●写真を楽しむ生活は2012年8月で10年目に突入します。こんなに長く続けられるのも、筆者のみなさん、読者のみなさんのご支援のおかげです。ありがとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
●「プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影」を見に行った。本格的ゴヤ展は40年ぶりだから、もう見る機会はないかもしれない、と興奮気味の妻(西洋絵画ファン)に連れられて。内心正月そうそうめんどうだなと思っていたのだったが、いままで行った展覧会の中で一番よかった。「着衣のマハ」を含む油彩25点、素描40点、版画6点、書簡1点がプラドからの出品、それに国立西洋美術館など国内に保存される版画51点を加えた123点、プラドが海外で開いたゴヤ展でこれほどの規模は初めてだという。狙い通り1月5日の午前中は空いていたので、会場内を自由に歩きまわれた。作品鑑賞はもちろん、学術的で興味深い解説もじっくり楽しめた。優雅な肖像画をみると、写真ではここまで人物の内面を描き出せないと思う。強烈な風刺も面白いが、ダークな幻想世界にも魅かれる(「我が子を食らうサトュルヌス」は出品なし)。会場に入る前に大型ハイビジョンモニタの映像でゴヤの予習ができたのもいい。さて、目玉の「着衣のマハ」だが、ほんの1.5メートルくらい先の壁面に、無造作に出現したのには驚いた。ガラスも柵もない。低い舞台の先に天下の至宝がむきだしの状態で飾られている。両脇に屈強なガードマンが、いない。部屋の隅に監視の女性がいるが、いざというとき、とっさの行動で作品を守ることはできまい。鑑賞にはベストな環境だが、危機管理の面からどうかと思った。もしかしたら複製品か? 文化財未来継承プロジェクト「綴」で評価の高いキヤノンが特別協賛しているからそんな疑惑が…。まさかね。(柴田)
http://www.goya2011.com/outline/index.html
国立西洋美術館 ゴヤ展
http://canon.jp/tsuzuri/
綴 TSUZURI 文化財未来継承プロジェクト
●年末の大掃除のために、テレビ通販で宣伝されていたパッドつきスチーム機を買った。在庫なしとのことで待たされたが、ラッキーなことに年内に届き、試してみることにした。箱を開け、本体を取り出す。重い。組み立てて、水を入れてスイッチオン。蒸気が出てくる。汚れているキッチンの壁に使ってみた。汚れは確かに浮き始めるが、キッチンの油汚れに強いとは言えない。何度かこすってみるが広がるだけのように見える。そして重い。掃除機(形)とアイロンを合体したようなもので、肩の高さ以上の場所でパッドのついた先端部分を動かしていたらとても疲れる。筋トレをしているような錯覚を覚える。安全のためか、蒸気が出るのは本体のスイッチを押している時のみ。つまり利き手は重いパッドを動かし、反対側は重い本体を持ちつつスイッチを押し続けなければならない。長いコードもついてまわるし、アイロンのようなものなので、水も頻繁に補充しなければならない。硬く絞った蒸しタオルで拭くようなものだから、さほど汚れていない壁や扉はさっぱりしたような気はする。バケツにお湯をはって拭いては絞り、冷めたら入れ替えるという手間は不要だが、とにかく重さに閉口。一時間程度でギブアップ。これを使い続けるとは到底思えず、使用後返品可能とのことだったので、返品することにした。日頃からこまめにお掃除しておけば不要なものなんだよな〜と反省したよ。(hammer.mule)