●暑くてたまらんから、「ジャックと天空の巨人」DVDを見た。おとぎ話の「ジャックと豆の木」の映像化かと思ったら全然違った。もっとも「豆の木」に出てくるのは巨人ではなくて鬼だったし、ジャックときたら鬼の宝物を盗み、豆の木を切り倒し、追って来た鬼を殺しちゃう不道徳このうえない話だったのを思い出した。この映画はわたしの知らない「巨人殺しのジャック」という別のおとぎ話をミックスさせたもので、天空に住むのは残忍な人食い巨人になっている。しかも彼らはかつて地上にやってきて人間を食らっていたようだ。
ジャック(狩野英孝に似てるw)ら地上チームが巨大樹を登り、着いたところが双頭のボスに率いられた巨人の国で、汚くて醜悪な連中が群れをなしているが、なぜか♂だけ。どうやって繁殖してきたんだろう。それはともかく、巨人対人間、人間対人間のスリリングな闘いがあり、ジャックと姫、騎士団長は巨大樹を伝って地上に向かうが、地上では巨大樹を切り倒しはじめた。どうなる3人! もちろん無事に(トリッキーに)地上に下り立つのだが、思いもかけぬ展開で巨人軍も天空から下りて来るではないか。
ここからあとの巨人100対城の兵隊300の壮絶な攻防は見ものだ。巨人の動きは自然でダイナミック。みごとな映像だ。嗚呼、圧倒的に人間が不利! 主役ペアも巨人ボスにつかまって絶体絶命! どうなるんだ! しかし、ここで起死回生の……。いやー、うまいもんです。始まってしばらくはイマイチだったが、巨人が現れてからはテンポもよく、ハラハラドキドキ怒濤の展開。面白かったなあ。見応えあったなあ。主役2人がもっと素敵だったらなあ。
この大作に便乗した、アルバトロス版「ジャック・ザ・ジャイアント・キラー 空飛ぶ城と天空の王国」DVDも見た。これはもうひどい出来で。豆の木を上ったジャックの見たものは、悪の女王シリーナが巨大怪獣を魔法で操り支配している「雲の王国」だったっての。王国なのに国民は一人もいないぞ。ハウルの動く城も出て来るw。空から降って来たのは恐竜の大1小3だったかな。それが1ダースに満たない軍人たちと戦うのだが、もう見ていられないほどお粗末で。果ては主人公がポンコツのロボットを操縦し……。間違ってレンタルした人は怒り狂うだろう。わたしは確信犯だからなんとかもちこたえた。(柴田)
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「ジャックと天空の巨人」
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「ジャック・ザ・ジャイアント・キラー 空飛ぶ城と天空の王国」
●続き。クオリティ、ああクオリティ。頭の中で声が回る。「ああ、絶対才能ないわ」「どこかで見た感じ」「誰々さんっぽい」「受けそうなのに逃げればいいんじゃないの?」「流行を取り入れればそれなりに見えるよ、しようよ」「悩んでも結局同じようなのしか作れないくせに」「案を100も200も考えてどうする」「シンプルにしたら手抜きに見えるのは下手ってことよね」「この仕事向いてないわ」「そもそも、なぜこの仕事をやろうと思ったの?」「これ終わったら転職しよう、うん、そうしよう」エトセトラ、エトセトラ。
仕事はツラくて、難しくて、めんどくさい。簡単なものなんて来ない。楽勝なんていうのは来ない。来ても記憶から消えている。出来上がると、とても嬉しい。でもそれまではしんどい。うんうん唸り、たくさん調べ、要望に沿ったものに、いや要望以上のものにしたくて悩む。結果が出なくて悩む。向いてないとか、バカだとか、下手だとか、なぜもっと勉強しなかったんだとか、現実逃避も始まる。気力がなくなったり、やたら眠くなったり、お腹が痛くなったり、掃除したくなったり、大声を出したくなったり、運動したくなったり。……このネタ続く、のか? (hammer.mule)