●歯医者さんに週一回通って、来週火曜日で五回目、それで今回の治療が終わる。一か月以上前に、この歯は中が痛んでいるかもしれないといわれた左上の奥歯を、再びレントゲン撮影してみた。前回は容疑ありながら放免、しかしながら今回は有罪が確定した。歯の内部が化膿しているとかで、最初の回は、削って患部を洗浄し(これがとびきり痛かった)薬を詰めて蓋をした。二回〜四回は神経を抜いたり、削ったりしているらしいが、なにをやっているのかわからない。麻酔も使わないが、とくに苦痛ではなかった。
それらの処置は一回で済ませられないものだったらしい。毎回時間はけっこうかかり、ちょっと不安でもあったが、センセイは「よし」「よし」と言いながらやっているので、うまくいっているだなと安心感がある。怯えていたが無事にすんだ。若い頃、会社のそばの歯科医は「なに? 痛え? おっかしいなあ、痛えわけねえんだけどなあ」と言いながら、ずいぶん痛い目にあわせてくれたものだ。当時、勤務時間中の歯科通いは黙認されていたのだから、なんとも寛大な会社であった。外出するときに書くホワイトボードには、「鹿」の一文字で洒落ていたわたし。
四回目は歯をだいぶ削ったらしい。そして、上と下の歯の型をとる。やわらかい合成樹脂を歯列の上にかぶせて、しばらく口をあけたまま硬化するのを待つ。吐き気がしそうだという不安があって、前からこのプロセスが大嫌いだった。そのことは助手さんも知っていて(変なところで有名人)型を入れたときは体勢を立ててくれて、励ましてもくれる。でも、かつてより硬化時間が早くなったみたいで、思ったより早く済んでホッとした。家で妻に報告したら、いい歳してそんなことを怖がるなんてバカじゃんと、心底あきれ顔だった。いやなものはいやなの。
次回、金属をかぶせて今回の工事は完了だ。もう痛いことはない。でも、きっと何か月後に歯石をとりに来なさいと言われるだろうな。いやだなあ。ところで、洗口液「リステリン・ナチュラルケア」を導入した。かつてリステリンなんとかというのを求めたが、口に含んだときのあまりの刺激(石油を口に入れたみたいな)に恐れをなし、一度試しただけで捨ててしまった。でも今回は、ノンアルコールの低刺激タイプで、天然由来の緑茶成分配合だという。口に含んで30秒のすすぎも苦にならない。あと味は悪いがすぐに慣れた。タイ製のこの液体、本当に効果あるのかな。(柴田)
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薬用リステリン ナチュラルケア
●続き。「聞いてますよ」と駅員さんは言って、引き出しを開けて何やら探し出した。訳のわからない私と友人。
「大阪駅から連絡がありまして」と、朝に渡した昼間割引きっぷを私に返しながら、その駅員さんは「今度から気をつけてくださいね」とぶっきらぼうに言った。呆然としながら、とりあえずホームに向かう。その切符には、ある部分に黄色いマーカーが引かれていた。
先に事情を飲み込んだ友人が口を切った。「ちゃんと連絡があるものなんだ」「(残りの切符を取り出して、マーカーと同じ番号を確認し)同じセットという証明まで出来ているんだ」「もし現金で払っていたらどうなったんだろう、彼女自身はもういないんだし」「顔を知っている彼女はいないのに自己申告でいいの?」「もし勇気を出して(しつこいと思われるのを覚悟で)尋ねなかったら、あの切符はどうなったの? 返せないよね」
昼間特割きっぷのセットナンバーによって、私が嘘を言っていないことを証明できた。昼間特割きっぷの利益は、時短節約だけじゃなかった。落としたのが最後の一枚でなかったのも良かった。しかし世知辛い世の中になったものよのぅ。四角四面になっちゃった。のほほんした時代は終わったのね。切符を落とした私が悪いんだけどさ。大阪駅の駅員さんに余計な連絡をさせて申し訳なかったわ。(hammer.mule)