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写真を楽しむ生活

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おかだよういち


2012年5月21日(月)、朝早くに日本の多くの地域で、太陽がリング状になる「金環食」が観測できます。今回はその素晴らしい天体ショーの情報や、撮影方法、注意事項などをお知らせします。


と言いつつ、一年前の5月24日にも一度書いているので、復習も兼ねてそちらも読んでみてください。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20110524140100.html


さて、今回の金環食は、日本の多くの地域で観ることができます。特に千葉から東京、神奈川、静岡にかけて、食の中心が通るので多くの人が長くリング状の太陽が観ることができます。


中心食帯から外れている地域では、月と太陽が重なって太陽の周囲がリング状になる金環食にはならないですが、太陽の大部分が欠ける部分日食が観測できます。


地域によって時間は多少前後しますが、東京ではこうなります。
食の始め:6時19分
金環食の始め:7時31分
食の最大:7時34分
金環食の終わり:7時37分
食の終わり:9時2分


月曜日ですから、多くの人はちょうど朝の通勤の時間帯です。道路に立ち止まって観測するとかは危険なので、気をつけましょう。早めに会社に行って始業開始まで、眺めのいい場所で観測するのがいいかもしれません。


位置的には、これも地域によって多少ちがいますが、金環食状態の太陽は、ほぼ真東。高さは地平線から約30度の位置です。まだ朝7時半頃の太陽ですから、都会ではビルに隠れて見えないかもしれませんし、田舎では山に隠れてまだ太陽が出てきてないかもしれません。


予め、東側が開けて朝の太陽が見える場所を探しておくといいでしょう。東側が開けて見晴らしがよさそうな場所を、Googleマップでだいたいのアタリを付けて、できれば当日までに一度、同じ時間にロケハンに行っておくと安心できます。


観測する際の注意事項ですが、まず絶対に肉眼で見てはいけません。肉眼で太陽を見続けると永久的な視力低下や、最悪の場合は失明することもあります。日食時に太陽を見続けることで「日食網膜症」という目の病気(網膜障害)を発症することも多いそうです。


肉眼でダメならと、ガラスにろうそくなどを燃やしてススを付けたものを用意したとか、サングラス持ってるからそれ使う、とか聞きますが、それもダメです。太陽観測用に「日食グラス」というものが売っていますので、それを用意してください。日食一か月前の今、あちこちの量販店で特設コーナーが設けられています。


日食グラスを掛けたからって安心してはいけません。日食グラスを掛けた状態でも、望遠鏡や双眼鏡で太陽を見ることは絶対にしてはいけません。網膜が焼けてしまいますので注意。


撮影する場合は、一眼レフの場合、光量を減らすNDフィルターを用意してください。太陽はものすごく明るいので、1万分の1に減光するものか、400分の1に減光するのを2枚重ねて160,000分の1に減光するようにするか、いずれにせよ通常の撮影では使わないような、専用のフィルターを買う必要があります。


iPhoneで撮影する用のグッズが販売されていました。NDフィルター付きの5倍望遠レンズとアタッチメントと小さい三脚がセットになっています。
http://amzn.to/JluUgF


すべて全自動のコンデジは、これらのフィルターを取り付けることができないので、細工するなり工夫が必要ですが、自動では撮れないので自分で設定するのは難しいでしょう。


昨年の記事でも触れましたが、直接太陽を撮らなくても、多くの人が日食グラスかけて上を向いている中、下を見て木漏れ日を撮影するのもおすすめです。いつもとは違う、欠けた太陽や、リング状の太陽の形が、地面に浮かび上がって面白いはずです。


JAXAのサイトで、「2012年5月21日『みんなで木もれ日を撮ろう』キャンペーン」をやっていますよ。木漏れ日フォトを撮影する方法など、詳しく説明が載っています。
http://edu.jaxa.jp/komorebi/


お子さまと一緒に観測するのは、こちらの方が安全ですからむし
ろいいかもしれません。


参考になるWebサイトのURLを紹介しておきますので、あとひと月、たっぷり予習して、さらに各自の朝の予定に合わせた観測場所をリサーチして、当日焦らないように準備しておきましょうね。そして、みんなで晴れるようにおまじないしましょう!


