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写真を楽しむ生活

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カテゴリ ‘コラム’ のアーカイブ

上原ゼンジ


Facebookのタイムラインに次のような「近況」が流れてきた。


「所沢市では、市内の小中学生全てに金環日食を観察する機会があります。この取組みを全国に広めたいです。『日食観察会@所沢』」


コメントの主は、天体望遠鏡や顕微鏡などのメーカーであるビクセンの社長の新妻和重さん。ご自身のブログにリンクが張られており、今年の5月21日に見られる金環日食について書かれていた。要旨は金環日食が見られるのは7時30分ぐらい、ちょうど通学時間に当たってしまうため、きちんとした観察会をセッティングして、子供たちに見せてあげられないだろうか、ということだった。


ビクセン本社のある所沢市では、校長会が理解を示してくれ、市内の全小中学校で観察会が開催されることになった。できればこの取組みを全国に広めたいという話だ。今年金環日食があるということは知っていたが、それが通学時間に当たるということは知らなかった。


所沢市はお隣の市だが、残念ながら我がふじみ野市ではこのような動きはない。しかし、うちの今年中学に上がる娘にもぜひ見せてやりたい。当日は彼女の誕生日でもあるので、実現すればいい記念にもなるだろう。そう思うと私はいても立ってもいられなくなり、ふじみ野市役所に乗り込んで市長に直談判をした。


というような行動力は残念ながら持ちあわせていないので、市の広報にメールをしてみた。でもそれではちょっと足りなそうだ。そう言えばふじみ野市の市議会議員さんからFacebookでフォローをされていた。こういう時は議員さんに陳情すればいいのだろうか? と思ってFacebookでメッセージを送ってみた。するとしばらくして、次のようなコメントがタイムラインに流れた。


「全小中学校で『金環日食観察会』を実施したいと思います。みなさまどう思いますか? ぜひ覗いてみてください。」


リンクは仙田さだむ議員のブログにつながっており、市に日食観察会の提案をしてくれたようだ。ありがとう仙田議員! あなたのことは忘れません。そしてマーク・ザッカーバーグさんにも感謝します。


登校途中の子供たちが肉眼で太陽を見てしまうと危険だし、世紀の天体ショーをじっくりと観るためにも、日食観察会が全国に広がっていくことを私も望みます。ビクセンでは社員が日食を見られるように、この日は金環日食休暇にするとのこと。子供ばかりではなく、大人だって見てみたいもんね。


「521金環日食観察会」を広めようという取組みに賛同していただける方は、ぜひ、学校や市や議員さんやマスコミなどに働きかけをしていただければと思います。金環日食休暇にして欲しい人は、社長さんに直談判してみてください。当日は晴れるといいですね。


◇「521金環日食観察会」を全国に広げよう!
http://www.zenji.info/column/eclipse.html


◇日食観察会@所沢/びっくりビクセンBlog
http://ameblo.jp/vixen/entry-11139843487.html


ついに「宙玉レンズ for iPhone」登場か?!


来月の頭にはカメラ関係のイベントである「CP+」と印刷、メディア業界のイベントである「page2012」が開催され、期日がもろにバッティングしている。私は両方とも顔を出そうと思っているのだが、CP+の方では間に合えば「宙玉レンズ for iPhone」の発表をしたい。


これはギズモショップから声をかけて貰って製作中なのだが、試作が上がるのがイベントの前ギリギリになってしまう。だから試作の出来が良ければ手にとってもらえるし、出来が悪ければアクリルケースの中に陳列。人様に見せられるようなものにならなければ、イメージ画の展示、という感じでしょうか。


この宙玉レンズは「ZENJIX」というブランドから出す予定。「ZENJIX」では3カ月に一点ぐらい新製品をリリースして行きたいと、さっきSkype会議でギズモショップの社長が言ってたんだけど、本当にそんな展開になるのでしょうか(笑)


