●五木寛之「親鸞 激動編」上下を読む(講談社、2012)。親鸞といえば浄土宗開祖・法然の弟子で「教行信証」を著した浄土真宗の開祖、というくらいしか知識がない。また、著者の最近は「人生論の人」という感覚でとらえていた。だから、正直あまり期待してはいなかった。こむずかしい宗教と人生の話はごめんである。本書では親鸞が35歳で越後に流され、42歳で常陸に移り住み、61歳で都へ戻るまでを描いているのだが、意外にも冒険活劇小説であった。
このエンターテインメントはとても読みやすく、一日一冊で読了した。主人公は「この親鸞の体のふかいところには、なにか自分ではおさえきれない放埒の血がうずいているらしい。それが無茶なこととわかっていても、そうせずにはいられないのだよ」と自らを語る通り、おそるべき修験の法力の持ち主・外道院と関わり、守護代屋敷に殴り込み、十悪五逆の限りを尽くす仮面の法師・黒面法師と対決したりする。ハイライトは、念仏に法力はない、天候気象を左右するような力はないと断定しつつも、雨乞いの祈祷師の役を引き受け実行するエピソードだ。雨は降るのか?
一方では(本当はこっちが本筋だろう)、法然の念仏の教えをその地に根づかせ、広めてみせようと努力するが空回り気味である。親鸞は人々の目に見えるご利益だけの求めにどう対応すべきか迷い悩む。そして、なにごとも明快に語ることができない。主役がこれでいいのかと思ってしまうくらい説得力がないのだが、親鸞の語りは微かに心に響いてくる何かはある。念仏とはなにか、往生とはなにか、浄土とはなにか、亡き法然上人の言葉でなく、親鸞の言葉で語らなければならない。研鑽の末、後に「悪人正機」といわれる思想の糸口を掴んだところで終わる。冒険活劇パートはほとんどファンタジーかというくらいノリがいいが、思索パートは用心深く描かれていて味わい深い。続編を期待する。あれ、今日の新聞で今度は「新・幸福論」だって。もう満腹。(柴田)
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●OminiFocusを試してみたいと思いつつ、高額なので先送り中。ざーっと紙に書いて消す方法をよくやる。頭の中を整理するために。Toodledoへの入力すらしんどいぐらいの負荷の時とか、買い物リストとか。フォルダ(カテゴリ)やコンテキストを選ぶのすら面倒になるが、紙なら書く場所で区別できる。買い物リストはiPhoneで撮影して、スーパーで画像を見ながらカゴに入れていく。消し込みが必要なら画像の上に手書きメモのできるアプリで線を引けばいい。
最近再開したのはPomodoro。以前は25分が短すぎると思ったのでやめた。いまは集中力が続かず、25分がせいぜいな気がしてきたから。たとえばアプリ立ち上げに時間がかかると、時間の有効活用をとメールやニュースのチェックをしてしまう。ついでに別のことをして余分な時間を使ったり。戻る時には再度集中力が途切れた形。うーん、ちょっとでも早い新しいMac買うかな。で、一度試してやめたPomodoroに。使っているアプリは「PomodoroTime Management」。無料のLite版あり。このアプリの何がいいって、チクタク音。ターイムショーックのあの緊張感を味わえる。苦手な仕事をする時のスタートダッシュに強いのだ。休憩時間にはこのチクタク音はさせないようにしていて、鳴ると仕事タイムなのだと思い込ませている。5分休憩が長過ぎて、その間も何かしちゃったり、乗ってきたらそのまま続行しちゃうので、なんちゃってPomodoro。単にチクタク音が欲しいだけかも。(hammer.mule)
http://www.omnigroup.com/products/omnifocus/
OmniFocus
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/0606/27/news003.html
はじめてのGTD
http://stack3.com/old/pomodoro_technique.html
Pomodoro Techniqueの日本語解説サイトがあった
http://itunes.apple.com/jp/app/id323224845?mt=8
Pomodoro Time Management Lite