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写真を楽しむ生活

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おかだよういち


前回は、簡単に画像の加工ができるWebアプリ「Pixlr Express」について書きました。今回は同じシリーズで更に複雑な画像編集ができる「Pixlr Editor」をご紹介しましょう。


「Pixlr Editor」のサイトはこちら
http://pixlr.com/editor/


アクセスすると、まず「新しい画像を作成」するか、どこかから画像を開くかの選択肢が現れます。真っ白なキャンバスに絵を描くなら一番上の「新しい画像を作成」を、写真を加工するなら、該当の写真を選択します。
http://flic.kr/p/bAKsa6


ここでは、ためしにMacの中に保存してある写真を選択してみました。
http://flic.kr/p/bAKshz


どうでしょうか? これchrome(ブラウザ)のキャプチャ画像ですよ。まるで普段デスクトップで使っているアプリみたいですよね。Photoshopで見慣れた感じのツールが左側に並んでいます。そして、右側にはレイヤーパレットまであります。


レイヤーパレットがあると言うことは、かなり複雑なこともできそうな予感がします。ではツールを上から見てみましょう。


切り抜きツール/移動ツール
一列選択ツール/投げ輪ツール
選択ツール
ペンシルツール/ブラシツール
消しゴムツール/ペイントバケツツール
グラデーションツール/クローンスタンプツール
色置き換えツール/描画ツール
ぼかしツール/シャープ化ツール
指先ツール/スポンジツール
覆い焼きツール/焼きこみツール
赤目低減ツール/スポット修復ツール
膨張ツール/つまみツール
カラーピッカーツール/タイプツール
ハンドツール/拡大ツール


Photoshopを使ったことがある人なら、アイコンを見ただけですぐに何をするツールなのか理解できると思います。


上部にあるメニューの中も見てみましょう。


ファイル
http://flic.kr/p/bAKsoi


編集
http://flic.kr/p/bAKsuK


画像
http://flic.kr/p/bnQBbu


レイヤー
http://flic.kr/p/bAKsFV


調整
http://flic.kr/p/bnQBkj


フィルター
http://flic.kr/p/bnQBq3


ビュー
http://flic.kr/p/bnQBwu


言語
http://flic.kr/p/bnQBCw


では、試しにちょっと触ってみましょう。中央あたりにある紫色のブルーベリー味のチョコを、投げ縄ツールで選択範囲を作りました。
http://flic.kr/p/bAKt6k


選択範囲ができたら、メニューの編集→コピー→貼り付けとすると、新しいレイヤーができてそこにペーストされます。


レイヤーパレット下部にある3つ目のアイコン「レイヤースタイル」をクリックすると設定ウィンドウが開くので、ドロップシャドウにチェックを入れて、程良く影が付くように調整しました。
http://flic.kr/p/bnQBLb


さらに、メニューから編集→自由変形…を選ぶとボックスが表示されますので、少し回転させてみました。
http://flic.kr/p/bAKtjP


周囲に合わせて若干ぼかしをかけて馴染ませておきましょう。メニューのフィルター→ガウシアンぼかし…を選択し、表示されたウィンドウで数値を設定します。
http://flic.kr/p/bnQC1L


作業が終わったら、メニューのファイル→保存…を選ぶと、保存先を選択するウィンドウが現れます。自分のPCに保存するのはもちろん、FacebookやFlickrやPicasaなど、ネット上の自分のアルバムにそのまま保存することも可能です。


また、画像のフォーマットについても、JPEGの他、PNGやTIFFも選べますし、レイヤーの情報なども含めたアプリオリジナルのデータPXDを選択しておけば、再度このアプリで開いて編集を続けることも可能です。


レイヤーマスクを使って、もっと精度の高い合成もできますから、無料で使えるWebアプリなのに、とても複雑な画像編集ができてしまいます。


もちろん、Photoshopの方がもっと機能も豊富ですし、凄いことができるに違いないのですが、ブラウザでここまでできてしまうのですから、作業内容に合わせて気軽に使ってみると面白いかもしれませんよ。


【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
<http://s-style-arts.com/ > okada@s-style-arts.com
<twitter:http://twitter.com/okada41>


3月24日(土)に、CSS Nite LP, Disk 22「Webデザインで使うPhotoshop」に出演します。参加される方、よろしくお願いします!
http://lp22.cssnite.jp/

