●南伸坊「オレって老人?」を読む(みやび出版、2013)。みやび出版の季刊誌「myb」と毎日新聞社「本の時間」の連載を軸に、いくつかの雑誌で書いたもの(テーマを与えられたものが多いという)のなかから「じじくさい」「じじむさい」ような文章をよせ集めたものだ。懐旧談、日本語談義など老人がよくする内容ばかりだ。何10年も前、CM撮影現場取材で筆者に会ったときは、ずいぶん年上に見えたものだったが、意外なことにわたしの一歳下である。いまはともに「法的に老人」である。「前期高齢者」である。
筆者は自称「イラストライター」である。いままで何冊もこの人の本を読んで来たが、「オレって老人?」ほど微妙なエッセイはない。わざと老人ぶっているかのような(いや、既に老人なんだって)、あまり上出来ではない「作文」ばかりだ。いや、わざとやっているな。わざとでなかったら、ただヘタになったということだ。かつて「昭和軽薄体」の一味として人気を博したとき、無類の読書家・亀和田武から「素人ぶったカマトト的な文体であり、『自分は素人』と逃げている」と糾弾されたことがあったけど、このたびは「自分は老人」と逃げているのか。
これは違うぞ、南伸坊ではない、ただの平凡な老人の作文だ、といささか舐めて読んでいたのだが、それでも時々なるほどねえと思うところもあって。彼は医者から肺ガンの嫌疑をかけられ、なんだ、もう死ぬのかと思い続けた半年間が、後から考えると「人生の最高の瞬間の宝庫」だったらしい(半年後にガンは消えていた)。桜の花や若葉を見ると「なんと、キレイなことだなあ!」と思う気分などは、体験として悪くなかったという。わたしも最近、にわか雨のあと、日の射した庭や生け垣を見ると「なんと、キレイなことだなあ!」と思うんだけど、死に至る病を宣告されるともっとキレイに見えるのかな。
「オレって老人?」って問いかけみたいな言い方、かなり気に入った。ときどきヘマをやらかし妻から非難されたときなど「オレって老人?」と、とぼけてみせる。昨日は二件の用事があって外出したのに、両方とも肝心のブツを忘れていてとりに戻ること二回。「オレって老人」と断言する。
レンタルショップで二本の「名画」DVDを旧作棚で発見し、喜んでカウンターにもって行ったら「今日はシニアサービスデーなので、一本は無料ですよ」と、年齢確認もせずに宣言する娘っ子。思わず「かたじけない」と言ってしまったオレって老人。いいセリフを返せたと、後で自分を褒める。(柴田)
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南伸坊「オレって老人?」
●ネット通販で。非純正品(ジャンク品)を売っているお店があった。会社概要を見ると、住所や電話番号、メールアドレスあり。
住所に関してはGoogle Mapsのストリートビューで確認。存在しない住所ではない。民家とその横に倉庫のようなものが見える。次にメールアドレス。ドメイン部分をブラウザにコピペしてエンター。サイトはないが管理は日本のドメイン会社で、取得は2012年とわかる。
ドメインで検索したら、ヤフオクのプロフィール欄がヒット。住所類も掲載。2011年に6つの「非常に悪い」評価。靴の販売のもので、出品者都合でのキャンセルや粗悪品販売とのこと。2009年から出品、良い評価は32。
そして責任者名で検索。Facebookがヒット。検索結果に並んだ5人の名前は、全部中国人。変わった名前ではあるが、日本人っぽい名前なのに、どうして中国人の名前が列記されているのだろう。この人と繋がっているのが中国人ってこと? でも本人の名前は結果に上がって来なかったんだけど。まぁ大丈夫そうだなぁと判断し注文したよ。詐欺られたら後記ネタにしようっと♪(hammer.mule)
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えいぽんたんの紹介動画があったわ