●名画(映画)を見る旅の途中である。昨夜は「サンセット大通り」を見た。タイトルだけしか知らない、1950年アメリカ制作のモノクロ映画だ。若い売れない脚本家が、伝説的な大女優との出会いから別れまでを語っていく構成だ。彼の独白や状況説明が多い映画なのはそのせいだ。しかし、語っている彼はプールに浮かんだ死体なのだ。なんという皮肉な設定だと、見終わってから思う。
しかも、うつぶせで水面に浮いた彼の死体の顔を水底から捉えるという、いま見ても新鮮なアングル。彼の背後には、水面を覗き込む警官たちの姿もゆらゆら揺れて見える。「映画史上最も強烈なオープニング」といわれているらしい。じつは当時、そんな撮影ができる技術はなかった。そこで人間が映りこんだ鏡の映像に水中の歪みを加えて、プールの端から撮ったのだとメーキングにある。悲劇のエンディングも強烈過ぎる。
主要な登場人物は、仕事がなく金に困っている若い脚本家、迷い込んだ古い邸宅に住む往年の大スターと忠実な老執事、それから映画会社脚本部の若い女の四人だけだから、さすが映画鑑賞下手のわたしでも容易にストーリーに没入できる。サイレント映画時代の大スターで、今ではすっかり忘れられた存在の女だが、いつかまた映画界から呼ばれると信じている。やがて女は脚本家を恋してしまう。狂気の女と囚われた男、彼らは「スクリーンに登場したキャラクターの中で最も忘れ得ぬ人物」とされている。
こんな老醜をさらすような役を誰が演じたいものか。4人の女優に拒否されたが、サイレント時代の大女優で当時50歳のグロリア・ワトソンが快諾したという。ハマリ役なのは当然だ。鬼気迫る演技である。さらに執事役の男は、サイレント時代の大巨匠だという。監督はビリー・ワイルダー、俳優に一言のアドリブも許さない完全主義者だ。といったことは、後から資料を読んで知った。
メーキングにこうある。「冷酷で堕落したハリウッドの姿。ハリウッドで成功するためなら人間はいかに醜くなれるかを描いている」。映画の世界をよく知らぬわたしでさえ、こりゃ完璧だと思った。どうやら早くも「燦然と映画史上に残る作品」にぶちあたってしまったようだ。(柴田)
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「サンセット大通り」
●続き。片側2車線の玉造筋を全面開放しての4車線走行から、3km越えての片側3車線の千日前通に入る時にスムーズに進めなかった。1車線減ると混雑する。混雑したまま到達した最初の給水所である5km地点は、もらう人、飲む人、ゴミ箱に捨てる人、そこから離脱する人たちでごった返していた。今まで同じ方向に向かって進んでいたのに、補給のためスムーズに流れていなかった。
最初の旗に向かうと、テーブルの上には何もない。ボランティアの人たちが、先に行けばありますから、と大声を出している。初参加のため勝手が分からず、品切れになることがあるのではと焦ってくる。3つぐらい先の旗に行くと、まだ残っていた。
紙コップに入ったアミノバリュー4000がタワーになっている。ボランティアの人たちが、500mlのペットボトルから紙コップに200mlぐらい入れてたり、手を出す人に直接渡したり。神様のよう。ああ美味しい。もっと先に進むと、水の配布もあった。焦った自分が恥ずかしいよ。続く。(hammer.mule)