おかだよういち


しばらくNEX-5Nの話題が続きましたが、ユーザー以外の人はあまり面白くないと思いますので、レビューの続きはまた追々ということで、今回は多くのみなさんが楽しめそうなWebアプリをご紹介します。


iPhoneやAndroid端末で気軽に写真を撮って、その場で加工して、FacebookやTwitterなどを使って、その場でネットにアップして仲間と共有。なんてことがもう日々あたりまえになっていると思います。


iPhoneで人気の「Instagram」は、正方形のスクエアフォーマットの写真を、ちょっとレトロな味付けで加工して、共有したり、ここからFacebookやTwitterやFlickrに同時に共有する写真共有アプリです。
http://itunes.apple.com/jp/app/instagram/id389801252?mt=8


※Android版も開発中というニュースも出ています。
http://japan.cnet.com/news/service/35011578/


また、Instagramの画像エフェクトとフレームだけでは物足りない人には、「Instaplus」も大人気です。
http://itunes.apple.com/jp/app/instaplus-mouchotto-liangikamerawoinstagramni/id448121202?mt=8


これらiPhoneで簡単に加工してすぐにネットで共有が普通になると、MacやWindowsなどのデスクトップでちょっと写真を加工してFacebookにアップしようと思った時に、いちいちPhotoshopを起動して加工するのもめんどうだし、だからと言って、iPhoneで開いて加工して、というのもちょっと違う気がします(iCloudのフォトストリームを使っていれば、写真をMac→iPhoneもあまり気にならないかもしれませんが)。


そこで、こんなWebアプリはどうでしょう?
「Pixlr Express」
http://pixlr.com/express/


ブラウザ上でとっても簡単に写真を加工できます。加工といっても、合成や切り抜きなど複雑なものではなく、トリミングや角度調整、色調整など基本的なことです。ネットで共有する前処理くらいの加工はこれで充分だと思います。


さらに先程のiPhoneアプリのような、さまざまなエフェクトやフレームがたくさん用意されていますので、デスクトップでInstagram風に加工して、Facebookにアップロードなんてことは簡単にできてしまいますよ。


まず、Pixlr Expressにアクセス。
http://flic.kr/p/bwKnhg


中央にアイコンが並ぶ画面が表示されます。左から、PC内の画像を選ぶ、ネット上にある画像のURLを入力して選ぶ、Webカメラで撮影した画像を使う、の3択から加工する画像を選びます。ここではPC内の画像を選びました。アップロードされると画像とシンプルなメニューが表示されます。
http://flic.kr/p/bwKnB6


フィギュアが少し傾いているのでRotateを選んでまっすぐにしてみましょう。
http://flic.kr/p/bwKnUi


Rotateをクリックすると、下部中央に調整レバーが表示されるので、マウスで左右に動かして調整します。グリッドが表示されるのでわかりやすいですね。調整できたら右側のApplyをクリックして確定します。
http://flic.kr/p/bwKo3k


次にInstagram風にスクエアにトリミングしてみましょう。一番右のCropをクリック。
http://flic.kr/p/bwKodT


下部中央に出たパネルから、1:1を選ぶと正方形のグリッドが表示されます。マウスで好きな位置に調整してApplyをクリック。
http://flic.kr/p/bwKom4


Colorを選択して、ちょっと鮮やかな色味にしてみましょう。
http://flic.kr/p/bwKowK


彩度のレバーを動かして設定します。
http://flic.kr/p/bwKoEk


その他の項目も見てみましょう。Effectをクリックすると…
http://flic.kr/p/bwKpbz


何種類かのエフェクトが選択できます。その中からひとつ選んでクリックすると、更に詳細のエフェクトが表示され、適応量も調整できます。
http://flic.kr/p/bwKpnF


ひとつレトロっぽいのを選んでみました。
http://flic.kr/p/bwKpyF
あまり好みではなければ、右側のCancelをクリックすれば直前の画像に戻ります。