でもこのギズモショップの清家英明社長はいろんなアイディアを持っているので、話していると凄く面白い。最近だとカメラ型のiPhoneケース「iCA」が発売になり、けっこう話題になっている。これはただケースにカメラのデザインがプリントがしてあるわけじゃなくて、レンズ部分(偽物)が本当に出っ張っていたりするので、かさ張って邪魔。だけどストラップを付ければ、首からぶら下げられるようになるという冗談のような製品。


ファインダー部を覗いて撮影できたり、シャッターを押すと本当に写真が撮れるというところがけっこう楽しい。またこれからこのケースに取り付け可能なフィルターやレンズ類がいろいろと登場する予定だが、その中の一つに宙玉レンズもラインナップされており、iCAに宙玉レンズがねじ込み式で装着できるようになるはずだ。


他にも海外の変わったカメラやレンズを扱っているので、CP+に行かれる方はぜひブースを覗いてみてください。もしかしたら、私も商品説明をしているかもしれません。


◇ギズモショップ
http://www.gizmoshop.jp/
◇CP+
http://www.cpplus.jp/


「page2012」は日本印刷技術協会主催で今年25回目を迎える老舗イベント。さまざまなメーカーやベンダー企業が出展する大規模なイベントだが、セミナーでは印刷、DTPの話ばかりではなく、電子書籍やデジタルサイネージの話など、最新のネタもいろいろとある。


私は「電塾+年に一度のJPC合同大勉強会」というオープンイベントで、「個別プロファイル解禁!?日本の印刷は専用プロファイルで上手くいく」という話をさせていただく予定。これは昨年出版された「写真の色補正・加工に強くなる〜レタッチ&カラーマネージメント知っておきたい97の知識と技」という本を印刷した時の、カラーマネージメントワークフローに関する話。


紙質があまり良くない紙の場合、なりゆきで色は沈んでしまうというのが常識ですが、その用紙の個別プロファイルを作成すれば、それなりに色はマッチするよ、という話。無駄な色校正も減るので、コストの削減にもつながります。タダなので、興味のある方はぜひどうぞ。


◇「電塾+年に一度のJPC合同大勉強会」
http://www.jagat.or.jp/PAGE/2012/session/session_detail.asp?sh=5&tr=10&se=45
◇「page2012」
http://www.jagat.or.jp/PAGE/2012/


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おかだよういち


2週間前、今年一発目のデジクリで、今欲しいカメラとレンズについて記しました。そのカメラのほうが、この原稿を書いている今日届きました。レンズはまだ未入荷で、しばらく先になりそうです。届いたばかりなので、箱から出して、電池充電して、ストラップ取り付けて、基本設定をしただけで、まだ一枚も写真を撮っていません。今回は購入に至るまでのことと、ファーストインプレッションについて書きます。


まずは購入動機から。この光画部トークでも何度も書いてますが、普段持ち歩くカメラがiPhone4だけになってしまいました。多くの場合、iPhoneで充分事足りてしまいます。


撮影してその場で加工、即公開・共有と、簡単なフローでできるカメラは他にありませんから、普段使いでiPhoneを上回るカメラになかなか出会えないのも無理はありません。


わたしだけでなく、きっと世界中の多くの人がそう感じているはずです。それはFlickrに日々アップされている写真で、一番多く使われているカメラがiPhoneというデータからもわかります。いつでもどこでもネットに繋がっているカメラならではの結果でしょう。
http://www.flickr.com/cameras/


かと言って100%満足している訳ではなく、iPhoneでは物足りないシーンも時には遭遇します。例えば、セミナー会場のような暗い場所で後ろの席から登壇者を撮ろうとしたとき。iPhoneには光学ズームが付いていないので、デジタルズームでアップにすると画質が極端に落ちる。更に暗いのですごくノイズが目立ちます。


そのため、画像加工アプリでもっと荒く表現したりとか、無理やりな写真にして共有することがあります。そんな時は、望遠でそこそこ撮れるデジカメを持ってきてたらなぁと思います。


