/p/8PZjod


ロゴからもわかる通り、Canonがサポートしているようなので写真のクオリティも本気で高いです。
http://flic.kr/p/8PWdPx


起動スプラッシュ画面が終わると、いきなり画面いっぱいにもの凄いクオリティの写真が表示され圧倒されます。右上の三角アイコンでスライドショーモードになり、自動でゆっくり次の写真に移っていきます。四角のアイコンはサムネイルが表示され選んだ写真に一気にとびます。このアプリも、気に入った写真を
TwitterやFacebookで共有できます。


いかがでしょうか。インスピレーションが湧いてきましたか? MacBook Airでは得られない体験ですよね。まだまだiPadにも魅力たっぷりです。次回も引き続き、あといくつかおすすめのアプリをご紹介します。


【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
http://s-style-arts.info/
okada@s-style-arts.com
<twitter:http://twitter.com/okada41>

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