Overlayはどんなのか見てみましょう。
http://flic.kr/p/bwKpGe


何やらいっぱい選択肢が出てきました。幾何学模様などを重ねて面白い絵を作ることもできそうです。
http://flic.kr/p/bwKpQn


星がいっぱいの画像を重ねてみました。
http://flic.kr/p/bwKpYr


いまいちなので、Cancelして背景で光がキラキラしているものを選びました。
http://flic.kr/p/bwKqqi


次は一番左のText。
http://flic.kr/p/bwKqxp


何種類か表示される中からフォントを選択。
http://flic.kr/p/bwKqDP


文字を打つとボックス内に表示されます。マウスでボックスを移動させたり、拡大縮小、角度調整などできるので適当なところに配置します。
http://flic.kr/p/bwKqLt


最後にBorder。フレームと同じですね。
http://flic.kr/p/bwKr54


DefaultからSmokeを選びました。
http://flic.kr/p/bwKrcB


これで確定であれば右上のSaveをクリック。
http://flic.kr/p/bwKrse


すると画像を保存する画面になりますので、適当な名前を付けて、再度SaveをクリックしてPC内に保存します。
http://flic.kr/p/bwKrC6


こんなことが、ブラウザでサクサクできるなんて凄い時代ですよね。PCに取り込んであるデジカメの画像を、ちょこっとiPhoneアプリ風に加工して楽しむには、こんなWebアプリを使ってみるのはどうでしょうか。


【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
http://s-style-arts.com/ okada@s-style-arts.com
<twitter:http://twitter.com/okada41>


先週末は岡山と大阪でa-blog cmsの勉強会を開催しました。今週末は高松のCSS Niteに参加してきます。うどんをいっぱい食べてきます!

齋藤 浩


こんにちは。わが逃走です。今日も前回にひきつづき、尾道について語ります。今回は私の個人的美意識、主観、えこひいきにて選出した美階段の話に特化しました。


とにかくここ“坂の町”尾道には、葉脈のように広がる路地とともに、無数の階段が存在しています。車が入ることを前提としていない道が多く、人がすれ違うときにはどちらかが端に寄って道をゆずらなければならないほどせまい路地もこの町の魅力です。つまり、人間サイズに設計されている町なのです。


そんな町の、人のために人の手によって作られた階段たちはどれも美しく、作り手の魂を感じられる魅力的なものがたくさんあります。機能美と彫刻的な存在感の両立とでも言ったらいいのか…。一段ずつ高さも幅も違ったり、どことなく傾いていたりするけれど個性的だったり、ありえないくらい急だったりなどなど。


それでは…クラスの女の子全員が魅力的で、誰にちょっかい出すか本気で悩む童貞少年のような心境でチョイスした超個人的趣味全開、魅惑の階段ワールドへご案内いたします!!


1◎夕陽のあたる階段
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig01.jpg


この階段には感動した。まさに芸術的造形。まず道路から3段上ったところで二手に別れる。右の階段は民家へと続き、左はほとんど直進のように見せかけて、イレギュラーな動きをするのだ。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig02.jpg


3段目で向きが90度回転するようにも見えるし、一部分のみ見れば、道路からのリズムのまま急激に幅が狭まって5段目まで続いているようにも見える。とにかく4段目・5段目に相当するであろう部分で、段の幅も奥行きも高さもバラバラになりそれ以降はせまい幅のまま高台へと続いてゆく。


頂上から階段全体を見下ろす。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig03.jpg


件の部分を見下ろす。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig04.jpg


件の部分を見上げる。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig05.jpg


信仰心すら感じさせる造形。古代遺跡のようである。


2◎魅惑的な曲線階段ふたつ


あまりにも美しい階段だらけで思わずコーフンしてしまい、位置関係を忘れてしまった。いずれも1の階段のすぐ近所にて発見。斜陽の影響で段の美しさが強調される。しかも西に向かってカーブしているのだからなおさらである。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig06.jpg


手作り感覚あふれる手すりの造形も秀逸。私道だったか公道だったかも記憶にないのだが、このような美しい階段を通って家に帰れるのであれば幸せこの上なしである。


おそらく踏み面の形状、面積がすべて違う階段。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig07.jpg


周囲の植物と手すりの影が階段に落ちる頃は立体感が一層強調され、より美しく感じられる。


3◎三角からはじまる階段


もう、用がなくとも上り下りしてみたくなる、そんな美しい階段である。見てくれ! このキュートな三角の切れ込みを! 今思えば、下から見上げた姿も撮影しておくべきだった。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig08.jpg