また、カメラ以外の用途でも常にiPhoneを使っていますから、電池の消耗も激しく、夜の懇親会の席ではもう殆どバッテリーが残っていない状態で、せっかくの楽しい写真が撮れないことも多いのです。


そうは言うものの、それだけのために一眼レフカメラを持ち歩くのは億劫ですし、コンデジだと結局クオリティ的にiPhoneとあまり変わらないし。


そこで、レンズ交換が可能なコンパクトボディというジャンルで、今大人気のミラーレス一眼という選択肢です。ただ多くのミラーレス一眼はセンサーが小さいのが嫌で、いままであまり本気になれなかったのです。


でも、SONYのNEXシリーズのセンサーは、普及しているデジタル一眼レフカメラと同じAPS-Cサイズ。そして、レンズもいいのが色々と揃ってきた。といった環境になって、久々に新しいカメラの購入を決めたわけです。


そこで2週間前、大阪のヨドバシカメラマルチメディア梅田へ買いに行ったところ、在庫なし。タイの洪水の影響で品薄なんだそうです。その後、東京出張だったので秋葉原と新宿のヨドバシカメラもチェックしてみましたが、こちらも在庫なし。そして東京の方が、3,000円高かった。


東京からの帰りに再び大阪に寄り、カメラとツアイスのレンズを注文してきました。相変わらずの品薄状態で、両方とも2月になるようですが、いつになるかはわからないため、入荷次第連絡をもらうことになりました。


ところが、土曜の夜中にネットのヨドバシドットコムを見てみたら、在庫僅少という表示! 今注文すれば明日発送可能となっていたので、大阪で注文したのより1,000円高買ったけどこちらに注文しました。


日曜の夜に発送完了のメールが届いたので、トレースしてみると既に神戸を通過の状態。
http://flic.kr/p/bhrRVM
そして明け方にチェックしてみると、もう最寄りの局に到着している。
http://flic.kr/p/bhrS44
日本の物流はほんとうに凄いですね!


そして、無事NEX-5NDの黒が届きました。
http://www.sony.jp/ichigan/products/NEX-5ND/
16mm F2.8の単焦点パンケーキレンズと、
http://www.sony.jp/ichigan/products/SEL16F28/index.html
18-55mm F3.5-5.6の
http://www.sony.jp/ichigan/products/SEL1855/index.html
標準ズームのレンズ2本が同梱されたダブルレンズキットです。


箱から取り出してみると、店頭にあるモックアップかと思うくらい軽くて驚きました。一眼レフと比べるとおもちゃみたいです。


このレンズの望遠側55mmより、もうちょっと望遠が欲しいところです。後から18-200mmとか追加するとなると、この18-55mmのレンズが無駄になってしまいます。


わたしとしては、16mmのパンケーキだけが付いたものが欲しかったのですが、どうやらそのチョイスがない。ボディとレンズそれぞれの価格を見てみると
ボディのみ……61,800円
レンズ単体16mm……31,500円
18-55mm……36,750円
このレンズ2本とボディのセット……71,800円


と、なんか変な価格設定なので、一番お得な感じのレンズ2本付いたものに決めました。ボディの金額+1万円でレンズ2本付いてくるのは、後で1本無駄になったとしても、お得です。


大阪で注文したカールツァイスのレンズはまだ品薄状態でまだゲットできていませんが、しばらくこのレンズ2本で写真や動画を色々と撮ってみたいと思います。


iPhoneでも大きな一眼レフでも撮れない、新たな写真が撮れるかも! とワクワクしています。次回以降は実際に撮ったサンプルをお見せできるでしょう。光画部トーク初ミラーレス一眼で長期レビューを開始します。


【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
http://s-style-arts.com/ okada@s-style-arts.com
<twitter:http://twitter.com/okada41>


今週は名古屋のトライデントコンピュータ専門学校にて、Webデザイン学科の学生さんに写真についての授業をしてきます。課題に対してどんな写真を撮ってるのか楽しみです。

おかだよういち


「写真を楽しむ生活」は昨日から2012年版が始まりました。読者のみなさん、本年も「写真を楽しむ生活」&光画部トークをよろしくお願い致します!


