「写真を楽しむ生活」のページ頭です

写真を楽しむ生活

写真が好きなすべての人に役立つ情報クリップ。写真展情報は"日本最強"!

カテゴリ ‘コラム’ のアーカイブ

おかだの光画部トーク[18]


ホワイトバランスって何だ? その2


おかだよういち



前回に引き続き、ホワイトバランスについてもう少し勉強しましょう。


ホワイトバランスとは、どのような光の下でも適切な白に写るように、光源の色温度に合わせて基準を調整するデジカメ特有の機能です。


最近のデジカメは賢いので、AWB(オートホワイトバランス)の設定でほぼ問題なく、普段はあまり意識する必要はありません。では、どういうシチュエーションでホワイトバランスのことを考えるのでしょうか。


食べ物屋さんで写真を撮る時を想像してみてください。ちょっと薄暗い照明の、いい雰囲気の居酒屋さんで、出てきた料理や同席した友達を撮ります。多くの場合、雰囲気を大切にする料理屋さんは暖色系の照明を使っています。中にはキャンドルが灯っているお店もあります。料理は暖色系の照明で見た方が美味しく感じますし、食欲も進みますから、青っぽく色かぶりすることだけは避けたいところです。


料理の色の正確な再現よりも、場の雰囲気を写したい場合、ホワイトバランスはオートではなく、白熱灯や電球でもなく、太陽光にしてみます。その場の色温度で合わせてしまうと、せっかくの暖かい照明の雰囲気が白く写ってしまうからです。


イカのお刺身は白く写らないのですが、その場の電球やキャンドルの色が反射した暖かい色で、雰囲気を残したままの色で写ります。もちろん、料理の色を厳密に再現したい場合は、ホワイトバランスを設定すれば白いものは白く写ります。


結婚式の披露宴の撮影などでも同様で、その場のキャンドルライトの暖かい光の雰囲気を再現したい場合などは、ホワイトバランスをその場の色温度に設定せず、太陽光の設定で撮るとよいでしょう。


同じ食べ物屋さんでも、雰囲気を気にしていないところでは話は違います。蛍光灯の下では料理はあまり美味しそうに見えませんから、そのまま写真に写しても残念な結果になってしまいます。蛍光灯は、青や緑っぽい光が被るので、赤いマグロのお刺身も青緑が被さってどす黒く写ってしまいます。


ですから、蛍光灯の時はホワイトバランスを合わせて、さらに微調整ができる機種であれば、ほんの気持ち赤く転ぶ程度に設定しておくと美味しそうに写ります。


このように、被写体の色を正確に再現したい場合と、その場の雰囲気をそのまま写したい時、さらに意図的に色をコントロールしたい時に、ホワイトバランスの調整を意識します。


スナップ写真ではなく、ネットショップに掲載する商品の写真や、商品カタログに載せる写真などブツ撮りでは、特に正確な色の再現が必要です。そこで、前回ご紹介したホワイトバランスを合わせるアイテムを使ったり、グレーカードを使ったりして、色味と露出の基準を取ります。


今回は、最近見つけた、パソコンでの後処理時に役立つホワイトバランス調整アイテムをひとつご紹介します。“SpyderCube”という変わった形をしたキャリブレーションツールです。
http://www.colorvision.jp/modules/articles/article.php?id=29
http://item.rakuten.co.jp/cc-circus/spyder-cube/


18%ニュートラルグレーと白と黒が塗られた立方体を、商品の撮影時に被写体に写し込むことで、Photoshopなどの画像修正ソフトを使い後から色や明るさなど補正する場合に、作業が簡単にできるようになります。


平面のグレーカードよりも、立体のSpyderCube方がよりその場の光線の具合に合った調整ができるので、より正確な編集が可能です。商品撮影をすることがよくある人は、作業時間を大幅に短縮できますから、ひとつ持っておくといいかもしれません。


【おかだよういち/WEBクリエイター・デザイナー+フォトグラファー】
http://s-style-arts.info/
okada@s-style-arts.com

フォトセッション(正式には「FOTO SESSION ’86」)は、私が在籍した写真のグループだ。伝説の写真雑誌「写真時代」が企画した、読者参加型のイベント「写真時代倶楽部」に集まったメンバーを中心に1986年に結成された。中野富士見町にアジトと呼ばれるアパートを借り、月に一度の例会を開いて、森山大道さんに写真を見ていただいた。


アパートには現像設備も作ったので、「写真をやってみたい」と思い始めていた私は、そこで現像ができるという魅力にも惹かれて参加することにしたのだった。


フォトセッションに参加する前は、カラーポジフィルムのコダクロームで撮影していたが、参加してからはモノクロネガフィルムのTri-X400を自分でパトローネに詰めて使うようになる。これで月光の4号という印画紙にプリントするとコントラスト強い写真が焼けるのだが、みんな同じように硬くて黒い写真を焼いていた。森山大道に憧れて、ヘタな真似をしていたというわけだ。