国立天文台 金環日食特設コンテンツ
http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/


金環日食の解説動画
http://youtu.be/MZHpKc6Q6KU


日食ナビ
http://eclipse-navi.com/


日食グラス(Amazon)
http://amzn.to/JE4dhQ


太陽撮影用NDフィルター(Amazon)
http://amzn.to/Ji7Qx7


月刊星ナビ2012年05月号(Amazon)
http://amzn.to/JEcWAI


金環日食2012(Amazon)
http://amzn.to/I3b75k


【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
http://s-style-arts.com/ okada@s-style-arts.com
<twitter:http://twitter.com/okada41>


Adobe Creative Cloudがようやく発表されました。年契約で5,000円/月ですべてのアプリが使えます。MasterCollectionをアップグレードしていたので、こちらに乗り換えます。
http://www.adobe.com/jp/products/creativecloud.html

おかだよういち


先週に引き続き、Snapseedという写真加工アプリのご紹介。今回はiPad版です。ユニバーサルアプリなので、iPhoneでもiPadでも両方使えます。


先日発売開始された「新しいiPad」を購入して、写真加工アプリはなにがいいのか探している人は参考にしてみてください。


Snapseed(450円)
http://itunes.apple.com/jp/app/snapseed/id439438619?mt=8


iPadの方がiPhoneよりも画面が大きいため、よりわかりやすく操作しやすいので思い通りのこまかな調整が可能です。


起動するとこんな画面です。
http://flic.kr/p/bx7mFG


右上の「ヘルプ」で使い方がオーバレイで表示されます。
http://flic.kr/p/bx7mQC


それでは、先日、岡山国際サーキットで撮ってきたSuperGTの写真を使って、写真を加工してみます。
http://flic.kr/p/bx7na3


「STRAIGHTEN(真っ直ぐにして回転)」アイコンをタップして編集画面に入ります。わずかに右へ回転させて、ちょっとドラマチックな感じに。角度が決まったら右下の三角「適応」をタップ。
http://flic.kr/p/bL268k


次に「CROP(クロップ)」アイコンをタップして、いい感じの構図に車を配置してトリミングします。
http://flic.kr/p/bL26gD


3分割でガイドラインが表示されますので、縦横が交わる交点に配置すると格好いい構図になります。
http://flic.kr/p/bL26wi


ドラマチックな絵にしてみます。「DRAMA(ドラマ)」アイコンをタップしてフィルタのスタイルを選びます。
http://flic.kr/p/bx7otq


フィルタの適応用や、彩度を好みで調整します。縦にスワイプで調整項目を選択し、横にスワイプで適応量を調節します。
http://flic.kr/p/bx7phf
http://flic.kr/p/bL27Vz