今年はカメラ関係に色々と動きがあるようですよ。昨年発売予定だった製品も、震災やタイの洪水の影響などで発売延期になったりしているので、それらが遅れて今年発売されます。そして、今年は何と言ってもロンドンオリンピックが開催されますから、各カメラメーカーもそれに合わせて色んな製品をリリースしてくるはずです。


既に先週、ニコンがフラッグシップのD4を発表し、2月16日に発売されます。今後近いうちにD800も出る予感がします。
http://www.nikon-image.com/products/camera/slr/digital/d4/


これらはプロ用の機材で、D4のボディは65万円。D800もたぶん30万円くらいはすると思いますので、そうそう気軽に買える金額じゃないのですが、興味津々です。


今後発売されるそんな高級機に気を取られがちですが、わたしが今、欲しい病になっているのがSONYのNEX-5Nです。
http://www.sony.jp/ichigan/products/NEX-5N/


そう。今流行りのミラーレス一眼です。既に発売されていますが、これもタイの洪水の影響で品薄状態です。


カメラ女子に限らず、写真が趣味のご年配の方や、コンデジや携帯電話のカメラからステップアップしたい人など、いま多くの層でミラーレス一眼が売れているそうです。


つい先日も、行きつけのカメラ屋さんに年末のご挨拶に行った時に、おばあちゃんがニコンのミラーレス一眼、ニコン1を2台持って来店し、店員さんになにやら設定してもらいながら写真が楽しいってお話されていました。


ニコン1はセンサーサイズが小さいので、それを逆手に取って望遠側がとても撮りやすいということで、そのおばあちゃんも、仲間と河原などで野鳥を撮って楽しんでいるそうです。
http://www.nikon-image.com/products/camera/acil/body/nikon1_v1/


あちこちで売れてるそんなミラーレス一眼なんですが、わたしは今まであまり興味がありませんでした。それは、各社レンズ交換ができるコンデジという感じで、どれもセンサーサイズが小さいものばかりだったからです。


光を取り込む部分がセンサーですから、大きい方が画質も良くなりますし、光の少ない暗い場所でもより多くの光を受けることができます。したがって、暗い場所でもノイズの少ない写真が撮れたり、より高感度に設定可能になります。


ミラーレス一眼機で、カメラの大きさをよりコンパクトに設計しようとすると、このセンサーサイズを犠牲にしなければならず、各社「小さなボディながらレンズ交換が可能なカメラ=ミラーレス一眼」みたいな感じになっていました。でもSONYのNEXは違います。


SONYのミラーレス一眼のNEXシリーズは、センサーサイズが、一眼レフカメラ普及機と同じAPS-Cサイズです。コンデジと同じくらいコンパクトでレンズ交換が可能な各社ミラーレスと違い、一眼レフカメラと同じセンサーなのに、普段持ち歩くには大きくて重い一眼レフと比べるととってもコンパクトなカメラなのです。


このダントツに違うセンサーサイズがまず魅力。そして、このNEX-5Nは実は二代目で、その前はNがないNEX-5という機種がありました。ですが、同時に発売されたレンズがあまり種類もなく、特にグッとくるものが出なかったのでスルーしていました。


それが、この度とっても魅力的なレンズも発売されて、もう今わたしはこのレンズが使いたいからNEX-5Nが欲しい状態。Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA というカールツァイスのレンズです。
http://www.sony.jp/ichigan/products/SEL24F18Z/index.html


焦点距離24mmなのでフルサイズ換算で36mm。風景スナップからテーブルフォト、ポートレートまで、日常使うにはちょうど使い勝手の良い画角です。サンプル画像がヨドバシドットコムに掲載されていました。
http://image.yodobashi.com/catalog/magazine/20111219-001/


シャープで、ボケが美しくて、空気感までもが写る感じの滑らかな階調。しかも最短撮影距離が16cmと結構寄れます。


こんな魅力的なレンズが気軽に使えるなら、もうNEX-5N買うしかない!