何を撮っていたのかと言えば、街中をふらついてのスナップ写真だ。「写真をやる」イコール「モノクロでスナップ」みたいなイメージは今でもあるが、まあ当時の私もそれをなぞっていたというわけだ。


ただ、毎月森山さんに写真を見て貰う時に「ウケたい」という願望があり、当時からちょっと変なことをやっていた。たとえば、いったんプリントした印画紙に薬品を塗って、わざとムラを作ってみたり、人工着色してみたり。人工着色自体は珍しくないが、写真に水玉模様を描いて持っていった時にはちょっとウケた。


フォトセッションでの活動を開始してしばらくすると、私は会社を辞めることを考え始めた。当時私は本の雑誌社で編集の仕事をしていたのだが、日曜日以外は自由になる時間がなく、もっと撮影やプリントに費やせる時間が欲しくなってしまった。会社を辞めてカメラマンで食って行こうとかいう話ではない。ただ、写真を撮る時間欲しかっただけだ。


1986年の4月からフォトセッションの活動が始まり、夏の終わりに退職を願い出た。引き継ぎをきちんとしていって欲しいと言われ、その年いっぱい在職した。そして年明けからフリーの身となり現在に至る、というわけだ。


○上原ゼンジのツラ


フリーとなり時間がいっぱいできた私はまず、スキンヘッドにした。それまでもいろんなヘアスタイルにしてきたのだが、丸坊主というのはやったことがなかった。不摂生な編集者生活で太ってしまった私は、丸坊主にして痩せていく過程を記録しておこうとした。


完全に剃り上げてしまう前にまず、おでこにアールを入れた。生え際を曲線に剃り上げたということですね。そんなことをやっている人は見たことがなかったので、ちょっとやってみた。そして顔に油を塗り、オールバックにして撮影した。


自分で頭をツルツルにする勇気はなかったので、曲線剃り込みが入ったまま床屋に行った。床屋のお兄ちゃんは不気味なオデコの人間を見てどう思っただろうか? けっこう時間をかけて剃り上げてもらったが、「眉毛を剃ってください」というのは止めにした。それじゃ怪し過ぎる。


家に帰ると一人で眉剃りの儀式を敢行した。それまでは尊いお坊さんのような姿だったけど、いきなり凶悪な顔つきになった。眉毛は社会との架け橋だったんだな。反社会的になりたい人は眉毛を剃ればいいんだよ。興味ある方はぜひお試しください。


ポートレイトのパターンはいろいろ考えていて、たとえば小さな発泡スチロール球を頭にいっぱい張り付けて、仏像化するというのがあった。しかし、頭に接着剤を付けた場合に、頭皮にどのような影響をおよぼすのであろうか? ということを考えるとちょっとビビってしまい、このアイデアはボツにした。いつか自毛でリアル大仏カットに挑戦してみたい。


あとは、シャッタースピードを遅くして、頭を振り回して撮影するとか、鼻の穴にチューブを差し込むとか、まあ、そういったことをいろいろと試してみた。当時の写真を少しWEBにアップしてみた。ご興味ある方はどうぞご覧下さい。


◇上原ゼンジのポートレイト集
http://www.zenji.info/profile/portrait.html


○山崎弘義さんの写真展


フォトセッションのメンバーはけっこうしつこく写真を撮り続けているけど、その中の一人、山崎弘義が現在写真展を開いている。山崎さんは路上で人間に肉薄する写真を撮ってきた。しかし、近年は認知症になったお母さんの看護で、そういった写真も撮れなくなっていたようだ。


そして、ある時から山崎さんはお母さんのポートレイトを撮り始める。お母さんを撮影した後に庭の片隅を撮影する、ということを3年の間毎日繰り返し、1149カットの写真を撮影。その中の約40点が現在展示されている。


◇山崎弘義写真展「DIARY」
http://www.upfield-gallery.jp/
会期:8月20日(木)〜9月6日(日)12:00〜19:00
会場:アップフィールドギャラリー(東京都千代田区三崎町3-10-5 原島第3ビル304 TEL.03-3265-0320)


・山崎弘義ホームページ
http://homepage3.nifty.com/hiroyama/


【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com


ボケ/ブレ不思議写真術 (カメラプラス)
著者:
アマゾンレビュー
欲しいものリストに
・上原ゼンジの新刊
「ボケ/ブレ不思議写真術 カメラプラス」雷鳥社(1,575円)
http://www.zenji.info/profile/book/fushigi/fushigi.html
・上原ゼンジのWEBサイト
http://www.zenji.info/
・上原ゼンジのブログ
http://zenji.jugem.jp/

YouTubeで見つけました!

広告
このページの上部にもどる

アクセス

いろいろな方法でアクセスできます!