格好よくなったのでここで一旦保存しておきます。
http://flic.kr/p/bx7ipo


ここから更に加工。今度は「BLACK & WHITE(モノクロ)」にしてみましょう。
http://flic.kr/p/bx7pNJ


輝度、コントラスト、ざらつきをそれぞれ調節します。ハイコントラストの絵にしてみました。
http://flic.kr/p/bx7q2s


これも、ここで一旦保存します。
http://flic.kr/p/bL226t


更にこれに「VINTAGE(ビンテージフィルム)」フィルタをかけてみました。
http://flic.kr/p/bx7qDs


「CENTER FOCUS(中心フォーカス)」を選び車の周囲はピントがぼけている感じにしてみました。
http://flic.kr/p/bx7rmU


最終バージョンがこんな感じです。
http://flic.kr/p/bL22fF


違う画像でもうひとつ加工してみましょう。左上の「画像を開く」をタップして写真アルバムから画像を選択します。
http://flic.kr/p/bL29Vp


「TUNE IMAGE(画像を調整)」で輝度、アンビアンス、コントラスト、彩度、ホワイトバランスを調整します。
http://flic.kr/p/bL2a6e


ホワイトバランスも中央のゲージ下に色温度の目安が記載されていますのでiPhone版よりも解りやすいです。
http://flic.kr/p/bx7scm


次に「DETAILS(詳細)」でシャープネスと構造を調節。
http://flic.kr/p/bL2deR


ルーペをタップすると一部拡大して確認できます。
http://flic.kr/p/bx7veJ


「TILT & SHIFT(ティルトシフト)」で車が走っているエリアにだけピントが合ってる風にしてみましょう。
http://flic.kr/p/bL2e4t


この項目では2本指で角度やサイズをコントロールします。まずスタイルで線形か楕円形かを選択。
http://flic.kr/p/bL2ezt


青いガイドラインが表示されるので、好みの角度やボケ幅になるように2本指で調節します。
http://flic.kr/p/bL2fit


輝度、コントラストなども調節して完成。
http://flic.kr/p/bx7ynW


「比較」アイコンをタップすると処理前後を切り替えて確認できます。
http://flic.kr/p/bL2gNk
http://flic.kr/p/bL2h4x


こちらが元画像と完成画像。
http://flic.kr/p/bL22UT
http://flic.kr/p/bx7k2y


今、ちょうどシーズンの桜でも加工してみましょう。
http://flic.kr/p/bx7zcd


「SELECTIVE ADJUST(選択による調節)」は選んだ色の部分だけ調節可能です。「+」アイコンで調節する部分の色にポイントを配置。輝度、コントラスト、彩度の調節が可能です。
http://flic.kr/p/bL2hPD


2本指でピンチして影響範囲を調節します。影響範囲は赤で表示されます。
http://flic.kr/p/bL2i2D


さらに「+」で違う色の部分にポイントを追加できます。
http://flic.kr/p/bL2ixH


色を調節したら、右下の枝が少し目障りなので、回転とトリミングで構図を決めます。
http://flic.kr/p/bL2jEp


こちらが元画像と完成画像。
http://flic.kr/p/bL249a
http://flic.kr/p/bx7mvQ


右下の共有アイコンからは、メール添付の他、Flickr、Facebook、Twitterに投稿して共有することができます。
http://flic.kr/p/bx7BWs


指先の簡単な操作ほんの数分程度で簡単に写真をいい感じに加工できて、そのままSNSで共有できるので、とてもお気軽ですね。


【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
http://s-style-arts.com/ okada@s-style-arts.com
<twitter:http://twitter.com/okada41 >


このテキストを書いている間に、大きなニュースが飛び込んできました。先日Android版もリリースされた、写真共有アプリの「Instagram」なんと、Facebookが10億ドルで買収ですって!
https://www.facebook.com/zuck/posts/10100318398827991

おかだよういち


久しぶりにiPhoneのアプリの紹介。一番使っている写真編集アプリのおすすめです。


Snapseed(450円)
http://itunes.apple.com/jp/app/snapseed/id439438619?mt=8


起動したらこんな画面です。
http://flic.kr/p/bGd5rD


左上の「開く」をタップして加工する写真を選択します。東京スカイツリーの画像を選びました。
http://flic.kr/p/btigx3


少し暗くてくすんだ感じなので、色調補正でもっと明るく鮮やかにしてみます。下に並んだアイコンから「TUNE IMAGE」をタップすると、色調補正の画面になります。
http://flic.kr/p/btigKJ


縦方向にスワイプして、輝度、アンビアンス、コントラスト、彩度、ホワイトバランスを切り替えます。そして横スワイプでそれぞれの適応量の数値を増減させます。
http://flic.kr/p/bGd7AZ


陰になっている部分が明るくなるように、アンビアンスの数値を上げていきます。
http://flic.kr/p/bGd7Nr


輝度も調整して少し明るくなるように数値を上げてみました。
http://flic.kr/p/btihqL


彩度も数値を上げて鮮やかに。
http://flic.kr/p/bGd8jn


左上の「?」アイコンをタップすると、その画面での操作方法がオーバーレイで表示されます。右上のアイコンをタップしている間、補正前の元画像が表示されますので、比較して見ることができます。
http://flic.kr/p/bGd8wr


色調補正が決まったら右下の三角をタップして確定します。次に、少しトリミングして要らない部分をカットします。「CROP」アイコンをタップするとトリミング編集画面になります。


下にある左側のアイコンをタップすると、アスペクト比を選択するオプションが表示されます。反対側のアイコンで選択したアスペクト比の縦と横が切り替わります。
http://flic.kr/p/bGd8KM


写真下の工事中の柵が目障りなのでカットしました。
http://flic.kr/p/bGd93g


この画面でも右上の「?」で操作方法が表示されます。
http://flic.kr/p/bGd9ht


右下三角アイコンで確定します。これでOKなので、右上の四角から矢印が飛び出たアイコンをタップすると画像を保存したり共有するメニューが現れます。Flickr、Facebook、Twitterで共有できます。


