●テアトル東京で70mmシネラマ「2001年宇宙の旅」を見て感動したのは45年前だ。その前後も東京の映画館で、SF大作をいくつも見たはずだ。もしかしたら「インデペンデンス・デイ」という珍作を池袋で見たのが最後かもしれない。すると、もう15年以上も映画館に行っていない。
それから今までは、WOWOWやビデオやDVDで映画を見ている。浦和の一戸建てに住んでいた頃は、大型テレビをセットした映画部屋にこもってSFやホラーを中心に見ていたものだ。しかし、映画館に行かない人生とは正しくないのではないか、そう思わされた本を読んでしまった。
原田マハ「キネマの神様」を読む(文藝春秋/2008、文庫化)。40歳を前に17年かけて積み上げて来たキャリア(シネコン担当課長と年収1000万円)のすべてを捨て去った娘。ギャンブル好きで映画好き、気持ちいいほど無責任、夜逃げも自己破産もひととおり経験して、ようやくマンションの管理人に落ち着いた父・80歳、急病で倒れたあげく多額の借金が発覚。
おかしくなるほど似たふたりである。あるきっかけで娘は映画雑誌の編集部で働き出す。そのきっかけとは、誰に読まれるあてもなく、けれど書かずにはいられない映画に対する愛情あふれる、父による文章の数々だ。
映画雑誌社がその文章をつかってブログ「キネマの神様」を開くと大ヒット。専門家が読めば馬鹿馬鹿しいほど一本調子だが、映画愛が満載のお気楽な文章は絶大な支持を得る。ようやく見つけ
た新しい生きがいに熱中する父。やがて英語版を公開すると、理論は明快、語り口は痛快、熟練の物書きローズ・バッドが参戦してくる。ふたりの戦わす白熱の映画論が絶品である。しかし、しょせんは素人の父、はたしてどうなるか。これに潰れかけた名画座のエピソードも加わり、物語は気持ち良く(出来すぎともいえるが)ソフトランディング。いや〜、面白かった。ちょっと泣けたし。
この小説で繰り返し語られるのは、「いい映画ってのは、映画館で観る。でなきゃ、ほんとの価値はわからない」である。「莫大なお金と時間、情熱と持てる力のすべて。映画人は人生を賭けて映画を世に送り出している。スクリーンに広がる世界に観客をどれだけ引き込めるか。それこそが、もっとも重要な結果なのだ。DVDで観ればいいや、と思われるような映画を作りたい映画人がいるものか」である。「映画は映画館で観てもらう。そのために、すべての映画人が努力してるのよ。そんなこともわかんないの、あんたは」
それは分かる。分かったうえで、わたしは映画館にいる無作法な人がいやでいやでたまらないのだ。申しわけないけど、パソコン画面で勘弁して欲しい。映画への敬意をもって鑑賞しますから。「聞き覚えのあるヴァイオリンの調べ。心に染みわたる、柔らかなピアノの音色。シチリアの海の風景。テーブルの上に盛られた黄色いレモン。潮風の吹き渡る、おだやかな窓辺」で始まるあの名画、久しぶりに見たくなった。市川崑の「東京オリンピック」もな。(柴田)
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原田マハ「キネマの神様」
●りんごのカタラーナ。サブウェイのサイドメニュー。とても美味しい。おすすめ!/「毎日ちゃんとアップすりゃ、こんなにまとめてアップしなくていいのにねえ。」あああ耳が痛い。仕事落ち着いたら、後回しにしている諸々を消化したらと思っているうちに……。
続き。仕事スケジュールの都合で外出できず。修理しに行く時間はないわと考えて、ふと以前使っていた3GSのことを思い出す。そうだよ、3GSがあったじゃない! SIMを入れようとしたら、サイズが違う。よしヨドバシで注文だ。
ヨドバシなら当日中に配達してくれる。アダプターを購入し、3GSを取り出して充電。やっぱりいいわ、3GSの形。手に持った時しっくりくる。この子の時はトラブルなかったんだよなぁ。
4Sを買っても3GSは処分しようとは思わなかった。3GSは残しておきたいけど、4Sは完全に道具扱い。5sを買った後、4Sの処分をどうするか話題になったのは一週間前。聞いていたのか〜! 続く。(hammer.mule)
http://www.subway.co.jp/menu/sidemenu/limited_sideorder/1389.html
りんごのカタラーナ