それから、NEXのソニーEマウント用のマウントアダプターも色々出ているみたいなので、たとえばニコンのレンズや、その他、銘玉と呼ばれるオールドレンズも色々と使えるようなので、中古のレンズを探して回るといった新しい趣味が増えそうです。


機能的な面を見てみると、写真だけでなく、動画を撮るのにもとても良さそうです。最近動画を撮影&編集する機会があったので、カメラの動画の機能も色々調べていたのですが、このNEX-5Nの動画機能はかなり本格的です。


フルHDで撮影できますし、一般に売っているハンディーカムと比べると、センサーのサイズが格段に大きいので、背景のボケ具合がまるで映画のみたいに大きく美しくボケます。


カメラに付いている動画機能の多くは、動画撮影中はフォーカスも一点で固定だったり、露出もオートだけだったりと、ちゃんと撮ろうと思うと困ることが多いのですが、NEX-5Nならけっこう本気で動画素材も撮れるのです。


そんなフルHD動画が、先程のカールツァイスレンズをはじめ、色んな画角のレンズに交換してクオリティ高く撮れるなんてきっと楽しいですよね。
http://www.sony.jp/ichigan/products/NEX-5ND/feature_4.html


ということで、どこに買いに行っても在庫がなくて、注文してもいつ届くかわからない状態ですが、熱が冷めなければきっと買ってしまう気満々なので、手に入れたらまた光画部トークでもいっぱいレビューしたいと思います。


【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.com/ > < mailto:okada@s-style-arts.com >
<twitter:http://twitter.com/okada41 >


昨日、関西では10日戎。えべっさんです。商売繁盛の神様で多くの人が参拝に訪れます。わたしは一昨日9日の宵えびすに西宮神社に参って来ました。みなさんの商売が繁盛していい年になりますように!

齋藤 浩


今年は念願のライカも手に入れたことだし、物欲から遠ざかり真面目に生きようと思っていたにもかかわらず、某中古カメラ店の年末恒例赤札市を覗いてしまった。


で、ある商品に目が釘付けになったのだ。美品クラス、箱も取り説も付属品もすべて揃った素晴らしい状態のCONTAX TVSがなんと8,000円。高級コンパクトの代名詞的存在であるT2をベースにズームレンズを組み込んだコンタックスの意欲作、当時17万円もした高嶺の花的存在が8,000円。


お店の人曰く「メーカーでの修理受付が終了したため、突然安くなった」とのこと。とはいえ、そうそう壊れるようなモノでもなかろう。モノは中古という扱いではあるが、新品価格から16万2000円引きというのは好ましい。95.3%off。すなわち9割5分3厘引き。これはお買い得といえよう。


スーパーカーに例えれば、2,500万円のフェラーリが117万5,000円で買えることになる。んー、えーと、プラモデルに例えると、1/60スケールのパーフェクトグレードガンダム(1万2,000円)が564円。うお、これは安い! やはりもう、これは買うしかないか…。


てことは、これを300円のガンダムに置き換えると、一個14.1円。まあ確かに安いが、これはこれで微妙でもある。定価でも20個以上買える計算ではあるが、300円くらいポーンと出せるオレにとって、ガンダムが15円だからといって物欲は刺激されない。


では、高い『資生堂パーラー』の高いカレー2,940円が138円だったら? 大変だ! ザギンの高級な店がビンボー人で埋め尽くされてしまう!


ということは、この価格は事件である! 暴動がおきても不思議じゃない。このパニックを未然に防ぐには、もうオレが今ここでCONTAX TVSを買うしかないのだ。この間約2分。


結局購入したのだが、とはいえこのカメラが必要かといえば決して必要なものではない。必要ないものを買うことそれ即ち無駄遣いなのである。ああ、無駄遣いすると気持ちがいいなあ!