とにかくこの構造美に舞い上がってしまい、目に焼き付けるので手一杯、思うようにシャッターが切れない。


4◎瓦屋根の家へと続く階段


借景の逆ですね。美しい階段を風景に貸して、この町をより魅力的に見せている。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig09.jpg


小川が庭を横切っていることと同じくらい、階段を下りて玄関へ通ずるってのは羨ましい。この場合の階段はニュータウンなんかにある既製品的なものでなく、勾配に暮らす必然から生まれた階段をさす。


この階段の魅力を鉄分多めのヒトに語るときは、「工場専用線の面白さと似ているよね」と言おう。


5◎キレのあるS字階段


柔らかい造形の直線階段から、エッジのきいたシャープな曲線階段への流れが絶妙。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig10.jpg


写真はちょうど太陽が雲に入ってしまったときのものだが、夕陽があたったこの階段は、より造形的魅力を強調してくれることだろう。とはいえ手前のやわらか直線階段との対比あってこその美。


6◎扇型階段


扇型階段といえば文京区大塚5丁目が有名だが、ここもかなりスゴイ。海を背に国道を越えたと同時に山陽本線をくぐり、目の前がこの階段となる。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig11.jpg


そのまままっすぐ上れば浄土寺、右に曲がれば海龍寺への路地、左はなぜか行き止まり。その昔はここに住宅でもあったのだろうか。それにしても、見る者に設計者のインテリジェンスを感じさせる見事な造形美である。


さて、光が変わると風景も異なる表情を見せる。この階段は何度も訪れているのだが、いつも日没間近の時間帯になってしまうので、次回訪問の際は朝イチに来てみようかと画策している。


7◎千光寺から西の方へ少し下ったあたりの階段


よい路地である。いわゆる観光コースとはほんの少しずれたところにある美しい階段道だ。尾道水道を眼前に眺めながら、クランク状に進むわずか数10メートルの中に絵になる風景のどれほど多いことか!
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig12.jpg
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8◎宝土寺近くのメジャーな階段


観光地図に沿って歩けば必ず通る、有名な階段。前にも紹介したけど、坂の町において隣家の屋根は足元にある。町の構造が見える楽しい階段。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig14.jpg


9◎カーブの内側の風流な階段


ここも有名な物件。映画『転校生』のオープニングシーンにも登
場している。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig15.jpg


この階段の美しさは当時中1だった私の心を鷲掴みにし、「いつかは尾道に行ってみたい!」と思わせたのであった。階段自体の美しさは当時のままではあるが、上った先に人の住む気配はなかったようだ。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig16.jpg


行政による区画整理の魔手からは逃れているが、少子高齢化が要因と思われる街並の変化がゆるやかに進む。


10◎ほとんど崖と言っても過言ではない階段


手すりがなければ崖と言われても異論なかろう。曲がりくねる路地を通って初めてここに出たときは、「ここホントに道なの?」って感じだった。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig17.jpg


地元のおばあちゃんが元気に上ってきて「こんにちはー」と挨拶してくれたので、ああ、通っていいんだと納得した記憶がある。一応こう見えてエッジのゆるやかな階段なのだが、写真は全光になってしまったので段差がわかりにくい。次回はここもより階段らしく撮影したいと思うのだった。


11◎究極の二重階段


尾道駅近く、周囲は徐々に暗くなってゆく。フィルムもISO100だとそろそろ手ブレが心配かなーという時刻。


ふと商店街の脇を見ると、細い路地から一気に続く階段道が!
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig18.jpg


一気に頂上まで駆け上がる。均整のとれた美しい階段。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig19.jpg


あれ? ちょっと待てよ。なにか重要なものを見落とした気が…。これだ!
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig20.jpg


この階段、中心を境に左右で角度がかわっているのだ。下から見て左側の傾斜がきつくなり住宅の入口へとつながっている。上から見下ろすとこんな感じだ。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig21.jpg


両階段の接点付近には、かつて構造物があったらしく緩やかな側に削られたような跡があり、これが遠くから見るともう一方の階段が落とした影のようにも見える。
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http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/16/images/fig23.jpg


この直後日没となり、この日の階段撮影はここまで。建物の影の影響もあり、絞りは解放付近での撮影となった。そんな訳で、多少のブレやボケはお許しください。こんど行くときは、午前中の光で撮ってみたいところ。