処理前後の比較
http://flic.kr/p/bGfvrZ
http://flic.kr/p/btkFW3


違う写真を使ってもう少し試してみます。
http://flic.kr/p/bGd9Bi


「DETAILS」をタップして編集画面で縦にスワイプして構造を選び数値を上げます。
http://flic.kr/p/btij6y


虫眼鏡のアイコンをタップすると等倍で確認できます。
http://flic.kr/p/btijjy


右上のアイコンをタップすると、虫眼鏡の状態で処理前後の比較ができます。
http://flic.kr/p/bGd9QP


確定して、次に「GRUNGE」を選び少し汚れたような効果を加えてみます。
http://flic.kr/p/btijyd


縦スワイプで、スタイル、輝度、コントラスト、テクスチャの強さ、彩度の調整ができます。
http://flic.kr/p/bGdapM


タップすると青い点が表示され、ドラッグして移動。中心点を配置します。そして二本指でピンチ、ズーム操作で適用サイズを調整します。
http://flic.kr/p/bGdbjZ


操作がわからなくなったら左上の「?」で操作方法を表示します。
http://flic.kr/p/btikSm


また別の画像で部分的に調整するのをやってみます。「SELECTIVE ADJUST」を選択して編集画面へ。
http://flic.kr/p/bGdbNi


青丸を移動させて補正したい場所に配置。雲を少し変えてみます。二本指ピンチ操作で範囲を調整できます。適応範囲は赤くマスクされますので、確認しながら適当なところで指を放します。
http://flic.kr/p/bGdbZD


縦スワイプで青丸の中が輝度、コントラスト、彩度に切り替わりますので、それぞれ数値を変化させて調整します。
http://flic.kr/p/btimAs


下の「+」アイコンで調整ポイントを追加できますし、青丸をタップするとポイントをコピーしたり削除したり数値リセットするメニューが表示されます。
http://flic.kr/p/btimNA


こちらも、操作がわからない時は「?」タップで使い方が表示されます。
http://flic.kr/p/btio6u


完成画像
http://flic.kr/p/btichU


指先の簡単な操作で、かなり複雑な色補正やエフェクトをかけることができて、そのままSNSに簡単に共有できますから、これひとつあれば写真編集は充分なくらいオススメのアプリですよ。


【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
http://s-style-arts.com/ okada@s-style-arts.com
<twitter:http://twitter.com/okada41>


先週末にCSS Nite LP, Disk22「Webデザインで使うPhotoshop」で、Photoshopを使う以前の撮影で気をつけることをお話してきました。失敗写真をPhotoshopで直すのに時間を割くより、もっとクリエイティブな用途に使った方がいいですもんね。

上原ゼンジ


久しぶりにテレビの取材を受けた。最近三件ばかり打診があったが、すべてボツっていたので、どうなるのかと思っていたら今回はすんなりと企画が通ったようだ。


テレビの企画が決まっていく過程としては、まずプロデューサーや構成作家が集まってネタを考え、そのネタに合う人や商品などをリサーチ会社が探しだし、出演できるかどうかの打診をし、オーケーであったら再度企画会議でGoするかどうかを決める、というようなことをやっているらしい。


つまり、打診があった後に企画が通らなければ、話はなくなってしまう。ただし企画が通れば、かなりバタバタと撮影に向けてことが運んでいくことになる。今回の場合は、打診があってから2日で企画が通り、5日後に打ち合わせ、そして9日後にロケの収録ということになった。


番組は読売テレビの「大阪ほんわかテレビ」。残念ながら関西ローカルの番組です。関東では「中井正広のブラックバラエティ」をやっている時間帯だ。どんな番組か知らなかったのでホームページを覗いてみた。


出演者は、笑福亭仁鶴、間寛平、中川家、なだぎ武といった方々らしい。なかなか豪華な顔ぶれですね。特に笑福亭仁鶴さんの名前に私は強く反応しました。生まれて初めて買ったレコードが、笑福亭仁鶴の「どんなんかなァ」だったから(笑)


当時は京都に住んでいて、仁鶴師匠は憧れの人でした。1970年頃の話。私は小学2年生、師匠は33歳。今では吉本興業の特別顧問で、上方お笑い界の重鎮になっているけれど。


私は小学校3年になる時に関東に引っ越してきたのだが、当時関東には関西のお笑いが全然なくて悲しかった。今は関西のお笑いが日本を席巻してるけど、42年前はまださびしい状況でねえ。唯一の楽しみは日清フーズ提供の「ヤングおー! おー!」ぐらいだったな。まだ、さんまは登場しておらず、ザ・パンダが大人気だった。


