●2011年第9回開高健ノンフィクション賞を受賞した水谷竹秀「日本を捨てた男たち フィリピンに生きる『困窮邦人』」を読む(2011、集英社)。分別盛りのはずの中年男がフィリピンパブにはまり、帰国する女性を追って渡航し、所持金のあるうちは歓待されるが、金の切れ目が縁の切れ目で、見捨てられて路上生活者に堕ちる、といった自業自得なサンプルを現地取材したものであろうとの予測はだいたい当たっていた。
海外で経済的に困窮状態に陥っている在留邦人を「困窮邦人」と呼ぶ。世界で最も困窮邦人が多いのがフィリピンで、いまや社会現象化している。この国で新聞記者を務める筆者は、この異様な現象に興味を持ち「異国の地でこんな惨めな状態になって、一体どんな思いで日々を生きているのか」について、長期間多くの困窮邦人に丹念に話を聞いた。それは、「本当に自分から選んでそうなったのか。彼らの人生にその道を選ばざるを得ない現実はなかったのか」という疑問を解くための取材であった。しかし、取材を進めるにつれ「だからあなたたちは困窮するんだ」と嘲笑う自分と、社会問題として追求する自分との間で葛藤が始まった。日本で彼の親や知人を訪ねて、彼らの人生や暮らしを追って行くと、「(困窮は)自己責任ではない」という仮説はあらかた崩れ去ったという。
この本では、辛抱強く取材を重ねた5人の困窮邦人について書かれている。自己責任論も含めて本人たちと向き合おうとすればするほど、まるで迷路にでも迷い込んだような感覚に陥ったと筆者は述懐しているが、困窮者は自分に都合のいいことしか言わないようである。実態はよくわかったが、彼らにまったく同情できないわたしである。だから、「彼らは捨てられたのではなく、実は日本が捨てられたのではないだろうか」という逆説的な結論は、文学的でかっこいいのだが、それはどうかなと思う。(柴田)
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●「幼児が数分で解けるのに大人が解けない算数(?)の問題が話題に」を見た。2分かかった。今の幼稚園児は算数できる子もいるので、そっち方面から攻めてしまった。私の場合、同じ結果になるものを比較し、ルールを導き出しての回答だったので、大人ならではの解決方法だよね。
「ハリポタ電子書籍化の衝撃 出版業界の常識覆す3つの理由」。売れるコンテンツを持っているのは強いな。これをDRMなしで売るところがすごい。図書館で無料配信させるのもすごい。長くなるので経緯ははしょるが、ベーシックインカム制度を全世界で導入できたらいいのにな。無料でコンテンツを配信させる人たちが食べていける世界。知の還流。 (hammer.mule)
http://matome.naver.jp/odai/2133393856936222101
幼児が数分で解けるのに大人が解けない算数(?)の問題が話題に
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120408/bsj1204081730000-n1.htm
ハリポタ電子書籍化の衝撃 出版業界の常識覆す3つの理由
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まにフェスは今週土曜日!