という訳で、美しい階段をご紹介しました。尾道には名もない美階段が無数に存在しており、それらを学術的に整理し、まとめるのは至難の業でありましょう。なので私はやりません。


しかし、学術的には無理でも、感覚的にならできそうな気がしています。このすばらしい構造美を理解してくださる人達(と自分)のためにこれからも尾道の階段の写真は撮り続けようと思っています。


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/ >


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poographics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

齋藤 浩


もう何度も来ているけど、何度来ても良い。私の思う美が凝縮された町である。その美とは、対比の美だ。


海と山、光と影、生と死、さまざまな相対する関係のモノゴトが絶妙なコントラストで共存する。


狭い路地と坂の町は歩くたびに新しい発見があり、歩くだけで新しい気持ちになれるのだ。


昨年はあんなに暇だったのに、今年は異常な忙しさである。正月も結局3日から仕事を始めたわけだが、ほんの少しだけ、エアポケットのように時間ができた。この時間を使わずしてどうする?


ということで、エイヤっと尾道まで行ってきました。前回からおよそ一年ぶりになる。せめて年に三回くらいは行きたい。できれば毎月通いたい。


私にとって尾道とは“きっかけの町”とでも言ったらいいのかなあ、気づかなかった美しさを発見できるのはもちろん、ここに来ると新しいアイデアが溢れてきて、作りたいものがどんどん出てくるのだ。それすなわち充実感の源ともいえる。なんつーかこう、漲ってくるのである。


今回は一泊二日の旅だったけど、その間中ずっと歩いていた。尾道で歩くということは、急な階段や坂道をひたすら上ったり下りたりする、という意味に等しい。


運動不足の私にしてみればけっこうキツいはずなのだが、一歩進むたび劇的に変わってゆく風景の中に身を置ける喜びの方がはるかに大きいので、疲れはまったく感じなかった。


ここ数年の「尾道へ行く」は、私にとって「たのしく写真を撮る」と同義語でもある。訪れる度、自分に対して何らかのテーマを課すのだが、今回の撮影テーマは「ライカ×モノクロ!」。


とにかくライカで尾道を撮るのは夢だったし、久々にモノクロ脳(=風景を色彩ではなく陰影で見る)でこの地を見てみたかったというのもある。そして後から色を想像することで、より印象に残る絵が得られるのではないか? なんて思うのだった。


そもそも、仕上がりをイメージせずにカメラ任せで撮影した後、カラー写真をモノクロ変換するのと、はじめからモノクロ脳でシャッターを切るのとでは潔さが違う。それが絵に表れるのは当然といえば当然といえよう。


今回の機材はライカM3とレンズ三本(ズマリット50mmF1.5、ズマロン35mmF3.5、エルマリート90mmF2.8)。いずれも1950年代の製品である。使用フィルムはネオパン100ACROSとトライX。フィルム現像はラボに依頼し、ネガをカラーモードでスキャンした後、SILKYPIXでデジタル現像している。


尾道水道に沿った海っぺりの商店街から山陽本線を越えると、急激に地面がせり上がってゆく。多くの寺社と住宅が密集するこの山の手地区は被写体の宝庫である。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/02/images/001.jpg


何の変哲もないブロック塀であるが、等間隔にあけられた穴と対になる関係で塩ビ管が。きっと意味のある構造なんだろうけど、どこかミニマルアート。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/02/images/002.jpg


猫。行く先々で出会う。
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絶妙な曲面をつくりだす煉瓦と石積み。学校と学校の間の路地なのだが、独特のフシギ感があった。
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http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/02/images/005.jpg


尾道のY字路は、狭くそして急だ。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/02/images/006.jpg


坂と坂の間の小さな階段。その場所の必要性から生まれたオブジェクトである。全国的に既製品的街並が増殖する中、このようなオーダーメイドの構造物の美しさに出会える幸せ! まさに詠み人知らずのデザイン。おばあちゃんがゆっくりと上ってゆく姿が印象的だった。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/02/images/007.jpg


路地の向こうに陽を反射させる海。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/02/images/008.jpg


海にも屋根瓦にも線路にも石垣にも、等しく陽はあたる。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/02/images/009.jpg