ディレクターさんは、わざわざ大阪から打ち合わせに来てくれた。そして私が作った宙玉レンズや手ブレ増幅装置などを実際に見てもらい、段取りなどを考えていった。ただ、今までのテレビ出演経験の中で、意にそぐわないことをやらされたこともあったので、その辺りは注意をしなければいけない。


たとえば、テレビ向きのネタとか、視聴者がすぐにできるようなものを求められるんだけど、他のテレビ番組でやっていたようなネタを拾ってきて、やってくれと言われる場合もある。それ、オレが考えたアイディアじゃないし、やってもそんなに面白くないでしょ、というようなケース。


だからテレビを観ていても、ああこれはこの人の発想じゃなくて、構成作家がどこかで見つけてきたアイディアなんだろうなあ、というのが気になってしまう。だって何かの専門家が、そんなにテレビ向けするようなネタをたくさん持ってるとは思えないし。


写真を言葉で伝える


ディレクターさんからは、構成を考えるためにいろいろと話を聞かれた。たとえば「なぜこういうことを始めるようになったんですか?」というようなこと。これは私にとって重要な問題なので、まず何から話したらいいだろうか、などと考えていてはいけない。


ディレクターさんが求めているのは、「大阪のオバちゃん」がパッと分かるような回答だ。写真の技術的なことも、オバちゃんが理解できるような言葉で説明をしなければいけない。これって実はけっこう難しい。


たとえば「何を撮ってるんですか?」と聞かれた場合、写っている以外の何かを撮ろうとしてるんだから、そんな簡単に言葉にできるようなもんじゃないんだ! と言いたいような場合もある。一方で、写真家は撮影するだけじゃなく、自分のやっていることをきちんと言語化して説明できなければダメだ、という言い方もある。


確かに日本の写真家はそういう部分が弱かったかもしれない。だから最近は写真家のホームページでも、きちんとアーティストステートメントを掲げている人も増えてきた。これは写真家に限らず、アーティストが自分のやっていることについて、きちんと文章化にしておこうということ。自分で自分のやっていることを整理するためにも、人に理解してもらうという意味でもいいことだと思う。


ただ実際にそういった写真家のステーツメンツを読んでみると、堅苦しかったり、難しげな場合が多い。まあ、言いたいことは分かるけど、あまり観念的にならずに、やさしい言葉で考えていることが伝えられればそれに越したことはない。


そんな時に、大阪のオバちゃんに説明するというトレーニングも悪くないと思う。写真によけいな言葉はいらないという思いはあるけれど、自分でもなるべく簡潔で分かりやすいアーティストステートメントは書いてみたい。


新しい写真を関西限定公開


埼玉の自宅までロケに来てくれたのは、お笑いコンビのダイアンだ。最初ダイアンという名前を聞いてもピンと来なかったけど、YouTubeでネタを見たら思い出した。M-1の決勝にも二度進出している芸人さんだ。


関西のお笑い芸人が家に来て、どう対応すればいいものかと思ったけど、実際には収録は割とスムーズに進んでいった。一対一でなんか話さなきゃと思うと緊張もするが、コンビが二人で勝手にボケたり、突っ込んだりという時間があったので、それでこちらも落ち着くことができた。ただし、二人のネタが始まってしまうと、こちらはどこから入ったらいいのか困ってしまうこともあったのだが……。


いちおう今回はテレビ映えのするネタもいくつか用意した。一つはドリルドライバーを使った写真。まず子供部屋にクリスマスのイルミネーションを張り、その前にダイアンの津田さんに立ってもらう。そして電動ドリルドライバーに付けたカメラを回転させながら撮影を行う。


この時ストロボを軽く発光させるというのがミソ。するとまずイルミネーションがグルグルと回転した軌跡が写る。さらに発光させた瞬間に人物が浮かび上がり、その二つが合体したように写るのだ。この絵面は新しいかもしれないな。もうちょっとスマートに仕上げて、宙玉レンズのように普及させたいものだ。


相方の西澤さんは水玉レンズで撮影した。これはレンズ前に透明なアクリル板を取り付け、そこにスプレーで水滴を付ける。水滴の一つ一つに西澤さんが写るのだ。これはかなり不気味な写真になりました。考えてみたらこれらの撮影法で人物を被写体にしたのは初めてだった。関西限定ではありますが、世界初公開の写真をお楽しみください!