で、早速撮ってみることにした。このCONTAX TVSに搭載されているズームレンズ『カールツァイスT*バリオゾナー』は妥協のない設計で有名だが、解放F値が3.5〜6.5と暗い。ここはやはりISO400のポジで、と思って買いに行くと、ない。ないって訳じゃないのだが、気がつくとほとんどのISO400のポジフィルムが生産中止となってしまい、あったのは二種類だけ。しかも高い!


5本で6,000円近い値段である。あと2,000円出せばこのカメラが買えるぞ! いつもISO100ばかり使っていたせいか、400のポジがここまで絶滅に近づいていたとは知らなかった。まさに驚愕したのであった。


とはいえまあ、あるだけマシってやつですね。いくらカメラがあってもフィルムが消滅したら無意味の極みです。で、結局買わずに備蓄していたISO100のポジで撮ってみた。


んでもって、やはり感じたことは「暗いレンズだー」。なのである。つまり、屋外スナップの場合、晴れの日じゃないと(とくに望遠側で)ブレるのだ。このカメラは小さくてどこにでも持って行けるのがウリなので、となるとやはり400を常用とすることが最善策でございましょう。


http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2011/12/08/images/01.jpg

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信号
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ビル
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落ち葉
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2011/12/08/images/06.jpg


こうして見てみると、濃厚で趣のあるシャープな絵が得られる良いレンズと言えましょう。以上、今回も無駄遣い自慢でした。


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/ >


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

上原ゼンジ


PHOTOGRAPHER HALさんの写真展「Flesh Love」(ギャラリー冬青)を観てきた。同シリーズは、今年の5月にニコンサロンで行われたものも観たが、ニコンサロンでは大判プリントだったのに対し、今回はコンパクトなサイズにプリントして展示を行なっている。同じシリーズでも、サイズの大小で与えるイメージ変わってくるのでなかなか面白い。


「Flesh Love」の撮影はカップルを布団の圧縮袋に入れて空気を抜き、食品の真空パックのようにした状態で行われる。ヌードの場合もあるし、派手な衣装に身を包んでいる場合もある。被写体はある時点から息を留めているので、2〜3回シャッターを切ったら、すぐに袋を開けて解放する、というかなり緊張感のある撮影現場になるとのこと。


この写真の面白いところは、撮影前に服装やポーズなどの打ち合わせはするものの、圧縮することよって変なふうに体が歪み、想定外の状況になってしまうということだ。やっぱり絵コンテを書いてそれをなぞるような写真よりも、偶然の面白さが加わった方が、写真は魅力的になる。またストロボ光がビニールで反射する様子がチープでポップで艶かしい。


同シリーズは写真集にもなっているが、iPad版が出来たということで、帰ってから早速ダウンロードしてみた。このiPad版もなかなかいいです。いい理由はiPadの光沢感のある液晶画面に、作品がマッチしているということ。ビニールのテカリ感は紙に再現するよりも、iPadで観るほうがよりリアルな感じになる。


それに紙は光らないけど、iPadは光るということも大きい。今後ディスプレイの輝度がさらに上がったり、広色域化したり、解像度が上がったりすることを考えれば、ディスプレイで鑑賞した方が面白い写真というのも増えてくるんだろうなと思わせられた。また、この撮影のメイキング映像なども含まれているのでおすすめです。


今回はちょうどHALさんにも会って説明していただけたので、より面白く観ることができた。在廊予定は冬青社のサイトにアップされるので、できたらご本人の説明を聞きながら鑑賞することをおすすめします。


PHOTOGRAPHER HAL「Flesh Love」
会期:12月2日(金)〜12月24日(土)日月祝休
会場:ギャラリー冬青(東京都中野区)
http://www.tosei-sha.jp/TOSEI-NEW-HP/html/EXHIBITIONS/j_exhibitions.html