うねりながら続く路地のまわりには、微妙に歪みつつ西日を反射する屋根瓦、わずかに崩れた土塀、なつかしい牛乳瓶受け、そして振り返ると瀬戸内の海と島々。


何度来ても、知らない道が増えてゆく。この巨大な生き物の体内に迷い込んだような不思議な感覚を、多くの人に知ってもらいたいと思うのでした。(つづく)


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/


1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

おかだよういち


NEX-5Nを手にしてから2週間。そして一昨日欲しかったレンズ、Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAが手に入りました。
http://flic.kr/p/bpCXbg


NEX-5Nに付けてみるとなかなかさまになっててかっこいいです。
http://flic.kr/p/bpm5x8


試しに、とりあえずデスク周りにあるものを、めいっぱい絞りを開けてF1.8で撮ってみました。コンデジや他のミラーレス一眼と比べると、センサーのサイズが大きなAPS-Cで、絞りF1.8で撮るとこんなに被写界深度が浅くなり、フォーカスした位置から少しはずれるともうボケます。


http://flic.kr/p/bpCLTc
http://flic.kr/p/bpCMDt
http://flic.kr/p/bpCNqX


このボケを利用して、空気感を感じる雰囲気ある表現ができそうな気がします。


さて、このNEX-5Nは上部に電源ON/OFFスイッチ、レリーズボタン、ムービー、再生が配置されていて、背面のモニター右側に設定系のボタンとダイヤルがならんでいます。
http://dc.watch.impress.co.jp/img/dcw/docs/478/666/html/003.jpg.html


背面にあるボタンは3つとダイヤルのみ。ダイヤルは回転と上下左右に機能が割り振られています。数多い機能の中からよく使うものを厳選して、このシンプルな操作ボタンに配置するのが使いこなすキモだと思うのですが、これがなかなか選択肢が多く、難しくもあり楽しくもあります。


あまり使わない機能とよく使うものを見極めて、自分が一番使いやすい状態を探っていくのは、実際にいくつも試行錯誤しないと一発で納得することはないので、未だベストな状態には至っておらず模索中です。


カメラに詳しくない人にも簡単に使えるように、各設定項目は分りやすい表現になっています。例えば、絞りの設定では、「くっきり─ぼかす」になっています。


絞りや被写界深度のことがわかっていれば、F11とF2.8を比べるとF2.8の方がより背景がボケるということは常識として頭に入っていますが、写真を始めたばかりの人にとっては、数字で設定するよりも「くっきり」の方が分りやすいはずです。


同様に、露出補正は「明るく─暗く」ですし、ホワイトバランスの色温度の設定は「暖かく─クール」という表現になっていて、初心者にも安心して使えるような配慮がされています。ミラーレス一眼らしい部分ですね。
http://www.sony.jp/ichigan/products/NEX-5ND/feature_3.html


さらに、初心者用の機能として「撮影アドバイス」というものもあって、シーンに合わせて基礎から応用まで様々な撮影のTipsを表示できるので、撮影しながらスキルアップできます。


また、操作がわからなくなった時は、「ヘルプガイド表示」で何をする機能なのかを表示してくれるので、慣れていなくても迷わず操作できます。


むずかしいことを考えなくても、カメラにすべてまかせてシャッターを押すだけでベストな設定で撮ってくれる「iAUTO」というモードもあるので、設定がわからない人でも、コンデジみたいな使い方できれいな写真を撮ることができます。


カメラが、夜景・夜景&人物・逆光・逆光&人物・人物・風景・マクロ・スポットライト・低照度・赤ちゃんを自動で認識します。「人物」とは別に「赤ちゃん」というのが面白いですね。


似たような初心者に優しい機能や、分りやすい表現はおそらく他のミラーレス一眼にも採用されていると思います。女性やご年配の方を含め、多くの人にミラーレス一眼がウケるわけです。


初心者でも、カメラに詳しいユーザーでも、双方にとって優しく楽しく使えるカメラだということが、2週間使ってみてわかって来ました。まだまだ完璧に使いこなしているという域にまで達していませんし、すべての機能やエフェクトも使っていませんので、また色々使ってみながら随時レビューしたいと思います。


【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.com/ > < mailto:okada@s-style-arts.com >
<twitter:http://twitter.com/okada41 >


先日、名古屋市科学館の人気のプラネタリウムを見てきました。久しぶりのプラネタリウムがあまりに楽しかったので、明石のプラネタリウムにもまた通ってみようと思います。

YouTubeで見つけました!

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