◇大阪ほんわかテレビ
4月1日 23:20〜(読売テレビ)
http://www.ytv.co.jp/honwaka/


【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com 
http://twitter.com/Zenji_Uehara
上原ゼンジのWEBサイト
<http://www.zenji.info/ >
Soratama – 宙玉レンズの専門サイト
http://www.soratama.org/
上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
https://www.facebook.com/zenlabo

齋藤 浩


さて今回は『冬の尾道』最終回、素敵な物件について語ります。あくまでもオレ基準の素敵な物件です。念の為。


オバQ
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電気屋さんの前にて。なんと2010年まで現役だったのだが、閉店に伴い姿を消していた。もう会えないかと思っていたら、その店舗が観光案内所的な空間に変身しており、オバQも復活。


さすがにもう動かないらしいが、商店街にこういった記号が存在するだけでみんなが幸せになれる。オバケの国なんかに帰らずに、これからもここにいておくれ、Qちゃん。


ヒーローとフラフープ
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こころのふるさとたる所以である。ここは昭和だ! 尾道にはいつ行っても故郷に帰ったような安心感を覚えるのだが、今回もウルトラマンエースがかっこよく迎えてくれた。


現役の商店街ほどその地の文化を肌で感じられる場所はない。「商業施設を作ってやるからここに住め」という考え方に基づいた町は、住民の高齢化とともに破綻してゆく。


日本全国イオン化している中、「人が住みやすいと、良い店も増えてゆく」という自然な流れを意識することこそ、町の繁栄につながるんじゃないかと思う今日この頃である。


歩幅
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美しい平面に肉球の跡をつけるのはさぞや快感であろう。犬猫の気持ちはわからんが、この行為だけはわかる! オレもやってみてえ。


雪が降ると誰も歩いてないところを歩きたくなるものだが、その心理の究極形がこれだ! しかし人の体重は重すぎるので、ここまでほほえましいレリーフは作れないだろう。


自転車
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今回、尾道をモノクロフィルムで撮影して「尾道は陰影の町である」と断定したオレである。朝日があたって一日が始まり、夕陽があたって一日が終わる。


当たり前のことなのだが、一日中高層建築の影に暮らしていると、どっちが東でどっちが西なのか、なんてことは意識しないとわからなくなってしまう。しかし、ここ尾道では常にそれを感じることができるのだ。この当たり前こそ最高の贅沢と言えましょう。


すべりどめ
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尾道は坂の町である。水はけの工夫と同じように、滑り止めの工夫は、生活していく上での必然から生まれる。そこに生活者の美意識が加わるとこんなにも素敵なデザインが誕生する。きれいだなあ、どんな人が作ったんだろう。と思っていたら、すみっこにサインがあった。
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道の字
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幼稚園の運動場の壁には風抜き穴があって、そこには鉄でできた素敵なタイポグラフィが埋め込まれている。使われ方や素材を考えた上での創意工夫が素晴らしい。写真は全8文字の内のひとつ。当然、尾道の「道」です。ひょっとしたら全国には、まだこんな文字がたくさん残ってるかもしれない。それを探して記録するってのもライフワークとして楽しそうだ。


新聞受
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郵便受けほどメジャーでなく、牛乳受けほどかわいくない存在ではあるが、新聞受けも素敵だ。この絶妙な直線と曲線のコンビネーションを見よ!


展開図がすぐに浮かぶほどつくりはシンプルだが、質素な中にも華を感じさせようとする作り手の工夫を感じる。魔法瓶の花柄にはヘキエキするが、こういった静かな思想は好ましく思えるのであった。


洗面台
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/03/01/images/009.jpg


使われなくなってどれくらい経つのであろうか。ここ尾道では、こういったものたちを度々見かける。ワビサビを感じる反面、空き家が増えて取り壊されて、という流れを背後に感じるのもまた事実。


港の建築
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/03/01/images/010.jpg


港のまわりには、煉瓦づくりの倉庫や海運会社の建物など貴重な近代建築が残る。生活者のことを思えば致し方なしだが、絵的には背後のマンションさえなければなーと思うのだった。


山の手と違い、平地は区画整理も容易なためか、失われてゆく風景が多い。全国的に言えることだが、おじいちゃんと孫が同じ地に住みながらも同じ風景を共有できないことに対し、我々はもっと危機感を持つべきではなかろうか。


以上、3回連続でお送りした『冬の尾道』いかがでしたか。書いてる本人はスゲー楽しかったのですが、読んでる方の中にはクドイ! と思われた方も少なくないと思われます。という訳で、近いうちに『春の尾道2012』を発表予定。乞うご期待。


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

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