●20年以上前にミキハウスが出版していたすばらしい絵本シリーズがある。24cm×26cm、厚い表紙のついた丈夫な造本で、本紙はやや黄ばんでいるが、いまだにそのままの形状で残っている。娘が読んで、その子供も読んだ。孫娘は自分の子供に読ませるのだからとっておいてと言う。
たむらしげる、スズキコージ、片山健、飯野和好、井上洋介、田島征三、湯村輝彦……と、絵本としては意外な絵師を起用した意欲的な企画だ。この出版のいきさつを大阪のミキハウスで取材したとき、役得で何冊かいただいた。じつはこのシリーズ、まだ販売している。
「ヘンゼルとグレーテル」はグリム原作、大島かおり訳、たむらしげる絵。久しぶりに読んでみた。シンプルな線画と配色がものすごくステキ。子供を森に置き去りにしようというのは継母で、童話の継母って悪い人と決まっているなあ。
グレーテルは魔女を燃えるかまどに押し込んで、鉄の蓋をしめてかんぬきをかける。「ぞっとするひめいがきこえました」って、殺しのシーンをあっさり書くなあ。ふたりは魔女が隠していた真珠や宝石をごっそりいただいて家に帰る。継母はすでに死んでいて、父親と3人で楽しく幸せに暮らしました。今思うに道徳的にあまりおすすめできない内容だけど、かつては抵抗なく読んで聞かせていたんだから不思議だ。
なぜ絵本を引っ張り出して読んだのかというと、映画「ヘンゼル&グレーテル」DVDを見たからだ。この映画は絵本の終りから15年後の世界、成長した兄妹は魔女狩りを専門にする賞金稼ぎとなっていたという話。15年後にしては老けたヘンゼルだが。
童話でおなじみの部分は(ちょっと違うけど)、冒頭5分間でスピーディに描かれる。それにしても毒々しい不気味なお菓子の家である。物語終盤でまたこの家が出て来る。兄妹の出生の秘密も明かされる。つまり、童話とリンクした構成になっているのが面白い。
ストーリーは兄妹の魔女狩りに白い魔女が味方し、黒い魔女どもを滅ぼすっていうストレートなもので、ファンタジー味は薄いアクションホラーだ。難解ではないから、何も考えずにストーリーに乗っていればいいので楽チンだ。派手なアクションシーンも楽しめる。ずいぶんグロテスクなシーンもある。そのせいで、日本では劇場公開しなかったといわれる。その代わりエロ過ぎるシーンはない。「童話のその後」って着想はイージーだけど、実際やってしまうところがえらい。続編も企画されているというから楽しみだ。(柴田)
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「ヘンゼルとグレーテル」ミキハウスの絵本
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ヘンゼル&グレーテル
●「勝間和代さんと林真理子さんのコスプレに愕然。何コレ、こんなことやっちゃうの? めっちゃかっこええやん! かっこわるくていや、笑い者になっちゃう、なんて思って何もできない自分と違って、すっぱーーーーんとやっちゃってて、ああかなわない、と。
いや勝ちたいとか、好きとか嫌いとか考えたことはなく、何冊か積ん読していたんだけれど、こういうことできる人だから、成果を出されるのかもなぁと。
あ、大阪城公園やその往復を、肥満気味でも、スポーツウェアで歩いたり走ったりする自分は褒めたい。ほんとかっこわるいのよね……。体力つけたいの。 (hammer.mule)
https://twitter.com/kazuyo_k/status/407111580099170305
林真理子さんと勝間和代さんのコスプレ