◇Photographer’s File #9(デジカメWatch/HARUKI)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/culture/photographer/20111202_495506.html


被災地域のストリートビューが公開


Googleにより、東日本大震災の被災地域のストリートビューが公開された。これはストリートビュー撮影車を使って被災地域を周り、震災の前と後の様子をパノラマ写真によりアーカイブ化し、公開するという試みだ。


◇未来へのキオク
http://www.miraikioku.com/streetview/


私は被災地を訪れていないので、写真や動画でしか被災地の状況に触れていないわけだが、あらためてGoogle Mapでパソコンを操作しながら現地の状況に接してみると、あまりに規模の大きな災害だったことにに驚かされる。


初めにストリートビューで現地のパノラマ写真にアクセスした時は、一見普通の風景にも見えた。しかし、元々家やビルがあった場所に何もなくなり、瓦礫ばかりが積み重ねられている状況に気づくと愕然とさせられた。


そしてその光景が360°つながっているのだから、平面の写真とはまるで臨場感が違う。またすでに道路は開通して車も写っていたりするので日常感もあるのだが、それがかえって恐ろしさを増幅させる。


通常報道写真というのは、撮影者が意図を持って四角いフレームに収めるわけだが、撮影者が自分のイメージに合わせて切り取った非日常的な光景よりも、ストリートビュー車によりオートマティックに撮影されたパノラマ写真の方が、よりリアルに感じさせられる。


震災直後には、海外からたくさんのカメラマンが訪れて震災地の写真を撮っていった。そして、それらの写真が掲載された海外のWEBサイトでは、日本のメディアではあまり見かけないような報道写真が見られた。たぶんあの時期の日本には、世界中の著名報道カメラマン達が集結していたのだろう。


それらの写真を見て、クオリティーの高さにびっくりするとともに、何か違和感を覚えていた。報道カメラマンとしては当たり前のことだと思うが、その場の光を生かし、構図がバッチリ決まった写真はどこかウソ臭く、逆にリアリティーが損なわれているように見えたのだ。


もちろん360°のパノラマ写真によって一瞬を切り取るスチル写真が駆逐されるとは思わないが、閲覧する側が能動的に見たい場所を選び、拡大できる機能というのは非常に魅力的だ。また、とりあえずムービーやパノラマで撮影しておき、後から瞬間や部分を切り取るという手法は一般的になっていくんだろうなと思わせられたのだった。


尾仲浩二「海町」展


尾仲浩二さんの写真展「海町」がギャラリー街道で開催される。これは尾仲さんが20年前から撮影してきた三陸地方の写真をセレクトした展示。キャビネサイズの写真をは一点10,000円で販売し、売り上げの50%を今回の震災で親をなくした子供たちへの一時金、奨学金「あしなが東日本大地震・津波遺児募金」へ寄付されるとのこと。


会期:12月17日(土)/18(日)・23(金)/24(土)/25日(日)
会場:ギャラリー街道(東京都杉並区)
http://www.kaido-onaka.com/これからの展示-upcoming/尾仲浩二-海町/


「第15回写真家達によるチャリティー写真展」への参加


私もチャリティー写真展に参加させていただく。こちらは225名の写真家のオリジナル作品を展示、即売するもの。やはり一点一万円で販売されるが、その場で持ち帰りとなるので、興味のある方は早めのご来場をお勧めします。
http://www.stbears.com/pvj/


「第15回写真家達によるチャリティー写真展」
12月16日(金)〜18日(日)10:00〜19:00
富士フイルムフォトサロン・東京(東京都港区)
http://www.fujifilm.co.jp/photosalon/tokyo/s12/111216012.html


「写真家達によるチャリティー写真展15 Part.2」
会期延長で、12月21日(水)〜25日(日)10:00〜19:00
フレームマン・ギンザ・ショールーム(東京都中央区)
http://www.frameman.co.jp/ginzasalon.html


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